ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
ちなみに、『Sh〇t!嫉妬しますわ!』のところでハニトラ(?)を仕掛けてきた独立傭兵の名前は『エリー』になりました。
由来とかは後書きに……
Side エリー(ベイラム寄りの独立傭兵)
RaDが造船業に着手し、潜水艦の建造に成功したとの情報が入った。
船を調達して中央氷原へ向かい、安定的な物資輸送にも使う腹積もりなのかもしれない。
ベイラムはまだ中央氷原への安定的なアクセス手段を確立できていない。
となると、見限ってハウンズに付くなら今しかないはず。
中央氷原の探査と、これまで通り企業や惑星封鎖機構を相手にするとなると戦力が足りないはず。私が1番高く売れるのは今しか無い。
ハウンズのリーダーと面会する約束を取り付けることができた。
「早速だけど、本題に入らせてもらうわ。」
「私をハウンズの一員として迎え入れて欲しいの。」
「なるほどな。スカウトの逆……いや、就活か?」
「それはさておき、ベイラム寄りの独立傭兵として活動していたのなら、ベイラムのAC部隊にでも志願したらどうなんだ?」
「"独立"傭兵なら、な。」
「お見通しって訳ね。正解よ。」
「私は、ベイラムの上層部直属の諜報部隊 "ex-ay" の一員。」
「レッドガンの動向を探るために派遣されたけれども、強引にねじ込めば怪しまれて目的が達成できない。だから、そこそこの戦果でレッドガンの下位ナンバーの補充として入ることを上層部が画策していたのよ。」
「だから貴方たちハウンズが下位ナンバーを削ってくれたのは有難かったのだけれども……それ以外の大きな戦いも大体貴方たちで終わらせていて、私が介入する余地がそこまで無かったのよね。」
「……本気を出したら出したで、いきなり頭角を現すのも怪しまれる要因になるからできないし……正直、上の見通しの甘さと対応の杜撰さには呆れているのよ。」
「物量作戦、それは別に構わないわ。ただ、それを支えるだけの兵站と、揃えた数をまともに動かすためのシステムと人材が致命的に足りていない。」
「ただ損害を増やしてそれで無理やり道を作る……味方の屍を踏み越えて、そして私もいつかは"道"にされる。」
「だからサッサとこんな泥舟からは抜け出したいのよ。」
「だから、私をハウンズの一員として迎え入れて欲しいの。」
「その前に、私の死亡偽装工作に付き合ってもらう必要はあるけれども、ね。」
Side ハウンズ(612を除く)
「それで、今はお兄様があの独立傭兵の相手をしていますが、どうなると思いますか?」
「色仕掛けされていなければ良いけど。」
「お兄様ならその心配は不要ですわ。」
「619が冷静さを保っていることに驚くべきだとは思います。」
「それもそうね。てっきり、
"あんな脂肪の塊に惑わされるかもしれないんですわよ?!私たちには621がいますのに!!"
って言うと思ったわ。」
「621、さりげなく自分の体型を自慢するのは頂けませんわ!」
「……それはさておき、あの時のお兄様はかなり冷たい目をしていましたわ。アーキバスからの依頼の裏を取るときか、それ以上に。」
「そんなお兄様が情に惑わされて判断を間違えるわけがありませんわ。」
「ちょっと私は暖かいお茶を淹れてきます。619のポンコツなときと真面目なと
「またそのイジり方ですの?!あんまりですわ?!」
「それで、どうなると思う?今の話を聞いて、私はお兄があの独立傭兵を脅して無理やりこっちに引きずり込むに1票。」
「お兄様なら叛逆されるリスクのある脅しはしないと思います。じっくり心を圧し折って調教するに1票です。」
「そもそもお兄様には私たちがいる以上、他所の女狐なんて必要ありませんわ!そのまま放り出すに1票ですわ!」
「……案外、始末してくるのかもしれないわよ?ACを使えば大きめの穴も楽に掘れるし。」
「末っ子が恐ろしいことを言っています……。私は619のに賛成します。余計な恨みを買わないように立ち回ると思います。」
「全員、まともに提案を飲むとは思っていないのが何か笑えるわね。」
Side 再びエリー
「だから、私をハウンズの一員として迎え入れて欲しいの。」
「その前に、私の死亡偽装工作に付き合ってもらう必要はあるけれども、ね。」
「断る。」
「己の弱点、あるいは隠し事を打ち明けて相手に取り入ろうとするのは常套手段だ。」
