皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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序章 異世界転移
第一話 接触


日本皇国

 

 

 

 いきなり光に包まれ、全国で震度3の地震が観測されてから10分。光が収まり、揺れも収まる。

 しかし、その影響は莫大だった。

 

 

 

「ゆか様!衛星からの通信が遮断されました!」

 

 

「ゆか様!各国の連絡が途絶えました!」

 

 

「ゆか様!!」

 

 

「隊長!」

 

 

 

 大和ゆかは政府首脳部のネクロマンスの統率者だ。このように報告が挙がり、指示を出すのも仕事だ。

 ネクロマンスは、かつて軍事クーデターの組織であり、当時の政府へ死を送るという意味から「死の魔術師」の意味を持つネクロマンスがそのまま組織名となり、それの名残で政府首脳部及び、特殊部隊を合わせた組織をネクロマンスという。

 しかし、被害の報告の数が想定より、多かった。

そこでゆかはある1人の人物を呼んだ。

 

 

 

「雪。国内の治安維持を」

 

 

「嫌だ」

 

 

「あっ?」

 

 

「で〜も〜、ゆかちゃんがメイド服着て、「お願いご主人様❤️」と言ってくれたr」バコッォォォォォ

 

 

「さっさと行け」

 

 

 

 冬花雪(とうかせつ)。ゆかとはこんな緊急事態でも漫才やる程の仲だ。

 尚、ゆかは漫才ではないといい、認めていないが…。

 ゆかはさらなる指示を出す。

 

 

 

 

「宇宙軍に通達。宇宙からの偵察を開始せよと」

 

 

 

「了解!」

 

 

 

 

 人が出ていくのと同時にもう1人入ってきた。

 警戒レベル5に引き上げてから、異変が起き、日本以外どことも連絡がつかなかったため、偵察機を展開させていた。

 

 

 

「加賀野。結果は?」

 

 

 

「はっ!パイロットからはどうやら水平線が遠くなったとの報告が挙がっています。また、旧日本海側に新たな大陸が見つかり…」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「…竜です」

 

 

 

「は?」

 

 

 

「少なくとも中世レベルの文明が見つかり、旋回して偵察していたのですが、竜が飛んできたのです。幸い、速度が遅かったのでなんとかなったのですが、状況証拠から察するに領空侵犯の可能性が出てきまして…」

 

 

 

「国があると言うことか?」

 

 

 

「はい。これが証拠です」

 

 

 

 そう言ってゆかに渡されたのは、現代には似つかない建築物が写っている写真だった。何枚も同じような写真があり、その場所のみではないことが明らかになった。また、ある一枚の写真には、こちらを迎撃に来たであろう竜の姿が映っていた。

 

 

 

「これは、竜ではなくワイバーンだな…」

 

 

 

「そうですか?」

 

 

 

「ああ。特徴がワイバーンの方が一致する。まあ、あんまり変わらないから別にいいのだが…

とりあえず、謝罪も兼ねて、接触しに行くぞ。

いくら、自国で全て賄えるとはいえ、他の国と国交がなくいつまでも孤立状態なのはまずい。

加賀野。海斗に伝えろ。特別外交官として、謎の大陸へとむかえとな」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

「さて…」

 

 

 

 ゆかは席から立ち上がる。ゆか以外誰もいない部屋で、1人ため息を吐いた。その表情は笑みを浮かべていた。

 

 

 

「しばらくは退屈はしなさそうだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次々にカメラのフラッシュが浴びせられる中、ゆかは記者会見の場にやってきていた。

 

 

 

「今回の警戒レベル5に対して何があったのか、気になる方が多いと思います。

事の発端は、時空の歪みが全国で観測されたことです。それに伴い、警戒レベルを引き上げ、有事に備えました。

次に起きたのが、眩い閃光と全国同じ規模の地震です。それを機にどことも連絡がつかなくなりました。

直後に飛ばした偵察機や宇宙軍による偵察の結果、異世界へと転移したことが判明しました。

現在、近くに確認された国家と思われる文明に外交官を派遣しています。

国交が成立し、日本が安定するまで警戒レベルは5のまま維持します。国民の皆様にはご理解いただけますようお願いします」

 

