色々とやりすぎたかもしんない
レティラ視点
ようやくこの時がやってきた
夜天の書の防衛プログラムナハトヴァールと一体化した怨念の塊を叩き潰して長年夜天の書を
闇の書にしてきた呪いから解放する時が
「それでは皆の者、用意は良いな?」
「はい!」「おお!」
あたしも含めてみんないい返事をしてる
「では開始する、ブレイク!」
レティちゃんの設定したキーワードに応えて闇の書を封じた宝玉が弾け飛び半径100Мの球状の黒い結界が展開した
「これより20分かけて怨念の塊を実体化させる器があの中で作られる、最初は防衛プログラムのナハトヴァールを器として出てくるであろうがナハトヴァールを倒した後で怨念だけ逃げることもあり得るのでな、強制的に器を与えて実体化させるプログラムを組み込んでみたのよ」
「そんなことが出来るとはな、荒野を旅する渡り鳥達の物語の第二弾のあの男が切ないというか道化というか」
「確かにこんな方法があればあの男が自分と妹の命を捨てて滅びを自分に宿らせるようなことはしなくても良かったよな」
「そうだな、もしこの術を持ったままその世界に行くことがあればその兄弟の運命は変えて
やらねばの」
「それはいいとして倍加はある程度時間がかかるからいつから始めればいいの?」
「五分もあれば最大まで出来るのではないか?」
「それだけあれば十分ね、作戦開始の五分前から倍加を始めて最大の状態で維持しとくね」
「よろしく」
「アースラは惑星軌道上で待機しておきます」
「了解、いざとなったらアースラの正面に転送するからいつでもアルカンシェルを撃てるように用意しといてねー」
「まっかせといてよ」
クロノくんは現場組なのでアースラにはいないけどその分リンディさんとエイミィさんが答えてくれてるね
そして時間通り二十分後に黒い球状の結界が割れて中から全身に魔力光のラインが入っている
リインフォースによく似た銀髪の美女が現れた
あれが怨念の塊と一体化させられたナハトヴァールなんだろうね
「ウグゥルルルルゥ、アアアアアアアアーー!」
何か唸りながら両手を上げて構えたと思ったら吠えると共に無数の血のように赤い魔力の短剣が展開されてあたし達の方へとまとめて射出されてきた
「くっ、これはブラッティダガーか、おそらくは私のデータからとったものだろうが碌に詠唱もせずにこれほど展開するとは」
はやてちゃんとユニゾンしてるリインフォースさんが驚いているけどそれよりこれの処理の方が先々
みんなそれぞれに防御魔法を使ったり回避したりで魔力で作られた血の色のナイフの雨を
やりすごすことは出来たけど大分位置がばらけちゃったなぁ
「ウガゥ、ガアアアアアアァアアアァァーー!」
ばらけちゃったなぁ…(いやなよかん)
言葉にならなくても呪文は完成するのかあたし達のほぼ真ん中にある地面から半円型の闇の衝撃が広がっていく
ってこれってデアボリックエミッションでしょ、ヤダー!
