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◇月♂日
一日経ったら塔城は元気になっていた。というか明らか絶好調だった。
スゲェな悪魔、一日経つだけでそんな回復すんの? めっちゃ羨ましいんだけど。俺なんか訳も分からず数日も寝込むんだぞ。しかも的確に人間が生きていられない日数で。次は7日とか行くんじゃね? くそ怖いわ。
頭を下げて感謝された。別にそこまでの事してねぇんだけどな。単に愚痴聞いたりしただけだし。あとな、そう簡単に頭下げるもんじゃねぇぞ、塔城。
修行も一通り終わったらしい。兵藤に至っては山一つ消し飛ばしてた。何すりゃそうなんだよ。遂にバケモンじみてきたなと言ったら、先輩にまだ敵わないと返された。いや、俺山一つ蹴り飛ばした事ねぇんだが?
あと、明日にはパーティとやらがあるらしい。グレイフィアさんが言うには、敢えて公の場に出て悪魔達を牽制する意味もあって出た方が良いとの事だ。面倒だなと言ったら皆が笑っていた。
パーティに私服で参加するのこれで二回目だぞ。普通に礼儀的にあれじゃねぇの?って思ってたら、グレイフィアさんが問題無いって言ってた。
俺は誰にも縛られない自由な奴という認識らしい。だから服装を気にするやつも大して居ないんだと。
悲報、遂に悪魔共にも不良扱いされる。ここまで来ると筋金入りだな。まぁ、俺としてはスーツとか面倒だから好都合だけど。
ミッテルトと姫島は残念がってた。何でだよ、別に良いだろスーツ着なくても。
◇月ヽ日
冥界はちょっと刺激が多過ぎる。パーティ会場までドラゴンに乗って向かう事あるか? タクシー代わりにしていいもんじゃねぇだろ、ドラゴン。
まぁ、めっちゃ気持ちよかったけど。幼い頃の妄想が現実になった気分がして楽しかった。また体験してぇな。今度タンニーンさんに頼もうかな。
それはそれとして、俺の場違い感が半端じゃねぇ。俺以外全員揃って正装だぞ。あの兵藤ですら正装だ。ドレスとかスーツとか着てる奴等の中に一人だけパーカー着てる奴とかクソ目立ってる。
姫島とミッテルトに挟まれた俺よ。何故挟む。そりゃ気になって下とか見たりするけど、落ちたりとかヘマやらかさねぇよ。ガキか、俺は。
とは言え、ドレス姿はよく似合っていた。ミッテルトは可愛い系が似合うと思ってたが、綺麗な服装もめっちゃ似合うな。普段のツインテールを降ろしたロングヘアー姿は新鮮だった。
そんでパーティ会場に着いて飯食ったりしてたら、色んな悪魔達に話し掛けられた。冥界に人間が来る事は珍しく、さらには俺は冥界でも有名人なんだと。
あんま嬉しくねぇんだけど。有名になる様な事をした憶えもねぇし。
支取から心配された。別に問題ねぇよ、見た感じ悪い事企んでる奴は居なかったし。いざとなれば蹴り飛ばすだけだ。
それはそれとして、支取のドレス姿も綺麗だった。隣に立つ匙もスーツ姿がよく似合っていた。そう褒めると照れられた。なるほど、そういう事か。安心しろ、俺と支取はそういうの無いから。
とは言え、支取は匙の事を弟として見てるっぽいしなぁ……頑張れよ、匙。
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テロリストが攻めて来た。つっても、俺が見たのは戦闘がほぼ終わった後だったんだが。
鎧を着た猿みたいな奴と聖剣っぽい奴を持った奴が居た。その前には―――ミッテルトと塔城、そして黒歌が倒れていた。
誰かは知らん。知る必要もなかった。俺の家族と後輩に手を出したクソ野郎共だ―――蹴り飛ばす以外の選択肢はなかった。
二人纏めて蹴り飛ばした。頭に思いっきり叩き込んでやった、ざまぁみろ。
その後は、怪我してる奴等を会場の医務室に連れて行った。それから暫く経ったら、ミッテルトは普通に起き上がった。怪我も治ってた。
久々に見たわ、ミッテルトの凄まじい回復力。やっぱお前実はすげぇ堕天使なんじゃねぇの?
