——少女は賢者に決められるのを拒んだ。
プロローグ
「いやよ!なんであんたに決められなければいけないの?!」
赤いリボンが、やや茶の混じった黒髪が揺れる。
普段は閉ざされていることの多い口が、いつもより大きく開かれている。
その表情には怒りの色が滲み、その握りしめた手で、バン、と卓袱台が叩かれた。
卓袱台の上におかれていたもの・・・写真が舞う。
幻想郷にやってきたメモリーカードなどによって色鮮やかに移されたソレは、畳の上に落ちていく。
「しかたがないことでしょう?それは、代々伝わる『ウチ』の博麗の巫女の運命、『しきたり』よ」
女性——八雲紫——は目を閉じ、冷静なまま茶を飲んで・・・そんな巫女に返答する。
ぐっと言葉が詰まった巫女は一旦落ち着いて座り直した。
未だ不服そうなまま。
「・・・とにかく私はいやよ」
「もうスキマをつないでしまったのに?」
ひょい、と手を上げ、また指を動かせば、くぱぁと開くスキマ。
空間に切れ目が出来、それが中央から開いていく。両端はリボンで結ばれている。
そしてその中には・・・大きな目が幾つも幾つもあった。
趣味の悪いものだ。こんな目がいっぱいで、どうして見ていられるのか?
「・・・だけどいやよ。そんな『しきたり』に従いたくないわ」
「『ウチ』の博麗の巫女は代々、とある世界の中で力を持つものと婚約し子を成してきた・・・それを潰える気?」
「潰える潰えないじゃないの。そもそもがどうして・・・」
巫女は唯一卓袱台の上に残っていた写真・・・否、先ほど巫女が卓袱台を叩いた際、命中し舞い上がることはなかった写真を八雲紫に押し付ける。
「こんな、たいしてパッとしない男なわけ?!」
「その子と結婚しなさい。きっと、感覚の鋭い子が産まれるわ」
「結構よ。する気ないわ。しなくても紫が連れてくるでしょう?」
「それは緊急よ。あなたが子を産む前に死んだ時の対処法なのよ。あなたが産まないといけないの」
写真を受け取った八雲紫は渋い顔をして写真をまじまじと見る。
巫女は「ふん」とそっぽを向くと、次の瞬間立ち上がって不機嫌そうに障子を開け、閉め、八雲紫の家から立ち去った。
感覚でわかった。彼女は八雲紫の式神に止められても止まらず、博麗神社まで戻るのだ。
クスリ、と笑んで指で写真をつまんで懐にしまう。
「いいと思うのだけれど、『沢田綱吉』は」
ポツリとつぶやいた八雲紫はその口元に笑みを浮かべ、スキマを展開した。
「藍、橙、準備なさい。わからせてあげるわ、霊夢」
———「『しきたり』の重要性を、沢田綱吉の元でね!」
『しきたり』で、こんなんあったらいいなって。
次回から、急展開ながらそれぞれ東方メンバーとリボーン主メンバーを会わせていきます。
キャラは調べながら。
リボーン読んだことありますけどね・・・(汗
では!