不良男子の生活記録   作:全智一皆

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 △月:日

 夜になって、グレモリー達が居るオカ研の部室に呼び出された。

 ゲームとは言え自分の婚約が掛かっている事もあって、やっぱりグレモリー達は緊張していた。まぁ、そりゃそうもなるわな。俺でも緊張する。

 緊張で言うと、ミッテルトもかなり緊張していた。まぁ、前に少し仲良くなったとは言っても悪魔に囲まれてる事に変わりないし、今回は大物も居るからな。

 サーゼクスさんだっけか? 2代目ルシファーとか言う凄い魔王様、そのメイドであり妻だもんな、大物も大物だ。緊張しても仕方ないだろう。

 ルキフグスってあれだろ? 確かセフィロトの反対のクリフォトの樹で、セフィロトのビナーに対応する悪魔だろ? めっちゃスゲェよな。

 取り敢えず、そんなに緊張せずとも大丈夫だと言うと、笑ってリラックスしてくれた。緊張し過ぎなのもあれだからな、こんくらいが丁度良いだろう。

 尚、俺を呼び出したグレイフィアさんはと言うと此処には居ない。なんでも会場の準備に勤しんでいるとの事だ。

 何故に当日? と言うのは無粋だな。多分、そういうのが粋というか、凝っていると言うんだろう。俺にはさっぱり理解出来ねぇけど。

 というよりも、呼び出しといて2時間も待たせるってなんだよ。やっぱ悪魔には常識ってもんがねぇのか? ある訳ねぇか、うん。もう確定だ。

 遊び道具も持て成しの品もない呼び出しとはこれ如何に。俺でももうちょっと持て成しの品用意するぞ。

 まぁ、変に面倒な事言って文句言われるのも面倒臭いので黙っておくが。

 取り敢えず、塔城とかと一緒に会話して暇を潰した。修行は何をしてたのか、とか、頑張れよとか、そういう感じの会話をした。

 基本的に兵藤を中心として修行をしていたらしい。何でも、兵藤が一番経験がなく弱いからとの事だ。

 なんだ、兵藤は弱いのか。赤い竜の力を身に宿してたんじゃないのか? と思ったが、思えば戦闘なんか碌にしてない人間が簡単に扱えるもんでもないか。

 酷い言い方をすると、宝の持ち腐れなんだろう。だがまぁ、それも良いと思う。弱いって事は、まだ強くなれるって言うし。頑張れよ。

 ちなみに、グレモリーの修行はでかい岩を背負って走るものだったとの事。何やらせてんだよ。それ本当に効果的なのか? 根性論で何でもどうにかなるなら人間はクーラーとか作ってねぇぞ。

 そのグレモリーと兵藤? 彼奴らは緊張感もなくイチャイチャしてるよ。何してんだコイツら、戦闘前だろ。計画を再確認するなりしろよ。

 姫島とか既にピリピリしてんぞ。お前はもっと余裕持てよ。仲間ビビらせてどうすんだ。

 

 そういや、別の部屋にはライザー達も居た。

 そりゃ居るよな、対戦相手だし。こっちは快く出迎えてくれた。

 この歓迎の差よ。アイツも一応偉い家の産まれなんだよな? なんだよこの差。訳が分からん。

 そうこうしている間に12時になっていた。日跨いでんじゃねぇか、巫山戯んな。

 

 

 △月)日

 学園の放送室から、グレモリーとライザーのレーティングゲームを観戦した。魔法を使って、その場所の様子を監視する事が出来るらしい。

 放送室が観戦席―――若しくは監視室―――って何なの? マジでどういう構造してんだよ、この学園。

 グレイフィアさんから、どちらが勝つと思われますか? と聞かれた。やっぱ自分の義妹と義弟の事は気になるんかな。

 素直にライザーが勝つと思うと答えた。ミッテルトは驚いてたけど、私情抜きにしてもライザーが勝つと俺は思ってる。

 だって戦力差が圧倒的だし、経験的にもライザーの方が上だろうし。幾ら神器が強かろうと、それを上手く扱えないなら意味がないだろうし。

 そう考えれば、必然的にライザーの方に勝算があると思うのは妥当だ。ぶっちゃけどっちでも良いんだけどな。

 とは言え、グレモリー達に勝って欲しいのも事実だ。我儘だなと思うが、仕方ない事だ。グレモリーが笑って過ごせる場所は、オカ研しかないと俺は思ってるから。

 そうこうしていると、戦況が変わった。最初はグレモリー達が押していたのに、塔城が負けてから劣勢になり始めている。

 確か、『戦車』だっけか? 力と防御特化の悪魔の駒だろ? それがやられて、ただでさえ少ない人数が更に少なくなったんだ。劣勢にもなるだろう。

 しかし、こうして見ると……姫島の力ってすげぇんだな。体育館吹き飛ばしやがったぞ。あんなもん俺の家でぶっぱなしたのか? マジでぶん殴ろうかなアイツ。

 てか、そう考えるとそれを叩き落とした俺って何よ。実はバケモンでしたってか? 巫山戯んな、ちゃんと人間だっつーの。

 それはそれとして、木場も凄いな。グラウンドが剣で埋まってる。なんか既視感あるわ、体は剣で出来ているって言いたくなる感じ。

 しかし……兵藤、女性の服を吹き飛ばすってなんだ? 下着すら残さず吹き飛ばすってよ。何考えてんの? マジ何考えてんの? 取り敢えず事が終わったら蹴ってやろうと思う。元は人間だろうが、常識を身につけろバカ。

