皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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皆さんお久しぶりです。作者の大和ゆかです。
いきなり本題に入りますが、更新を再開いたします。詳しくは活動報告をご覧ください。



それでは本編どうぞ!


第二十二話 Orochi und Nazis(オロチとナチス) 4

「敵機確認!!数7000!!」

 

 

「日本め…ついに勝負に出たか…空母艦隊に通達!!今すぐ出撃できるだけの艦載機を発艦させて迎撃に向かわせろ!!」

 

 

 ナチス艦隊本隊では突然の日本の大反抗に混乱に陥っていた。それも()()立て直しがちょうど終わった頃だった為、上空を警戒する航空機は少なかった。

 

 

「司令!!提案があります!!」

 

 

「なんだ。言ってみろ」

 

 

 今から艦載機を発艦してこちらにワープさせたとしても間に合わないのはわかっている。司令がどう対処するか迷っていると、部下からある提案が出される。

 

 

「試験兵器コードBを使うのです。本艦に搭載されているあの兵器なら、ある程度敵機を一掃できます!!」

 

 

 コードB。それはナチスが開発しているまだ名前が決まっていない兵器だ。実は第二次世界大戦レベルの国家が集うこの世界で侵攻ついでに実地試験を行う為に積まれていたのだ。だがそれは、日本皇国との戦闘によって実地試験を行う暇なく放置されていた。それを今使おうと言うのだ。その部下の提案に反対を示した部下がいた。

 

 

「しかし、あれはまだ開発段階だぞ!!なんらかの拍子で向こうに情報がいったらどうするつもりなんだ!!」

 

 

「ああ。あなたは我が国の技術を信用していないと?」

 

 

「そういうことを言っているんではない!!万が一のことを言っているんだ!!」

 

 

「しかし、それしか方法がないのは事実では?」

 

 

 その言葉に、反対を示した者が口を噤んだ。ミサイルや弾幕を撃ちまくればある程度は落とせるだろうが、相手は日本だ。日本なら普通にミサイルを迎撃してくるし、弾幕もかわしてくる可能性が高い。そう考えると方法は一つしかなかった。だからこそ司令は意を決した。

 

 

「試験兵器コードBを使用する!!各主砲に試験砲弾を詰め込め!!」

 

 

 

 

 

 

 

 敵本隊に向かっている7000機の先頭を飛んでいる加賀利は何か嫌な予感を感じていた。死が目の前にあるような、自分が未熟だった頃に何度も味わった感覚。そんな感覚が敵本隊に進路をとってからずっと身体中を駆け回っていた。敵本隊に近づけば近づくほどにその感覚は強くなってきて、冷や汗が止まらなくなる。彼にとってこんな経験は初めてだった。

 

 

(この先に何があるっていうんだ!!)

 

 

 死を予感するほどの恐怖を感じている自身に苛つき心の中で声を荒げてしまう加賀利。それは同じく先行している杉田も同じことを感じていた。

 

 

 

 

 

「「交戦開始(エンゲージ)!!」」

 

 

 加賀利と杉田のその声と同時に、上空警戒をしていた敵機と空母から発艦してきた敵機と交戦した。だが今は物量、質ともに勝っている日本側に勝てる筈もなく、簡単に蹴散らされていった。そしてナチス側は制空権維持に入った日本側に対して、次々に空母から発艦した航空機を次々にこちらにワープさせている。その為、ナチス側は戦力の逐次投入のような形になっていた。

 

 ちなみにこの状況は、ナチスの失策と日本が()()とも言える艦載機のワープの弱点を見事についたから起こった出来事だった。その弱点とはナチスの艦載機のワープは一度に一つの航空隊ではなく小規模の編隊しか送れないことだった。それでも日本側にとって充分脅威だが、今のナチスは発艦できる機体から順次発艦していて、発艦した機体をすぐにこちらにワープしてきている。故に、ワープした地点の近くにいる日本側の航空機にすぐに撃ち落とされるのは当然のことだ。

 

 

「見えた!!全機突n…ブレイク!!主砲射程圏外に逃げろ!!」

 

 

 先行していた航空隊が攻撃態勢に入った途端、加賀利と杉田は首筋に死神の鎌を突き付けられたかのような激しい恐怖と悪寒に襲われた。生物なら誰しも持っている死への恐怖。2人は本能でそれを感じとっていた。

 そのような感覚と同時に、彼等の今までの経験と勘が今のナチスに近付くなと言っていた。彼等は自身が鍛えた勘に従った。

 

