ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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実は昨日投稿した段階でこの話の大部分は書き上がっていました。
ただ、流石に長すぎたので分割しました。(1話につき4〜5千字が目安)

久しぶりの2日連続投稿、喜んでもらえたのなら… 感激だ…



不愉快な舞踏会の途中だ!

Side 612

 

『基地全体に通達!アーキバスの襲撃だ!既に内部には歩兵部隊も突入している!総員直ちに戦闘配置に……クソッ!ここまで来やがったか。お前ら!1人でも多く道連れにしてやれ!』

 

銃声の直後に放送が途絶えた。アーキバスの襲撃は……想定通りだ。ベイラムの情報管理体制ならアーキバスは情報を引っこ抜けるだろう。

そしてベイラムとハウンズが──ハウンズの後方にいるであろうRaDや友好的なルビコン解放戦線も潜在的に──手を組む可能性があればそれを阻止してくるだろうことも。

 

スネイルからすれば、ベイラムとハウンズを共に弱体化させられる好機だろう。アイスワームへの対処はその後にゆっくりやれば良い。

独立傭兵を使い捨てれば、アイスワームのプライマリシールドとセカンダリーシールドの二重防壁の情報を得られる。そうすればスタンニードルランチャーとオーバードレールキャノン(と同クラスの威力を持つ砲)を開発して撃破できる。

 

私からすれば、計画通りだ。

虎穴に入らずんば虎子を得ずの通り、少し危険な橋を渡らねばならないが。

 

 

「ハウンズ5はMTとACをやれ!生身の人間を相手取るにはACは大きすぎる!」

 

『了解よ!』

 

「レッドガンはACとMTを相手にしろ!舐め腐ったアーキバスを地獄の底に叩き落とせ!MT部隊は他の兵器と屋外にいる歩兵を鉄クズと挽肉に変えてやれ!……直近に自殺の予定が無ければ死ぬ気でこの基地を守れ!勝手に死んだ奴は俺が殴りに行ってやる!」

 

『了解しました!総長!』

『死んだ奴を殴るなんておっかないですよ!』

『総長は"歩く地獄"だぞ?殴られたら三途の川を飛び越えてこっちまで戻ってこれるだろうさ。』

『ハハッ!違いない!』

 

「軽口を叩く余裕があるようだな!死んだやつは三途の川で100kmの遠泳訓練も追加だ!それが嫌なら先にアイツらの血の海で泳ぐか選ばせてやる!」

 

『こりゃ閻魔大王も裸足で逃げ出すな。』

『地獄で偉いだけのヤツと地獄そのものだ。格が違うってことよ。』

 

「これなら奴らは大丈夫そうだな。G3、防衛戦の指揮は任せる。俺がライガーテイルに乗り込むまでの時間を稼げ。」

 

「委細承知。むしろ大手を振ってアーキバスを叩けます。ここで奴らの理気の流れを断ち切ってみせましょう。」

 

こうしている間にも外から重めの足音が複数走ってきている。

……拳銃の組み立ては完了している。

 

「お前ら!手を上げ

 

セリフは最後まで言わせない。ドアを乱雑に蹴破った時点で敵なのは確定だ。

 

「……ほう。近接射撃訓練は必要なさそうだな。」

 

なだれ込んできた3人の警備兵の額を撃ち抜き、プレートキャリアー(着るタイプの防弾装備)を装備しているのを確認してトドメに喉を撃ち抜く。

 

「さて、それよりもコイツらはさっきの警備兵だが……どうやらこの会合はベイラム側から漏れた可能性が高そうだな?」

 

「……詫びなら後でいくらでも積んでやる。まずはふざけた遠足から帰らんと話にもならん。」

 

さて、これで予想通りの流れになった。露払いのACやMTは621とレッドガン部隊で片付けられるだろう。本命のヴェスパー部隊到着までに可能ならACに搭乗したいが……まずはコイツらから装備を頂くとしよう。

 

「それなら、今すぐに払える分は払ってもらおうか。……ミシガン、コイツを守れ。死ぬ気でだ。」

 

「貴様じゃなくオレが前に出てやっても構わないが?」

 

そう言うだろうな。少なくともミシガンまで含めてアーキバスとベイラムがグルになっている可能性は排除できた。

……そうなっていたら、そもそも最初の段階で警備兵を退室させなかっただろうから余計な心配だったかもしれないが。

 

「その図体の大きさなら被弾面積が増えるだけだろう?なら肉壁になれ。……それと、エリーはこれを着ておけ。杜撰とはいえ強化人間手術を受けているのなら重さは苦にならないはずだ。」

 

「わ、わかったわ……それにしても随分と手馴れているのね。」

 

このプランを思いついてから訓練した……なんてことは流石に無い。

 

「撃破された後に自力で帰還するために訓練はした。射撃、簡易的な整備、食べられる野草類の把握、その他サバイバル技術に簡易的な治療……ぱっと思い浮かぶ範囲でもこんなところか。」

 

