■ ■
〇月□日
悪魔に転生して少し経って、日記を書く事にした。その日あった事を書き起すのは、ストレス解消にもなるらしい。部長が勧めてくれたし、やってみようと思う。
今日は部室に不良が来た。
上原渉先輩。部長と同じ三年生で、この駒王学園で所謂『不良』のレッテルを貼られている人。制服は気崩してるし、目付きは悪いしで、誰も近付こうとはしない男子生徒だ。
木場が言うには、上原先輩が昨日堕天使と接触したらしい。しかも、問答無用で蹴り飛ばしたのだそうだ。
俺なんかあっさり殺されたのに……堕天使を蹴り飛ばすって、やっぱ不良なんだな、上原先輩。素直に凄いと思う。
けど、話しを聞く限り不良って感じはしなかった。部長と朱乃先輩がオカルト研究部に所属してるって知ったら、噴き出して笑ってたし。
まぁ、悪魔とか天使の話をし始めた瞬間に窓から逃げ出したけど。
やっぱ唐突過ぎたんだろなぁ。
〇月△日
もう来ないんじゃないかと思ってたけど、上原先輩がまたやって来た。小猫ちゃんが連れて来てくれたらしい。
部長曰く、ダメ元だったらしいけど、来てくれて良かったと思う。
最初は全然真面目に聞いてなかったけど、木場の神器だったり朱乃先輩の雷を見てからは信じてくれたのか、ちゃんと聞いてくれてた。
先輩は全然ビビってなかった。多分、普通ならビビったりするんだろうけど、そうならなかった先輩は強いと思う。
途中からは、何故だか小猫ちゃんと先輩が腕相撲をする事になった。
いや、流石に先輩が可哀想だった。だって小猫ちゃん、男の俺よりも力あるし。幾ら堕天使を蹴り飛ばせる先輩でも、これは負けただろう。
男として、女の子に力で負けるのって精神的にアレだろうし。
……とか思ってたら、まさかの先輩が勝った。皆が驚いてた、勿論俺も。
苦戦したとかでもなく、秒で勝負が着いたぞ。どうなってんだ? 上原先輩って人間なんだよな?
素で悪魔を越えるフィジカルしてるって事か…? 凄いというより、怖いなと思った。
〇月◇日
アーシアと一緒に歩いてたら、上原先輩と会った。学校帰りだった。
アーシアが挨拶すると、綺麗にお辞儀して挨拶を返してくれた。やっぱり不良じゃない気がする。見た目と口調がアレなだけで、良い人なのかな?
だって部長の話とか真面目に聞いてくれてたし、小猫ちゃんに腕相撲で勝った時も痛くなかったか?って確認してたし。
アーシアも良い人ですねって言ってくれた。うん、きっと良い人なんだと思う。
〇月Q日
上原先輩が、夕麻ちゃん……レイナーレと接触した。部長の命令で先輩にチラシを渡した時に、
「そういや、昨日も堕天使と会ったぞ。羽が生えた黒髪の女と怪しい神父」
っていきなり伝えて来たから、ついびっくりしてしまった。
そのまま部室に連れて行って、事情を説明してもらった。学校の帰り道、その2人に出会したらしい。
部長がよく生きてたわねと言うと、先輩はそりゃ全員蹴り飛ばしたからなと言っていた。まるで凄い事なんてしてないみたいに。
いや、めっちゃ凄い事してない? もう不良だからとかじゃなくて、純粋に上原先輩が強いんだと思う。