事務所を立ち上げてから数年後、ワタシは母校の士傑高校で教師として働いていた。
理由としては主に3つ。
1つ、ヒーローは人気商売でもあるから別口で安定性のある職業をやっておきたかったから。
2つ、事務所が軌道に乗っているから母校に恩返しの一環として。
3つ、『勘』がこうした方が楽しいと囁いたから。
前世の知識が元の『勘』が、未来に大波乱の事件が起きると叫んでる。それと同時に最高のストーリーが繰り広げられる、とも。
なら、そこに介入してみたいっていうのがモブキャラクターの性質だろ?
だから、後進の育成だ。
そのストーリーの舞台に上がる若き世代をより強く、より賢くすれば、最高のストーリーは崇高なストーリーになるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
でもそこにワタシとたいしろーの、『FGヒーロー事務所』の名前を挟み込める。
最高じゃないか。
それに、そもそも大波乱なんてヒーローとして見過ごせない。やっぱり平穏が一番だ。マジで。
確かにヒーローは遅れてしか来れないけど、だからといってやってくると分かってる悪行を見過ごせるほど腐ってはない。それが大半のヒーローの本音。当然、ワタシもそうだ。
予防できるものは最大限の努力で予防するし、対策できるならば血眼にして策を講じる。それがヒーローとしての流儀。
だから、後進を育成するんだよ、ワタシは。
「──ファンシーガム先生!」
「ん?どうしたよ、えー新入生の……そう、
「好きっス!!サインください!!」
「おや大胆、いいよ」
◇◇◇◇
──神野区の悪夢。
雄英高校襲撃事件、保須市のステイン、2度目の雄英生徒誘拐事件に続いて同一の組織に起こされた、大勢のヒーローが動いた歴史的大事件。
超常黎明期の頃から幅をきかせていた巨悪『オールフォーワン』と平和の象徴『オールマイト』らによって辺り一帯が更地になるほどの戦闘を繰り広げられ、そしてオールマイトの勝利に終わり、なにより同時にオールマイトの引退の原因と成った事件だ。
そういう、生徒が偉大なる象徴から卒業するプロローグ。
そう、プロローグなんだよ、これは。
だって、そう『勘』が告げてくる。
恐ろしい。
なぁ、『勘』。なにが最高のストーリーだ。こんなの最低だ。
これはプロローグ。つまり、これより更に酷い事件が巻き起こるんだぞ?そんなのいい物語なわけがあるか。ワタシは『俺』の感性が信じられない。
だから、ワタシはこの物語に全力で抗うよ。
全力で平和なストーリーラインに切り替えてやる。
きっとその先にワタシのエピローグがあるから。
☆──しらないひと先生の次回作にご期待ぐたさい。
冗談は置いときまして、これにて完結です。
クッソ短くてなんか打ち切りエンドみたいになったのは、前話投稿し終わった後から「あれっ、ここで終わっとかないとマズくね?」ってなって未来に繋いでいくENDに無理矢理したからです。
まぁ、ここは完結にするためだけの蛇足なのでどうか無視してください。