皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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第十三話 Umhang, Dolch und Kunai(外套と短剣、そして苦無)

 

「あの、この世界ってもしかして、アニメと同じ世界線ですか?」

 

 

 

 1人の隊員が聞く。

 東煌のKAN -SENを救出後、発艦地点に戻ってきた海鳥は、再び川内に着艦。隊員達のお出迎えにあった。

 

 

 

 この時点で気付いている人が多いだろうが、この世界は、アズールレーンの世界。

状況はアニメとよく似ている。

 だが、それが存在したのは第三次世界大戦前まで。知っているということは、その時代に生きていたか、レトロ好きか、オタクということだ。

 

 

「よく、知っているな。どこで知ったんだ?」

 

 

「軍艦好きなので。昔の軍艦調べてたら、アズールレーンが出てきたんです。見てみたら、面白くて。それで、知りました」

 

 

その隊員はミリタリー好きのオタクだった。

 

 

 

 

 

「川内、レッドアクシズの偵察に行けるか?」

 

 

「任せて!」

 

 

 アズールレーンの偵察は終わった。ならば次は、レッドアクシズの偵察になる。

その際、アズールレーンの時よりも明確な目的があった。

何故、セイレーンを操っていたのか?

どうやって操っていたのか?

 アニメと似ている世界だが、あくまで似ているに過ぎないし、日本皇国が介入している時点でアニメと違くなる可能性が大いにある。

 

 

「俺も行く」

 

 

 ゆかは唐突にそう言った。ゆかは司令官。普通は止めるのだが、生憎この国はこれが普通なのだ。誰も止めない。

 こうしてレッドアクシズ潜入に、ゆかと川内が行うことが決定された。

 

 

 

 

 

レッドアクシズ基地

 

 

 

「ええ!?それは本当なの!?」

 

 

 

「本当です」

 

 

 アズールレーンとの一戦から帰ってきた綾波は、その戦いの様子を雪風、時雨、夕立の三人に話していた。

 その中で最も反応が大きかったのは、日本皇国の話だった。

 

 

 

「強かった…です」

 

 

 

 事実上の敗北となったレッドアクシズとアズールレーン。砲撃こそ交わさなかったものの、航空機だけであの被害にあった。いくら奇襲にあったとはいえど、無視できない被害だった。

 

 

 

「それは…やばいわね」

 

 

 

「ふふん♪この雪風様の手にかかればユニオンもロイヤルもあの日本皇国とかいうのも一網打尽なのだ♪」

 

 

 

「うぐっ」

 

 

 

 賑やかな会話をしているが、聞いているのかいないのか、もぐもぐと食べていた夕立は、喉に食べ物を詰まらせていた。

それに呆れた時雨がお茶を渡す。

 

 

 

「落ち着いて食べなさいよ。ほらお茶」

 

 

 

 なんとか流し込んだ夕立。お茶を飲み終わると、綾波にこう言った。

 

 

 

「でも、いいな〜、綾波は出撃できて。夕立も早く戦いたいぜ♪」

 

 

 

 綾波はその言葉に思うところがあるのか、戦場でのある出来事を思い出していた。

それは、日本皇国介入前の出来事。

ジャベリンとラフィーとの戦い。2人はこちらに構えるだけで、無防備にも武器を向けていなかった。

 それを謎に思っていた。が、分からない。自分の胸にモヤモヤが残るだけだった。

 

 

 

「戦いは、好きじゃないです。ただ普通に戦っていただけです」

 

 

 

「普通って…鬼神『綾波』が何言っているのよ、このこの〜♪」

 

 

 

「鬼だ〜♪つのつの〜♪」

 

 

 

 

 時雨が綾波の頬をつつく。夕立が綾波に飛びつく。横では、雪風がアイスを食べている。

 

 

 

「これは綾波の耳です……角じゃないです…」

 

 

 

「でも、強いだけじゃダメよ。この時雨様のように幸運にも恵まれてなくちゃね」

 

 

 

「あ、当たったのだ!」

 

 

 

 自信満々に言った時雨だが、アイスのあたりをひいた雪風に言葉を潰されるようになってしまった。

前々から雪風と時雨はどちらがより幸運かというので張り合っており、時雨は、アイスをさらに持ってきてこう言い放った。

 

 

「勝負よー、雪風!!今日こそ決着をつけてやるー!!」

 

 

「お店では静かにしなさーい!!」

 

 

2人は近くにいたZ23(ニーミ)の注意を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

「…ふっ!!」

 

 

