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□月QE日
自分からあの人間の方に近寄る事に、何ら違和感を抱かなくなってきた。そろそろヤバいにゃー、これ。
もちろん白音が最優先なんだけど、自分から近寄るとか本当にどうしたんだろ。こういうの気に当てられるって言うのかな? 仙術使いなんだけどにゃー、私。
不思議な雰囲気ってだけで、何か特別な気みたいなものを持ってる訳ではない。たぶん、この人間が根っこから優しいからなんだと思う。
今日は餌をくれた。安物だけど、丁度お腹が空いていたので食べさせてもらった。中々に美味しかったにゃー。
今日は頭とか背中だけじゃなく、色んな所を撫でられた。良い撫でられ心地だった所為で、つい声を漏らしちゃった。
ご飯もくれたし、お礼に舐めてあげた。とっても貴重だよー? 感謝してほしいにゃ。
□月QR日
初めて、あの人間が戦う所を見た。
まぁ、正確にはあの人間だけじゃなくて、他にも居たんだけど。今代の『赤龍帝』と、魔王サーゼクスの妹の眷属達。後はエクソシストかな。
観客には白音も居た。相変わらず可愛かったにゃー。
それはそれとして、あの人間ちょっと強過ぎじゃないかにゃー? 悪魔でも天使でもないのに、女の子とは言え人間2人を纏めて蹴り飛ばすって尋常じゃない。
しかも、2人が持ってた聖剣を素手で簡単に受け止めてたし。
別に動きが洗練されてる訳でもない。蹴りも本当に単なる蹴りで、技みたいなものは何一つだってない。
でも何故だか、相手の方が弱く見えてしまう。彼の方が強く見えてしまう。不思議というか、もはや不可解だった。
絶対、何らかの神器は持ってるんだろうけど……正直、よく分からない。あの身体能力が神器の能力だとしたら、今代の赤龍帝が吹き飛ばした服を一瞬で戻した説明がつかない。
まぁ、白音の素肌を守ってくれたし、それを悪用する気もなさそうだし気にする必要はなさそうかな。
□月QT日
曹操から面白い話を聞いた。
なんでも、最近の冥界では色んな悪魔達が『魔王サーゼクスが気にとめている、堕天使を仕えさせている人間』の話題で持ち切りなんだと。
人間でありながら赤龍帝の事を知り、魔王であるサーゼクスとセラフォルーを相手にしても平然とし、さらにはサーゼクスからの贈り物すらきっぱり断った人間が居ると。
多分、ていうか絶対あの人間だにゃー。あの人間ならそれくらいやってそうだし。益々、不思議な人間だと思うばかりだ。
あと、あの人間は
渉……うん、良い名前だにゃ。
□月QU日
今日もあの人間―――いや、渉に会った。今日はなんだか楽しそうだったにゃー。
今日も沢山撫でられてしまった。なんならお腹まで見せてしまった。どうやら、私は私が思っている以上にこの少年に気を許してしまっているらしい。
でも、これ私悪くないよね? だって、撫でる手も雰囲気もこれまで見てきた、会ってきた人間とも全然違うもん。
笑ってる顔は、結構可愛かったにゃー。なんていうか、年相応だったって言うか。
とにかく、見ていてこっちまで笑顔になっちゃいそうな、良い笑顔だった。
□月QI日
うん、やっぱり渉はおかしい。正直、人間だとは思えないにゃー。
今日、渉がとんでもない相手と戦った。堕天使コカビエル―――『神の毒』とも呼ばれる、古参の堕天使。あれはちょっと私でも手に余る。
コカビエルの攻撃から白音を庇ってくれた堕天使―――ミッテルトが怪我を負った瞬間、即座にその怪我を治してコカビエルを蹴り飛ばした。
あのコカビエルを悶絶させる時点で凄いのに、渉はコカビエルの攻撃を全て無効化していた。多分、コカビエルのあらゆる『力』を低下させていたんだと思う。
コカビエルは呼吸をする力すら残されなかった。文字通り息も絶え絶え、完全に死に掛けた状態だった。
その後は、ヴァーリがコカビエルを回収して帰っていた。ちなみにヴァーリは、どこかアルビオンに似た力を感じたらしい。二天龍に匹敵する神器でも持ってるのかな? まぁ、あんまり気にならないけど。
渉は何でもない様な顔をしていたけど……渉の気は、酷く荒れていた。
あれは、きっと倒れる。心配だにゃー。