皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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あれが、再び……


第六十二話 パーパルディア皇国の終焉〜月読命作戦最終フェーズ 溶岩作戦改〜

 中央暦1639年7月23日 13:00 パーパルディア皇国沖

 

 何もない大海原を埋め尽くすような量の鉄の塊が、100ノットを超える速度でパーパルディア本土に向けて航行している。遮るものなど何もなく、波を切り分けながら大多数の艦がその威容さを醸し出していた。

 第一連合艦隊。それが、この海域を海上封鎖しつつ、背後の上陸船団の護衛を兼ねている艦隊である。19世紀レベルの技術水準でその殆どが壊滅している相手に過剰なようにも感じられるが、これからの日本がこの世界で生きていくために、ある程度の武力を示すのは必要なことだと割り切っていた。

 

 

「壮観だな…」

 

 

 1人の水兵がそう呟く。彼は新米なのか、初めて見るこの光景に目を輝かせ、そして圧倒されていた。

 それもそのはず。この艦隊の総艦艇数は、6316隻。主力艦隊一つでも2105隻あり、それが三つ集まって連合艦隊を組んでいるため、その数になる。また、総旗艦として第零主力艦隊より紀伊が一時的に異動してきているのも相まって数は一隻増えているが、それでもこの量の艦隊は誰の目から見ても圧巻そのものであった。

 その背後には、1000を超えるであろう強襲揚陸艦の姿があり、一部の駆逐艦、巡洋艦がそれの護衛をしていた。パーパルディアにはステルスモードでこれらの姿は見えていないため、現在で既に再起不能になっている彼の国に対して、この規模の上陸は大打撃どころかトドメ以上になるのは間違いなかった。

 

 

「戦艦打撃部隊、単縦陣にて前へ!!」

 

 

 その命令が紀伊に乗船している総司令官のゆかから発令されると、後衛にいた戦艦群は一斉に前に突出する。大和を先頭に、武蔵、信濃………という順で、その巨大な船体を最大速力の110ノットという速度で航行していく。

 

 

「取舵一杯!!全砲門、開け!!」

 

 

 続いて大和艦長の山本が、そう命令を下す。レールガンモードにした主砲の目標をパーパルディア沿岸に向けて、装填されている三式弾改が放たれる瞬間を今か今かと待ち続けている。三式弾改はループ中にもパーパルディア沿岸を火の海にしたり、クレーターだらけにしたりと絶大な破壊力を秘めているので、目標がどうなるかは想像に難くない。

 

 

「目標!!パーパルディア沿岸!!全艦、撃ち方用意!!」

 

 

 パーパルディア沿岸は、先の作戦で静かである。対空レーダーにもワイバーンロードの影すら映らず、抵抗なしでの艦砲射撃がこれより行われようとしていた。

 

 

「奴らに瓦礫すら残すな!!全艦、撃ち方、始め!!」

 

 

 そうして、明らかにオーバーキルな上陸作戦が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生存者なんかもういないんじゃないの?」

 

 

 そう呟くのは、紀伊に乗船し対地砲撃を見ているレミリアだった。どのような国であろうとこの規模の艦砲射撃は裸足で逃げ出したくなるほどで、その猛烈な攻撃に彼女は一瞬だけパーパルディアに同情したぐらいだ。

 次々に放たれる三式弾改は、誰もいない土地にて炸裂、キノコ雲を発生させる。爆発は、爆風だけでも強烈であり、周囲の瓦礫を一掃する。もはや、艦砲射撃による整地であった。

 その様子から、レミリアの呟きは至極当然だった。しかし、艦砲射撃だけでは()()()()()()()()()()()()()()()()()ため、徹底的に整地してから慎重に且つ迅速に行動する予定になっていた。

 

 

「あのループでほとんどのパーパルディア人が廃人になっているとのことですが、本当にいるのですか?」

 

「そもそも地下坑道やら基地やらが存在しない。けど、念のためだ」

 

 

 ループと違う点として、咲夜が今回は参戦する。その彼女の問いに、ゆかは存在しないと答えた。

人工衛星、生体反応、特殊部隊などによる再三の確認によって、地下が存在するという手掛かりが見つからなかったからだ。エストシラントの王城には脱出用としてあるかもしれないが、沿岸要塞には全くなかった。もしくは、最初の雷霆作戦にて地下ごとやられてしまったかだ。塹壕が出てきている以上、ないとは言い切れない。