ほとんどの人が緊急回避をして機動力の低いなのはちゃんやザフィーラさんは防御魔法を使ってるけどあたし達に当たる前に打ち消された
「あれ?」
「今の広域魔法は艦長とブレシアさんが消してくれました」
エイミィさんがオープンチャンネルの通信で何があったのか教えてくれた
「なめないでほしいものね、こう見えても艦1隻任せられる提督なのよ」
「同じく、大魔導士と呼ばれたのは伊達ではないのよ」
なるほど、二人共空間干渉系の術式を修めているからそれで打ち消すことが出来たのね
特にアニメではリンディさんが遠隔操作でブレシアさんが暴走させようとしたジュエルシードを抑えこんだりブレシアさんが空間を越えて時の庭園から海上に雷落としてたりしてたしこれくらいは出来てもおかしくないか
広域範囲攻撃術式を使ったためか術後の隙が確認出来たので多人数によるバインドで雁字搦めに縛り上げようとした
だけどナハトヴァールはいとも容易くバインドを引き千切った
「うわ、でたらめすぎ」
「なら物理的に止めてやる」
恭也お兄ちゃんが小太刀型二刀アームドデバイスの鳴神を展開して二刀ならではの凄まじい速さでナハトヴァールに斬りかかる
それに対してナハトヴァールは両手に籠手のようなアームドデバイスらしきものを展開する
より正確に言うと左手の籠手にはパイルバンカー思しき杭のようなものと鎖のように巻き付いてる蛇らしきものが見えた
「御神流
恭也お兄ちゃんが神速歩法でナハトヴァールとの距離を詰めつつデバイスの身体強化と補助によって貫の見切りをして見つけた防御の隙をついて威力も速さの一級品の三連突きが
ナハトヴァールを襲う
ナハトヴァールはちゃんと防御したにも関わらずまるで最初から防御なんてなかったかのように体の三か所に小太刀で突きを入れられて戸惑っていた
そりゃ御神流の貫は飛天御剣流と同レベルの読みで防御の隙を確実に抜いてくるからね
防御なんてあって無きがごとしだから貫通の貫が技の名前になってるくらいだもん
恭也お兄ちゃんは戸惑うナハトヴァールにお構いなしに連撃で斬りかかる
「御神流 虎乱・
御神流の虎乱は御神流の型に沿って二刀小太刀を効率よく振るう連続斬りで徹は小太刀による
攻撃を物理的に止める物体を無視して中身にまで衝撃を与える技術だよ
例えるなら中国拳法の
防御無視の技術だね
えっ、衝破山は違うだろうって?
確かに衝破山は剣で打ち合った時の衝撃を利用して剣の向こうに真空波を放つ技だから厳密に
言えば違うけど防御に意味がないという意味では同じだと言えるよ
右・左・右から返しでまた右・そこから人体的死角からの左
ナハトヴァールは左手の籠手の蛇がとぐろを巻いて盾のようになって防ごうとしたけど恭也
お兄ちゃんの御神流 虎乱・徹による防御無視の連続攻撃はさすがに効いたのか左の死角からの
攻撃を食らって高速移動で慌てて恭也お兄ちゃんから距離を離す
だけど高速移動で恭也お兄ちゃんから距離を離すナハトヴァールに設置型のバインドが絡みつく
「ストラグルバインド!」
そこにクロノくんが発動は遅いものの魔力弱体化効果のついたバインドで拘束する
ナハトヴァールの戦いの流れを呼んで設置型のバインドをセットすることで発動の遅い高位
レベルのバインドで確実に捕まえる隙を作ったわけだね、実力で執務官になったのは
伊達じゃないね
更になのはちゃんが魔力収束でナハトヴァールの二回の攻撃やバインドによって撒き散らされた魔力残滓を集めている
「なのは、この一撃で決めるつもりでやっちゃって」
「うん」
遊里がそう言ってなのはちゃんの肩に触れる
『Transfer』
遊里の赤龍帝の贈り物で限界までなのはちゃんの能力が増幅した
「うぐっ…、くぁぁああアアア!」
遊里のデバイスのブレイズが調整してるとは言え限界まで引き出した力を制御するのはかなり
きついみたいだね
その間にナハトヴァールがクロノくんが仕掛けた二つのバインドを力任せに砕いて逃げようと
