皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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第三十五話 アルタラス王国

 中央暦1639年6月1日

 

 

 その日、海は静かだった。天気も良く、波も高くない。だが、そんな天気は今商船で航行している者にとっては嵐の前の静けさというほど恐怖の対象になっていた。

 

 

「ルミエス様、大丈夫ですか?」

 

 

「リルセイド、もう12回目よ?私は大丈夫よ。それより今は自分たちの心配をしなさい……」

 

 

 切羽詰まっている状況だと察することができるこの状況。その中で目立っていたのは真ん中で周りの人に護衛されるような形でいる美女だろう。

 その美女の名はルミエス。アルタラス王国の王女である。しかし、服はボロボロになっていて王女と一目では分からないような装いになっている。

 

 なぜ一国の王女がこんなところに来ているのか。それは数日前に遡る。

 

 

 

 

「これは!?………正気か?」

 

 

 そう声に出すのは、アルタラス王国国王のターラ14世だ。彼が手に持っている外交文章にはとんでもないことが書かれていた。

 

・アルタラス王国は魔石鉱山シルウトラスをパーパルディア皇国に献上する。

・アルタラス王国の王女ルミエスを奴隷としてパーパルディア皇国に差し出すこと。

 

 上のようなことが書かれてあり、それを二週間以内で実行することも要請………要請と言う名の命令されていた。もちろん、アルタラス王国は受け入れることはできない。その旨をパーパルディア皇国第三外務局アルタラス担当大使プリガスに国王が直接伝えた。

 

 

「魔石鉱山シルウトラスは我が国最大の鉱山です。貴国に逆らうつもりはありませんがなんとかなりませんか?」

 

 

「ならん!!」

 

 

「では我が娘、王女のことですが、なぜこのようなことを?」

 

 

「ああ、それは俺が味見するためだ。まぁ、飽きたら淫所にでも売り払うがな」

 

 

 このように、クズを体現したかのような発言をかましたブリガスに国王がブチギレないはずはなく、ブリガスは顔面を原型がないくらいに殴られた姿でパーパルディア皇国に送り返された。さらにパーパルディア皇国のアルタラス王国内の資産を全て凍結し、国交も断絶した。

 

 

「ルミエスよ、今船の手配を行なった。早急に王都から逃げるのだ」

 

 

 このような状況になった以上、パーパルディア皇国がアルタラス王国に懲罰攻撃するのは目に見えている。パーパルディアのことだから王族全員処刑するのもだ。特に王女で美女であるルミエスはもっと酷いことになるだろう。

 

 

「民を見捨て、王女のみ逃げるなど皆に示しが尽きません!!」

 

 

 ルミエスはそれを全力で拒否する。だがアルタラス王国には時間がなかった。そんな時、さらに事態を加速させる………アルタラス王国側にとって最悪な出来事が起こってしまった。

 

 

「失礼します!パーパルディア皇国が宣戦布告してきました!!」

 

 

 パーパルディア皇国の宣戦布告。それが意味することは監察軍ではなく正規軍が来るということ。この時点でアルタラス王国の勝利は無くなってしまった。

 アルタラス王国は魔石鉱山から産出される魔石を輸出することで巨額の富を築いてきた。その富を利用して、質の良い兵器を軍に持たせたりしていた。これなら監察軍をなんとか相手出来ていたかもしれないが、正規軍を相手するのは不可能で、せいぜい抵抗して金と武器を消費させることができるだけだった。それがわかっているからこそ、国王はルミエスにどこかに逃げる………どこかに亡命するように説得していた。

 

 

「頼む……父の最期の願いを聞いてくれないか…」

 

 

「わかりました……」

 

 

 涙目になって国王が手配した船に向かうルミエス。護衛として騎士リルセイド以下数人が付き、その日の夜中に商船を装って出航した。

 

 

 その後、南海海流にのって数日間漂流していた。

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろお昼ね、あなたたちから食べなさい」

 

 

 ルミエスはずっと御付きの騎士に食料を分け与えていた。自身の分を削ってまで、騎士が反対しても押し切って分け与えていた。

 

 

(お父様………)

 

 

