皇国の幻想〜異世界へ〜   作:大和ゆか

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一部リメイクしました。


第一章 ロデニウス戦争
第三話 ロウリア王国


 転移から二ヶ月がたった。

 クワ・トイネ公国は見違える程に発展していた。

大都市間を結ぶ石畳の進化したような継ぎ目の無い道路、そして鉄道と呼ばれる大規模流通システムを構築しようとしていた。これが完成すると、各国との流通が活発になり、いままでとは比較にならない程の発展を遂げるだろうと言われている。

 日本から入ってくるものは、どれも彼の国の生活様式を根底から覆すレベルのものばかりだった。

 いつでも清潔な水を飲める水道技術に、夜でも昼のように明るく照らすことができ、各種動力となる電力技術。手元をひねるだけで火を起こし、かつ、一瞬で温かいお湯を出すことができるプロパンガス。他にも様々なものが彼の国に入ってきていた。

 武器の輸出も求めた。日本は旧式をくれた。それでも、慣熟訓練も含めると前線に行くのはまだ先になる。

 

 

 

「日本というのはすごい国だな。・・・・・明らかに第三文明圏を超えている。もしかしたら、我が国も生活水準において、三大文明圏を超えるかもしれぬぞ」

 

 

 

 クワ・トイネ公国首相カナタは隣にいる秘書に語りかける。

 まだ見ぬ、国の劇的発展を見据えていた。

 

 

 

「はっ。しかし、彼らが理性的で助かりました。彼らの技術で覇を唱えられたらと思うと、ゾッとします」

 

 

 

「そうだな。でも、武器を輸出してくれたのは良かった。あれでも旧式らしいからな。これで、ロウリアの脅威が低減してくれたらいいのだが…」

 

 

 

 カナタは、夕日をみながらそう嘆いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロウリア王国 王都 ジン・ハーク城 御前会議

 

 

 薄暗い部屋の中、王の御前にてこの国の行く末を決める会議が開かれていた。

そこで将軍パタジンが34代ロウリア王国大王、ハーク・ロウリア34世に侵攻準備が整ったことを報告していた。

 

 

 

「2国を同時に敵に回して勝てるのか?」

 

 

 

 「はい。一国は農民の集まりであり、もう一国は不毛の地に住まう者。どちらも亜人比率が多い国などに、負けることはありませぬ。」

 

 

 

 「宰相よ、1ヶ月ほど前に接触してきた日本という国の情報はあるか」

 

 

 

  日本はロウリア王国にも接触してきたが、事前にクワ・トイネ公国とクイラ王国と国交を結んでいたため敵性勢力と判断されて門前払いを受けていた。最も日本側はロウリア王国の情報が手に入り、亜人差別のことを知ると「こっちからお断わりだ」とあれから接触は控えている。

 

 

 

 「ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国から北東に約1000kmの所にある、新興国家です。1000kmも離れていることから、軍事的に影響があるとは考えられません。

 また、奴らは我が部隊のワイバーンを見て、初めて見たと言っていました。竜騎士の存在しない蛮族の国と思われます。情報はあまりありませんが」

 

 

 

ワイバーンのない軍隊は空からの支援がないため、その分弱くなり、また、相手側のワイバーンによる攻撃も警戒しなければならない。どの戦いでも、制空権は大事なのだ。

 

 

 

「そうか・・・・。しかし、ついにこのロデニウス大陸が統一され、忌々しい亜人どもを根絶できると思うと、私は嬉しいぞ」

 

 

 

 「大王様。統一の暁には、あの約束もお忘れ無く、クックック」

 

 

 

 真っ黒のローブをかぶった男が王に向かってささやく。

 

 

「解っておるわ!!!」

 

 

 ロウリア王はささやかれたその言葉に声を荒げる。

 

 

(ちっ、三大文明圏外の蛮地と思ってバカにしおって。ロデニウスを統一したら、フィルアデス大陸にも攻め込んでやるわ!!)「将軍、今回の概要を説明せよ」

 