 一方、別の場所。そこでは、高雄が自分の剣術の腕を磨いていた。

舞い散る、薄い桜の花弁を一瞬で斬ることができる腕前。余程の使い手と見える。

そんな光景を見て拍手するKAN -SEN。

 

 

「精が出るわね、高雄」

 

 

「瑞鶴」

 

 

 瑞鶴だ。あの海戦から戻ってきた瑞鶴はこの場所にやって来ていたのだ。

瑞鶴は、高雄と同じく剣の使い手。ある程度は話が合う。

 

 

「瑞鶴殿、戻っておいでか」

 

 

「うん。まあ、あまりいいところなかったけどね」

 

 

 髪をたくしあげながら言う瑞鶴。

 

 

その後、2人は見晴らしの良い丘にきていた。

 

 

「日本皇国?」

 

 

「新たな勢力として、日本皇国が参戦したのよ…」

 

 

「そうか。いつ建国したんだ?……それで、日本皇国とは戦ったのか?」

 

 

「ええ。でも、歯が立たなかった。こちらも、向こうも」

 

 

 瑞鶴は手をギュッと握りしめる。

高雄はただ黙って聞いている。

丘の上の草が風で揺れ、髪も合わせて揺れる。

 

 

「それで…グレイゴーストにも勝てなくて」

 

 

 瑞鶴は自身の無力感に苛まれる。

さらに続ける。

 

 

「今のままじゃダメなんだ………もっと強くならないと、翔鶴姉やみんなのことを守れない…!」

 

 

 

 俯く瑞鶴。その時、高雄が瑞鶴の背中をバンと叩いた。強すぎたのか、瑞鶴は身体をよろけてしまう。

 

 

「うっ」

 

 

「あぁ…すまぬ。少し強すぎたか」

 

 

「うぅ」

 

 

「だが、1人で思い詰めるのは良くないぞ。もう少し拙者たちを頼ってくれ」

 

 

「高雄…」

 

 

「仲間だろ」

 

 

 瑞鶴に手を差し伸ばす高雄。瑞鶴は迷わずその手を取った。

 

 

 

 

 

 

「全く、明石のおおうつけはどこで油を売っているのですか」

 

 

 荷物を運んでいる饅頭を見つつも、手に持っている紙を見ながら呟くKAN -SEN、不知火。その後ろで転んだものがいた。

 

 

「大丈夫でございますか?ところで…あなた…」

 

 

 転んでオロオロする者。しかし、その連れが転んだ者に仮面を着けて一礼をする。

そのまま、立ち去ろうとする2人。

 

 

「もし」

 

 

「ひっ」

 

 

「これ、落とし物」

 

 

 落ちていた物、眼鏡を受け取った先程転んだ者は、一礼をしながら連れと共に去っていった。

不知火は、その様子にハテナを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

「もう。なんで私が潜入任務なんですかー。絶対向いてないですよー」

 

 

「声が大きいです」

 

 

 先程転んだ者の正体は、レッドアクシズ基地に潜入しているロイヤルメイドの1人、エディンバラだ。その連れは、同じくロイヤルメイドの1人、シェフィールドだった。

あの後、上手く影に隠れてることができていた。

 

 

「物資の流れから察するに、何やら大掛かりなものを建造しているようです」

 

 

 その場所を探そうとする2人だが、目の前に緑の髪で猫耳があるKAN -SENが洞窟に入っていったのを見逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 そのことを見ていたのは、その一組だけではなかった。

 

 

「やはり、あの洞窟が一番怪しいな」

 

 

「どうする、提督?」

 

 

「勿論、追尾する」

 

 

 ゆか&川内コンビだ。彼らも潜入していたが、あまりにも早く終わってしまったので、怪しいところを見張りつつ、のんびり観光していたのだ。

 

 

行動開始(ミッションスタート)だ」

 

 

ゆかは、笑みを浮かべながら、そう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 緑の髪で猫耳があるKAN -SEN、明石は洞窟内にて愚痴っていた。

 

 

 

「ぬいぬいのヤツ、猫使いが荒いにゃ、やってられないにゃ」

 

 

 

 仕事を抜け出している明石だが、洞窟の奥へ進んでいるうちに迷子になっていた。

歩き回る明石。そして、あるものを見かける。

 

 

「もしかして、オロチ計画の船かにゃ?これ、セイレーンにそっくりにゃ。こんなものを作って本当に大丈夫かにゃ?」

 

 

 その船の上には赤城がいた。その手には黒いメンタルキューブを持っており、それを艦へ解き放った。

 

 

「うにゃあ!?」

 

 

