捻れた世界×日本のヨハネスブルク   作:よたか

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どうやら弟は縮んでいたようだ

オレ、工藤新一には二つ年上の兄貴がいる。眉目秀麗、文武両道、才色兼備…そんな言葉を体現したような存在がオレの兄、工藤優一だ。恐らく親父と同等、もしくはそれ以上の頭脳を持った兄貴は世界的に有名な名門校ナイトレイブンカレッジ…NRCに日本人ではじめて入学したことで有名だ。

兄貴はただNRCに入っただけじゃなく、特待生として入ったらしい。そんな兄貴は、オレの自慢であり目標だった。

 

兄貴は優しく時に厳しくオレを叱ってくれる大切な存在だ。オレが周りを顧みずに事件に首を突っ込もうとすると止めて、なにが間違っていたのかを教えてくれた。それがあってオレは正式に警察の協力者として捜査に加わることを許可されたんだ。

 

兄貴は今カレッジ4年生で、インターンシップでもうすぐ日本に帰ってくるそうだ。NRCで仲良くなった特待生仲間だという6人と一緒に。

 

オレは焦った。なにせオレは今、黒ずくめの奴らに変な薬を飲まされて体が縮み、江戸川コナンとして小学一年生として生活しているからだ。母さん達は知っているし、兄貴にも連絡をしているとは思うが、兄貴の友人達にどう話せばいいんだ…‼︎兄貴の友人達は少しの間兄貴と一緒に工藤家で暮らすらしい。そうなればオレと会うこともあるだろうし、それに今家には昴さんが住んでいる…はぁ。なんでこんなことになっちまったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は工藤優一、異世界転移と異世界転生を経験したことのあるただの青年だ。

前世ではツイステッドワンダーランドという異世界に転移したかと思えば治安がだいぶ悪い名門校NRCに魔獣のグリムとニコイチで通うことになり、なんとか元の世界に戻ってきて死んだかと思ったら前世で読んでた漫画・名探偵コナンの世界に主人公の兄として生まれ直すとかいうとんでもないことになっただけの普通の青年だ。普通ったら普通だ。

 

とはいえコナンの世界は治安が悪いのと少し地名が違うこと以外はほとんど前世と変わらないので、弟ともそんなに関わらず気ままに世界中を旅でもして生活するかと思っていた。弟と関わらないのは無理だった。なぜかって?弟が可愛過ぎるんだよ…‼︎

 

まだ見た目も頭脳(当社比)も子供な弟は前世がある俺の築いてきた優しくて落ち着いたイケメンショタの外面に大層懐いていっっっつも「にぃに、にぃに」ってカルガモの赤ちゃんかよってくらい後ろ着いてくるしちょっと成長して兄貴呼びになっちゃったけど本読んでてわかんない漢字とか言葉があると真っ先に父さんじゃなくて俺に聞いてくるしでほんと可愛いわけこれに関わらないって決意したやつ誰だよ俺か(ノンブレス)

 

まぁ、とりあえず今世では平和に生きるをモットーに生きていこうとしたんだが、10歳の頃、テレビを見て無理そうだと悟った。その時テレビでは『噂の超名門大学・ナイトレイブンカレッジとは⁉︎“若い人材を育て上げる”をモットーにした教育とは』という密着系番組が流れていた。その聞き覚えしかない大学を父さんのパソコンで調べてみると、とある記事を見つけた。

 

“(前略)NRCは大学であるが、入学案内所が届くのはミドルスクールを卒業した者ばかりで、これは学園長ディア・クロウリー氏の「優秀な人材を一刻も早く第一線で活躍できる人材へ」という教育理念によるものだ。

また、NRCは完全案内制の大学であることで有名で、その入学案内書が届いた者しか入ることはできない。

しかしその入学生をどう選別しているかは謎が多い。世界中で活躍する学生のみならず、中等教育も受けていないスラム出身者などにも届くからだ。

また、教員にも疑問が残る。教員もクロウリー氏からスカウトされた者のみで構成されているが、彼らは有名な歴史学者から無名な薬学者、異端と呼ばれる地理学者やNRCの卒業生など多岐にわたる。

これらの選別方法について様々な記者がクロウリー氏に答えを求めているが、未だ返答はない。

(中略)このように、世界に有能な人材を送り出し続けるNRCだが、その全貌は謎に包まれている”