「それに、ベイラムからすれば外様のミシガンが総長のレッドガンは扱いにくいだろうが……それよりも、何の縛りもない独立傭兵の方がよっぽど制御できない。ましてや数も実力も兼ね備えているとなれば。」
「カバーストーリーを仕立ててハウンズに潜入するのがお前の本来の仕事……違うか?」
「随分と疑り深いのね……ま、ハウンズを率いる身としてそれくらいは当然よね。」
「私も最初から信用してもらえるなんて思ってないわ。」
「何かお望みの手土産は?ハイエンドパーツでも資金でも技術の類でも、用意できるものなら何でも持ってくるわ。」
「……ルビコンに来ているベイラムの戦力と惑星封鎖機構の間での争いを加速させろ。G1やG2、G3も頻繁に出撃する程に。」
「その方がお前にとっても都合が良いだろう?ベイラム勢力は力を削がれて、泥船から抜け出そうとしているお前を捕まえる余力が無くなる。封鎖機構が消耗すれば星外への脱出も容易になる。」
「……どうした?パーツや資金のように持ってくるものは何もない。上層部を誘導すればお前の裏切りにも気付かれることは無い。これ以上無い程に良い手土産だとは思わないか?」
「待って……それは……」
「……やはり計略だったか。」
「パーツならもう一度作れば良い。金ならいくらでも稼げばいい。腐っても大企業だからな。」
「技術なら再現するのにも経験に裏打ちされた人材がいる……実戦投入可能な頃には、"最前線でも通用するが一世代前"な技術になっているだろうな。」
「だが、惑星封鎖機構との争いでミシガンやナイル、五花海を失えば一気に窮地に立たされる。大企業にとってその巨体を正しく動かせる人材ほど大事なものは無い。」
「パーツや資金、技術と言っていたが、その辺りを要求されれば良いだろうと思って誘導していたな?上層部に"相談"すればいくらでも出してくれるだろうしな。」
「馬鹿が上に立つ企業がここまで大きくなれる訳がないだろう。」
「社内の派閥争いで自滅することはあっても、現場の様子を知らずに軍事的に無茶な指示を出すことがあっても、情報の集め方と使い方、そして決断のタイミングを知らない奴が上に立つ訳が無い。」
「これでも企業の連中には最大限の警戒をしているんだ。」
「ジワジワと末端を削いで体力を削り、隙を見て急所を抉りとろうとする程度には。」
「この"ルビコンで局所的に投入できる正面戦闘力"でしか勝てないと分析する程度には。」
ダメだ、この男は「敵か味方か」で判断していない。
"排除するべき敵"と"今後、敵になり得る誰か"でしか判断していない。
下手をすれば、新しく"味方"と判断される人間はいないのかもしれない。RaDのカーラはウォルターと旧知だったから"味方"になれた例外なだけで。
レッドガンへの潜入任務も成功せず、サブプランのハウンズへの潜入も達成できないとなれば……
用済みとなった私は消されるのかもしれない。
もちろん、その保険としてベイラムを捨ててハウンズに加入する道を準備していた訳だけれども、それも絶たれようとしている。
そもそも、私は第7世代の強化人間手術の実験台として買われて、実用に耐えられるレベルを満たしていたから掬い上げられただけ。
……その第7世代の手術も、アーキバスから盗み取った断片的な技術をツギハギにした随分と杜撰なものだったけれども。
それに、使い捨てにできない人材ならこんなルビコンに投入しないはず。投入するにしてもバックアップがもっと充実しているはず。
つまり私は成功すれば儲けもの程度で送り込まれた使い捨ての駒……
杜撰な第7世代モドキの手術の影響か、あるものに対しての恐怖心への抵抗が著しく低い。
……私自身の死への恐怖心が。
手術は幸いにも要件を満たせるだけの成功はした。
その後の訓練や実戦でも敵を蹂躙できた。
他人の死を傍に感じる度に、自分の死が遠ざかったように感じられた。
でも、私の目の前にいる男は違う。
上層部の杜撰な計画は見破られた。
私のアドリブなんかも、ここに至っては意味を成さないはず。
じゃあACに乗って逃げる?無理だ。この男一人だけだとしても勝てる未来が見えない。
もはや私は"敵"と看做されているはずだ。
今、この場で殺されていないのは手元に武器が無いから……その可能性だって十分にある。
あっ。殺され……る……??
「待って……お願い……殺さないで……」
「私、まだ、死にたくない……」
「お願い……おねがい…します……なんでも…しますから……」
いすからたちあがる。こっちにくる。
なんでなにもいわないの?
