皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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前回までのあらすじ

日本が異世界に転移。
    ↓
クワ・トイネ公国と接触、国交締結。クイラ王国ともクワ・トイネの仲介で締結。
    ↓
ロウリア王国、2カ国侵攻。
    ↓
日本参戦。ロウリア瞬殺。

簡単にまとめるとこんな感じ。

それでは本編どうぞ


間章
第八話 ロデニウス連邦


中央暦 1639年5月6日

 

 

 ロデニウス戦争から1週間が経ったある日、ある知らせが入ってきた。

 

 

「パーパルディアからの借金が多く、その借金を返し切れず、それを口実に侵攻してくる可能性があると?」

 

 

「はい…」

 

 

 旧ロウリア王国からだ。

 先日のロデニウス戦争をするにあたり、パーパルディアに近づき、借金をしてまで兵力を増強していたのだ。

 しかし、旧ロウリア王国の敗退により、パーパルディアに差し出していた奴隷や借金の返済を止めざるを得ない状況になった。

 

 

「なんとか……できませんか?」

 

 

 旧ロウリア王国、現ロウリア共和国からの要請に、頭を抱える海斗。

 パーパルディアの噂は聞いていた。拡大主義の覇権主義国家だと。

様々な植民地を持ち、世界の列強国3位の国力を持つ。

ロウリア王国に支援をしていた関係から、パーパルディアを調べている最中だった。

 

 

 現在のロウリア共和国に攻められるのはまずい。

かと言って、ロウリア共和国を支援すると言っても、時間がない。

 

 

「わかりました。本国にて検討させていただきます」

 

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

海斗はそう答えるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、何か案をだせと?」

 

 

 会議室にて海斗と向かい合う人物、ネクロマンス最高責任者、大和ゆか。

 最強能力者の1人であり、前世界にて日本皇国を救ったことのある英雄でもある。

そんなゆかに海斗は、今回の件を聞いたのだ。

 

 

「案はないことはないが……」

 

 

 ゆかはおもむろに左耳に手を当て、

 

 

「ネクロマンス首脳部全員集合」

 

 

そこに付いているインカムに向けてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回は、ロウリア共和国のパーパルディアへの借金についてだ」

 

 

 

 概要を説明するゆか。海斗除く他のメンバーは、驚きつつも話を聞いていた。

 彼らは、その借金額と返済方法に驚愕したのと同時に、納得したのだ。

ロウリア王国だった時、パーパルディアからの莫大な借金に対し、亜人奴隷を引き渡したりして返済していたのだ。あの時の国ならばやりかねない。そう納得したのだ。

 

 

「案はどうする?ゆか」

 

 

 陸軍元帥の黒岩煉が問う。

 

 

「やはり、別の国家として建国するしかない」

 

 

 こうした状況にある以上、出せた案がこれだった。これならば、パーパルディアが何か言ってきても、「別の国家だから借金などありません」と言えるのだ。

 問題は、どういう国家にするか。その件についても、ゆかは考えていた。

 

 

「ロデニウス大陸の国家を連邦制の構成国として組み込み、一つの国家として再出発させる」

 

 

 連邦制。複数の国家が集まった国家。

元々、ロデニウス大陸統一は彼らの悲願だった。それは、クワ・トイネ公国や、クイラ王国も例外ではない。

ならば、連邦制にしてロデニウス大陸の国家が集まり、構成国とする。それらを纏め、一つの国家とする。

政治は、それぞれの構成国独自で行う。

 そうすれば、それぞれの国家が構成国として独立しつつ、ロデニウス大陸を統一した一つの国家として再出発する。簡単に言えば、国家の集合体だ。

また、ロデニウス大陸にある戦力は一つにまとまり、戦力が思いっきり増える。一石二鳥どころではない。

 

 

「これを各国家に提案してみよう。おそらく、了承してくれる筈だ。その他諸々は、各国との調整がいるが…」

 

 

 それでも、メリットの方が大きい。

パーパルディアの脅威が迫ってきている以上、隣国の戦力強化はありがたいごとだし、統一されることで、インフラ整備を中心とした近代化が楽になるのは良いことである。

 デメリットとしてロデニウス戦争の影響が心配されるが、些細な問題だ。

 

 

 

海斗は、この話を纏めて、各国に通達するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

クワ・トイネ公国

 

 

「ロデニウス連邦構想ですか…」

 

 

 日本から各国に通達されたこの計画は、3カ国共に驚きをもって迎え入れられた。

パーパルディアの脅威が迫っていることを認識している今、この提案は寝耳に水だった。

 

 

「私としては、この提案を受け入れようと思っています。皆様の意見をいただきたい」

 

 

公国首相カナタが、政治部会にて日本からの提案を口にした。

 受け入れると、日本からのさらなる支援を確立してくれる。

日本に依存してしまうというデメリットがあるが、それよりもメリットの方がでかい。

 