 

 

「上陸地点付近の生体反応なし!!上陸部隊も準備完了とのことです!!」

 

「了解!!上陸部隊は前進!!敵沿岸に上陸せよ!!」

 

 

 強襲揚陸艦による上陸は昔と変わりない。砂浜に乗り上げてから、中から水陸両用装甲車を先頭に上陸する。抵抗があっても装甲車がほとんどを跳ね返してくれるため、先陣として、水陸両用装甲車300両以上含む約100万人が一度に上陸していた。

 

 

「やっぱり、なんの抵抗もないじゃない」

 

 

 戦うのを楽しみにしていたのか、レミリアはそうぼやいた。ループ前と違うのは、八カ所同時上陸ではないことだが、今回みたいに一カ所のみの上陸であっても抵抗は全くなかった。

 

 橋頭堡を確保した日本軍は、すぐさま第二陣の上陸を開始する。39式戦車を先頭に様々な装甲車を引き連れて残りの約140万人が上陸した。それに合わせて、レミリアと咲夜、パチュリーや美鈴も一緒に上陸する。ちなみに、司令官のゆかは別行動である。

 

 上陸した日本軍は、敵がいない土地を機甲師団の特性であるその速度をもって一気に進撃する。海からは、空母艦載機の震電が、または海鳥か大鷲の二種類のヘリコプターが、地上支援に飛び立っていて、言葉通りの電撃戦が実行されていた。

 

 上陸したのはエストシラント沿岸部。そこから北上する形で進軍している日本軍だが、その進軍速度は今までのどのループよりも速かった。例えるなら、()()()()()()()()()()()()()ように、敵がいたら39式戦車の一斉射で消し炭にしつつ、既に都市の機能がなくなっているデュロやパールネウスなどを目指す。さらに、北から進軍している73カ国連合軍と合流するためにアルーニも目指す。

 

 そのような作戦目標で行動している日本軍。そこに、日本のもう一つの部隊がパーパルディア本土に到着する。

 

 

「高度5000!!降下準備よし!!」

 

 

 輸送機の鎌鼬が、日本本土から直接飛来してきたのだ。数にして数機だが、空間魔法とやらを併用しているため、その搭乗人数は大幅に増えている。

 

 

「いくぞ、お前ら!!一番狂っているのは我ら第一空挺団だと思い知らせてやれ!!降下!!」

 

「降下!!降下!!」

 

 

 その輸送機から降下してきたのは、日本の空挺部隊である。その一つである第一空挺団は、工業地帯であったデュロに降下していた。

 デュロは工業地帯というだけあって、爆撃で破壊された跡には瓦礫や廃墟が大量に存在していた。ということは、その影にまだ生存者がいる可能性があった。その考えに至る時点で思考が完全に対ナチス戦を意識しているが、ないとは言い切れないために精鋭の第一空挺団が派遣された。

 

 無傷で降下に成功した第一空挺団は、素早く39式自動小銃を構えながら辺りの警戒を実施する。生存者のほとんどが廃人とはいえ、中には別の意味で壊れている人もいるからだ。

 

 

「キャハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 もはや精神が壊れて狂っているだけの人に、捕らえて捕虜にしようとなどとは考えられなかった。目が虚ろなまま千鳥足で無差別に襲いかかってくる人に向けて、彼らはその銃を照準を頭に向けて単射する。狂っている人はごく少数であるので、単射で充分であった。

 

 

「生体反応探知機に反応なし!!生存者は今のだけです!!」

 

「分かった!!このまま上陸部隊と合流する!!」

 

 

 そう言う彼らのすぐそばには、同じく鎌鼬から投下された空挺装甲車の姿があった。この兵器は、空挺戦車ではなく装甲車を使用することになってから急遽、38式装甲車を空挺仕様に約3日で改装した代物である。

 その空挺装甲車に乗って、第一空挺団は生体反応探知機搭載型偵察用ドローンの誘導に沿ってエストシラントに向けて足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻 地方都市 アルーニ

 

 

「「「「「とぉぅ!!!」」」」」

 

 

