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◇月灬日
黒歌と姫島は、やっぱりまだ距離がある。まぁ、当然っちゃ当然なんだけど。
そりゃ姫島からしてみれば、理由があったとは言え自分の仲間を襲った奴なんだし、そう簡単には仲良く出来ないよな。塔城は勿論、ミッテルトの事も仲間だって思ってくれてたし。
逆に黒歌からしてみれば、自分が居ない間に見ず知らずの同居人が増えてた訳だから、そう簡単には心許せないだろう。猫だから、尚更そういう所は繊細だろうし。
とは言え、姫島が作った料理を黒歌は美味いって言ってたし、それを聞いて姫島も悪い気はしてなさそうだったから、そこまで時間は掛からないと思う。切っ掛けがあれば、多分すぐ仲良くなってくれるだろ。
久しぶりに、ミッテルトが猫姿の黒歌と遊んでいた。とても楽しそうで、俺としても微笑ましいものを見させてもらって有難かった。
だがな黒歌、撫でてる時に人型になるのは止めてくれ。俺もびっくりするから。
◇月⊂日
兵藤の家に行って、グレモリーと塔城の事で相談をした。
俺としては、やっぱり黒歌の意見は聞き入れてやりたい。黒歌にとっても塔城にとっても、埋まらなかった姉妹の時間は埋めてやりたいんだ。
そういった旨で伝えると、グレモリーも納得してくれた。グレモリーとしても、或いは家族を大切に思うグレモリーだからこそ、出来る限り家族とは一緒に居させてやりたいと思ったのかもしれねぇな。
コイツもコイツで、やっぱり優しい奴なんだなと思った。最近はアポとか取ってくる様になったし、ちゃんと常識を身に付けてくれた様で何よりだ。流石にアレが続いたらグレモリーも蹴り飛ばしてたわ。
明日から、塔城も俺の家で暮らす事になった。俺の家の皆が喜んでた。俺としても、塔城が来てくれるのは嬉しい。是非とも、黒歌と姉妹として過ごして欲しいと思う。
◇月⊃日
今日から塔城も我が家の一員になった。実に喜ばしい事だ。
塔城はやっぱり黒歌と一緒に居る。何時見ても微笑ましい限りだ、ミッテルトと姫島と一緒に眺めながら飲んだお茶はめっちゃ美味かった。
そういや、塔城の本当の名前は白音な訳だが、俺もそっちで呼んだ方が良いのかね? でもぶっちゃけ、これまで苗字呼びだった奴をいきなり名前呼びするのは慣れねぇんだよな。
黒歌に聞いてみたら、白音の方が喜ぶそうだ。ふむ、そういうもんか? 試しに白音と呼んでみたら、声が上ずっていた。びっくりさせちまったかな?
とは言え、やっぱ俺の方が慣れねぇな。そもそも名前呼びする事自体が少ない訳だし。
結局、呼び方は塔城で固定された。塔城としてもそれで構わないとの事だ。塔城小猫という名前にはかなり思い入れがあるらしい。
しかし、そう考えると、俺はミッテルトとかは最初から名前呼びだったな。なんでなんだろうな。自分でもよく分からん。
◇月乁日
黒歌との件で蟠りが消えたのか、塔城はよく猫耳と尻尾を生やす様になっていた。中々可愛かった。
見れば見る程、黒歌とそっくりだな。いつかは黒歌みたいに綺麗になるのかね? もしそうなったら、きっとモテるだろうな。モデルになるのも悪くないかもしれん。
あと信頼してくれてるからなのか、黒歌が一緒に居るからなのか分からんが、わりと無防備だ。俺の家の住み始めてからそんな経ってねぇ筈なんだけどな。ちょっと適応早すぎねぇか? いや、嬉しいんだけどさ。
耳とか気になったので触ってもいいか聞いたら、良いと言ってくれた。黒歌に負けず劣らずのふわふわだった。姉妹揃って触り心地良すぎだろ、沼に入りそうだ。
途中からミッテルトも参戦してきた。俺だけズルいと言われたので、ミッテルトに変わったら俺より触ってた。うんうん、分かるぞミッテルト。癖になるよな、あのふわふわ。
少し照れていた塔城はかなり可愛かった。
