ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
シュナイダー社の人物の名前が女性っぽい名前になっていますが、この後登場することは(ラブコメ的な展開では)ありません。ラブコメ展開以外でも未定です。
ただ速さを求めているような名前にしたかっただけなんです。
この前書きが嘘になったら……その時はスネイルとスウィンバーンが腹を切って、コル・カロリがルビコニアンコーラルワーム肉のハンバーグを食べてお詫びします。
Side 612
アイスワームを掻い潜っての物資輸送をするための高速輸送機、軽逆脚のチューニング依頼をするためにシュナイダー社に相談したところ、向こうの方からこちらに出向いてくれることになった。
ルビコンでは売っていない(と言うよりは営業をかけても購入されなかった)高速輸送機の実機で来るらしい。デモンストレーションも兼ねていると考えれば納得できる。
「どうも、シュナイダーから来ました速水モアと申します。」
「ハウンズリーダーだ。生憎、名乗るような名前は持ち合わせていない。」
速水モア……うん、名前からしても速さだけを求めているようなものだ。"
「あなたがあの"ハウンズリーダー"ですか。シュナイダーのルビコン支社はあなたとヴェスパーのラスティ隊長で持ちきりです。お会いできて光栄です。」
「私とラスティか……なるほど、惑星封鎖機構の基地襲撃に参加したシュナイダーパーツを使っている者という訳だな。」
「その通りです。早速ですが本題の方に入っても?」
「ああ。シュナイダーは話の早さにも命を懸けている訳か。」
「素晴らしいジョークです。今後はそれを使わせてもらいましょうか。」
……適当に言ったつもりが随分と気に入ってしまったようだ。
「さて、依頼の高速輸送機については後で試乗してもらうので後回しです。」
「
「私の戦い方では上下方向への機動は重視していない。だが、水平方向への機動は他のACパイロットよりも多用している。」
「なるほど。よく使う戦型に合わせたチューニングですか。可能か不可能かで言えば可能です。」
「……水平跳躍性能を重視したチューニングのデータを作成しました。シミュレータで使ってみて下さい。」
「わかった。それなら621を呼─
「いえ、その必要はありません。」
─ほう?」
「噂の猟犬の実力、試してみたいのです。」
「なるほど、技術屋にしてテストパイロットでもある訳か。」
「はい。」
……まさかシュナイダー社は全員がテストパイロットだったりしないよな?
いや、速さに全てを
「しかし、あなたのその機体構成はまだまだ削ぎ落とせるものがあるはずです。速さの真髄、お見せしましょう。」
ふむ、ラマガの開発に成功したとなれば引き撃ち軽4になるのか。現在のルビコンに対抗出来るアセンは……待てよ?実際の戦場ならエリア制限なんてものは無い。ふむ、これは中々に骨が折れそうだ。
メインシステム:戦闘シミュレーションモード起動
やはり引き撃ち軽4か。
「……まさかとは思うが、その新型パーツの開発設計者だったりしないよな?」
『そのまさかです。ですが、これもまだ通過点に過ぎません。まだまだ削ぎ落とせる部分は残っています。』
「……もう戦闘機の開発でもしたらどうだ?」
『検討はされています。ただ、飛ばすには惑星封鎖機構が邪魔なので凍結しているだけです。』
……もはや何も言うまい。
引き撃ち軽4ミサイラーには……地上QBでミサイルを躱しながら接近し、EN切れの着地を狙って全火力を叩き込む。あっ、でもSONGBIRDSは重くて追いつけなくなる原因だからパージするね♡*1
『その重りを手放しましたか。それにEN切れの着地も狙っていると……賢明な判断です。ですがここまで距離が離れていては追いつけ──
すまないが、奥の手を使わせてもらおうか。
さらに強化された水平跳躍性能を使い、瞬間ABからの即QB、ブレードキャンセルを組み合わせれば……ルビコン縮地・改だ。
──なっ?!なんですかそのスピードは!!』
ふむ、上方への跳躍を抑えたのがさらにプラスに働いている。即座に着地することで連続QBであっても着地状態QBにできる。
『これほどのスピードに斃れるのであれば……悔いはありません……』
「いや、シミュレータだから死なないだろうに。」
『……はっ?!それを忘れていました。』
……待て、様子がおかしい。それだとこれが実戦で、死んでいたとしても悔いは無いように聞こえるんだが?!
