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□月@日
珍しい人間と会った。
『禍の団』―――言ってしまえばテロリスト組織に所属する様になってから、組織に縛られる様にはなったものの、それなりのお金と安全は確保出来た。
まぁ、猫らしく自由気ままに過ごす時間は減ったんだけど、それは仕方ないにゃー。それが組織に属するって事だし。
ご飯は食べれる、お風呂も入れる。そこに不満はないんだけどにゃー、如何せん物足りない。やっぱり白音かな? うん、きっとそう。
今日は休暇を取る事が出来たので、久しぶりに白音の様子を見に行った。相変わらず可愛い妹だ、まだ小柄だけど。
もう高校生なのに……成長期ってそんなに来るの遅いもののかにゃ? まぁ、可愛いから良いけど。
そんな可愛い可愛い妹の生活を見終えて、公園で休んでいると一人の人間が来た。
目付きは悪いし、制服を着崩してる。けど、そんな見た目とは裏腹にそういう雰囲気が全然ない、不思議な人間だ。
なんだろ、見た目は危ういんだけど、そういう人間が持つ汚さとか凶暴性が無いっていうか。凪いだ海って感じ。
あんなにまで見た目と合わない穏やかな雰囲気を持ってる人間は、珍しいにゃー。
帰る時に、じゃあなって言われた。もしかして正体気付かれてる?
□月?日
またあの少年と会った。あの珍しい人間だ。
また会ったな、と声を掛けられた。やっぱり気付かれてる? けど、そういう感じは全然しない。多分、動物とかに普通に声掛けちゃうタイプなんだと思う。
それ、あんまりやらない方が良いにゃー。変な奴だって思われちゃうよ?
それにしても、本当に不思議な人間だにゃ。近付いて来るとか撫でようとするとか餌をやろうとするとかじゃなく、ずっと私の事を見てる。
レディを見詰めるなんてイケナイにゃあ。でも、嫌な感じはしないのがまた不思議。逆に私が見詰めちゃった。
見詰めてたら吸い込まれそうになる気がして、つい逃げ出した。自分からあの人間に近付こうとしてた。うーん、ここまで来ると不思議というより不気味だにゃー。
□月,日
また不思議な人間に会った。相変わらず、何も感じさせない不思議な感じ。
害意も敵意も、懐柔しようとする様な気配も感じない。本当にただ、私という猫だけを観ている……そんな、不思議な目。
つい私の方から近付いてしまった。幾ら不思議過ぎても、私が見ず知らずの人間に自分から近付くなんて……何かされたかにゃ? でも、そんな素振りは何も見せてなかった。
あの人間に撫でられた。不器用だけど、優しい手つきだった。中々気持ち良かったにゃー。
でもすぐハッとして、逃げ出しちゃった。私らしくない。
□月.日
今更だけど、あの人間は白音と同じ学校に通ってる生徒だった。白音の二つ上の先輩で、偶に白音と会話していたりもした。
学校の近くを通ったりすると、あの少年らしき人間の噂をよく聞く。
駒王学園の不良―――それが、あの人間の噂。いつも目付きと口調が悪くて、服も着崩していて、生徒会長と呼ばれる人間に何度注意されても止めようとしない不良。
私が見たものと殆ど当てはまらない。確かに目付きは悪いし、レディに対する口遣いじゃないけど……あの人間は、きっと変わり者だ。それくらい、優しい人間だ。
あの人間と話していた白音も、どこか楽しそうだった様に思う。
今日は、あの人間とは会わなかった。凄い雨だったし。
なんか、物足りなかった。うーん……本当に、私らしくないにゃー。
□月QW日
禍の団で仕事が終わった後、ヴァーリから話し掛けられた。珍しいにゃー、ヴァーリから話し掛けてくるなんて。
前より気が緩んでいるって言われた。そんなことは……あるにゃー。心当たりがありまくりだ。
多分、あの人間の所為だ。あの不思議な雰囲気に呑み込まれてるのかも……まったく、レディの気を狂わせるなんて、イケナイ子だにゃ。
でも、相変わらずそれを嫌だとは思ってない。ちょっと撫でられただけなのに、私チョロすぎじゃない?
こんな感じのキャラじゃない筈なんだけどにゃー。