 ルミエスは耐えていた。パーパルディアに祖国が滅ぼされるのはわかっている。恐らくルミエスの父も処刑されているだろう。それをわかっていながら、彼女は泣き言一つ言わず耐えていた。

 

 

「ルミエス様………」

 

 

 リルセイドはそう呟いた。彼女はルミエスがずっと我慢しているのを、ルミエスが苦しんでいるのを理解していた。しかしそれだけで、理解はしても騎士であり部下であるリルセイドらは分かり合えなかった。唯一分かり合えるのは祖国を、守るべき国民を失った喪失感のみである。故に、今のルミエスを救えるのは第三者、それもパーパルディアに一矢報いることができる国家の者のみなのを騎士たちは理解していた。

 

 

「どうしたのですか?リルセイド」

 

 

「はっ!?いえ、何でもありません」

 

 

 いつのまにかルミエスのことをジッと見つめていたことに気づいたリルセイドは顔を赤らめながら視線を逸らす。その時だった。

 

 

 

 

 

 

敵襲!!!

 

 

 見張りの騎士が突然そう叫んだ。釣られて外を見ると、海賊船がこちらに接近してきていた。海賊船には白黒の縞模様が入った服を着ていて、手には片手剣を装備している柄の悪い男たちが乗っていた。見たところ、今もこちらに乗り込んできそうな感じがした。

 

 

「ルミエス様、奥の方に」

 

 

 

 

 

 

 

「おい、お前ら!!久々の獲物だぞ!!」

 

 

「「「うおおおおおおおお!!!」」」

 

 

 雄叫びを上げながら、商船?に乗り込んでいく海賊たち。そんな彼らを騎士は次々と討ち倒していく。

 ルミエスについてきた騎士は精鋭揃いだった。数は向こうが上なのに1人も欠けることなく倒していく。そして、乗り込んできた海賊を後少しで全滅できると思ったその時だった。

 

 

「まずい!?援軍だ!」

 

 

 海賊の援軍がやってきたのだ。これにより、戦っていた騎士たちは数日の航海と先程の戦闘で疲労が顕著に出てきてやられる騎士も出てきていた。商船に扮した船は海賊と騎士の血で染まり、だんだんとルミエスのところまでやってきていた。

 

 

「おっ?上玉がいるじゃねぇか!」

 

 

 ついにルミエスのことを見つけた海賊は一直線にルミエスのところに向かう。その全てがリルセイドを始めとした騎士によって斬り裂かれて絶命するが、騎士たちも弓矢や斬撃によってどんどんやられていく。

 

 

「あ、ぁあ!?」

 

 

 ルミエスも大切な者たちが目の前で殺されていく姿を見て絶叫しそうになる。だが、そうすると余計に向こうの士気が上がる可能性があるため、せめてもの抵抗として泣くのを堪えて海賊を睨みつけるように視線を向ける。

 

 

「おっ!一丁前に睨みつけてやがる!どれ、その威勢がいつまで続くかな」

 

 

 海賊の1人がそう言って、舌舐めずりしながらルミエスに近づく。確実にルミエスを犯そうとしているその姿を見た騎士は男を止めようとするが、周りの海賊たちが邪魔で近づけない。

 

 

「キャプテン!終わったら私にも分けてくだせぇ!」

 

 

「俺も!」

 

 

「おいらも!」

 

 

 キャプテンと言われた男がルミエスに近づくにつれ、周りの海賊は声を上げて催促する。ルミエスは睨みつけるが、身体はガタガタと震えていた。

 

 

「くっ!!」

 

 

 ルミエスは歯を食いしばって隠し持っていた小刀でキャプテンの首を斬り裂こうとした。だが、キャプテンに避けられて薄皮一枚しか傷付けることしかできなかった。そのままルミエスの腕をキャプテンは押さえ付ける。

 そこに海賊を片付けたリルセイドが駆けつける。キャプテンに勢いそのままに斬りかかって、キャプテンはそれを避ける。その際、ルミエスの腕を放したため彼女は小刀を床に落とし、自身もへたり込んだ。

 

 

「ルミエス様、少しお待ちください」

 

 

「キャプテン!!」

 

 