 日本の軍事顧問官は、空から聞こえてきたその声に酷く聞き覚えがあった。他の日本軍も、その声の主を知っているのか、顔を顰めてこれから視界に入る出来事に諦めの表情をしながら構えている。その変化を73カ国連合軍は察知したが、何のことかわからなかった。だが、日本軍に合わせて、また声が聞こえたため咄嗟に、上を向いた。

 

 

「は?」

 

 

 その声は、誰のだろうか?少なくとも、この場の全員がこの声の主と同じことを思っている。何故なら、降下してきたのは()()()()()()()()のだから。それも、パラシュートなどの装備をしておらず、自由落下での降下だ。

 

 

「な、何者なんだ!?君たちは!?」

 

 

 その狂った光景に、73カ国連合軍の一兵士が思わずそう問いかける。日本の者なのは間違いないが、こんな()()()()()()()()が日本軍の一員だと思いたくなかった。

 だが、そんな彼らの思いとは別に、その変態は名乗り始める。

 

 

「何者なんだと聞かれたら」

 

「答えてあげるが、世の情け」

 

 

 彼らは、そのセリフ後に妙にキレッキレの動きをし始めた。手前から赤、その斜め後ろに青、黄、さらに斜め後ろに緑、ピンクのパンツを履いた変態が()()()()()()()()()()()()()()ポージングする。

 

 

「「「「「聞いて驚け!!!」」」」」

 

 

「熱量全開!!燃える筋肉!!マッスルレッド!!」

 

「汗も滴るいいマッチョ!!マッスルブルー!!」

 

「敵すら惚れる肉体美!!マッスルイエロー!!」

 

「全てを弾く鋼の肉体!!マッスルグリーン!!」

 

「ハーレムマッスル!!マッスルピンク!!」

 

 

「「「「「筋肉は全てを解決する!!!」」」」」

 

「筋肉戦隊!」

 

 

 

 

 

「「「「「キタエトルンジャー!!!」」」」」ドガーーーーーーーン!!!

 

 

「レディー、マッスル!!」

 

 

「「「「ムキー!!」」」」

 

 

「…………」

 

 

 それは、緊張感があるこの空間において、空気をぶち壊すほどのカオスな光景であった。それにこの場にいる全員が唖然とするしかない。

 キタエトルンジャーが名乗った直後、背後にて謎のカラーな爆発が起こる。爆発の煙は、それぞれのカラーになっていた。フェン王国の時と全く同じである。その時もカオスな戦いになっているので、是非とも見ていただきたい(第四十二話参照)。

 

 そのキタエトルンジャーは、カラフルな爆発の煙が収まると同時に、突如として赤パンの男ーーーマッスルレッドを中心に方陣を組み始めた。他の4人がマッスルレッドを囲んで中心で手を組み、その上にマッスルレッドが屈んだ状態で乗る。

 

 

「逝くぞ!!」

 

「「「「おう!!」」」」

 

「「「「「【マッスルスマッシャー(マッスル、スマッシャァァァァァァァァァ)】!!!」」」」」

 

 

 そうして4人の腕の動きをバネに勢い良く跳んだマッスルレッドは、そのまま弾道を描くように宇宙空間に突入してから、かつて生物繁殖場として栄えていたコーンネウスに謎に五色のオーラを纏いながら着弾した。

 字が間違ってるような気がするが、その文字通りにコーンネウスで生殖させられていた地竜やワイバーンロードはこの一撃で跡形もなく消滅した。その衝撃は、謎に初期型核兵器に匹敵する威力であり、コーンネウスから離れているアルーニからでもその()()()()は目視することができた。

 

 

「………やっぱ人間やめてるよな、あれ…」

 

「おい、何をわかりきったことを…」

 

 

 この世界線の日本には、人間辞めてるほどの人が何人もいるが、ここまでの変態は存在しない。だから、色んな意味で彼らは目立つ。目の前にはいつのまに戻ったのか、マッスルレッドが他4人に合流して、また何かやろうとしていた。

 

 だが、それを見て止めに行く勇者が1人いた。

 

 

「ねぇ、これ以上暴れないでくれるかしら?」

 

 

