皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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今回は日本皇国の改装を受けた艦娘vsKAN -SENです。
皇国のズレた兵器の一部も見ることが出来ると思います。

勝ち目のないKAN -SENは艦娘にどう立ち向かうのか?



それでは本編どうぞ!!


第十六話 Schlacht in der zerstörten Stadt (廃墟街での戦闘) 3

 

 

 

 

 乱入してきた艦娘とKAN -SENの戦闘は、完全に艦娘側の優勢だった。

 自動で相手の行動を予測してくれる自動照準機能により、艦娘の砲撃はほぼ百発百中の命中率を叩き出していた。また、相手から放たれた砲弾も日本皇国の改造によって、出せるようになった圧倒的な速力を利用して避ける。

 

 事態は一方的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

 エンタープライズは、ワイルドキャットを発艦させてその上に乗る。それは忍者らしく奇襲や速さを生かしたヒットアンドアウェイを繰り返して翻弄する川内への対抗策だった。エンタープライズ以外にこの場にいた者は、初手の光の槍………対艦ミサイルの攻撃によって、大ダメージを受けていて2人の戦いを見ることしかできない。

 空へ上がったエンタープライズは、艦載機の機銃を川内に放ちすぐに上空に避難する一撃離脱戦法で対応していた。

 そんな攻撃を川内は涼しい顔で避けていく。

そして、さりげなく手裏剣を投げていく。

 

 

「逃がさないよ!」

 

 

 投げた手裏剣は、旋回して避けるワイルドキャットを追いかけて撃墜する。川内はそれを見て、手元の手裏剣を一瞬で弄って再び投げる。そのさり気無い動作をエンタープライズは見逃さなかった。

 

 

(何をした?)

 

 

 一瞬のうちに行われた動作。その動作は歴戦の猛者であるエンタープライズの目に捉えられていた。

 川内は何を弄っていたか。

答えは簡単で手裏剣も皇国製だからだ。手裏剣が正確に艦載機を追いかけることなど不可能である。しかし、それを覆して全ての艦載機を追いかけ全滅させている。

 

 

 

 

 

 実は、手裏剣には誘導装置が付いていた。川内は、それを弄って目標を設定してから投げていたのだ。その手裏剣には小型の爆弾も付いており、艦載機を確実に仕留めている。耐空時間が長いのは、川内の技量のおかげだろう。

 

 

 

 

 手裏剣によって全滅した艦載機の一つから落下したエンタープライズは、空中で体勢を整えて、廃墟の壁を蹴って素早く発艦させたワイルドキャットに着地する。そして、ワイルドキャットの機銃を避けている川内に向けて矢を放つ。それも川内は避ける。

 川内に不意打ちは至難の業だ。皇国のレーダーが積んであるのが理由の一つとして挙げられる。いくら奇襲してもレーダーで既に捉えている。

 

 

「ん?」

 

 

 だからこそ気づいたのかもしれない。

艦載機が妙に減らない。目の前のエンタープライズは発艦させていないのにも関わらずだ。

そこで川内はレーダーを確認する。すると、奥からワイルドキャットがやって来ていた。

 川内は、エンタープライズの姉妹艦であるホーネットの仕業だと確信する。よって、一気に艦載機を撃墜させようと、艦装を構え……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ようとして咄嗟に背後に振り向き、忍刀で自身に斬りかかってきた刀を防ぐ。

 

 

「なっ!?」

 

 

 斬りかかってきたKAN -SEN、瑞鶴は驚きの声を出す。それと裏腹に、川内も冷や汗を流していた。

 

 

 

(ワイルドキャットを利用して奇襲してくるとはね…)

 

 

 

 ホーネットから発艦したワイルドキャットの上に乗って単体で奇襲する。レーダーに映っていたとはいえ、それがホーネットだと思い込んでいた川内にとって、その奇襲は効果が高かった。

 

 

 

「あなたは、重桜の…」

 

 

 

「グレイゴースト!!今は、あっち!」

 

 

 

 後退した瑞鶴が川内を指差して言う。彼女は一時的に協力するつもりのようだ。エンタープライズはその事実に驚愕した。あの時のゆかの言葉が頭に浮かぶ。

 汚れ仕事を自らの国が請け負う。こういう意味だったのかと。エンタープライズは今更ながらに理解した。

 

 

 

 上空から零戦が奇襲する。川内は後退することで避ける。それと同時に瑞鶴のそばに2人のKAN -SENが降り立つ。翔鶴とホーネットだ。

 

 

 

 

「いや〜、まさか協力するなんてね」

 

 

 

「そうだな」

 

 

 

 ホーネットとエンタープライズの会話。その横では翔鶴と瑞鶴が会話していた。

 

 

 

「4対1ってことね。上等!」

 

 

 

 手に持っている手裏剣を翔鶴とホーネットに投げる川内。その射線に立って、手裏剣を弾く瑞鶴とエンタープライズ。弾かれた手裏剣は、弾かれた衝撃で地面に着弾して爆発が起こる。

 

 

 

 その川内の先制攻撃を合図に上空を旋回していたワイルドキャットと零戦は一斉に川内に襲いかかる。その合間を縫って、エンタープライズは矢を放つ。

 

 

 

(一時的とはいえ協力することができる…………作戦第二段階はある程度は完了したってことだね)

 

 

 

 川内は意を決して本格的に参戦しようする。

艦装を構えて、ミサイルの照準を敵に合わせる。

 

 

 

「(なんの恨みも無いけど、これは彼女たちの為。彼女たちがミサイル攻撃を認知して()()()()に最低限対処できるように………)目標、敵編隊及び敵空母!!艦対空ミサイル及び艦対艦ミサイル!撃てぇー!!」

 

 

 

(あの攻撃は!?)