 そして、キャプテンとリルセイドの間で激しい戦いが繰り広げられた。キャプテンは海賊にしては練度が高く、背後に守るべき者がいるリルセイドを圧倒していた。

 

 

「はっはっはっ!!見た感じ後ろの者を守る騎士のようだが、騎士はその程度か!!」

 

 

「くっ!」

 

 

 リルセイドは顔を顰める。状況は海賊側が優勢だった。

 海賊と騎士だったら普通なら騎士の方に軍配が上がる。だが、今のリルセイドは連日の航海と四六時中の辺りの警戒によって疲労困憊だった。その疲労がとれないまま彼女は海賊と戦っていた。

 

 

「ほい!」

 

 

 キャプテンと鍔迫り合いをしている最中、横から矢が飛んできた。その矢がめがけているのは自身の頭だった。それを感覚で察したリルセイドは首を傾げることでかわす。かわされた矢はそのままリルセイドの背後にいたルミエスの腕を掠った。掠ったところからは血が出ていることから、薄皮一枚以上の傷だということが分かる。

 

 

「ルミエス様!!」

 

 

「ルミエス?あぁ、そういえばアルタラス王国の王女だったか……亡国の姫がこんなところにいるなんて運がいいぜ!!」

 

 

「亡国……」

 

 

 ルミエスはショックを受けた。いくらわかっていたとはいえ、改めて聞くと喪失感でいっぱいになる。

 今頃、国民はどうしているだろうか。自分のことを逃げた王女として罵倒しているのだろうか。パーパルディアに全員処刑されているのだろうか。鉱山で強制労働させられているのだろうか。いくら考えてもロクな考えが浮かばない。

 ここでルミエスの表情が戦闘開始から初めて崩れた。それでも泣いたり、喚いたり、正気を喪失していないのはルミエスの精神力が強いからだろう。もしくは騎士が頑張っているのに自分だけが頑張らないわけにはいかないからか。どちらにしても、彼女はキャプテンの目を睨みつけているのには変わりなかった。

 

 

「ん?この音は?」

 

 

 そんな時だった。突如、聞きなれない音が聞こえてきた。羽虫とは違う、独特の音だ。ルミエスはそんな異音に首を傾げた。否、そんな音も気にならないほど事態が切迫していた。しかし、海賊たちは違った。この独特の音に慌てていたのだ。

 

 

「ま、まずいですよ、キャプテン!!鉄虫が来ています!!」

 

 

「何!?つまり、あれが来るのか!?」

 

 

「こうしちゃいられねぇ!!逃げましょう!キャプテン!」

 

 

 そそくさと逃げようとする海賊。騎士たちも海賊の変わりように唖然としていた。そして、独特の音がなくなったと思ったら、次はそれよりも大きいバタバタバタという音が聞こえてきた。

 

 

「ああ!鉄鳥だ!!急げ!撤収するぞ!」

 

 

 キャプテンの怒鳴り声が聞こえる。ここまで海賊が慌てるとは外はどうなっているのか、その様子を見ようと騎士の1人が外に出ようとして扉に手をかけた。その瞬間、ある大きな声が聞こえてきた。

 

 

『こちら日本皇国沿岸警備隊。そちらは日本皇国の領海を侵犯している。すぐに引き返すか、その場で停船せよ。さもなくば、武力により強制的に停船させる。繰り返す……』

 

 

 ルミエスたちの表情に光が戻った気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 時間は少し遡る。

 

 

「こちらに近づく不審船?」

 

 

「はい、衛星から送られた映像によって判明しました。ゆか様は臨検に我々を指名してきています」

 

 

 そう話すのは巡視船『しきしま』の艦長と副長だ。彼らは今、領海に接近している不審船について話していた。その場所は日本の西南方向からで、ちょうどその地域を哨戒しているしきしまをゆかが臨検部隊として指名した。

 しきしまは巡視船とはいえ、ヘリの運用を前提とした設計になっている。しかも、皇国軍が自衛隊だった頃から運用している老朽船だ。そんな彼女だが、度重なる改修を受けて西暦2038年に正式運用を開始した今は旧式の哨戒ヘリ『SHO−KAI*1』の運用を可能にしていた。