 

という記事だ。その謎、どう考えても前世関係の者を集めているからだろう。前世では理事長から学園を預かったいたらしいが、今回は自分でNRCを設立したらしい。

 

 

NRCが前の彼らを集めた場所だとするとやっぱり魔法があるのか?それとも、ただ単に記憶の確認のためか?まぁなんにせよ、前の関係者を集めているのなら俺にも案内は来るだろうし気長に待とう。

 

そう決意した俺は、小、中学校の勉強をトップの成績で収め、無事NRCからの入学案内書を日本人で初めて受け取り、一躍有名人となってしまった。なんでや工藤。

 

日本では今までNRC入学者がいなかったらしい。俺が有名になったのはそれだけじゃなく、両親が有名人だからだというのもあったんだろう。家の前にはマスゴミが押しかけるわ、学校じゃ益々生徒達に群がられるわで最悪だった。

 

 

 

ようやっと日本を離れてヨーロッパにある賢者の島に行くと、新入生は一人一人学園長と面接をするらしくNRCに呼ばれた。

面接は前世の記憶があるか否かの判断を下すためのものらしい。俺がされた質問はただ一つだった。

 

「我が学園に[[rb:8つ>・・ ]]の寮があるのはご存知ですね?それぞれ、厳格・不屈・慈悲・熟慮・奮励・勤勉・高尚・勇敢をモットーにした寮なのですが、貴方は厳格の精神に基づくハーツラビュル寮に入寮してもらえればと思うのですが…いかがですか?」

 

そう、学園長はわざとその生徒が前世で所属していた寮とは別の寮を提示するのだ。それに反対して前世と同じ寮を選び、尚且つ面接開始時からの反応を見て記憶の有無を判断するんだとか。

 

ただ、この時点での記憶持ちは少なかったため、特待生としてオンボロ寮生と元々の寮との掛け持ちにするそうだ。

 

特待生は入学の時点で記憶を持っていた人たちということだな。

 

しかし生徒全員に記憶が戻る可能性はあるとか。実際学園生活中に記憶が戻った人も多く、卒業時にはほとんどの生徒が前を思い出して魔法を使えるんだとか。

 

前世を思い出した奴らは、限られてはいるが魔法が使えるようになるので、魔法の乱用をしないようにするためにNRCを設立したんだと学園長は言っていた。珍しくまともだった。

 

 

ちなみにそういう人たちは前世を思い出した時点で人格が前に引っ張られるらしい。つまり性格が悪くなる。

 

おかげでNRCの通り名は【ヴィラン養成学校】。こう呼ぶのは政府関係者や裏社会の人間だけだけどな‼︎政府や警察側の人間にはよく警戒されるし、裏社会の人間なら逆に引き込もうとしてくる不名誉なあだ名だ。

 

 

そんなこんなでNRCに入学した俺も今や4年生。特待生仲間の“前”から仲の良かった先輩たちは卒業し、特待生は俺たち同級生だけとなった。そしてカレッジ四年生…つまり就活やインターンを頑張らなければいけない年だ。俺はとりあえず新に会いたいので日本の企業に長期のインターンに行くことが決まった。

俺のマブ達5人+1匹も各々就きたい職業は内定が決まっているので日本についてくるらしい。なんなら俺の家に住む気満々だ。

ずるいだろ、こいつら。

 

すでに天才マジシャンとして名を上げているエース、来年から警察学校に入学するデュース、陸上選手として国の代表にも選ばれることが決まりそうなジャック、実家のりんご農家を継ぐエペル、イデア先輩と同じく工学者になろうとしているオルト。グリムは今世では猫なので就職もクソもないのである。ムカついたのでしゃべる猫としてSNSでバズらせようとも思ったが流石に相棒が変な施設に拉致されると嫌なのでやめた。

 

全員就活が終わっているときた。俺だけだ、何も決まってないのは。

 

今のところ在学中にオルトと一緒にやった株でボロ儲けした貯金があるから10年くらいは豪遊できるが、流石に定職につかないのもなーということで色んなインターンに行ってみようと思っている。今のところ図書館司書とか文学者も良さそうだと思っている。

親父のコネも使えそうだし、何より本は好きだしな。

 

 

友人達+1匹と家で暮らす旨を両親に伝えると、衝撃の返信が返ってきた。

 