したけど収束砲を準備してるなのはが足止めを用意していないわけがない
ナハトヴァールがバインドを砕いて逃げようとした時になのはちゃんが設置していた頑丈さに
定評のある高位拘束術の『レストリクトロック』がナハトヴァールを捉える
勿論いくら頑丈なバインドでもナハトヴァールが力任せに暴れれば簡単に砕ける代物ではある
けれどなのはちゃんにとっては十分な足止めになる
「これが!、私の全力ぜんかーい!、スターライト・ブレイカー!」
今まで見たこともないほどの強大な収束砲撃砲がナハトヴァールに直撃する
「ガァッ、グゥ…、ガア…、グハァ…」
最大威力のスターライト・ブレイカーを食らったナハトヴァールは立つ余力も残ってないのか蹲って苦しみだしたよ
「グアァ…、ハガァ…」
ナハトヴァールの全身から黒いもやのようなものが染み出てきたけどこれはどこかで見覚えが
あるぞ
「
レティちゃんの声がすると世界が色を失くして時が止まった
「これってレティちゃんが?」
「説明しておる暇はない、久遠の時と同じことが起こっておるから汝のブレイカーでナハトヴァールの生命力が尽きる前に浄化してしまえ」
確かに、スターライト・ブレイカーでダメージ受けすぎて逃げるためにナハトヴァールの生命力とか魔力とかを根こそぎ奪ってナハトヴァールの体から逃げ出そうとしてる
ならナハトヴァールの生命力が尽きる前に浄化するだけ
あたしは魔力のチャージをして時空間支配が終わると共にスターライト・ブレイカーに
被せるように撃ち出す
「ホーリー・クリア・ブレイカー!」
スターライトの余韻が残ってる間にホーリー・クリア・ブレイカーまで直撃してひとたまりも
なくナハトヴァールは倒れた
もうナハトヴァールから黒いもやのようなものが出てきたりはしなかったので解析魔法で確認
してみたら
・外傷なし
・魔力エンプティ
・生命力減少するも許容範囲内
・疑似魂魄プログラム欠損あれど問題なく作動中
・魔導生命体コアプログラム異常なし
・防衛プログラム外装武装デバイス『夜天の蛇』正常作動中
との結果が出たよ
解析プログラムで確認してる間に黒いもやになったまま逃げようした怨念の塊は黒い宝珠に
封じられていた時から仕掛けていた物質化の術式によって強制的に受肉してだんだんと形がはっきりとしてきたよ
それにしても久遠の時もそうだけどどうしてこの手の霊的寄生体って自分の身が危険だと思ったらさっさと逃げ出すんだろうね
まあ、そのおかげで久遠もナハトヴァールも助け出すことが出来たんだけどね
少し考え事をしてる間に怨念の塊が新たな姿になったみたいだけ…ど…
これってありなの?
だってこの姿はどう見ても
「なんで
なんだから、しかも八岐の名前の通り頭が九頭ありますよ
「とりあえず一発試してみようかしら、てことであれをやるわよすずか」
「ええ、わかったわ」
アリサちゃんとすずかちゃんがデバイスを構えて八岐大蛇の頭の一つに狙いをつける
「プロミネンス・バスター!」
「アイシクル・バスター!」
「A&S
アリサちゃんの炎の砲撃とすずかちゃんの氷の砲撃が大蛇の頭でぶつかり合って水蒸気爆発を
起こす、ってこれって手加減出来るの、魔力の爆発じゃなくて魔力による現象から生まれた物理的な爆発なんだけど
「なんだあれは、非殺傷になってないんじゃないのか?」
「これは調べてみないとわからないけど質量兵器禁止法に触れそうな魔法ね」
爆発を起こした水蒸気が時間と共に消えていって攻撃の結果が見えるようになる
その結果大蛇の頭の一本を首の半ばまで吹き飛ばしていた
「なによ、ちょろいじゃない」
「いや、なんか嫌な予感がするのだがの」
「八岐の大蛇はヒュドラの別名でもある、ということは」
レティちゃんがまずいフラグを構築してしまって遊里ちゃんがそのフラグを拾っちゃったー!
大蛇の頭の吹き飛んだ首がもこもこと蠢きだしてズボー!っと頭が生えてきちゃったよ
レティちゃん遊里ちゃん、フラグ回収乙ー!