 この哨戒ヘリ『SHO–KAI』だが、実は機銃を設置でき、木造船程度なら簡単に風穴を開けることができる。発射レートが秒間6000発と高密度の弾幕でいくつものこの世界の海賊船を粉々にしてきた。

 今回はそんなヘリをヘリボーン用として現場に向かう。先に偵察用ドローンを現場に向かわせて、それから得られた情報をもとに臨検する。

 

 

「不審船は一隻だけなのか?」

 

 

「はい、もちろん密輸とかの可能性もありますので警戒するに越したことはないでしょう」

 

 

 そうして現場に向かうのだが、その途中で偵察用ドローンから送られてきた映像を見た彼らは大いに焦ることになる。

 商船と思わしき船が海賊船に襲われているのだ。これを見た彼らは不審船を商船として救出・臨検に向かうことにした。

 

 

「急いでヘリを発艦させろ!!ヘリから警告、従わなかったらそのまま中に突入する!!」

 

 

 いつもは偵察用ドローンから警告するのだが、事態はそれどころではなかった。急がないと中にいる人がどうなっているかわからない。もしかしたら殺されているかもしれない。それか人質を確保されているかもしれない。仮にそうだったら面倒なことになる。

 彼らはそう思いながら急いで向かっていた。

 

 

「あったぞ!あれだ!」

 

 

 発艦から数十分後、現場に到着したヘリは警告を入れる。偵察用ドローンは既に撤収していて、ヘリの風圧に巻き込まれる心配はない。ヘリはホバリングしていつでもラペリング降下できるようにしながら警告していた。

 

 

『こちら日本皇国沿岸警備隊。そちらは日本皇国の領海を侵犯している。すぐに引き返すか、その場で停船せよ。さもなくば、武力により強制的に停船させる。繰り返す……』

 

 

 だが、その言葉に逆らって海賊は矢を射ってきた。よって日本側は攻撃を開始した。機銃の照準が海賊船に向けられて、そのまま全力で射撃した。形成された弾幕は木造船を瞬く間に粉々にしていった。中にいた人もこの攻撃に巻き込まれて肉塊になっていた。

 

 付近の海賊船を掃討したら、今度は商船の中に突入している海賊の掃討だ。結界を展開した立入検査隊がラペリング降下でどんどん突入していく。海賊は矢を射ったりして撃ち落とそうとするが結界に弾かれて無意味な結果に終わる。

 ラペリング降下を完了した立入検査隊は手に持っている39式拳銃を連射してカトラスを持って斬りかかってくる海賊を射殺する。降下地点付近を制圧した立入検査隊は流れるようにスムーズに中に突入して次々と海賊を制圧していく。

 

 

「日本皇国沿岸警備隊立入検査隊です!!航行目的をお教えいただきたい!」

 

 

 立入検査隊隊長が大声でしっかり聞こえるように言う。すると、付近にいた護衛の騎士と思われる女性がこちらに接近してきて何かを確かめるようにあることを聞いてきた。

 

 

「あなた方は本当に日本の軍隊なんですか?」

 

 

「そうですが…どうしましたか?」

 

 

「そうですか……ついてきてください」

 

 

 そうして女騎士に案内されて奥に向かうと、そこには未だに戦闘をしているリルセイドとキャプテンの姿があった。戦況を見るに、リルセイドの方が圧されていた。

 その様子を見た隊長らは反射で拳銃を構えて、照準をキャプテンに向けた。

 

 

「日本皇国沿岸警備隊立入検査隊だ!!今すぐ戦闘行為を停止し、武器を捨て、手を頭の上に上げろ!!」

 

 

 隊長は響くような大声で2人の意識をこちらに向けさせた。リルセイドは戦闘を停止しようとしたがキャプテンによって継続を余儀なくされてしまう。この一連の動きを見た隊長は周りの隊員にこう言った。

 

 

「総員、海賊の方を始末しろ!!」

 

 

 そう声を上げると同時に拳銃の引き金を引いた。発射された弾丸は綺麗にキャプテンの頭を撃ち抜いた。周りの隊員もキャプテンの体に発砲しており、瞬く間に蜂の巣にされていた。