『今、新ちゃんが事件に首を突っ込んで体がちっちゃくなっちゃって蘭ちゃんのところで居候させてもらってるのよ‼︎だからもし会ってもコナン君って呼んであげてね。あ、今家には沖矢昴君っていう子が住んでるから仲良くしてね♡』

 

…は???気付かないうちに原作が始まってる…だと⁉︎しかも沖矢昴がいるって?だいぶ進んでるじゃねぇか‼︎

俺が学園生活エンジョイしているうちに新は高2になってたのか…そっか、9月から新学期の印象が強くなってて忘れてた。

 

まぁとりあえず怒ってしまったことは仕方ない、とりあえず特待生達全員に協力してもらって黒の組織に関する情報を集めよう。

 

俺が1年のときにこの世界が前世であった漫画の世界だと彼等には伝えているので多少協力はしてくれるだろう、平和に暮らしたいって言ってたし。

 

 

 

 

 

案の定全員が組織を潰すと言ってくれた。なんなら何人かはすでに関わりがあるらしい。流石先輩達だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は日本に来ていた。マブ達は2日後に日本観光して来る予定だ。原作が始まっているなら聖地巡礼をしてみたいと数年前までよく通っていたポアロに来た。梓さんに会いたいんだよー。梓さん、俺が日本を発つ直前にポアロでバイト始めて本当に何回かしか会ったことないからさ。

安室さんはまだ入ってないかもしれないし、いたとしても忙しくてそんなにいないだろうしまさかピンポイントでいるなんてことはないだろう(フラグ)

 

 

「いらっしゃいませ‼︎お好きな席へどうぞ」

 

 

お る や ん け

 

 

俺、運良すぎ?いや悪いのか。おかげで反応遅れちまったよ。

 

それなりに賑わってる店内を見渡しながら入り口近くの2人席に座ると横の席にコナンがいた。安室さんをじっと見てたからたぶんミストレ終わったくらいの進行度なんだろうな。わーこんな形で再会したくなかったぜ兄弟(真)。それにしても…かわいいな俺の弟。びっくりしてやがる、母さん伝えてなかったのか?

 

それにしても1人で来てるのは感心しないな。あ、違うか。蘭ちゃんの鞄があるな。たぶん、なにか取りにでも行ったんだろ。

 

 

「ゆ、優一兄ちゃん?どうしてここに…」

「ん?俺のこと覚えてた?久しぶりだねコナン‼︎」

「はは、ははは…」

「今、蘭ちゃんの家に居候させてもらってるんだって?いやぁ、申し訳ないね。俺も帰ってきたし家で一緒に暮らしたいのは山々なんだけどね、ちょっとうるさい奴らが増える予定だからさ」

「ううん、ボク大丈夫だよ‼︎」

 

こんな口調の新みたことねぇ…‼︎ぷくく、面白すぎ。あ、半目で睨んでるのも可愛いなー。

 

 

「あのぉ、もしかして工藤優一さんですか?」

「えっ…あぁ、はい。工藤優一です」

 

 

【急募】対処法。

安室さんに話しかけられたんだが。どう反応するのが正解?

 

 

「実は蘭さんやコナン君からお話を聞いていまして…なんでも、あのNRCに通われているとか」

「あぁ、はは。大したことないですよ。恥ずかしいな、変なこと言ってませんでした?」

「まさか‼︎とても褒められていましたよ」

「そうですか、はずかしいですね」

「今回はなぜ帰国されたんですか?確かNRCは四年制だったと記憶しているんですけど…」

「あぁ、もう単位も取り終わっているのでインターンも兼ねて帰ってきたんです。仲のいい友人達も後で来ることになったんですよ」

「インターンですか…いろんな会社から引く手数多でしょうね」

「まぁ、嬉しいことに色んな知り合いから声をかけられましたね。色々行ってみるつもりです。友人達はもう着く職業が決まっている奴らが多いのでほとんどが観光目的ですけどね」

「なら、ポアロにもご友人も連れてまた来てくださいね」

「えぇ、それはもちろん‼︎昔からポアロのコーヒーはお気に入りなんです」

 

 

NRCって言う時安室さん眼光鋭すぎてびびったわ。…あ、そうか。警察の人間だからNRC生の本性を聞いたことがあるのか。

うーん、犯罪者予備軍とか思われてんのかなぁ。解せぬ。

 