「貴重な経験になりました。本来であれば開発費として100万COAM程を頂こうかと思っていましたが……。もちろん、新パーツとして売り出した暁には利益の一部を還元することで実質的な支払いは15万COAM程度になるようにしましたよ?」
「……話が逸れましたね。今回のお代はいりません。新たな速さへの可能性を見せてくれた貴方に最大限の敬意を。」
凄く目をキラキラさせながら話されるとこちらも対応に困る。……というよりも圧が凄まじい。
「そうか。できればで良いのだが、他のハウンズともシミュレータで戦って欲しい。……ハッキリ言えば、その機体を使いこなすパイロットが現れるとかなりの脅威になる。それこそ、戦場を選んで有利な状況で当たれなければ撤退するくらいにはな。」
「……そこまで高評価して頂けるとは開発者としても鼻が高いです。」
「高くなった鼻は空力パーツとして使うつもりか?」
「そのジョークも今後使わせて頂きましょう。」
「……ちょっと待って下さい。高くなった鼻から空力パーツを連想するとは……貴方の空力適性は極めて高いように思われます。やはりあなたも心の奥底では空力を、そしてそこから生み出される圧倒的なまでのスピードを望んでいるはずです。さあ!是非あなたもシュナイダーに入りましょう!空力学があなたを待っています!!」
なんだこの早口勧誘は……*2
「……コホン失礼、取り乱しました。それはさておき、戦闘訓練はこちらとしても大歓迎です。この機体はシミュレーションであればヴェスパーのフロイトを模したAIに喰らい付ける程の性能を見せました。他の強者にもどこまで通用するか試してみたいのです。」
その話が本当ならかなりの脅威だな。EN管理に気を配れば、タイマンに限れば即席パイロットでも強者へ損害を与えられる可能性が高い。
「……AIとは言えフロイトに喰らい付いたのか。なるほど、引き撃ちに追いつける武装がレーザードローンしかないから相性は良かったのか。」
「はい。その通りです。」
「少し待っててくれ。ハウンズを呼んでくる。」
この後のシミュレーションでの戦闘訓練では621しか勝てていなかった。
619はかなり良い所まで削れたが、ミサイル回避のためにQBを吹かしすぎた結果ガス欠で大きな隙を晒し負けてしまった。617はガトリングがほとんど跳弾し、2割程度しか削れずに終わってしまっていた。後でナデナデして慰めないとだな。*3
「さて、次は高速輸送機の方ですがこちらとなります。」
おおまかな設計図面とデモ映像を見ると……なるほど。
「確かこのタイプは……ティルトローター機*4と言ったか。」
「はい。プロペラユニットを回転させることで垂直離着陸も可能にしたものです。この推進方式であれば時速800kmを叩き出せます。」
「流石にジェットエンジンとの併用は難しかったか。」
「……ほう、そこに気付きましたか。」
あっ、これは地雷を踏んだな。いや、地雷ではなくて技術屋魂と言った方が正確かもしれないが。
「本来であれば売り物ではないのですが、アーキバスには極秘にジェットエンジンタイプのものも開発、試作機の制作を行っていました。ただ、他のパーツ開発に予算を回した結果プロジェクトは凍結されている状態です。」
「……まさかそれを解凍するつもりではあるまいな?」
「お望みのものは"高速"輸送機でしょう?恐らくですが、再稼働できる状態へのメンテナンス、継続的な技術支援パッケージも提供するとなると……予算はこの程度を見積もって頂ければと。」
そこには……初期費用30万COAM、運用には月々5万COAM(燃料代を除く)と書かれていた。
「……それで最高時速は1200km……音速近くを叩き出せるのか。」
「はい。音の壁を超えるには固定翼機として設計する方が良いですから。」
「予算も私の一存で扱える範囲内だ。自動操縦に加えてミサイル対策としてのチャフとフレアも付いているからこちらのスペック要求も満たしている……これで頼む。」
「話が早くて助かります。あなたのような顧客……いえ、お客様であれば我々も全力を尽くしましょう。」
もしかして、シュナイダー社からの好感度が爆上がりした??
元よりルビコン解放戦線支援の一環としてシュナイダーには色々と流す予定だったから結果オーライだろう。
さて、次はミドル・フラットウェルとサム・ドルマヤンがどうなっているかだが……
ドルマヤンの方は、原作だと捕虜救出ミッションとザイレム調査(ALT)でしか遭遇しなかった。フラットウェルは……確かホーキンスとペイター排除のミッション、深度調査3(ALT)が遭遇する機会だったか。
この世界に来てから年単位で時間が過ぎて、色々と記憶がぼやけている。……ぐぬぬ、これが原因でポンコツをやらかしそうで怖いな。
そもそも、どうやってアポを取るかから考えねば。ラスティ経由か、シュナイダー経由か、エルカノ経由か……はたまた直接会いに行くか?