 

 

「総員、止め!!」

 

 

 隊長はリルセイドに近づき、こう問いかけた。

 

 

「我々は日本皇国沿岸警備隊立入検査隊です。航行目的をお教えいただきますか?」

 

 

「本当に日本の軍隊なんですか?」

 

 

「はい。そうですが、どうかしましたか?」

 

 

 同じような質問をされて若干デジャヴを感じている隊長。そんな隊長に気付かずにリルセイドはそのままルミエスの方に寄る。ルミエスは止血しながら隊長の方に顔を向けた。ルミエスはいくら服がボロボロだろうと美女であることは変わりはなく、隊長たちは顔を真っ赤に……………染まらなかった。というのも、日本では艦娘やKAN -SENといったレベルが高い美女を身近に見られるのだ。ルミエスのような美女を見ても動揺しないのは慣れているからと言っても過言ではないだろう。

 

 

「初めまして、日本のみなさん。私はアルタラス王国王女のルミエスと申します。このような格好での自己紹介で申し訳ありません」

 

 

 しかし、隊長はこの言葉で動揺した。それもそうだろう。ただの商船の臨検だと思ったのが、実は一国の王女が乗っていたのだから。

 アルタラス王国の現状は彼らは知っていた。だからこそ、今いる商船は、商船に見せかけた亡命のための船だということを察することができた。

 

 

「どうか、我が国をお救いください!!」

 

 

 ルミエスは頭を下げて懇願する。一国の王女が頭を下げるという行為に内心さらに動揺するも、それを隠してルミエスを落ち着かせる。

 

 

「あ、あの、我々は立入検査隊という者で外交交渉する権限はないのです。その代わり、本土へ案内するのですが、よろしいですね?」

 

 

「はい、ありがとうごz…」

 

 

 ここまで言ってルミエスは突然倒れた。顔は真っ青になっており、体が痙攣していた。その時、止血のために使っていたと思われる布が彼女の腕からポロリと落ちた。その際、その傷口が見えたのだが、ルミエスの腕は止血されており原因がなんなのかわからなかった。だが、リルセイドがその原因を叫んだ。

 

 

「まさか!あの矢に毒が!」

 

 

「毒!?ということはあの傷口から毒が入り込んだのか!?」

 

 

 隊長は急いでしきしまにヘリの要請を出す。こうなってしまった以上、ヘリじゃないと間に合わない。また、ヘリが来るまでの間に応急処置をして毒の巡りを遅らせることでルミエスが生存する確率を上げる。

 

 

「隊長!ヘリ到着しました!!」

 

 

「よし!急いで彼女を乗せて付近の病院へ!!」

 

 

 ルミエスが担架と一緒にヘリに乗せられていく。リルセイドも付き添いとして一緒に乗った。そんなリルセイドの顔も真っ青になって、手が震えていた。自分の両手を爪が食い込んで血が滲むほど強く握り、ルミエスを守る騎士ながら守れなかった自責の念に駆られていた。

 

 

 

 

 

 

 その後のことを話そう。

ルミエスが乗っていた船はしきしまによって日本本土に曳航されていった。その船に乗っていた、海賊から生き残った騎士たちは日本に着いた後すぐにルミエスが搬送された病院に案内された。

 ルミエスは一命を取り留めた。毒は解毒されたが、しばらくは入院することになる。それでも、ルミエスやリルセイドを始めとしたあの商船のメンバーは助けてくれたことに感謝していた。

 

 ルミエスが入院している途中に海斗が病室にやってきた。その時に2人で外交交渉が行われ、最終的にルミエス一行の亡命が認められた。それに伴って彼女らは、留学生と身分を偽ってしばらくの間日本で暮らすことになる。だが、それが今後のアルタラス王国の発展に繋がるとは、未来の運命を観測できるレミリアやゆかぐらいしかわからなかった。

 

 

 

*1
雪&未来命名。

対パーパルディア皇国戦にて参加するネクロマンス首脳部は?(大和ゆかは参加確定)

  • 黒岩煉
  • 小野未来
  • 船橋海斗
  • 冬花雪
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