 

「あっ、えっ優一さん⁉︎」

「お、蘭ちゃん。ひさしぶりだね、元気だった?」

「はい‼︎優一さんこそ元気でした?」

「元気元気。昔みたいに優にぃでもいいんだよ?」

「…っもう、からかわないでください‼︎」

 

顔真っ赤にして怒ってる蘭ちゃんもかわいいなー。これは新が惚れるのも納得。

コナンがジト目で見てくるからこれくらいにしとくか。

 

 

「いやぁ、蘭ちゃん本当にごめんね。本当は俺がコナンのこと預かりたいんだけどさ…ちょっとコナンへの教育上あんまりよろしくない奴らがうちに住み着く予定でね。申し訳ない」

「いえ‼︎お父さんと2人より賑やかで楽しいですし‼︎」

「本当ごめんね。…新のやつもだいぶ蘭ちゃんに心配かけてるらしいね」

「そうなんですよ‼︎本当にアイツは偶にしか連絡も返してくれないんです‼︎コナン君とはよくやりとりしてるみたいなのに…」

「あ、蘭ちゃんも?俺もぜんっぜん返信来なくてさー。次会ったら一回殴ってもいいと思うよ‼︎」

「ふふ、そうしますね‼︎」

「はは、ははは…」

 

 

俺と蘭ちゃんが話すにつれて顔が青くなっていくコナンおもしろー。フロイド先輩がコナンにあだ名つけたら何になるんだろ?稚魚?記憶力とかでいったらイシダイだろうけどこれはクル先で埋まってるしな。レインボーフィッシュとか記憶力いいって聞いたことあるけど…うーん、わからん。

 

 

 

 

「そういえば蘭ちゃん達はどこか出掛けるの?」

「私はこれから園子と遊びに行くんです。コナン君はあとで阿笠博士の家に行くみたいで」

「そうなんだ。それじゃあコナン連れてってもいいかな?家に帰ろうと思ったんだけど、今沖矢さんって人が住んでるって聞いたからコナンに紹介して欲しいんだよね」

「コナン君どう?」

「うん‼︎ボク博士に連絡しとくね」

「助かるよコナン。俺人見知りするタチだからさ」

「ううん、優一兄ちゃんにNRCのお話たくさん聞きたかったし‼︎」

「ならよかった。それじゃ、行こうか」

「うん‼︎」

 

 

よし、これで新から沖矢さんの説明を受けられる。赤井さんだってことは言うかはわからんけど、とりあえずは気まずい雰囲気回避だな。

 

店を出る時にさらっと蘭ちゃんの分まで払っておくのがツイステッドワンダーランド産男子に鍛えられた紳士力ってものだ。伝票持っていくのに気付かれないことが重要だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、4年ぶりの実家に帰ってきたんだが…なんかそんなに変わってないな。沖矢さんとの初対面もそんなに険悪な雰囲気にはならなかったし、これもコナンのおかげだな。

あ、ちゃんと赤井さんだってことは明かされたぜ。これも築き上げてきた信用のおかげだな。

 

そうそう‼︎驚いたことにコナンも赤井さんも立場が原作とだいぶ違っているみたいだ。新は特別捜査官という肩書きで事件現場なんかにも入れるようになっているらしいが、それと同時に将来公安お抱えの探偵になることになっていたらしい。なので組織のやつらのせいで小さくなったことは公安も把握しているしなんならFBIもコナン協力の下日本警察と連携しているんだとか。赤井さんが沖矢昴になっていることも灰原ちゃんがシェリーなことも公安は知っていて、なんなら組織の奴らに調べられてもいいように戸籍なんかもちょちょいといじってくれたらしい。これも新一が将来協力者となる前提での特別措置らしい。俺の弟、公安に囲い込まれすぎ…?