ちなみに、目標にしたのは某空の魔王閣下である。

大丈夫だ。片足を失うつもりは無い。

あっ、ルビコンだから毎朝の日課の牛乳は再現出来ていないが……まぁ良いか。

 

「ああ、それと。ミシガン、この建物の地図を寄越せ。詳細な奴だ。」

 

「少し待て……端末がハッキングされている。紙の地図なら他の部──

 

「それなら……エア、聞こえるか。」

 

『状況はレイ…ハウンズ5から聞いています。ミシガン、あなたの端末にこちらからハッキングをかけてデータを抜き取りますが構いませんね?』

 

「ゴタゴタ言ってられん。好きにしろ。」

 

『分かりました。あなたのその誠意に応えて、余計なデータには触れないでおきましょう。』

 

「随分と律儀なことだ。よっぽど飼い主の教育が行き届いているようだな。……それと、貴様は左利きか。」

 

「そうだ。」

 

恐らく、スリング*1の掛け方から気付いたか。

 

「……それなら格納庫までの行き方を変える。多勢に無勢だ。屋外から狙われる通路を避けて、サウスポーの構え方で行きやすいルートに変える。」

 

「了解した。だが、一度武器保管庫があるなら寄っておきたい。格納庫は多数の歩兵で固められてるやもしれん。」

 

「貴様がACに乗ればアーキバスの奴らは泣いて詫びるしか無くなるだろうからな。妥当な判断だ。」

 

さて、プレキャリとチェストリグも着終わって準備は整ったな。

 

『612、防弾ベストのプレート部分……そうです、そこです。そこに発信機が取り付けられています。恐らくですが、警備兵と共に行動することを想定して、あなたたちの位置を知らせるために付けたものと思われます。』

 

やはりスネイル。陰湿さにかけては予想を上回ってくるか。

 

「助かる。……適当に水道にでも流せば勝手に変な方に向かうかもしれんな。下手に壊せば全体的にしらみ潰しに探されて面倒なことになる。」

 

『こちらの方で送信先を特定しました。推測される敵の位置情報を表示します。……もちろんですが、全ての敵を正確に表示できているとは限りません。』

 

「わかっている。」

 

 

 


 

 

 

武器保管庫までは特に接敵もせずに到着できた。

エア曰く、『下水道からの脱出を阻止しようとしています。そんな動きです。』だそうだ。さっきの思いつきが功を奏したか。

 

だが、流石に武器保管庫は見張られているな。

 

「こちらF(フォックス)-2 分隊。定時報告。武器庫前にベイラム兵の姿は無い。……了解。アウト(通信終了)。」

 

武器庫はやはり抑えられているか。

 

念の為にマガジンの残弾数、チャンバー内に弾が装填されていることを確認する。

 

「エア、奥側の電気を点灯させられるか?」

 

『可能です。タイミングは指示してください。』

 

「……3、2、1、今。」

 

 

点灯した方を向いた隙に1番奥の敵の頭を撃ち抜く。目の前で味方が死ぬ様を見れば数瞬の隙が追加で生まれる。その間に残り4人も片付ける。

 

「流石にサプレッサーが無いとうるさいな。……さっさと取り替えるとしよう。っとその前に。」

 

「こちらF(フォックス)-2 分隊。物音がしたが返答が無かったので銃撃をしたが……隠れ潜んでいた非戦闘員……服装からして厨房スタッフだった。それ以外には誰もいなかった。周辺部隊には異常がない事を伝えてくれ。」

 

『了解した。他にはあるか?』

 

「漁って何か有用な情報があればまた報告する。以上だ。」

 

『了解。アウト(通信終了)。』

 

「……さて、間抜け共が騙されているうちにさっさと準備を整えるか。」

 

エアのハッキングで電子ロックを解除してもらい武器庫に入る。

 

銃本体にその他アタッチメント、装備品なんかも一通り……どころか100人分は揃っている。これだけあれば欲しいものが見つからないなんてことは無いだろう。

 

まずは隠密行動のためにサプレッサーを……

おい待てミシガン。なんでミニガンを持ち出した?!

……流石に使おうとはしなかったか。奥の部屋に行く邪魔になっていただけだった。

 

「サプレッサーを使うなら亜音速弾も必要だろう。少し待ってろ、持ってくる。」

 

「それなら、正面からの撃ち合いになることも想定して高貫通弾も頼む。」

 

「それなら違う色のマガジンも出そう。」

 

「気が利くな。」

 

やはり軍人か。その辺りは任せて大丈夫そうだ。

 

聴覚保護のためのヘッドセット、サプレッサーに弾薬、グレネードも確保できた。

 

後は、格納庫に辿り着いてACに乗り込めば勝ちだ。

 

 

 


 

 

 

地下通路を通りAC格納庫近くまで来れたが、流石に怪しまれているのか戦力が集中され始めている。

 

「ハウンズ5、そっちの戦況はどうだ。」

 

『V.Ⅷチェーホフは始末したわ。残りはホーキンスとオキーフ、フロイトね。』

 

「了解した。」

 