 

「なっ!!なんだ、あれは!!」

 

 

 結果としてそれは正解だった。だが、部下に咄嗟に出した指示は間に合わなかった。

ナチスから放たれた砲弾は、空中で炸裂すると眩い閃光を生み出した。一瞬目眩しかと思ったがそんなことはなく、閃光の少し後に炸裂地点に向けての強力な吸引力が発生した。炸裂地点には強力な吸引力の正体であろう黒い物体に見える謎の物体が浮かんでいた。逃げる暇もなく、ただただ黒い物体に向けて吸い込まれるだけ。最大出力で振り切ろうとするも、エンジンになんらかの不具合が発生して思うように力が出ない。

 

 

「ちょっ!!くるな!!」

 

 

「ぶつかるー!!!」

 

 

 航空隊は一斉に吸い込まれている為に、近くの味方航空機と接触する事故が多発した。それぐらいなら結界で耐えられるが、最初の眩い閃光に巻き込まれた機体は問答無用で結界が崩壊している為、被害が増大した。

 

 

「ん?膨張してる?」

 

 

 1人のパイロットがそう呟いた瞬間、確かに膨張していた黒い物体が大爆発を起こした。黒い物体に吸い込まれて味方機が密集している時にキノコ雲が出来るぐらいの爆発が起こったことで、損害は大きくなっていた。

 それと同様の景色が複数箇所で起こっていた。

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、なんだったんだ……今の」

 

 

 味方を引き連れて間一髪で黒い物体の吸引する範囲から抜け出し、その後の爆発も逃れた加賀利は息を整えながら大量の味方機がやられた空域を睨みつけるように見つめる。その原因となった浮かんでいた黒い物体は跡形もなく消失していた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵機多数撃墜!!500以上は確実!!」

 

 

 コードB兵器の使用は比較的簡単に出来た。どのような兵器かは機密なので皆に知らされていなかったが、砲弾なので使用が簡単で威力が高いということから評判はよかった。

 

 

「残弾尽きるまで撃ちまくれ!!」

 

 

 司令のその指示を皮切りにナチス艦隊の対空砲火が一層激しくなる。その中で一番戦果を挙げているのはやはりコードB兵器だろう。最初の閃光で結界を崩壊させて、その後の黒い物体で引き寄せて、最後の大爆発で仕留める。また、コードB兵器の攻撃から逃れるのに集中している敵機を対空ミサイルや対空ガトリングレールガン、対空レーザーで仕留めて、コードB兵器で撃ち漏らした機体も仕留める。

 だが、それを日本側は練度と物量で強行突破した。突破してきた中で先行している金のラインが入った機体がやたらと多い編隊が対艦ミサイルをこちらに向けて放ってきた。

 

 

「敵機、ミサイル発射!!数100、200、300………どんどん増えていきます!!」

 

 

「迎撃だ!!弾切れを気にせず迎撃せよ!!」

 

 

 司令が弾切れを気にするなという命令には理由があった。それは今までの傾向から、この攻撃には日本側のほとんどの航空戦力が注ぎ込まれていると考えたからだった。実際にその通りであり、本隊を護衛する航空戦力は、この世界ではかなりの数だが元の世界では圧倒的に少ない数だった。

 

 必死に迎撃するナチスだが、その努力虚しく駆逐艦、巡洋艦合わせて27隻轟沈してしまう。それでもこの損害で済んだのはやはりコードB兵器の活躍によるところが大きいだろう。それ故に、ナチス艦隊の乗組員は全員、コードB兵器の実地試験は成功したとの見方が強い傾向にあった。同時に、実地試験に成功したおかげで日本の攻撃を弾き返したというコードB兵器に対して英雄視する風潮も広がった。

 

 

 

 この攻撃によるナチス側の損害は先程にも書いた通り、駆逐艦、巡洋艦合わせて27隻轟沈しただけだった。逆に日本側の損害は酷く、ナチス艦隊に差し向けた7000機のうち3000機以上が撃墜された。だが、日本側にとって幸いだったのは金のラインが入っているエースパイロットをあんまり失っていないということだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「報告します!!」

 

 

 敵空母艦隊付近にワープする準備をしている日本艦隊は、敵本隊に向かわせた航空機7000機……動ける機体を全て発艦させて、その中から少しだけ艦隊護衛について残りは敵本隊に向かわせていた。その航空隊による攻撃の結果が届いたのだろう。臨時司令の武蔵艦長は報告に来た部下の言葉を待つ。