黒歌も起きて、俺に飛び付いてきた。ったく、久々なのに甘えん坊なやつだ。俺の事を憶えていてくれて様で嬉しかった。
本当なら冥界じゃなくて家で言いたかったんだが……おかえり、黒歌。
◇月ヾ日
サーゼクスさんに黒歌をどうするのかと聞かれた。
いや、どうするも何も俺の猫なんだからそのまま飼うに決まってんだろ。大事な家族なんだから。見捨てるとか誰かに引き渡すとかする訳ねぇだろ。
曰く、その黒歌はテロリストと共に居たんだとか。マジかよ、猫をテロリストとして起用するとか其奴らイカれてんじゃねぇの? バカだろマジで。
黒歌は猫の妖怪で、非常に危険らしい。いや、何ら問題ねぇよ。心配してくれてるのはありがたいが、黒歌は俺の家族だ。少なくとも、サーゼクスさんが危険視している様な事はない。
家族を見放す馬鹿が何処に居る。家族を信頼しない馬鹿が何処に居る。アイツは俺の家族だ、それだけで信頼出来る。
例え誰がなんと言おうと、黒歌は黒歌だ。
何とかサーゼクスさんを説得して帰ったら、ミッテルトと黒歌が出迎えてくれた。揃って可愛い奴らだ、沢山撫でてやった。
せっかく三人揃ったし、一緒に寝るか。一人で使うには結構デカいベッドだったし、丁度良いだろ。
◇月ゝ日
朝起きたら自分の飼い猫が猫耳黒髪美人だった件について。マジ訳分かんねぇぞ、どういう事だよこれ。
オカ研の奴等がめっちゃ気不味い感じになってた。塔城と姫島に至ってはめっちゃ恨めしい目で見られた。ミッテルトと黒歌は俺が珍しい顔してるって笑ってたけど。黒歌ー、お前が原因なんだぞコラー?
黒歌も塔城と同じ猫魈……というか、黒歌が塔城の姉貴だった。そりゃ人型にもなれる訳だ。いや、だからと言って驚かん理由にはならねぇけどな。めっちゃびっくりしたわ。
ちなみに、ミッテルトは結構前から黒歌が人になれるのは知っていたらしい。そんでもって、黒歌がそのテロリストであった事も。
黒歌からそれを話してくれたそうだ。その頃は丁度俺寝込んでた時期で、俺を争いには巻き込みたくなかったんだと。
素直に嬉しかった。けど、それでお前が死んじゃ世話ねぇだろ。俺が言えた義理じゃねぇけどさ。
それはそれとして、人の姿でも黒歌の甘えん坊は変わらんらしい。ったく、仕方ないやつめ。
◇月ゞ日
相変わらず黒歌が隣に居る。起きたら居るし、普通に休んでても居る。
いや、全然構わねぇんだけどさ。人型だからちょっと慣れねぇけど、黒歌は黒歌だし。けど黒歌が抱き着いて来ると、その黒歌に塔城が抱き着いて来るんだよな。
なんか対抗心燃やされてる。ぶっちゃけ可愛かった。良い絵を見せてもらったわ。
別にそんな事せんでもお前の姉ちゃん取らねぇよ。黒歌にとって妹の塔城の方が一番大事だろうし。
そう言ったら黒歌に抓られた。どっちも一番なんだと。そりゃありがたいけど、塔城に睨まれるのはわりと心に来るんで止めていただきたい。
まぁ、途中から黒歌はサーゼクスさんの所に行ったけど。テロリスト……禍の団について話してくるらしい。
ちょっと心配だが、黒歌なら大丈夫だろ。何かあったらすぐ駆け付けるし。
すぐ黒歌は帰ってきて、また抱き着いてきた。本当に甘えん坊だな、黒歌は。そういう所が可愛いんだが。
ただ、今度はミッテルトも増えた。しかも姫島まで来そうになっていた。勘弁してくれ、流石に大勢に見られながら囲まれるのは俺も恥ずかしい。