 

 

「はっ!説明致します。今回の作戦用総兵力は100万人、本作戦では、クワ・トイネ公国に差し向ける兵力は、40万、残りは本土防衛用兵力となります。

 クワ・トイネについては、国境から近い人口10万人の都市、ギムを強襲制圧します。なお、兵站については、あの国はどこもかしこも畑であり、家畜でさえ旨い飯をたべております故に、現地調達することで賄います。

 ギム制圧後、その東方250kmの位置にある首都クワ・トイネを一気に物量をもって制圧します。彼らは、我が国のような、町ごと壁で覆うといった城壁を持ちません。せいぜい町の中に建てられた城程度です。籠城されたとしても、包囲するだけで干上がります。

 また、かれらの航空兵力は、我が方のワイバーンで数的にも十分対応可能です。

 それと平行して、海からは艦船7700隻の大艦隊にて北方向を迂回、マイハーク北岸に上陸し、経済都市を制圧します。

 なお、食料を完全に輸入に頼っているクイラ王国は、クワ・トイネからの輸出を止めるだけで、干上がります。

 

 次に、クワ・トイネの兵力ですが、彼らは全部で5万人程度しか兵力がありません。即応兵力は1万にも満たないと考えられます。今回準備してきた我が方の兵力を一気にぶつけると、小賢しい作戦も、圧倒的物量の前では意味をなしません。

6年間の準備が実を結ぶことでしょう。」

 

 

「そうか…………ふっふっふっはっはっはっはあーっはっはっは!!!今宵は我が人生で一番良い日だ!!余は、クワ・トイネ、クイラに対する戦争を許可する!!!」

 

 

その日、城内は喧騒に包まれた。その様子を見ている者に気づくことなく………。

 

 

 

 

 

 

 

 

クワ・トイネ公国 首都マイハーク 王城

 

 

 突然呼ばれた海斗とすみれだが、その理由はなんとなく察していた。

 

 

「いきなり、お呼びして申し訳ありません。至急、耳に入れていただきたいことが」

 

 

「それは、隣国のことですか?」

 

 

「ご存じでしたか…」

 

 

 ロウリア王国のことだ。

 彼の国は、亜人撲滅を掲げており、その亜人が多数存在する2カ国に侵攻する可能性が高まったとのことだった。

 そのことは、国境付近に兵力が集まっていることが衛星から確認できていた。また、ロウリア王国に潜入させた諜報員から、ロウリア王が侵攻許可が出したことを知らされた。なので日本側は援軍要請があればすぐに行動できるように準備をしていた。

 

 

「この動きは確実に戦争になると思われます。ロウリア軍は、我が国が太刀打ちできない程強大で屈強な軍隊です。いくら貴国から実験配備の装備があれど、彼の国の物量の前には心もとありません。なので、戦争になれば都市のいくつかを放棄しなければならず、穀倉地帯が占領されれば、貴国への輸出も困難になります。

 それだけではありません。貴国が作った鉄道を利用して首都を攻撃してくる事も十分にありえます」

 

 

「……」

 

 

 日本側は黙って聞いている。その様子は何かを考えている仕草だった。

 

 

「船橋さん、瀬戸内さん。どうか、援軍をお願いできませんか!!」

 

 

 その言葉に海斗はニヤリと口角を上げた。まるで、そのセリフを待っていたとでも言うように。

 

 

「わかりました。実は我が国も彼の国を注視していてですね、貴国が援軍を求めるのを予想していて我が国は既に準備をしておりました。

 いいでしょう。私はこれでも政府首脳部ネクロマンスのトップの1人です。本国に報告後、援軍要請を受け入れ、すぐに貴国に派遣できるようにします」

 

 

「お願いします」

 

 

 しかし、その援軍は間に合わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆか。クワ・トイネからの援軍要請だ。予定通り、準備していた部隊を動かす……ゆか?」

 

 