 その際に生じた衝撃波は洞窟を揺らした。それと共に艦は起動してある者が現れた。

セイレーンの特殊個体、オブザーバーだ。

 

 

「これほどのエネルギーが集まれば、オロチ計画発動は目前よ。この調子なら、そうね。後、一つといったところかしら?」

 

 

 オブザーバーは、黒いメンタルキューブを生み出し、赤城に渡す。

 

 

「オロチ計画が生み出すのはただの船ではない。言うなればこれはあらゆる思いを乗せて海を渡る箱船よ」

 

 

赤城に近づくオブザーバー。赤城の耳元でこう呟いた。

 

 

 

「もうすぐ会えるわよ」

 

 

 

「失せなさい。それよりも聞きたいことがある」

 

 

 

「聞きたいこと?」

 

 

 

「日本皇国とかいう謎の国家のことよ」

 

 

 

「ああ、それね…」

 

 

 

 オブザーバーは、困ったような表情になる。

赤城は、オブザーバーが仕掛けたことなのではないかと疑っていた。

 

 

 

「私達は関係ないわよ。あれは私達にとってもイレギュラー。あれのせいで、世界中のセイレーンが軒並みやられている」

 

 

 

その光景をみた明石は震えていた。

 

 

 

「え、えらいこっちゃにゃ…とんでもにゃいものを見てしまったにゃ…」

 

 

 

「貴様」

 

 

 

「にゃあ!?」

 

 

 

 明石がこっそり去ろうとするが、加賀に見つかってしまった。

 

 

 

「何をしている?」

 

 

 加賀は明石に鋭い目つきを向ける。

 

 

「見たな?」

 

 

 

「ななななな、何のことかにゃ?明石、道に迷っただけだにゃ、にゃ、にゃにゃにゃにゃにゃ!!」

 

 

 

 その会話に気づいたオブザーバーが、明石を触手で拘束して吊り上げる。

そして、口封じに処分しようとする。

 

 

 

「見られちゃったわね…仕方ないわ。

好奇心は猫を殺す…なんてね」

 

 

 

「にゃああああ!!助けてにゃあ!!」

 

 

 

「待ちなさい。重桜の中で勝手な真似は許さないわよ」

 

 

 

 そこに待ったをかけてのは、まさかの赤城。

見られたからといえど、明石が仲間であることには変わりないのだ。

 

 

 

「そんなことを言われてもね…放って置くわけにはいかないでしょ?」

 

 

 

「………」

 

 

 

 睨むようにオブザーバーを見つめる赤城。そんな時だった。

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

 触手が撃たれ、明石が解放された。

その元凶は、銃口を触手があった場所に向けていた。

 

 

「何者だ!」

 

 

 加賀がその元凶に攻撃を加える。

元凶はそれを華麗にかわすと、メイド服に変わっていた。元凶は、潜入していたロイヤルメイドのシェフィールドだった。

銃を連射するシェフィールド。加賀は、自身の式神で防いでいる。

 

 

「そのふざけた格好は、ロイヤルか!」

 

 

 洞窟の壁を利用し飛び上がり、上から赤城に襲いかかる。

そして赤城が避けたのを確認すると、体術で黒いメンタルキューブを弾き落とした。

 咄嗟に手を伸ばす赤城だが、シェフィールドが放った弾丸に弾かれ、黒いメンタルキューブは落下してしまう。

 

 

「エディンバラ!」

 

 

 その落下地点にきたエディンバラ。これで、ロイヤルの手に黒いメンタルキューブが渡ったかに思われた。

 

 

 

 

 

 しかし、潜入しているのは、ロイヤルだけではなかった。

 

 

エディンバラの真上を何者かが通り過ぎ、黒いメンタルキューブを掠め取っていた。

 

 

「え?」

 

 

「なっ!」

 

 

 驚いたのは、シェフィールドと加賀だった。赤城も目を開かせている。エディンバラは何が起きたか、理解していなかった。

 

 

 その何者かは、先程のシェフィールドと同じように壁を利用して、軽快に飛び回る。

壁キックの要領で、ドンドン加速して翻弄していく謎の人物。銃を取り出し、加賀、シェフィールドに連射する。

 正確性があるその弾丸を防がざる得ない2人は、避けるか、式神で守るかでなんとかかわす。

赤城、加賀、シェフィールドの近くに着地した謎の人物。

あからさまに無防備に隙を晒しているその人物に攻撃を加えようとする加賀。その瞬間、加賀の頬にクナイが掠めた。

 

 

「何!」

 

 

 クナイが飛んできた方向に目を向ける3人。

そこには、忍者の格好をした女性がいた。

 