こわい。たすけて。たすけて。
「……お前を迎え入れたところでこちらには何のメリットも無い。寧ろお前が"元の任務"に戻った時のリスクしか無い訳だ。」
「ろうやにかんきんしてもいいですから……」
「わたしのからだもすきにしていいですから……らんぼうにしてもいいですから……」
あごに て を そえられる。
かおを すぐそば から みつめられる。
「成程な、あの時に言った"敵として会ったら体で見逃して欲しい"が本当になった訳か。」
「……一旦保留だな。少しそこで待ってろ。」
「……はい。」
ハウンズ、621をこちらに寄越してくれ。…………そうだな。それで頼む。それと、618に……と……を準備するように伝えてくれ。部屋に取りに行く。
「わざわざ呼び出してすまないな。コイツが逃げ出さないように見張って欲しい。」
「ちょっと物を取りに行くだけだ。5分もかからない。」
「逃げ出そうとしたら……その時は任せる。この部屋から出ないようにするためなら何をしても構わない」
「"始末"しても?」*1
「……そうだな。」
「……予想は618姉さんと619姉さんの中間ってところかしらね。」
「あ、兄さんお帰り。」
「ああ。」
「それで……その手に持ってる物は……?」
「見ての通り首輪と鎖だな。」
「……何でそんな物がここに……?」
「……618の私物だ。一発芸で"ウォルターの猟犬"を文字通り犬になりきってやろうとしたらしい。」
「えぇ……」
「まあ脱走防止には丁度良いだろう。手錠だと親指の付け根にある関節を外して脱走されかねない。」
くびわ と くさり を つけられました。はずせないように かぎ も つけられました。
「まだ具体的な危害を加えていないのに殺すのは気が引けるから生かしておいてやる。」
「だが、逃げようとしたりすれば……わかるな?」
「……はい。」
もしかして、いきて かえっても めんどうなことに なるから、わたしは まもって もらえる?
「……あなたは、わたしのことをまもってくれますか?」
「奪われても面倒だからな。最低限は守ってやる。」
そっか……わたしを まもってくれるんだ。
このひとに まもって もらえる なら、きっと だいじょうぶ。
えへ…えへへ……もう、じぶんの ちからで まもらなくても いいんだ。
このひとに ぜんぶ まかせちゃえば……えへへ……
「これから……すえながく おねがいしますね?」*2
Side ウォルター
「612、説明をしてくれ……どうしてこうなった……」
「ベイラム直属の諜報部隊から抜け出してハウンズに加わりたいと交渉を持ちかけてきたが、偽投降の可能性が高いと踏んで尋問したところ……杜撰な強化人間手術の影響か、あんな風になってしまった。」
「正直こうなるとは思ってなかった。」
「ベイラム上層部直属の諜報部隊か……それで生きて返すこともできず、あんな形に落ち着いたと。」
「落ち着いたと言うよりは……向こうから懇願されたと言うか……」
「……それで、アイツをどうするつもりだ。」
「ひとまずはどこかに隔離して、まともな精神状態に戻るのを待つ。そこから先は……ベイラムの内情を吐かせたりして情報源の1つとして……そこから先は何も思い付いていない。」
「切り捨てる前提で"独立傭兵"として活動させていたと推測される以上、身柄の取り引きもできない……か。」
「あまり良くないが、こればっかりは未来の自分に丸投げするより他は無い。本当にどうしてこうなった……」
「ちょっと追い詰めたら、杜撰な強化人間手術のせいで不安定になった精神の地雷を自分から踏み抜きに行くなんて予想できるわけが無い……どうして……どうして……」
そう言って頭を抱えて唸る612を見て、何故か鯖模様の仔猫のように見えてしまった*3。
本当に……どうしてこうなった……*4
……なななな、なっ、何ですってーーーー???!!!(例の白目顔)
612が見ず知らずの人間を懐に入れる訳もなく、かと言って敵だと判断した人間をそのまま帰す訳が無いよな〜
と思っていたらこんな展開になりました()
ただの独立傭兵(野生の強者)にしようにも、ハウンズに加わろうとするのか(どころかルビコンに来るのかどうか)が怪しかったのでこうするしか……
えっ、それじゃあ何で登場させたのかって?
妹たちには絶対にできないドSに目覚めるお兄様……見たくないですか?(ゲス顔)
名前の由来
ex-ay
ベイラムのロゴマークの六角形(hexagon)を上下逆さまにするとuo6exay(フォントによってはuogexay)に見えて、"6"を意味するhexaの部分だけを抽出した。
エリー
諜報(intelligence)の"elli"から。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621