 

ちなみに安室さんが公安だということはまだ知らなそうなのでミストレ直後で間違いなさそうだ。警戒してたしな。

 

驚いたことに、こっちもNRCと言うと少し警戒される。FBIでもそんなに問題になってるのかNRCって。ただの世界的な名門大学だっての。

 

 

 

ちなみに今はホームズ談義で盛り上がってる。そういえば沖矢さんもシャーロキアンだったんだっけ…

 

 

正体を知っている同士だから2人とも素で話している。なんなら赤井さんは変声機すらつけてない。それでいいのかFBI。

 

 

「俺、個人的にホームズよりモリアーティ教授の方が好きなんですよね。謎を解くより作る方が好きなので」

「ホォー、優一君の作った謎か…是非解いてみたいものだな」

「まさか、そんな大したものにはならないと思いますよ。俺自身はそんなに頭が回るわけでもないのでね」

「うそつけ。昔っから親父を悩ませるようななぞなぞばっかり考えてた兄貴が頭良くないわけないって」

「新、お前は俺を買い被りすぎだよ」

「だが、NRCでも学年主席を取り続けていたとボウヤから聞いたが」

「そんな大したことじゃないですよ。ただ、人より点の取り方が上手かっただけで」

 

 

なにこれめっちゃ褒められるんだけど…煽ててもお小遣いしか出ないぞ??じゃなくて、なんか企んでる?

 

 

「そ、そんなことより赤井さん、一回会ったことあります…よね?」

「‼︎ホォー、覚えていたのか…」

「はは、記憶力はいいもので。ピエロのお兄さん?」

「っ兄貴‼︎…ったく、相変わらず人を揶揄うことに余念がねーな」

「失礼だな、場を和ませてるんだ」

「ふ、随分と仲が良いんだな」

「赤井さんもご兄弟がいませんでしたか?昔新と同じくらいの妹さんがいたと思うんですが…」

「あぁ、真純は今は帝丹高校に通っているんだ。ボウヤの本来のクラスと同じだな。弟は今、棋士をしている」

「もしかして、羽田名人ですか?俺、ファンなんですよ」

「そうか、秀吉もあの海辺での事件後、君と将棋を打ってみたいと話していたぞ」

「それは光栄ですね」

 

 

名人と将棋かー。ボロ負けする未来しか見えないな。そういえばレオナ先輩にチェスでボコボコにされたっけ。懐かしいな、もう3年前か。

 

 

 

「例の組織のこと、俺なりに伝手を使って調べてみます。もしなにかあれば俺にも是非教えてください」

「あぁ、よろしく頼む」

 

 

 

とりあえず、俺のマブ達が来たらよろしくという話でお開きになった。かれこれ3時間話し込んでいたみたいだ。コナンは博士の家に行くらしいので送るついでに会いに行こうとしたが、断られた。少年探偵団がいるらしい。なるほど、お兄ちゃんに友達といるところを見られたくないという思春期特有のアレか。ニヤニヤしてたら脛蹴られた。痛いですコナン様…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後、工藤邸のリビングでは、マブ達が集まっていた。なぜか不貞腐れた顔のエペルと爆笑しているエース、エペルを気遣わしげに見つめる陸上部2人とオルト、我関せずといったグリム(猫)とセベクという面白空間が広がっていた。どうせナンパされたとかだろうな。

 

 

と、思ってた時期もありました。

 

 

「アイドルにスカウトされたぁああ⁉︎…ぷっふふっ…ぎゃははははは‼︎しかも、男装アイドル…‼︎っははは‼︎」

「笑い事でね‼︎皆んな他人事だど思って…わーは絶対やねはんでな‼︎」

「エペル、方言方言。出ちゃってるから」

「…ふんっ」

「ふふっ、あー笑った。でもいいんじゃない?日本にいる間の暇つぶしには。こずかいかせぎにもなるし、それに折角ヴィル先輩に仕込まれた技術を衰えさせるのも勿体無いでしょ」

「ユウクンまで…」

「でも、男だってのは言ったんでしょ?」

「ぶふっ…ユウ、相手なんつったと思うよ」

「…えー、なんだろ。バレなければ問題なし‼︎とか?」

「え゛」

「ユウさん凄い‼︎一致率90%だよ」

「正確には、バレなければモーマンタイ!!!!!だな!!!!!!」

「セベクうるせーーーー‼︎」

 

 

 

流石にエペルが可哀想だしいじるのはここまでにして真面目な話を始めた。

結論的にいうと、エペルは1ヶ月以内に売れさせることを条件に一年だけアイドルをすることになった。ちゃんと男性アイドルとして。ちなみに日本にいる間全員が暇人なので各々バイトをするらしい。

 