しかもそれだけじゃなくて大蛇の胸のあたりに老人の顔がでかでかと浮き出てきたよ
しかもあの禍々しくて傲岸不遜な感じはどっかのゲームで見たことがあるような
「あの顔って第三次αのケイサル・エフェスだったような気がするな」
連さんの言葉に答えるように大蛇の胸の老人の顔が吠えることでその周囲に空間の歪みが出来てそこから人間サイズのディス・アストラナガンが10機現れたよ
確かに怨念の塊と負の無限力は似たようなものだけどさー、何も終焉の霊帝が出てこなくても
いいじゃない
しかも厄介なことにオリジナルのディス・アストラナガンと違うのはサイズだけで起動兵器と
しては忠実に再現してるみたいでラアム・ショットガンを打ち込んだりガン・スレイブを展開して弾幕を張ったりして隙あればメス・アッシャーで殲滅を図ってきたりZ・Oサイズで斬りこんで
きたりしてきてる
それでもディス・レヴがないのかアイン・ソフ・オウルを撃ってこないだけましだとは言える
けどね
それでも大蛇の頭からボンボン吐き出される炎とか雷とかのブレスを避けながら
ディス・アストラナガンを落としていかないといけないから手が足りないよ、それに
『オオオオオオオオオオオゥ…』
『アアアアアアアアアアアアアアァー』
ディス・アストラナガンの一機一機からおどろおどろしいうめき声が聞こえてくる
これってゲーム初登場の時と同じように亡霊の類が動かしているのかな
今回は多分怨念の塊の一部が憑いているんだろうけどね
なんて解説だけしてるわけじゃないよ、戦況悪化してきてるし
「サンシャイン・バスター!」
今も振り返りもせずに斜め後ろに絆を向けて聖属性を付加した砲撃魔法を叩きこんで
ディス・アストラナガンを一機落としたところだよ
ディス・アストラナガンはゲームでリアル系の中でも上位に入る機動力を持ってるためあちこち動き回っていいように混戦に持ち込まれちゃっって範囲殲滅攻撃が出来なくなっちゃったよ
こんちくしょう
「飛龍一閃!」
まあ、そんな状況でもどんどん敵を落としてるのがあたし達なんだけどね、今もシグナムさんが
「神速・閃!」
言ってる間に恭也お兄ちゃんが一機落としてるし
「うげっ、またかよ」
それでも周期的にディス・アストラナガンが増えるからきりがないよ
あ…、ディス・アストラナガンがあたしに集中しはじめてきた
シュータースフィアを数個浮かべてガン・スレイブと撃ちあいながらバスターを撃ちこんでる
けど上手く誘導されて三機に囲まれたまま孤立気味になっちゃったよ、まずいな
シューターの迎撃が間に合わない分はプロテクションで防いでるけどそれでもガンスレイブの数が多くて結構被弾してるよ
永遠人特典のオーラフォトンによるバイオレントブロックで怪我こそはないけどオーラフォトンがガリガリと削られてる
「シンクロ召喚、BF-アーマード・ウイング、BF-孤高のシルバー・ウインド、
更に別エンゲージでフォーメーション暁のブラスト!」
まずい状況を BF達が助けにきてくれた
アーマード・ウイングとシルバー・ウインドが一機ずつ受け持って暁のシロッコが漆黒の
ブラストに攻撃力を集中して防御無視で敵を貫いて一機落とした
これで流れが変わってあたしを孤立させてた連中は一気に倒した
「助けてくれてありがとう、游夜さん」
「まあ、なんだ、転生者視点から見てもここでお前達が負けちまうのは面白くねえし、第一怨念繋がりで銀河終焉の霊帝なんて代物が出てくるのは冗談じゃねえからな、ここは協力させてもらうぜ」
「助かるよ」
混迷を深める戦局の中であたし達は戦いを終わらせるための一歩を確かに踏み出すことが出来た
終焉の霊帝とディス・アストラナガン祭りは蛇足だったかな?