ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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後半でウォルターの独白として描写しますが、強化人間のはずなのに感情を取り戻して(ここまではまぁ良いでしょう)、明らかに(企業が支配しているディストピアじみた世界観の中だと)高いレベルの教育で身につけるはずの知識をいつの間にか知っている612って違和感の塊ですよね……

まぁ612が現代日本からの転生なんて思いつける訳もなく……



火を着けろ……脳みその回路に

 

 

Side 620

 

「こちらハウンズ。お兄様と621の所に到着しました。」

「損害は……お兄様の機体は左腕部が根元から欠損、背面の一部が剥がれるように損傷しています。ブースターが使えるかどうか怪しいです。」

「621の機体は両腕部を肩の根元を残して欠損、ブースターなどの移動は可能と見られます。」

「両機共にコア部分への損傷は軽微。生存はほぼ確実かと。」

 

「お兄様の機体のコア部分から音が……お父様にも共有します。」

 

コン コン… ギー ギー……コン コン ギー コン…コン コン…ギー コン…コン……

 

『規則性のある音……なるほどな。少し待て。少なくともSOSでは無さそうだ。』

 

『……解析完了。"IM FINE"か。どうやら612は無事なようだ。』

 

「わかりました。621の方からは何も反応がありません。お父様の方で何かわかりませんか?」

 

『脳深部コーラル管理デバイスからのデータを受信した。……どうやら、気絶しているようだ。血中酸素濃度、心拍数、血圧などのバイタルサインに異常は無し。心因的なものだろう。』

『ハウンズ、そのまま両名の護衛を続けろ。』

 

 

『おや?お2人は踊り疲れてしまったようですね……。生憎ですが、2人に手向ける花を持ち合わせていないのです。パーティはこれにて解散です。楽しい時間でしたよ、ご友人方。』

 

「っ?!逃げるつもりですか!619、艦尾の舵と推進用プロペラにミサイル!」

 

『了解ですわ!』

 

 

『艦長!駆動系と舵に損傷!移動できない状態になりました!』

 

『なるほど、まだ私たちと踊りたいのでしょうか。……ですが、楽しい時間にもいつか終わりは来るものです。そのまま潜航して下さい。潮に流されるがままの旅路というのも素敵なものになるでしょう。』

 

『それなら船体に風穴を空けてやるまでですわ!』

 

「ダメ!お兄様はともかく621まで沈む!」

 

『っ!上面に風穴を空けて内部に爆風を送り込んで中の奴らを殺せば解決ですわ。』

 

「それで行きましょう。618が先にレーザーで射撃を。熱で多少は柔らかくなるはず。私も619の後にSONGBIRDSを撃ちます。」

 

艦首近くの外殻を618のレーザーで射撃して赤熱させる。そこに619のミサイルが着弾して破壊される。今度は剥き出しになった内核に私のSONGBIRDSを叩き込む。

内殻も破壊されて内部が剥き出しになったところで、肩の双対ミサイルを放ち、内部通路の扉であろう部分を破壊して風通しを良くする。

リロードが終わったSONGBIRDSを再び叩き込み、内部の1階と2階に相当する部分を無理やり1つの空間にまとめる。

どうやら司令部をドンピシャで当てられたのか、数多くの人員がいるようだ。

 

そしてそこにリロードが終わった619の垂直ミサイルが降り注ぎ……

 

『なるほど、別れ際に贈り物をくれるのですね……素敵だ……』

 

狂人もろとも中枢部を破壊し尽くした。

 

 

 

その後、潜航は中断されても上部の穴から少しづつ海水が入り込んで潜水艦は沈みつつあったが、浮く足場を持ってきたヘリが間に合い私たちは全員救助された。

 

沈みつつあった潜水艦を無理やり大きな船で引っ張っていて、その船に乗って私たちも拠点に帰還しました。*1

お兄様と(気絶してはいるが)621、そして先に離脱していた617とも合流することができた。

 

「お兄様!621!」

 

「617、今はそっとしておいてやれ。」

 

「……そうですね。取り乱しました。」

 

「今回は仕方ない……ここまでの損害を被ったのは初めてだしな。多重ダム防衛のときはリペアキットでどうとでもなるからヒヤヒヤする場面は無かったが……今回ばかりはな。」

 

「お兄様との模擬戦で、QB回避を読んで回避先に慣性チャージパイルを打ち込まれた経験が無ければ盾を構えられずに直撃していたかも知れません。」

 

「訓練が役に立ったようで何よりだ。ウォルターへのデブリーフィング(事後報告)は後日でも構わないとのことだ。今は全員しっかり休め。」

 

「お兄様!私と一緒にベッドに行きますわよ!あの粘つく嫌な声をお兄様の囁き1時間で上書

「気絶している621がいるんだからうるさくしない。」

ギッ?!」

 

618の恐ろしく早い手刀で619が気絶させられました。強化人間でなければ見逃していたでしょう。

 

流石に疲れからかお兄様やお父様の布団に潜り込むこともなく、次に目を覚ましたのは自分のベッドの上でした。

 

 

ちなみに、その翌日にお兄様の耳元囁き1時間コースを実際にしてもらった619は……

 

「いつも頼りにしている。」

「お前が後ろから戦況を伝えてくれると安心感がある。」

「後ろや横を気にせずに前に進めるのはお前のおかげだ。」

「お前がいるとハウンズの空気が華やかになる」

「……愛しているぞ。」

 