 キタエトルンジャーに近づきながらそう言う1人の女性。その女性は、片腕にスナイパーライフルを担ぎながら、キタエトルンジャーが原因で広がっているこの地の惨状をジト目で見渡していた。

 

 

「ん?おぉ!!紗奈(さな)ではないか!!君もキタエトルンジャーに入りたいのか!!」

 

「冗談言わないでください。それより、あなたたちはもう少しまともに戦えないのですか。あなたたちなら、肉弾戦でもパーパルディア相手ならなんとかなるでしょう」

 

 

 彼女が言っていることは、あながち間違っていない。なんなら、現代装備の日本軍相手でも戦えるほどである。実際、日本軍の通常兵装の39式自動小銃の10mm弾によるフルオート射撃を()()()()()()()()()()()、且つ、鍛え上げた筋肉による高威力な拳によって結界ごと日本軍を殴り飛ばして倒すというとんでもないことを演習にてしでかしたことがある。結果、その演習に彼らは出禁となった訳だが、その鬱憤を晴らすかのように、戦場に駆り出されると途轍もなく大暴れする。それで、戦後処理か面倒になったことも一度や二度ではすまない。それほどだった。

 故に、彼女の言葉にはこの場の全員が納得していた。上記のことから、彼らのパンチはパーパルディア兵を一撃で殴り殺すことが可能であるためだ。わざわざ、謎の技でやらなくてもよかった。

 

 

「それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()フェン王国の時みたいに捕虜に変なトラウマを植え付けられても困りますから」

 

「何を言っている!!あの捕虜たちは、我らの筋肉を見て、打ち震えるほどに感動していたのだぞ!!

 いや、あれは捕虜ではない!!同じ筋肉を愛する同志である!!

 

「はぁ……」

 

 

 頭を抱えたくなるほど話が通じない。紗奈はため息をつきたくなった。

 実際に、上記の紗奈のセリフは、捕虜運搬の際にパーパルディア兵が「うっ…筋肉…」とかわけわからん寝言を言いながら魘されていたことに起因している。筋肉関係で魘されるとなれば、日本軍ならすぐに誰が犯人かわかった。

 そう、彼らである。ちなみに彼らの言っているのは、パーパルディア兵がトラウマで震えている状態のことである。

 

 

「……とりあえず、あなたたちはさっさと上陸部隊に合流してください。私たちは後から合流しますので」

 

「む?なら、そこら中に転がっている生存者らはどうするのだ?」

 

「それは私たちが対処します。我々を甘く見ないでいただきたい」

 

「おう、そうか!!なら頼んだぞ!!

 

行くぞ、お前ら!!!」

 

「「「「ムキーーー」」」」

 

「……はぁ」

 

 

 キタエトルンジャーは、そのまま真っ直ぐ上陸部隊の方に向かっていった。その一方で、この場に残った日本軍・73カ国連合軍は、すぐにキタエトルンジャーを追うことはせずにアルーニの制圧に乗り出した。現時点では中心部ぐらいしか制圧できていないため、今回の行動で完全制圧を狙う。

 

 

「set」

 

 

 そこに、小さい声ながらはっきりとした声が聞こえた。小さい故に周りには聞こえていないが、スナイパーライフルをリロードしながら構えようとしている紗奈の姿があった。

 彼女は、自身の魔力を言葉をトリガーにして充填する。彼女の魔力が籠った銃弾は、発射されると従来の銃弾より多彩なことができるようになる。

 

 

「burst」

 

 

 その言葉とともに放たれた銃弾は、射線上の瓦礫に直撃すると付近の廃人ごと周囲を吹き飛ばした。銃弾が炸裂したのだ。その威力は、手榴弾にも引けを取らない。

 

 ガチャ カチッ 

 

 彼女は、空薬莢を排出して再び次の目標に狙いを定める。彼女は、「スコープは邪魔」とスコープを取り払ったスナイパーライフルで2km以上先にある目標に命中させることができた。故に、廃人となって動かない的になっているパーパルディア人に狙いを定めて、瓦礫の隙間を上手く通すのは簡単だった。

 

 

「set」

 

 

 再び、紗奈は装填された銃弾に魔力を込める。今度は距離が遠いためか、先ほどよりも込める魔力量は多かった。

 そうして、スナイパーライフルのトリガーを引こうとした瞬間だった。

 