確かフラットウェルは原作の時には中央氷原支部の司令だったはず。何かしらの依頼のときに面会の約束を取り付けるか?だが、その面会が自然なレベルの大規模な依頼はそうそう無い。
……これはウォルターと相談して、独立傭兵集団ハウンズとしてでは無く、"オーバーシアー"として動くべき案件だな。
ウォルターと相談せねば。
「それで、今日は"オーバーシアー"として動くべき事案の話だそうだが……聞かせてくれ。」
「まず前提として、オーバーシアーが避けるべき結末は以下の通りだと考えている。」
・企業が勝者となり、コーラルの星外への輸出が行われる
・解放戦線が勝者となり、同じく輸出される
・破綻を防げず2度目のアイビスの火が起こる
「この中で問題なのは、企業が勝者となっても解放戦線が勝者となっても、ルビコンの外にコーラルが出てしまう……つまりどちらにも勝者になって欲しくないことだ。」
「その通りだな。かと言って惑星封鎖機構を勝者にしても、破綻への対策が行われずにアイビスの火が再び起きてしまう。」
「そこで発想の転換……という程でもないが、こちらから圧力をかけることで解放戦線によるコーラルの星外輸出を諦めさせれば、解放戦線を勝者にしても問題は無くなる。」
ウォルターも今のところは納得しているようだ。だが、まだ今の段階ではオールマインドの計画と同じくらいガバチャートになってしまっている。
嘘をつくことになるのは心苦しいが……原作知識を使わせてもらうとしよう。
「ルビコン解放戦線の唱える警句には本来であれば続きがあるそうだ。だが、その続きの部分は意味を理解できる人間がいなかったために省かれてしまったと聞いている*5。」
コーラルよ ルビコンと共にあれ
コーラルよ ルビコンの内にあれ
その賽は 投げるべからず
「"賽"が何を意味しているのかはわからないが、少なくともサム・ドルマヤンはコーラルの危険性を理解しているはずだ。だからこそ、"内にあれ"と言ったのだろう。」
ウォルターの眉が動いた。これは好感触だな。
「少なくとも、オーバーシアーの目的である"破綻"の阻止……アイビスの火によって汚染がばら撒かれる事態は、この警句に従えば避けたいはずだ。」
「つまり、サム・ドルマヤンの思想を理解した人間を解放戦線の主流とし、オーバーシアーとして手を組める勢力にする。そう言いたいんだな。」
「その通りだ。」
無論、これが実現しても一部の途方もない頭の悪さを発揮した連中がコーラルを掠め取ろうとするだろう。そこを突かれれば痛いが……
「コーラルをルビコンの内に留め、適切な管理をして破綻を防ぐ……確かにオーバーシアーとしての理想的な形だ。だが、企業が金を積んで研究用に密輸し、それが星外で増殖するリスクがある。無論、これは今までに検討してきたどのプランでも排除できなかったリスクだ。」
やはり根本的で確実な解決策ではない以上、多少の難色は示すだろうと予想していた。
「……だが、それを防ぐのであればコーラルを全て焼き払わねばならない。増殖する性質がある以上、わずかな燃やし残しからでも数十年後には元に戻っているだろう。」
「少なくとも、ルビコンの中に留まっているコーラルをどうこうするのは技術屋……カーラたちの仕事だ。」
「オーバーシアーの行動指針としては、今までのプランの中では1番現実的だ。それで進めてくれ。」
「わかった。」
ひとまずウォルターの説得はできたようだ。これならウォルター生存√も見えてきた。
残りの警戒するべき案件は、原作にあることであればアーキバスによる襲撃か。それ以外は原作知識が役に立たない以上自分で見つけて塞ぐしかない。
もはやここまで流れが変わればゲームでの知識は役立たずだ。だが、役立たずも役立たずなりに役立たせることはできる。
ミドル・フラットウェルとサム・ドルマヤン──解放戦線全体との協力関係構築を図るとしよう。
少なくともこの2人の意思が同じ方向を向いていなければ、企業と封鎖機構を追い払っても内戦に突入しかねない。
……それと、621の存在は隠すべきだな。正確に言えばエアと交信できることを、だが。
621によるコーラルリリースを疑われ、そこから不和が生じてご破算になるのは勘弁だ。
そろそろ物語を大きく動かせそうな気配がしてきました。
最初のプロットから逸れて「破綻した設計の妥当な末路」になるかと心配しましたが、頭の中でザイレム軌道修正に成功したので多分大丈夫です。
オマちゃんがポンコツをやらかすのと同じくらいの確率で大丈夫です。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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