 

 

 

 この場にいる全員が驚いている。一撃で大損害を与えた光の槍が音速を超える速度で四隻の空母に迫ってくる。

 

 

 

「な、なんなのよ!あれは!」

 

 

 

 空を見上げれば艦載機は既に全て撃墜されていた。

 

 

 

 急いで回避する四隻。しかし、反応が遅れた翔鶴、瑞鶴、ホーネットが被弾。エンタープライズはなんとかかわしたが、ミサイルはそんなエンタープライズを無慈悲にも追尾する。

 

 

 

「くっ!(まさか、追尾能力をもたせているのか)」

 

 

 

 迎撃も意味がなく、なす術ないまま被弾するエンタープライズ。

 

 

 

 川内は辺りを見渡し、レーダーも確認して敵がいないことを認識するとそのまま立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、高雄、愛宕、クリーブランドがいる場所でも、一方的な展開になっていた。

 

 

 なにせ、相手は鬼の二水戦で名高い神通なのだ。練度も桁違いに高い。そんな神通は、腕に付いてある装甲で高雄の斬撃を防ぎつつ、愛宕のサポートの妨害とクリーブランドの機銃での牽制を次々と避けていく。

 

 

 

「短魚雷発射!てぇー!」

 

 

 

 神通から放たれた魚雷。酸素魚雷であるのは明確であるが、これにもあの狂った技術者たちが魔改造が加えてある。

 誘導機能を加えるのはもちろんの事、威力強化や対潜にも使える汎用性、射程距離増加などの様々な面で強化されている。

 

 

 

「くっ!まずいな…」

 

 

 

 最初に着弾したのはクリーブランドだった。

そこから立て続けに高雄、愛宕の順に着弾する。大きく水柱が上がり、その威力が窺える。

 それでも三人は耐えていた。速力低下は免れていないが、即席の連携でカバーしていた。

 

 

 

「いい動きですね」

 

 

 

 神通はそう言いながら、腕に付いている主砲の照準を1人ずつ合わせていた。

 

 

 

「ですが、かつての私たちより動きは鈍いですね。即席なので、仕方ないですが…」

 

 

 

 そもそも、ゆかによって練度が爆上げされている時と比べるのがおかしいのだ。

三人は動き回ることでなんとか神通を翻弄しているが、神通の自動照準機能により既に主砲は彼女らを捉えていた。

 

 

 

「撃てぇー!!」

 

 

 

 クリーブランドの弾幕をものともせず、高雄と愛宕の斬撃もものともせず、その主砲は放たれた。レールガンモードでの砲撃。いくら旧式相手でも神通は容赦なかった。

 

 

 

「これくらいにしときましょう。そろそろ他の皆さんも終わるはずですから」

 

 

 

 無傷で軽く三人を倒した神通は、予め定めていた合流地点へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

「吹雪、本国から何かないか?」

 

 

 

「は、はい!実は、トーパ王国にて魔王が復活したと…。そして、煉隊長が対応するから問題ないと小野副司令官が」

 

 

 

 吹雪はアタフタしながら答える。いきなりの質問にびっくりしているのだろうか。

 

 

 

「つまり、『言わなくていいよ』みたいなことを言われたのか?」

 

 

 

「はい…」

 

 

 

 シュンとする吹雪。ゆかは、そんな吹雪の頭の撫でながらこう言った。

 

 

 

「ありがとう。それに、煉なら大丈夫だしな」

 

 

 

 何回も一緒に戦ったことがあるゆかが言う。それ程、説得力のある言葉はないだろう。

 

 

 

 

 

 ゆかがいる場所は、駆逐艦吹雪の甲板上。そこに艦娘吹雪と一緒にいた。

 その近くには空母翔鶴、瑞鶴が、周りには護衛の駆逐艦が佇んでいた。

 

 

 

「そう言えば司令官。黒いメンタルキューブはどうなったんですか?」

 

 

 

「あの黒いメンタルキューブはアズールレーン側に渡ったが、想定内だ」

 

 

 

 むしろ向こう側にないと、セイレーンがこちらに来る可能性がある。倒せるには倒せるが、セイレーンとの最終決戦に挑むまでの時間がかかるし、それだと人類の団結には程遠くなる。

ゆかはそれを分かっていた。また、日本皇国側はこの世界の人類をいち早く団結させないといけない理由があった。現在展開している作戦も、その理由の影響を強く受けている。

 

 

 

「そろそろだ。吹雪、出迎えにいくぞ」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 話を切り上げたゆかは、廃墟街で戦闘した艦娘たちを出迎えに行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦第二段階完了間近……

作戦第三段階発動準備……

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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