「あ、あぁ。海斗か。了解。援軍要請を受け入れる。後、予定通りやってくれ」

 

 

「わかった。てか、大丈夫か?」

 

 

 ゆかは、顔を顰めて考え込んでいた。

 それに海斗が気づいて言及した。

 

 

「衛星画像だ。こっちは現地の諜報員からの報告書」

 

 

 見てみろと促すゆか。海斗は?と首をかしげながら見る。すると、海斗はみるみるうちに表情を変化させた。

 

 

「衛星画像から、既にギムは陥落したと言っていいだろう。しかし、問題は陥落の様子をまとめた報告書だ」

 

 

 そこには、ギムの惨状が事細かに書かれていた。

 ギムにいた住民は虐殺され、女性は犯され殺される。また、略奪も起きており、町は悲惨な状態だと。

 

 

「これが映像だ」

 

 

ピッとパソコンに映し出される。

報告書の通りの映像がながれた。

虐殺の様子。強姦の様子。

殺された両親の亡骸に縋る子供。

押さえつけられ無理矢理犯されるエルフの女性。その後に彼女が殺される映像。

串刺しや手足を落とされ、腹も裂かれた騎士。

騎士団長だと思われる猫みたいな見た目の人間と、その妻の子を目の前で痛ぶられて弄ばれて絶望する様子。

その他諸々、似たような映像が続いた。

 

 

「俺が言いたいこと、わかってるな?」

 

 

「ああ。急いで派遣させる。それと、ギムの惨状を起こした兵士は殲滅するよう通達する」

 

 

「それと、もう1人加える」

 

 

「加える?派遣する人をか?」

 

 

「御名答。咲夜」

 

 

 その名前を呼んだ瞬間、いきなり現れたメイドがいた。

十六夜咲夜。時間を操る程度の能力を持ち、原作とは違ってゆかに狂信な程の忠誠を誓っているメイドだ。

 

 

「咲夜。ギム動乱の隊長格を生け捕りにし、紅魔館の牢にぶち込め。レミリアとフランの食事にする」

 

 

「かしこまりました。ご主人様の為に」

 

 

 海斗は納得したような顔をする。

ゆかの使い魔は吸血鬼だ。もちろん、主食は人間の血。もしくは人肉。

いままでは、輸血パックや死刑の犯罪者で代用していた。

今回も例外ではない。対象が、他国の人間なだけで。

 

 

「今回は途中まで海斗の指示に従え。だが、基本は戦闘に参加はしていい」

 

 

「かしこまりました。それで、途中までとは」

 

 

「ギム奪還の時は単独行動を許可する。だからだ」

 

 

「わかりました。行って参ります」

 

 

 この話によって、海斗も前線に行くことになった。

海斗は元々、後方支援が得意な人物で、前線でも後方支援にて多大な活躍をしたことのある人物である。

まあ、今回の相手国は洗脳の類の耐性はないと予想されるので相性は抜群だろうが。(普通は耐性はない)

 

 

咲夜は準備の為に消える。海斗は急いで、準備していた派遣部隊に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

ゆかは、2人がいなくなったのを確認すると秘密裏にある任務をある人物に伝えた。

 

 

「謎の潜水艦を鹵獲しろ」

 

 

その言葉は、ゆかのインカムを通してある人物の元に届いた。




NO.3

小野未来 男 
ネクロマンス首脳部 海軍副総司令官
女子力高めの男。ネクロマンスの中でも1、2を争う程の強さであり、容姿以外ならその女子力の高さはトップ。本物の女子には敵わないが…
能力『空間(スペース)
空間を操ることができる能力。ある空間と別の空間を繋げることができる(マグマ溜まりに繋げて、マグマを垂れ流したりできる)。また、転移や固定など、様々なことができる能力でもある。

魔王編にて、登場させて欲しいキャラは?(参考として検討します)

  • レミリア・スカーレット
  • フランドール・スカーレット
  • 両方出して欲しい
  • 出さなくても良い
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