など頭を撫でられながら耳元で囁かれて様々に褒められ、肯定され、愛情を注がれた結果……

 

「幸せ過ぎて……脳みそパチパチして……何ですのコレ……」

 

と痙攣しながら気絶しました。記録は8分24秒でした。

 

……羨ましいです。そこを代わりなさ

 

あっお兄様どうしてこっちにアッ

 

のうみそ…ぱちぱちひて…しあわせれす……

(記録:20分23秒)

 

 

 

 

 

報告書

 


 

・目標

奪われた潜水艦の奪還……成功

 

・追加目標

可能な限り損害を抑える……失敗

 

・総合評価……C:成功(及第点)

 


 

損害

 

・612

機体左腕部並びに背面装甲とブースターの欠損

使用武装の海没

本人は軽傷

 

・617

機体左腕部と左肩部の欠損

左腕、左肩武装の破損

本人は軽傷

 

・618,619,620

機体損傷は軽微(保険としてリペアキットを1個使用した程度)

本人たちは無傷

 

・621

機体両腕部の欠損

両腕部武装の破損

 

AI操縦型輸送用ヘリ……被撃墜3機(海上への足場投下時)

 

 

 

Side ウォルター

 

先日の仕事では久しぶりに痛手を負ってしまった。

612が撃破されかけたのは、木星戦争での連戦とV.Ⅰ フロイトとの戦闘以来だ。

また、612以外のハウンズが手酷くやられたのは木星戦争で613たちが落とされた時まで遡る。今回は未遂で済んで幸運だった。

 

パーツの損失だけで見ても過去1番の額になる。

幸い、鹵獲したパーツ等で補ったり、星内企業から調達したパーツで元のアセンブリに戻せた。

 

初期のアセンブリは様々な企業のパーツが候補に上がっていたが、

 

「……ひと山いくらの独立傭兵や雑多なMTを相手にするのであれば、機体は実弾や爆発物への耐性が高い方が良いはずだ。」

「エネルギーやパルスは一部企業の精鋭か、実力がかなり高い独立傭兵になる。……今の私ではそもそも戦うのが間違いな相手だ。」

 

と言ってエルカノやBAWSを選んでいた。それが幸いして戦線復帰を早めることができた。

 

実弾や爆発物に耐性があるパーツはその他にも地球を筆頭に様々な惑星の企業が候補としてあったが、

 

「ルビコンは惑星封鎖機構によって政情的に追い詰められている。そのため、なりふり構わず外部に販売、さらにはライセンス生産の委託をして外貨を得ようとする。そして、外貨と引替えに他企業から技術を得ようとするはずだ。」

「つまり"企業として成長したから値段を急に釣り上げる"だったり、秘匿技術の出し惜しみだったりをせずに、バランスの取れた価格と安定した品質、継続的な品質改善のサイクルを保たざるを得ない状況になっている。」

「多少性能が悪くとも、腕前で大半はカバーできる。整備を怠らなければ何時でも同じ感覚で操縦できることを重視すれば、この選定が1番合理的なはずだ。」

 

と言っていた。

額面上での性能に囚われず、整備性や入手性、信頼性に重点を置くのは最初から今までブレることは無かった。

 

唯一例外があるとしたらシュナイダー社の軽量逆関節脚部を導入したことくらいか。これは被弾軽減で整備の手間を減らせるためデメリットに見合うリターンを得られると判断したからだそうだ。

 

「奴らは空力に頭を支配されている……空力を求める人間がいる限り、例えシュナイダー社と敵対している人間であろうともパーツを売るはずだ……」

 

と言っていたが……少なくともシュナイダー社からのパーツやアフターケアが遅れたり手を抜かれたことは1度も無かった。

一体そこまで人を狂わせる空力とは一体何なんだ……

 

話が逸れたが、612の基本方針には大きく助けられている。

しかし、612はどこであの考え方を手に入れたのか、それだけは謎だ。まるで初めから集団での運用を前提としているかのように……

いや、集団での運用を前提としていたとしても、整備の手間や信頼性は問題として浮かび上がってからようやく手を付ける部類のものだ。それを最初から見抜いていたのはどういう訳だろうか……

 

……いや、612は最初期から俺に付き従ってくれた。613たちを喪った時の悲愴を滲ませた表情も、617たちを妹と呼んで面倒を見ている時の満たされたような表情も全て612の本心だ。

 

己の目的の為に死地に送り続けている俺が疑うなど言語道断だ。

もしも俺が612に裏切られたのであれば……それは俺自身の非が原因で、俺が悪い。

自由意志の下に於いて俺の猟犬で在り続けると言わせしめた以上、俺の手綱を引きちぎるのも612の自由意志だ。

 

20年近く前であれば俺がACを駆って戦っていたが、今は"ハンドラー"だ。

如何に優れたハンドラーでも、猟犬がいなければただの人間……いや、戦いを任せきりになっていた以上はそれ以下になるだろう。

 

ハウンズがハウンズであり続けるためにも、俺も"ハンドラー"としてあり続けねばならないのだ。

*1
燃費度外視で急いできたので、流石に燃料が足りない見込みだった





祝!ASMRのお返し達成!

619と620が耐久できた時間はACⅥの発売年月日から取ってきています。
本当はRTAのタイムを使いたかったのですが、1時間以上と結構長く、桁を1つ下げると1分とか2分で落ちた(堕ちた)ことになるのでバランスが取れませんでした

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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