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〇月☆日
酷い目にあった。なんでうちがこんな目に遭わないといけないっす!?
今日、たまたま人間を見付けた。
でもその人間は、うちでも分かるくらい強力な気配を持った神器の所有者だったっす。
もし神器の自覚があったら瞬殺されてたっす。けど、運良くその人間は神器を持ってる自覚が無かったんすよぉ。
神器を使えなければこっちのものっす。嬲って見下してやろうと思って声を掛けたら、ソイツ何の躊躇もなくうちを蹴り飛ばしやがったんすよぉ!?
人間っすよ!? 神器を持ってる自覚もない人間が、仮にも堕天使であるうちを蹴り飛ばすなんて有り得ない事っす!
でも実際、その人間にうちは蹴り飛ばされて、そのまま意識を失ったっす。今でも忘れられそうにないっすよぉ……あの、『邪魔な虫を潰した』程度の感情が籠った目。普通に怖かったっす。
はぁ……もう寝よ。
〇月▽日
レイナーレ様とフリードが傷を負って帰ってきたっす。何があったのか皆で聞くと、一人の神器持ちに呆気なく蹴り飛ばされたと言っていたっす。
もうそれだけで分かったっす。あ、あの人間だって。絶対っす、確実っす。だってうちが最初に蹴られたんすもん、間違いないっすよ。
多分、あの人間の神器は相当強力なものの筈っす。でなきゃ、レイナーレ様とフリードの二人を纏めて蹴り飛ばすなんて芸当、出来る訳がないっす!
もし仮に神器の力無しでそうだとしたら……ううん、考えるのは止めよう。もう思い出すだけで身震いしてきたっす。
今日も早めに寝よ……
〇月Q日
最近元気がないって、カラワーナとドーナシークが心配してくれる。それだけで泣きそうだった。めっちゃ嬉しかったっす……。
レイナーレ様は、最初はなんで人間に蹴り飛ばさているのかと怒っていたけれど、レイナーレ様も蹴り飛ばされて分かったのか、うちに休暇を与えてくれたっす。
優しさがこんなに暖かいなんて知らなかったっす……
〇月W日
レイナーレ様から頂いた休暇を満喫していたら、まさかのあの人間に出会ってしまった。生きた心地がまったくしなかったっす。
終わった…確実に終わった……もうここでうちは死ぬんだぁ……ってなってたけど、全然そんな事はなかったっす。
「何もして来なけりゃ、殴らねぇし蹴らねぇよ。失礼な奴だなテメェ」
いや、堕天使蹴り飛ばせる人間には上等な対応っすよ。なんて口が裂けても言えなかった。言ったらまた蹴り飛ばされるのがオチっすから。
うちは急いで帰った。多分、堕天使人生の中で1番本気で走ったと思うっす。
酷く疲れた。まだ早いけど寝よ……
〇月O日
あのグレモリーとその眷属と戦闘になった。そして、呆気なく負けた。
グレモリーの名前は、うちでも知ってるくらい有名っす。
元ソロモン72柱56位。冥界に存在する3人の超越者の内の一人、2代目ルシファーを輩出した名門公爵家。その2代目ルシファーの血の繋がった妹―――リアス・グレモリー。
使われたのは『滅びの力』。ソロモン72柱の第1位に君臨した、バアルが持つ『消滅』の魔力。うちやカラワーナ、ドーナシークの様な下級の堕天使では耐えられる訳もない、必死の力。
……その筈なのに、うちは生き延びた。うちだけが、生き延びてしまった。
逃げて、逃げて、逃げて……辿り着いた先は、
「あ? 何してんだ」
あの人間の家だった。