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△月]日
リアスを取り戻してから数日が経ってから、上原君が訪ねてきた。
リアスがパーティの事で御礼を言っていた。私達も揃って御礼を伝えた。
上原君は「何もしてない奴に感謝すんなよ。兵藤に感謝しろよ、兵藤に」と謙虚に答えていたけれど。
確かにリアスを助けてくれたのは兵藤君。けど、その兵藤君を後押ししてくれたのは他でもない貴方なんだから。
彼は兵藤君の言う通り、とても優しい人だと思う。
△月_日
リアスが上原君の家に行って、兵藤君の腕をどうにか出来ないか相談してきたらしい。
赤龍帝―――ドライグ。二天龍の一角による一時的な『禁手化』によって、兵藤君の左腕はドラゴンのものに変質してしまっている。
兵藤君が言うには、上原君が禁手化の出力を最適化してくれたとの事だ。だから、兵藤君に干渉する事が出来た彼ならば治せるのではないか? と踏んだらしい。
彼の神器は本当に底が知れない。驚異的な身体能力もそうだが、まさか赤龍帝に干渉する事が出来るなんて……いったい、どういう能力なのだろうか。
残念ながら、上原君でも出来そうにないらしい。だが、それを酷く悔しいそうにしていたとの事だ。
彼も兵藤君の事を気に掛けてくれているんだと思うと、嬉しく思う。
△月-日
グレイフィア様が来られて、冥界における上原君の立場を教えられた。
あの婚約パーティで、人間でありながら堕天使を仕えさせ、二人の魔王を相手にしても臆する事ない態度を崩さず、さらには赤い竜と発言していた。
その事から、冥界における上原君は『人間でありながら魔王だけでなく二天龍とも関わりを持つ謎の存在』として警戒されているらしい。
もしかしたら、悪魔達が上原君に接触するかもしれないと。
リアスも、何か対策を打たなければと言っていた。私にも何か出来る事があれば良いのだけど。
はっきり言って、危ないのはミッテルトだ。彼女を狙う悪魔が現れるかもしれない。
なんとか助けになれないのかしら……
□月・日
兵藤君がやけに嬉しそうにしていた。
上原君が、クラスの女子から話し掛けられたらしい。少し前に言っていた、文化委員の女子らしい。
不良のレッテルを貼られている上原君に話し掛ける生徒はそう多くない中で、感謝を伝え尚且つ優しいねと言ってくれたとの事だ。
上原君と同じクラスの支取さんがそう教えてくれたらしい。
私としても、同級生に対する不当な評価が少しでも払拭出来たのは嬉しい。
ただ……何故だか、面白くないと思った。
□月#日
上原君が小猫ちゃんにクッキーを渡していた。
なんでも、昨日小猫ちゃんが上原君にお菓子を渡したのだそうだ。チラシの時の御礼らしい。
小猫ちゃんがその場でもぐもぐと食べている姿は、正直とても可愛かった。様になっていた。
だが、それはそれとして羨ましい。とても美味しそうに食べていたのもあるけれど、上原君が作ったという意外な点だ。
不良だなんて言われている彼が作ったクッキー……とても気になる。私だけでなく、兵藤君も欲しがっていた。
本人は「なんでお前らまで欲しがんだよ、子供かお前ら」と呆れていたけど、また今度持って来てくれるとの事だ。
□月QW日
上原君が祐斗君を助けてくれた。
兵藤君の家で聖剣の写真を見てからと言うもの、祐斗君の様子はおかしかった。だがそれは、彼が聖剣計画の生き残りであるからだ。
仕方ないと理解はしていても、大切な仲間が無理ばかりしていくのは見ていて悲しかった。そんな彼が先日、レイナーレと行動を共にしていた神父……フリードに襲われたらしい。
そして、それを助けてくれたのが上原君だと。その上原君が、祐斗君に何があったのかを尋ねてきた。
聖剣計画の生き残りであった事を話すと、
「エクスカリバーかデュランダル、グラムとかフラガラッハとかそこら辺か……いや、でもフラガラッハって魔剣だっけか」
と、聖剣について知っている様に呟いていた。
彼はどこまで知っているのだろう。二天龍の事も含めて、底が知れない。
まぁ、そんな事は気にする必要もないとは思うけれど。
事情を聞いた上原君は、「アイツが間違った事やらかしそうなら、蹴り飛ばしてでも止める」と言ってくれた。祐斗君の事も気に掛けてくれているのだ、本当に優しい人だと思う。
□月QR日
バチカンから二人の
紫藤イリナとゼノヴィア・クァルタ。教会が管理するエクスカリバーが盗まれ、その盗んだ相手がこの駒王町に隠れているとの事だ。
そこで、こちらの管轄だから悪魔である私達には手を出すな、と言ってきた。
その途中で、クッキーを焼いて持って来てくれた上原君が部室にやってきた。タイミングが良いのか悪いのか……勿論、クッキーはありがたく頂いた。
上原君にその話をすると、「馬鹿馬鹿し過ぎて理解する気にもならねぇな」と呆れていた。まったく以てその通りだと思う。
あと、「いや絶対パチモンじゃねぇか」と、聖剣エクスカリバーを偽物だとバカにしていた。二人が怒っても気にせず、
「俺の知ってるエクスカリバーにはそんな特徴はねぇな」
と言い切っていた。二人だけでなく、私も兵藤君も驚いていた。リアスは慣れたのか驚いていなかったけれど。
それからも話は進んだが……その二人がアーシアちゃんを馬鹿にしてからは、荒事に発展してしまった。
合流した祐斗君も含めて、上原君と兵藤君の三人と二人で戦う事になった。
戦いと言っても、殆ど一方的だったが。上原君が容赦なく二人を聖剣ごと纏めて蹴り飛ばしていた。相変わらず、凄まじい威力の蹴りだ。
ただ、途中で兵藤君が『ドレスブレイク』を使ったから対象が兵藤君に変わって、兵藤君まで蹴り飛ばされてしまった。
しっかり生きてはいたけれど、顔色がすごく悪くなっていた。
「俺、絶対に先輩だけは怒らせないようにしよう……」
と言っていた。
確かに、あの蹴りは喰らいたくない。
□月QO日
今日、上原君が学校を休んだ。
おそらく、先日の戦い……コカビエルとの戦いで神器を酷使してしまった結果だ。
皆が落ち込んでいた。私達は、誰一人として……手も足も出なかった。皆が上原君に守られてしまった。
本来ならば、こんな戦いとは無縁であった筈の彼を巻き込んでしまった。
もっと強ければ……上原君に無理をさせる事もなかったのに。
自分達の不甲斐なさを認識した。でも、だからこそ私達は動かなければならない。こんな私達を見たら、上原君にまた呆れられてしまう。
彼に無茶をさせない様に、私達が強くならなければいけない。