ミッテルトに変わってからは、黒歌が寄って来たので黒歌を撫でた。猫の時でも人の時でも、本当に良い触り心地だった。
◇月゜日
今日は塔城の夏休みの課題を手伝った。
まぁ、オカ研は夏休みの殆どを冥界で過ごしてたしな。修行浸りだった訳だし、何なら塔城は一日寝込んでたから尚更時間無かったよな。まぁ、グレモリーと姫島は終わらせたらしいが。
俺は支取達に手伝ってもらったお陰で終わったんだが、お前ら何時やったんだよ。そんな時間あったのか? だとしたらスケジュール管理能力がスゲェな。
一応先輩というのもあって、偶に課題の内容を教えたりした。あんま上手く説明は出来なかったけどな。昔から何かを教えるの苦手なんだよな、俺。そしたら「上原先輩も苦手な事あるんですね」って言われた。姫島は少し意外そうにしてた。
そりゃあるだろ、苦手な事。俺人間だし。しかし、塔城にもヤベー奴だと思われてたのか……少しショックだ。
そう言ったら塔城が慌ててた。あまりに意外だったので、つい笑ってしまった。冗談だよ、冗談。別に気にしてねぇし。
ただまぁ、誰が何と言おうと俺は人間だぞ。決して悪魔とか天使とか堕天使とかじゃねぇからな。神様でもねぇぞ?
一段落して、休憩ついでに少し前に作っておいたケーキを持ってきた。まぁ、ケーキって言っても誰でも作れる様な簡単なチーズケーキだが。
皆が美味しいと言ってくれた。よしよし、ケーキも成功だな。いつか自分でクリスマスパーティのケーキも作ってみるのも有りかもな。
◇月`日
兵藤の家で勉強会をする事になった。どうやら兵藤達も、まだ夏休みの課題が全て終わっていないらしい。
久々にヴラディと会ったら、嬉しそうな顔をされた。後輩に慕われるのは良いもんだな、慕われる様な先輩らしい事なんてあんましてやれてねぇけど。
つか、正直言って俺要らなくねぇか? とも思った。だって俺別に頭良い訳じゃねぇし、教えるの苦手だし。あんま必要だとは思えねぇんだが。
って言ったら、多分怒られるだろうから黙ってたけど。でも人選ミスなのは確かだな、間違いねぇ。
まぁ、だからって真面目にやらん理由にはならないよな。アルジェントとかにはお世話になってるし、ここらで恩を返しとこうと思った。
オカ研の連中は大体物明かりが良くて助かるわ。兵藤とクァルタはあんま良くなかったけど。
兵藤はともかく、クァルタまで……まぁ、戦い方と言動から決して頭が良さそうだとは思ってなかったけどよ。
帰る時、昨日のケーキの残りをグレモリーに渡した。オカ研の皆で食べてくれって言ったら、アイツ俺にワイン渡してきやがった。
曰く、会議の事で御礼もし忘れていたというサーゼクスさんからの届け物らしい。だからって酒渡すかよ、学生に。まぁパーティの時に飲んでた俺が悪いんだろうけど。
断るのもあれだから、貰っておいた。貯蔵しとけば良いよな……もしくは黒歌辺りが飲むだろ、うん。
◇月´日
アルジェントが勉強会の御礼で、わざわざケーキを持ってきてくれた。マジで本当にいい子だよ、アルジェントは……こんないい子に想われる兵藤は幸せ者だな。アルジェントの気持ちを無下にしたら全力で蹴り飛ばしてやる。
ミッテルトが喜んでた。自分もケーキを作れる様になりたいとも言っていた。それも含めて、アルジェントに教えてもらおうと思っているらしい。
改めると、うちって割と料理出来る奴多いよな。姫島は勿論、ミッテルトは弁当だって作れる様になってきたし。塔城も確か作れたよな。
黒歌はどうなんだろうな? 今度暇があったら頼んでみるか。
あと、アルジェントに例の求婚の事を聞いた。最近は落ち着いているらしい。というか、それっきり姿を表さないんだそうだ。
それはそれで、逆に怖い様な気もするけどな。まぁ、手出して来なければ取り敢えずは大丈夫だろう。
アルジェントに手を出したなら、俺達も黙っちゃいられねぇからな。もしアルジェントに手ぇ出すなら相応の覚悟しろよ、ディオドラ・アスタロト。