この会見は国民全員が視聴していて、異世界転移にパニックになる人が続出した。しかし、後の外交官の話で落ち着きを取り戻した。また、在日外国人による暴動が起こりかけたものの、雪の奮闘でなんとか未遂で済んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外交官を乗せた軽空母一隻を旗艦とした軽空母一隻、駆逐艦5隻の艦隊は謎の大陸へと向かっていた。

 

 

 

「海斗さん、本当にワイバーンなんかいるんですか?」

 

 

 

「偵察の結果だ。何故そんな事を?」

 

 

 

 

「何故って。そりゃ、ファンタジーみたいな…」

 

 

 

「だったら、俺達はどうなんだ?」

 

 

 

 

「あ、申し訳ありませんでした」

 

 

 

「それに、ワイバーンよりも珍しいのが日本(ウチ)にいるだろ」

 

 

 

 

「確かにそうですね」

 

 

 

 

出航してからしばらく経つ。そんな他愛のない会話をする程に平和な航海だ。けれども、ここは未知の世界。海中から謎の生物が襲ってくるかもしれない。空から何かがやってくるかもしれない。そんなことを警戒しながら、先へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、派遣艦隊は異世界国家の臨検を受けていた。

異世界国家の名はクワ・トイネ公国。木造船に乗ってやってきていた。

 

 

 

「なんなのだ、この巨大な鉄の塊は……」

 

 

 

そう呟く公国臨検隊。すると、旗艦の軽空母「龍驤」から階段が出てきた。

 

 

 

「ひとりでに階段が出てきたぞ!!魔法道具か何か!!」

 

 

 

「あそこから乗れということでしょうか?」

 

 

 

「えぇい!!ままよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

航空母艦「龍驤」飛行甲板

 

 

 

(な、なんなのだ、コレは!!この広さ、ここで騎馬試合ができてしまうぞ!?)

 

 

 

そう思いながらも、臨検隊隊長は任務を果たそうと、質問を口にする。

 

 

 

 

「げ、現在、クワ・トイネ公国は厳戒態勢である。貴船の所属と航海目的を教えてもらいたい。」

 

 

 

「!?日本語が通じるのか…

失礼。私は、日本皇国ネクロマンス所属特別外交官、船橋海斗だ」

 

 

 

「副外交官の瀬戸内すみれです」

 

 

 

「うお!?いつからそこに?」

 

 

 

「最初からです」

 

 

 

「日本皇国?聞かぬ名だな」

 

 

 

 

真っ当な質問が飛んできた。しかし、それは想定済み。正直に答えた。

 

 

 

 

「それもそうでしょう。我が国はどういうわけか、この世界に転移してきてしまったのです。

様々な偵察の結果を元に判明しています。」

 

 

 

 

「偵察?なら、我が国のマイハーク上空に現れた、国籍不明騎は・・・」

 

 

 

 

「はい。あれは予期せぬ領空侵犯でした。航行目的は貴国に謝罪と国交開設が目的です」

 

 

 

 

「そうでありましたか。それでは本国に連絡するので待っていてくだされ」

 

 

 

「あの、どのくらいかかるのですか?」

 

 

 

「魔信で連絡するので、少しの時間だけで大丈夫ですよ」

 

 

 

この様子を魔信にて伝えられたクワ・トイネ公国第二艦隊司令は、直ちに政府部会へ突撃して報告を行い、首相のカナタが会談を受け入れる決断をした為、スピード会談が実現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クワ・トイネ公国会談会場

 

 

 

 

「このような会談を設けて頂き、ありがとうございます。それと共に、我が国の偵察機が貴国の領空侵犯した事を深く謝罪いたします」

 

 

 

そう言って頭を下げる海斗。すみれは横で一緒に下げている。

 

 

 

「公に謝罪を受け入れます。しかしながら、貴国の誠実な説明を求めたい」

 

 

 

「それはごもっともで。なので、今回はこちらで資料を作りましたので、配布させていただきます」

 

 

 

紙媒体の資料が配られるが、ここで一つ問題が起こる。

 

 

 

「この文字、読めませんぞ?」

 

 

 