 そうしていると、遂に姫島と木場まで脱落した。残ったのはグレモリー、兵藤、アルジェントの3人だけ。圧倒的な人数差の所為で運動量も桁違いで、明らかに疲労が溜まっていた。

 結果としては、グレモリー達の敗北。兵藤は頑張り続けていたが、これ以上大切な眷属を傷付けまいと、グレモリーの方が敗北を認めたんだ。

 そこまで見届けて、画面は閉じて消えてしまった。

 グレイフィアさんは何を言うでもなく退室した。おい放置すんな、せめて何か言え。

 ……マジで礼儀がねぇなら例え人妻だろうと蹴り飛ばす。次はそうしよう。絶対謝ってやらねぇからな。

 

 それはそれとして、グレモリーにも一発言ってやりてぇ。大切に思うのはそうだろうが、もっと信じてやっても良かったんじゃねぇのか?

 俺はそう思わずにはいられなかった。

 

 

 △月(日

 グレモリーの婚約が決まって、今日はその婚約パーティがあるらしい。

 知るか。なんで部外者の俺が、そんな御大層なパーティに出席せねにゃならんのだ。こちとら昨日寝るのが遅かった所為でくっそ眠ぃんだぞ。

 なんか黒服の奴等が俺とミッテルトを拉致ろうとして来たので、全員蹴り飛ばして野に放置しておいた。やっぱ悪魔には常識がねぇんだ、はっきり分かんだね。

 マジで眠かった所為もあって、部屋着のパーカー姿で登校しようとしてしまった。どう言い訳したもんかと考えていると、気が付けば何処かも分からん会場に来ていた。ご丁寧にミッテルトまで一緒で。

 目の前にはグレモリーと同じ赤髪の男。周りにはスーツやらドレス姿の人の形をした悪魔達が居た。

 もうそれだけで理解してしまったので、面倒くさくなってそのまま適当に挨拶をして言いなりになった。眠いっつってんだろクソが。

 とは言え、魔王が相手な訳だし、寝る訳にもいかない。目付きがいつも以上に悪かっただろうが、仕方ねぇだろ。眠いのに連れて来るアンタらが悪いんだ。

 サーゼクスさんの他、魔法少女の姿をした魔王も居た。セラフォルーさんと言うらしい。ついでにライザーのご家族とグレモリーのご家族も居た。

 なんつー場違いだ。格好的にも立場的にも。今すぐ帰りたい、こういう堅苦しいの苦手なんだよマジ。

 隣には魔王と魔女だぜ? 絵面が凄い事だ。しかも酒を注いで来やがった。

 正直に言うと酒は飲んだ。めっちゃ美味かったよ。未成年飲酒? 仕方ねぇだろ興味あったんだから。

 酒を飲んでると、サーゼクスさんが何故昨日のレーティングゲームでグレモリー達を助けなかったのかと聞いてきた。

 助ける訳ねぇだろ。あれはグレモリー達と戦いで、俺は部外者でしかない。勝負は勝負、それを邪魔するのは無粋でしかないと正直に答えると、ライザーさんは、確かにその通りだ、と笑ってた。

 後ろで立ってるミッテルトは少し、いやかなり緊張している様だった。そりゃそうだよな。つか、従者でもないのにミッテルトを立たせるのは何なんだ? おかしいだろ。

 という訳で、近くの黒服さんに椅子を持ってきてもらった。ミッテルトは従者じゃなくて同居人だ、わざわざそんな空気を読む必要なんかない。上下関係なんざ築いてないんだからな。

 

(次のページに続く)

 

 まさかの兵藤達がやって来た。グレモリーを攫いに来たんだとよ。

 つい笑っちまった。何処ぞの大泥棒みたいな事するじゃねぇか、兵藤。気概あり過ぎんだろ、面白い奴だと思う。

 兵藤は篭手だけじゃなく、赤い鎧を身に纏ってライザーと戦っていた。流石は赤い竜だなと褒めると、全員が驚いていた。何でだよ、そんなにバカに見えるのか俺は。

 兵藤は3秒くらいでライザーを叩きのめしていた。スゲェなアイツ、よくやるわ。

 戦闘が終わった後、兵藤が手を振って感謝してきた。いや、何もしてねぇんだけど。取り敢えず手を振り返したけど、何に感謝したんだろうな。後で聞いとこう。

 ライザーのご両親は落ち込んでたけど、まぁ仕方ねぇわな。俺としては、これも良い結果ではあると思ってから慰めはしねぇけどな。

 取り敢えず兵藤達も帰った事だし、俺達も帰ろうと席を立つと、サーゼクスさんから『悪魔の駒』を渡された。

 これって『レーティングゲーム』に使うやつだよな? いや、俺レーティングゲームしねぇんだけど。

 ゲームとは言え、信頼出来る相手を誰かと戦わせる? 巫山戯んな。そんな事出来る訳ねぇだろうが。

 丁寧に断っておいた。やらないなら持っていても意味がないし、やる場合になったならそれをぶち壊すだけだ。

 仮に受け取っていたとして、渡す相手はミッテルトになるのか? 尚更受け取れる訳がない。コイツは償いの最中なんだよ、戦わせていられるか。

 

 ちなみに、サーゼクスさんは笑っていた。正直不敬とか何か文句言われるかと思ってたんだが、そんな事はなかった。

 わりと良い人なのかもしれない。初対面だからしっかり判断出来ないけど。

 あと、扉を開いたら既に家の前だった。魔法って便利だよな、ミッテルトも驚いてた。

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