 

 

「敵の新兵器により、航空隊半数以上撃墜!!これより撤退を開始するとのことです!!」

 

 

「は?」

 

 

 武蔵艦長は自分の耳を疑った。あの攻撃は日本艦隊の今出せる航空戦力を集中して行ったはずだ。それなら、いくら新兵器が出てきても大量のエースパイロットがこちらにいる以上、即座の対処は可能なはずだった。

 

 

「4本の菅野がいるだろ?その他にも3本の杉田やら、1本なのに2本や3本と匹敵する強さの加賀利までいるんだ。あれらが率いている航空隊が敵の新兵器といえど簡単に半数以上失うか?」

 

 

「どうやら、黒い物体に引き寄せられてからの爆発で大多数失ったそうです」

 

 

 武蔵艦長は思いの外冷静だった。あまりにも予想外な損害に頭に血が上りすぎて逆に冷静になったのかもしれないが、とにかく冷静だった。

 だが、この攻撃の失敗は後の日本の行動に響くのは明らかであった。敵駆逐艦及び敵巡洋艦を少数といえど沈めたのは良かったが、それは航空隊半数以上撃墜という大損害と引き換えにだった。幸いにも敵は新兵器を使用しているということが知れたが詳細は分からない。謎の黒い物体に引き寄せられ、最後にそれは爆発する……………そのような兵器は日本では実用化していないし、開発・実験をしていることなど聞いたこともない。しかも、キノコ雲ができる程の爆発なので相応の威力があると考えられる。その為、この兵器が艦隊に向けられればどのような結果になるのか予測がつかない。

 

 

 

 

 ナチス空母艦隊攻撃前の予想外の損害、敵の新兵器……………それらの要素が組み合わさって空母艦隊攻撃を躊躇したい気持ちが武蔵艦長に出てきていた。部下の心の中も同じような気持ちが出てきていて、中には攻撃が収まっている今のうちに撤退するというような意見まで出てきていた。だが武蔵艦長は空母艦隊を攻撃、撃破するチャンスは今しかないのも事実だということも理解していた。故に彼は決断する。

 

 

「作戦は続行する!!早急に空母艦隊を撃破する!!」

 

 

 空を見ると陽は落ちかけていて夜戦になるのは確実だったが、それでも彼は空母艦隊攻撃を実行するつもりだった。そんな時だった。

 

 

「艦長!!別働隊が戻ってきました!!」

 

 

 少し前にナチス別働隊と交戦し勝利した巡洋艦と駆逐艦だけの編成の艦隊が戻ってきていた。その艦隊には今の日本艦隊本隊に必要な彼が乗っていた。

 

 

「どうやら司令官は救援に間に合ったみたいです!!」

 

 

 嬉しそうに部下が言う。

 やがて艦隊が完全に合流すると、別働隊と一緒にいた彼………大和ゆかに武蔵艦長は指揮権を返還して臨時司令官の任を解いた。ゆかは本隊の現在の状況を聞いて、ところどころで目を見開き驚いた様子を見せるも、ゆかの目はまだ諦めている様子は微塵もなかった。逆に燃えているといった様子で、ここから勝利に繋げるつもりなのだ。

 

 ゆかは言う。

 

 

我々の勝利の運命は既にこちらに引き寄せられている!!勝利は目前だ!!

勝って兜の緒を締めよ!!」

 

 

 その声で、その言葉で艦隊の士気がさらに上がる。 

 

 

各員一層奮励努力せよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 陽が落ちて夜になった頃、日本艦隊は動いた。

 

 

「ワープ装置起動開始!!座標設定完了!!ワープ5秒前!!」

 

 

「5」

 

 

「4」

 

 

「3」

 

 

「2」

 

 

「1」

 

 

「ワープ開始!!」

 

 

 

 

 

 

 その瞬間がナチス艦隊の本格的な敗走の始まりだった…………。

 

 

 




キャラ紹介
NO.10 明石夕陽 男
ネクロマンス所属 技術開発部兼整備士

 無能力者ながら卓越した頭脳を持つ、狂った技術者(マッドサイエンティスト)と呼ばれている二人組の片割れ。魔改造好きで、隙あらば勝手に予算を使って締められている。何故か能力者並みに開発、生産も出来る。
 よく艦娘の明石と夕張、狂った技術者(マッドサイエンティスト)の片割れの太田の3人とともにありとあらゆるものを開発、魔改造している。

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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