 

「対パーパルディアの為にも、この提案は受け入れた方がいいと思います」

 

 

 軍の幹部がそう答える。

それに呼応して、賛成の声が多数上がる。

反対するものなどないに等しかった。

 

 

 

 

 

 

クイラ王国も同様に、この構想に賛成した。

 

 

 

 

 

ロウリア共和国

 

 

「この構想に参加したいただくことより、ロウリア共和国は、ロデニウス連邦の構成国の一つとなり、仮に、パーパルディアが突っかかってきても、ロウリア王国とは関係ありませんと堂々と言えます」

 

 

「確かに良い提案ですな…。それに貴国の技術支援も受けられるというのですから、文句の言いようはありません。

わかりました。受け入れましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、無事3カ国に提案を受け入れさせた日本。翌日、日本皇国が証人となり、3カ国の代表が集まって、ロデニウス連邦が建国された。

 

 

 

 

 

 

ロデニウス連邦

 

構成国

クワ・トイネ公国

クイラ王国

ロウリア共和国

 

人口約1億4000万人

 

 

 

 ロデニウス連邦は、日本から政治について学び、政治体制も大統領制民主主義が採用された。国民の選挙によって初代大統領に選ばれたのは、元クワ・トイネ公国首相のカナタだった。

 

 

 

「皆様、ロデニウス連邦初代大統領に選ばれましたカナタです。我が国は、日本のおかげで急速に発展してきています。我々は、それを無駄にはせず、恩返しとしてせめて、日本がこの世界で生きていく為に全面的に協力しようではありませんか!!!」

 

 

 

拍手が響き渡る。

 3カ国は、発展をもたらしてくれた日本皇国に恩を感じており、それを代弁したカナタの言葉は、ロデニウス連邦の国民の心によく響いていた。

 

 

 

 

 

 

「妥当だな」

 

 

 ゆかは、その様子をテレビ中継で見ていた。

片手には、紅茶が入ったカップを持っており、メイドが横に立っている。

 

 

「妥当ですか?」

 

 

 そのメイド、十六夜咲夜が聞く。

 

 

「ああ。カナタは賢い。それに、クワ・トイネ公国首相だった時も民から慕われていた。大統領にこんな相応しい人物は他にいないだろう」

 

 

「そうですか」

 

 

 ゆかのカップになくなった紅茶を注ぎながら言う咲夜。ゆかは、その紅茶を飲む。

 

 

「彼が賢いおかげで、こちらも助かったんだ。できれば、今後とも仲良くしておきたい」

 

 

 あの時、カナタが冷静に「日本皇国は転移国家」という信じられないだろうこちらの言い分を聞いてくれて、食料まで輸出してくれた。

おかげで、餓死者が出ないまま転移による国内の混乱は収まってくれた。また、国交まで結んでくれて、孤立化を防いでくれた恩もある。

 我が国は、食料輸出の対価にインフラ支援をしている。おかげで、経済が潤っている。故に、切っても切れない関係となっている。

 

 

「まあ、今回の転移がまた起こらないとは限らない。食料プラントなどの増強も視野にいれるべきだな」

 

 

 国内の混乱がおさまり、国外も一時的に収まっている今、漸く普通を取り戻した。

転移の際、起きた問題点を改善する良い機会だ。

 

 

「ちょうど、この世界の月面基地も完成したようだしな。魔帝軍とかいう不確定要素もあるわけだ。用心しておいて損はない」

 

 

 日本は月面基地を作ることにより、月面と地上の二つから、敵を逐一監視することが可能となった。

 元の世界だと、アメリカとの月面開発競争にまで発展し、さらに妨害兵器の存在もあったことから、現在みたいに楽ではなかったのだ。

また、月面基地は宇宙海軍のドックともなる為、建設は必須事項だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで先程、明石様が、太田様と共に工廠に走っていきましたがよろしいのですか?」

 

 

「咲夜、先程とは、いつ?」

 

 

「つい、30分前です」

 

 

「先に言え!!」

 

 

 ゆかは焦りながら工廠に向けて走る。途中、ドア前で滑っていたが、すぐに立て直し走り去っていった。

 

 

 

 

「……尊い…」

 

 

 

 

 そんなゆかの姿を見て、鼻血を出して昇天しかけている咲夜は、ある意味確信犯と言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、2人の魔改造の現場に間に合わず、「雷迅」の改良型が試作品として試験飛行まで行う予定になったのは言うまでもない。

 

 

 

「まあ、あれよりかはマシか(プロローグ参照)」

 

 

 

 感覚もバグりかけているゆかであった。




作者です。
戦後の様子と日本皇国の日常を少し書いてみました。
雷迅の改良型は、前回に匂わせていた爆撃仕様ができるようになった雷迅です。
日常は、次回も書こうと思います。

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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