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□月QW日
渉くんが木場くんの事で悩んでた。
グレモリーさんから聞いた所、木場くんは『聖剣計画』の生き残りなんだそうっす。聖剣の話はうちも聞いた事あるっす。ていうか、フリードがまさしくそれっすから。
シグルド機関―――教会の戦士育成機関の一つ。北欧の英雄シグルドの血を引く者から、魔剣グラムを扱える真の末裔を生み出す事を目的にしていた組織。
その試験管ベビーが、紛れもないフリードっす。だから聖剣も扱える。
木場くんの『聖剣計画』は人工的に聖剣使いを生み出す事を目的にしていた機関っす。聖剣って腐っても聖剣なんで、持ち主を選ぶんすよ。誰でも扱える訳じゃないっす。
でも、実験の為に聖剣使いの因子を引き抜かれた子供は殺されてて、その所為で解体されたんすよね。木場くんはその生き残り。
確かに、憎いと思う。木場くんが責任を感じるのも、憎悪するのも、今のうちなら分かる気がするっす。
けど……それで身を滅ぼしたら、本末転倒っす。うちにも、木場くんに何かしてあげれたら良いけど……思い浮かばないっす。
□月QE日
ご飯を食べてる時、渉くんから「ミッテルトは犬か猫ならどっちが好きなんだ?」って聞かれたっす。
勿論、うちは犬っす! だって可愛いし。猫も確かに可愛いっすけど、やっぱり可愛がるなら犬が良いっすよね!
そしたら、なんでか渉くんに撫でられちゃったっす。うち、犬じゃなくて堕天使っすよー? まぁ気持ちから大丈夫っすけど。
□月QR日
またもやオカ研に客人が来たらしい。
エクソシストの紫藤イリナとゼノヴィア・クァルタという二人の女性っす。バチカンから聖剣が盗まれて、その犯人が駒王町に居る。でもこれは教会の問題だから悪魔であるお前達は関わるな、って感じだったらしい。
めっちゃ上から目線っすねー。でも、レイナーレ様と一緒に居た時のうちもそうだったんすよね。
そう思うと嫌悪感が凄いっすね。聞いただけなのにこんな不快になるものなんだと気付くばかりっす。
しかも、それだけに飽き足らずアーシアちゃんを馬鹿にしたらしいっす! あー、ムカつくっす! でもうちじゃ手も足も出ない……いや関係ないっすよね! 一発ぶん殴らないと気が済まないっすよぉ!
でも、案の定というか渉くんがキレちゃって、兵藤くんと木場くんと一緒に二人をボコボコにしたらしいっす。また蹴り飛ばしたんすね、流石は渉くんっす!
あと兵藤くんがドレスブレイクっていう魔法を使ったから兵藤くんも蹴り飛ばしたらしいっす。
兵藤くん大丈夫っすかね……首ちゃんと体と繋がってるっすか?
□月QT日
帰り道、兵藤くんが友達と一緒に下ネタを叫んでたって渉くんが呆れてたっす。何でも、中には生徒会の人も居たとか。
渉くんに蹴り飛ばされたのに、兵藤くんはブレないっすねー。でもそれが兵藤くんの良い所……良い所? うん、まぁ兵藤くんらしいっす。それでこそ兵藤くん。
クッキーを渡したらめっちゃ必死に弁明してたらしいっす。それは面白そうに話してたから、やっぱり渉くんはSっす。
□月QY日
昨日の事を支取さんに話したら、顔を赤くして謝られたらしいっす。また笑ってたっす。
渉くんって良い性格してるっすよね、てつい言っちゃったら、
「お? お前も言う様になったじゃねぇか」
って褒められたっす。これ褒められる様な事なんすかね? 嬉しかったっすけど。
その後、支取さんにもクッキーを渡したらしいっす。めっちゃ驚いてたって。まぁ、そりゃそうっすよね。渉くんがクッキー作ってるイメージ、全然無いっすもん。
要らないかって言われて、慌てて受け取って感謝する姿も面白かったって言ってたっす。
あー……これ、多分支取さんをからかうのが好きなだけっすね。何となく分かるっす。支取さん、頑張れっす。
□月QU日
渉くんが面白い光景を見れたと笑ってたっす。多分支取さん絡みっすね、めっちゃ良い笑顔してるっすもん。
下ネタ叫びの件がバレたのか、兵藤くんと生徒会の人……匙くんがそれぞれお尻を叩かれている場面を見たらしい。兵藤くんがグレモリーさん、匙くんが支取さんから。
「まぁ、うん……悪魔だもんな。やり方はそれぞれだし、何も言わんよ。うん」
って感じで目を逸らしてたら、支取さんが必死に弁明しようと口をパクパクさせてたらしいっす。それを見てすっごく面白かったって。
渉くん、支取さんをからかうってなるとめっちゃ楽しそうになるっす。これ多分Sだからとかじゃなくて、純粋に面白いって思ってるからっすね。
でも、裏を返せばそれだけ支取さんの事を信頼しるって事でもあるっすよ。ちょっと羨ましいっす。
□月QI日
事の発端は、うちの所為だったっす。うちが弱いから……渉くんを巻き込んでしまった。
コカビエル。神の死とも呼ばれる、
渉くんが助けてくれた。オカ研の皆が助けに来てくれた。
それはとっても嬉しくて、けど不甲斐ないばかりだと思ったっす。そう思わずには、いられなかったんすよ……。
フリードにも、バルパーにも、ケルベロスにも、皆は負けなかったっす。けど……コカビエルには、勝てなかった。
うちはコカビエルから小猫ちゃんを庇って、もう動けなくなって……でも、それを見た渉くんがうちの為に怒ってくれたっす。戦ってくれたっす。
嬉しかった。でも、それ以上に悔しかった。ひどく、酷く悔しかったっすよ…!!!!
渉くんは、圧倒的だったっす。
コカビエルの攻撃を文字通りものともせず、何度も何度もコカビエルを蹴り飛ばして、あらゆる力を奪っていった。
立ち上がる事はおろか、呼吸する為の『力』すらも奪われて、衰弱し切った。
渉くんはうちだけじゃなく、その場に居た皆の傷を癒してくれたっす。
……渉くんの力に、なれなかった。そんな自分がただひたすらに、情けなかった。