 

「ロイヤルだけじゃないよ」

 

 

 そう言いながら、謎の人物の横に立つ彼女。

そんな2人の正体にオブザーバーは勘づいていた。

 

 

「貴方達、日本皇国の者ね」

 

 

「よく、わかったな」

 

 

 口を開いたのは、謎の人物。その人物は、黒いパーカーを着ていて黒いフードを被っており、顔まで影でしっかり隠されている。

 

 

「けれど、少し遅かったな」

 

 

2人は、煙幕をばら撒く。

 

 

「小癪な!」

 

 

 煙幕が晴れると、そこには誰もいなかった。

ロイヤルも、煙幕が広がった隙をついて撤退したようだ。

 

 

「まぁ、大変。失態ね、赤城」

 

 

 オブザーバーも、イレギュラーである日本皇国に黒いメンタルキューブが渡ったことを良く思っていなかった。

 

 

 

 

 警報が基地全体に響き渡る。

突然のことで、状況を把握しているKAN -SENは誰一人としていなかった。

 

 

「何があったの?」

 

 

「なんなのだー!?なんなのだー!?」

 

 

「ちょっと!何が起きてるんだよ!?」

 

 

 困惑するそれぞれの場所にいるKAN -SENたち。一番最後のセリフを言ったKAN -SEN、古鷹の前を誰かが通り過ぎた。

 

 

「今の…なに…」

 

 

 

 

 

 

「運ぶなら金塊がいいのにー!!」

 

 

「泣き言は後です。ところでなんなんですか?そのおまけは」

 

 

 黒いメンタルキューブの確保に失敗した以上、基地の情報だけ持ってでも逃げなければならない。

逃げているエディンバラの背中には、明石が張り付いていた。

 

 

「なんで、ついてきちゃったんですかー!?」

 

 

「あのままじゃ明石消されるにゃ!!口封じにゃ!!死人に口なしにゃ!!」

 

 

 明石が喚いている。シェフィールドは、それを見てある決心をする。

 

 

「仕方ありません。このまま海にでますよ!」

 

 

 

 

 

 

 艦装を展開して、海を渡る2人。

 

 

「危ない!」

 

 

 急いでいるからか、シェフィールドとエディンバラは反応が遅れた。上から降ってきた砲弾がエディンバラに一直線に向かってきていた。

 

 

「よっと」

 

 

 それを間一髪で射線に割り込み、砲弾を弾いた者がいた。

先程の忍者の格好をした女性だった。その女性、川内は苦無を持って砲弾を弾いたのだ。

 シェフィールドは何故、敵である筈の彼女が助けたのか理解できなかった。

 

 

 

「逃がさん!」

 

 

 

 だが、ひとまずここは共闘することにした。

 

 

 砲撃の正体は高雄が撃ったものだった。剣術の使い手であるからか、斬撃の一撃が重い。忍刀である程度渡り歩いているが、剣術の練度が違う。いずれ均衡が崩れるのも想像に難くない。現に、シェフィールドの援護射撃があっても、高雄はなんなく避けている。

 

 

 だけど川内は、そんなものを覆す方法が浮かんでいた。

川内の艦装、及び装備は、全て日本皇国製に置き換わっている。その際の担当者は、霞を困らせたあの技術者二人組。彼らの手が入っているのだ。普通の武器である筈がない。

案の定……

 

 

「ほい!」

 

 

 少し後退した川内は、忍刀にある一つのボタンを押す。その瞬間、刃が高雄に向けて飛んでいった。

 

 

「は?」

 

 

 シェフィールドは素っ頓狂な声を出した。それもそうだろう。刃が飛ぶ武器なんて聞いたこともない。

 

 

「む?」

 

 

 高雄も疑問に思っていた。刃を飛ばしたら、武器の意味がないのではないかと。なら、何故と。

飛ばされた刃を弾こうとする高雄。勿論、ただ飛ばすだけじゃ意味ないのは、誰だろうと分かる。だからこそ、刃になんの仕掛けが施されていないわけがない。

 

 

「かかったね!」

 

 

 高雄が持つ刀と飛ばした刃が触れる瞬間、川内が飛ばした刃と高雄との距離がもっとも近くなると予想した瞬間。その時に、川内はもう一つのボタンを押した。

 

 

「なっ!!」

 

 

 刃が爆発した。油断していた高雄はもれなく巻き込まれた。

この光景には、シェフィールドもエディンバラも明石も呆気にとられていた。

 

 

「やるな…流石川内と行ったところか…」

 

 

「よく、わかったね。そっちの私と全然違うのに」

 