エースは既にマジシャンとして結婚式やイベントから依頼が来ているし、デュースはバイト先を探し中、セベクはスキルアップのためにSPの派遣会社に短期で雇われることが決まっていて、オルトは俺が阿笠博士に紹介することで決まった。グリムは猫なので問題なし、俺も既にインターンが決まっているため全員ある程度決まっているようだ。とりあえずデュースにはポアロを勧めておいた。安室さんがよく抜けるのでその代わりのイケメン店員になり得るだろう。

 

さて、問題はジャックだ。彼はなんと、黒の組織に潜入するらしい。

 

理由はこうだ。レオナ先輩の国で組織がどうも好き勝手やったらしく、(第二王子の側近でありながらスラム出身の)ラギー先輩を捜査官として送り込んでいて、折角日本にいるならラギーを手伝えとレオナ先輩から正式な依頼を受けたようだ。レオナ先輩の国の正式な捜査官として送るため、もし捕まってもお咎めはないらしい。ジャックはこれをつけるつもりらしい。

 

俺としては正直嬉しいことだが、ジャック自身真面目で規則を守るやつだから大変じゃないかと思う…が、ジャックはレオナ先輩直々の頼みでやる気を出しているようなので口に出すのは無粋だろう。とりあえず感謝しておいた。

 

 

 

 

 

この後、沖矢さんにそれぞれを紹介してお開きにした。流石に全員長時間のフライトで疲れたらしく健康優良児かってくらい早く寝た。

 

ちなみに流石に沖矢さんが赤井秀一だとは言われなかったが、俺が教えた原作知識のおかげで全員知ってるぜすまんな昴さん‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、それから1週間。エペルを除いた5人と1匹でテレビを囲んでいた。エペルの地上波デビューだからである。

 

エペルの事務所は一刻も早くエペルを表に出そうと、一度他のアイドルの曲として出そうとしてボツになった曲を大急ぎで治し急ピッチで収録、元々のエペルのスキルが高かったこともあり1週間でデビューに至ったのだった。

 

しかもなんと驚いたことに、コナン読者にはお馴染みのあの沖野ヨーコと同じ事務所だったらしい。

それで今回沖野ヨーコがレギュラーを務める番組の新人アイドル特集に急遽ねじ込まれたとか。生放送なのがちょうどよかったらしい。

 

 

番組が始まり、MCの大御所芸人に振られてエペルが自己紹介を始める。全員すでにフリフリ衣装のエペルに笑いを堪えていた。

 

「それじゃ最後、自己紹介どうぞ」

「はい‼︎はじめまして、おとこの娘アイドルのエペル・フェルミエです。よろしくお願いしまーす」

『えぇぇぇえ⁉︎』

「えらい別嬪さんや思うとったらおたく男なん⁉︎」

「はい、僕歴とした男なんです‼︎ですよね、ヨーコ先輩?」

「そうなんです‼︎私の後輩くんなんですけど、こんなに可愛いのに、なんと‼︎あの有名なNRCのラグビー部のキャプテンだったんですって‼︎」

『えぇぇえ⁉︎』

「もうなにが来ても驚かんで…」

「NRCのラグビー部って…NRC生ってことですか⁉︎」

「そうなんです。今4年生で単位は取り終わったので友人について来たんです。なので、僕は1年限定のアイドルなんです♪」

『もったいなーい‼︎』

 

 

画面でキャピキャピと話すエペルの目が死んでいることに気付いた俺たちはお腹を抱えて笑っていた。

 

 

「ひぃ…あははっ誰だよあのキャラ考えたやつ…っくく」

「っおい貴様ら…エペルが可哀想だろ…っふ」

「デュース、隠せてねーって…っははは‼︎」

「帰ってきたら焼肉パーティー開催しないといけないな、あれは…」

「おいテメェら…ろりぽっぷちゃんよりはマシだろ?」

「ジャックひでぇ…ははっ懐かしいね、ろりぽっぷちゃん」

「すごーい‼︎エペルさん、演技がすごく上手だね‼︎」

「あんなエペル初めて見るんだゾ」

 

 

結局、番組が終わるまで俺たちは全てのエペルの言動・行動に爆笑していて、次の日の朝にエペルが帰ってきた時には全員の表情筋が筋肉痛になっていた。ちゃんとエペルには拗ねられたし正座で叱られました。すんませんでした。

どうにかお高い焼肉食べ放題を開催して奢ることで機嫌を取りましたとさ。

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