 

「!?」

 

 

 突如、紗奈はパーパルディア人に向けていた照準を別のところに向けた。

 

 

「……ッ!」

 

 

 苦虫を噛み潰したような顔をしている彼女だが、他の面々は頭に疑問符を浮かべ、互いに顔を見合わせた。生体反応探知機に反応はなく、生き残りが攻撃するようなことはない。彼女が突然、何かに反応したかのような様子だった。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「………何かいる。射程外に」

 

 

 彼女の射程は、魔力をできるだけ込めた状態で放って5、6km、射程延長にスナイパーライフル用のアタッチメントを付ければ約10kmはいける。そんな彼女が射程外ということは、紗奈が反応した目標は10km以上先にあるということになる。

 

 その言葉を理解した日本軍は、即座にその方向を警戒する。生体反応探知機に反応しない目標。何かあるのは明白だった。

 

 

「偵察用ドローンを飛ばせ!!それと、KAN -SENたちにも偵察支援を要請しろ!!」

 

「……いや、無駄だと思いますよ。この感じは」

 

 

 それでも念のため、と紗奈は偵察支援を近くの航空機を搭載しているKAN -SENに要請する。

 

 

「偵察ですか?分かりました。早期警戒機を発艦させます」

 

 

 その要請を受けて早期警戒機を発艦させたのは、第零主力艦隊KAN -SEN部隊所属重桜部隊の軽空母龍鳳である。KAN -SENらしい露出が多い軍服に、重桜らしい和の衣装に刀を帯刀していた。

 龍鳳から放たれた早期警戒機は、偵察用ドローンに先行する形で広範囲をくまなく索敵する。が、レーダーには何も映らない。日本の最新鋭レーダーで、その場で瞬時に数百kmもの距離を探知できるのにも関わらずだ。となれば、当然、送られる情報もその情報が送られる。

 

 

「レーダーに何も映らないそうです。対地用レーダーにも何も」

 

 

 紗奈にそう報告する龍鳳だが、KAN -SENとしての勘が、付近に何かがあると訴えかけていた。

 

 見えない謎の存在。それは敵なのか、そうではないのか。もしくは、生物ではないのか。

 

 

「紗奈隊長!!紀伊より入電!!これより、心壊作戦を開始すると!!」

 

 

 その時、紗奈のもとに一つの知らせが届いた。次の作戦開始の知らせである。

 彼女としては、今ある違和感を解決してから次の作戦にいきたかった。その違和感の正体が、日本の脅威となる可能性が万が一にもあるからだ。それが生物でなかった場合、心壊作戦の要である「読心」ができず、また「トラウマ」自体がないために呼び起こせない。つまり、心壊作戦が効かない可能性があったのだ。

 

 

「紀伊に繋げてください!!現在地より十〜数十km圏内のパーパルディア領土に脅威となる未確認要素が存在する可能性が高いと!!」

 

 

 紗奈は急いで紀伊に繋げるように指示を出す。あの違和感を感じてから、妙な胸騒ぎが治まらないのだ。それに、まだ早期警戒機と偵察用ドローンによる索敵も全てが終わっていない。

 だが、彼女の行動は、一足遅かった。

 

 

 

 

 

 

 同時刻 第一連合艦隊 総旗艦 紀伊

 

 

 海上封鎖中の紀伊甲板上にて、1人の女性が空へ飛び立っていた。護衛に海神(創造者)に空母艦載機の震電がつく厳重な態勢で、真っ直ぐエストシラント上空に向かう。

 

 

「さて、始めるとしましょうか」

 

 

 

 

心壊作戦 発動ーーーー

 




みなさん、お待たせしました!!前回からどのくらいか分かりませんが、結構経っているということで時の流れは早いと感じているところです。あれから暇な時にちょくちょく執筆していましたが、気付いた時にはこんなに経っていてびっくりしています。
近況報告と言ってはなんですが、ここ最近はウマ娘にハマっていまして、いつかウマ娘の二次小説を書いてみたいとも思っているところです。思っているだけで、書くつもりはまだないのですが、いつか出すかもしれないですね。

ようやく最新話ということですが、これからも今回みたいに結構経ってから投稿するかもしれません。ですので、その時は温かく待ってくれたら嬉しいです。










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