 

 世界は違うとはいえ、艦の魂を持つ者。本能でどんな艦か、ある程度わかるものだ。それが、自分の陣営の艦と同じならば尚更だ。

 

 

「それに、そちらこそ流石、高雄だね。あの爆発を刃ごと斬り払うとは」

 

 

「釣瓶縄井桁を断ち、 雨垂れ石を穿つ。鍛錬を重ねた我が剣に斬れぬものはない!」

 

 

 高速で接近して刀を横薙ぎに振るう高雄。川内はなんとか避けるが、髪が少しだけ切れていた。

 

 

「やるね。けど、こちらもだよ!」

 

 

 いつの間にか復活している刃がついている忍刀で再び、白兵戦を行う2人。だが、川内は何かを察知したのか、思いっきり後退する。

さっきまで川内がいた場所には、ある砲弾が着弾していた。

 

 

「新手…綾波ってわけね」

 

 

2対2。けれど分が悪い。どうやって立ち回ろうか考えていると、高速で接近してくる物体があった。

 

 

 

「何事だ!?」

 

 

 

ボートだった。明石とエディンバラが乗ったボートが全速力で突っ込んできていた。

 

 

 

「エディンバラ!」

 

 

 

「シェフィ!こっちに!」

 

 

 だが、ボートはエンジンから火を噴いていた。

無論、明石はパニックになる。

 

 

 

「火噴いてるにゃ!!」

 

 

 

「これはちょっと…」

 

 

 

「まずい…です」

 

 

 

「こっちにくるなー!!!」

 

 

 

 高雄の声も届かず、そのまま…

 

 

 

「止めてくださああああああい!!」

 

 

 

 ボートはこの場にいる全員を巻き込んで大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、姉様。敵を逃してしまったようです」

 

 

「そう。仕方ないわね」

 

 

 赤城は、加賀の報告を聞きながらも海を見ていた。怒ってる様子もなさそうな赤城に、加賀は疑問をもった。

 

 

「黒箱が連中の手に渡ってしまいますが…」

 

 

「追撃隊を編成してちょうだい。でも、これは好都合かもしれないわね」

 

 

「姉様…?」

 

 

「日本皇国がアズールレーンと黒箱を育ててくれるなら、ご厚意に甘えようかしら?」

 

 

 日本皇国とアズールレーンの間で戦ってくれたら尚いい。可能性は低いが、そう思っていた。

赤城の表情は不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

 

 一方、迎撃から帰ってきた高雄、綾波は、2人で話していた。

 

 

「すまない、綾波。助けられたな」

 

 

「いえ。無事で良かったです」

 

 

 そう話していると綾波を呼ぶ声が聞こえた。同時に、駆け込んでくる三人の姿が確認できた。

 

 

「綾波、アンタ平気なの?」

 

 

「幸運の女神である雪風様がついてるのだ!無事に決まってるのだ!」

 

 

「また、乗り遅れた〜!夕立も戦いたい〜!!」

 

 

 上から、時雨、雪風、夕立だ。綾波はその勢いにたじろいている。その様子は、周りから見ても微笑ましい光景だった。

 

 

「仲がいいんだな?」

 

 

 綾波はチラッと高雄の方をみると、3人に視線を戻して言う。

 

 

「はい。大切な友達です」

 

 

 そして、重桜の仲間を見ていた。

駆逐艦に、軽巡に重巡、空母に、戦艦。全員が綾波の仲間であった。かけがえのない、仲間なのだ。

 

 

「だから綾波は、みんなの為に…」

 

 

 だが、アズールレーン陣営のある2人をどうしても思い出してしまう。ジャベリンとラフィーだ。

最初の海戦から今に至るまで、2人のことが頭から離れない。敵だと分かっていても、何故か攻撃をしてこない。それどころか敵意すら向けてこない。そんな2人が頭から離れない。

 

 

 そんな綾波の前に桜の花びらが降りてきて、そのまま風に飛ばされていった。

綾波は、それを目で追いながら自分の中にある迷いに、答えを探していた。

 

 

 

 




「この回は、潜入調査か〜。あれ?忍者の格好している川内を出せばよくね?ちょうど艦娘も出せるし、一石二鳥じゃん!」


ゆか「作者よ…これ本当なのか?」

作者「はい。本当ですよ」

ゆか「……雑じゃね?」

作者「〜♪」スットボケ

ゆか「【(アイス)】【(ランス)(ボム)】!!」


〜しばらくお待ちください〜


ゆか「ちっ!逃げたか…」




作者「それでは、次回もお楽しみに!」

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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