「え?これは申し訳ありません。我が国と同じ言語を使用していたものですから、てっきり文字も通じるものかと」

 

 

 

「私達からすると、其方が世界共通語を話しているように聞こえますぞ?」

 

 

 

文字の違い。国が違うことから、ある程度は予想できていた事態。しかし、海斗が言っていた通り、発音は同じでも文字は違ったので、勘違いがあっても無理はない。

 

 

 

(すみれのいう通りになったな)

 

 

 

すみれはさとり妖怪。相手の心を読める彼女にとって、文字の違いは気づいていた。それを伝えられた海斗はもう一つのプランを用意していた。

 

 

 

「わかりました。では、口頭での説明になりますのでご容赦ください。これが我が国の地図になります。我が国、日本皇国は貴国より東へ約一千キロに位置し、三十七万八千平方キロメートルの国土と、人口5億7500万人の有する国家です」

 

 

 

もう一つのプラン。それは地図をもって説明することだった。結局は口頭で説明するのは変わらないが、資料を提示する事には意味がある。

 

 

 

「あの海域にそのような島は、聞いたこともありませんぞ!!というより、島すら存在しておりませぬ!」

 

 

 

怒鳴りつけるのは、公国の外務卿リンスイ。海斗は予想していたかのように、淡々と続きを述べる。

 

 

 

「原因は不明ですが、偵察機の情報などを客観的に分析して、国土ごと転移したとしか言えないのです。しかし、そちらにとってこの話はホラ話もいいところ。なので、無理を信じろとは言いません。ですので、我が国に貴国から使節団を派遣することを勧めて頂きます。御足労願えませんでしょうか?」

 

 

 

 この話を聞いた公国側は何かを言おうとする。が、それよりも先に声を上げた人物がいた。

 

 

 

「いいでしょう」

 

 

 

「なんですと!?」

 

 

 

 公国首相カナタだ。

 

 

 

 

「日本皇国の使節団の方々は、非常に誠実で礼節を弁えておられる。なにより、我が国を簡単に攻め滅ぼせるであろう軍事力を有しながら、その力を背景に威嚇してくる事もない。そのような人々が築く国や文化を私は知りたく思う」

 

 

 

「ありがとうございます。直ちに使節団受け入れの準備をいたしますので、派遣される方々の選抜が終わりましたら、お声がけをお願いします」

 

 

 

「わかりました。では、これでお開きとしましょう。本日はこちらで部屋を用意させておりますので、旅の疲れを癒してください」

 

 

 

「御心互いに感謝します」

 

 

 

 外交団は宇宙から偵察を行なっている宇宙軍経由で本国に会談の内容、結果を即座に通達。すみれが読んだ心の声も、一字一句間違えずに伝えた。

 日本側は民間の旅客船を一隻借り、駆逐艦朧、曙、漣、潮の第七駆逐隊の護衛の元、クワ・トイネ公国首都マイハーク沿岸部に向かい、そこで海斗、すみれ以下使節団と合流。そのまま、博多港に向かった。

 使節団は船内の設備に腰を抜かしていた。中に入っても明るい船内。すぐに出るお湯。美味しい食事。

 この時代の船旅は、暗くて、湿度も高く、疫病に罹りやすい。まさしく、地獄への片道切符。

 それが普通と考えていたクワ・トイネ公国使節団は、そうじゃない船旅に大興奮だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ついに日本皇国へ到着する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




作者です。
おおまかなキャラ設定をここで紹介します。

NO.1 大和ゆか 男
ネクロマンス統率者 首相兼海軍総司令官
かつて生み出されたクローンの最高傑作。しかし、赤城闇市と出会ったことにより感情が芽生え、研究所に対し反抗。それからは、ネクロマンスを設立したり、政権を握ったりした。最強能力者の1人。

能力『模倣(コピー)
その名の通り、見たことのあるものならなんでもできる能力。見たことのあるものの対象は架空や本などで見たものでもできる。
言い換えれば、知っていることならなんでも出せる能力。

幻想(イマジン)
本来の能力。幻想の力を操る能力。相手の能力をコピーしたり、架空の技を出したりなど様々なことが可能。また、今まで通り、『模倣』も使えるので、さらに反則な強さになった。

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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