さて、ここからは力戦だ。格納庫の敵を排除してACに乗り込めるようにする。

既に格納庫を巡って銃撃戦が起こっているが……これなら、コソコソと横槍を突けば被弾0で排除できる可能性がある。

 

遮蔽裏にキッチリ隠れている敵を撃てばこちらの存在に気付かれるだろう。隠れ方が甘い奴だけを狙っていく。

 

「エア、ベイラム部隊にこちらの位置を伝えてくれ。誤射されないようにな。」

 

『わかりました。』

 

「お前たち、俺の位置はわかったな。グレネードを敵にたらふく食わせろ。そうすれば奴らの節穴な目と耳がさらに役立たずになる。こちらでも援護してやる。」

 

 

グレネードの投擲が激化した。爆音に紛れて排除するペースを上げられるな。

 

『兄さん!オキーフが格納庫へ向かったわ!……多分起動される前にACを破壊するつもりよ!』

 

歩兵部隊が劣勢なことから、格納庫制圧が失敗するとみて事前に破壊することにしたようだな。

 

「……了解した。こちらで対応する。ミシガン、オキーフが格納庫狙いに変えたようだ。」

 

「わかった。……レッドガン、死ぬ気でオキーフを止めろ。そうすれば猟犬がもう一匹解き放たれる。」

 

『G6 レッド、了解した!お前ら!オキーフを足止めするぞ!……撃破しても構わん!ベイラム碧色勲章モノの大金星になるぞ!』

 

『青なのか金なのかハッキリして下さいよ。』

 

軽口を叩く余裕があるのなら……まだ戦況は絶望的なまでの劣勢にはなっていないな。

 

『それなら赤だ!血の海に沈めてやれ!』

 

『了解!』

 

レッドの技量ではオキーフに勝つことはまず無理だろう。足止めに徹する判断は正しいな。

 

「……ACの腕はまだまだだが、優秀な指揮官になるだろうな。士気の上げ方を心得ている。」

 

「貴様が人を評価するとはな……だが、レッドガンで批評家は何の役にも立たん。実際の働きで示してもらおう。」

 

オキーフとなれば足止めは数分が限界だろう。直ぐにでもコックピットに向かわねばならないが……

 

「それなら……ミシガン、何でもいい。敵の注意をACから逸らせ。歩兵を排除できていないがACに乗り込む。」

 

「わかった。……エリー、貴様はそこのドアを戻って隠れていろ。」

 

まさか……な?

 

「貴様らぁ!まだこんな雑兵を排除できていないのか!後で射撃訓練を倍にしてやる!」

 

銃声で耳が逝かれないようにとヘッドセットを付けていたが、それすらも貫通してきた。肺活量化け物か?!

 

「……!ミシガン総長が来たぞ!お前ら援護しろ!ミシガン総長をACに辿り着かせるぞ!」

 

「勘違いするな!腑抜けた貴様らの援護に来てやったんだ!」

「アーキバスのクソ共に授業料を支払ってやる!鉛玉だ!好きなだけ喰え!」

 

「ミシガンだ!殺せ!」

「アイツら突っ込んで来やがった!対処するぞ!」

 

効果は覿面だ。ミシガンと乗機のライガーテイル、距離を詰めてきたベイラム歩兵部隊に意識を取られている。

 

「エア、今のうちにジェネレーターに火を入れろ。」

 

『……入れました。起動シークエンスも進めておきます。』

 

返事をする時間も惜しい。武器とチェストリグを放棄して足音を殺し、それでも出せる全速力でコックピットに向かう。

幸い上階からコックピットへの連絡通路は破壊されていなかったのでそのまま乗り込める。

 

「COM、機体状況を。」

 

『システムオールグリーン。弾薬は全て満載。戦闘態勢は整っています。』

 

後は戦闘の邪魔にならないようにプレートキャリアーとヘッドセットを脱いで格納BOXにしまう。戦闘中にコックピットの中で暴れられたら無様な死に様を晒すことになるだろう。

 

「良し。メインシステム、戦闘モード起動!ハウンズリーダー、出撃する!!」

 

 

 

「なっ?!ACが起動した?!」

「何が起こってい

 

哀れな交通事故だ。合掌。

 

『猟犬が犬小屋から出るぞ!轢かれたく無ければ物陰で亀になれ!』

 

 

『親犬のお出ましか。……コイツ*2はただの亀、そういう動きだった。お前と再びやり合えるのを待ちわびていたぞ!ホーキンス、ここは任せた。』

 

『分かったよ。彼の相手をするのはもう勘弁だからね。……チェーホフ君が落とされたとなれば尚更、ね。』

 

ABを起動して中央から飛び出す。オキーフが到着するまでには間に合った。

 

『……こうも作戦が上手くいかないとはな。ウンザリさせられる。』

 

『そうだな。反省会は地獄でやってもらおうか。』

 

『まだ秘蔵のフィーカを飲んでいないものでな。こんなところで死ぬ訳にはいかない。』

 

機体構成はランセツとコンテナミサイル、垂直プラミサに腕プラライフル。2種のプラズマによる3次元的な包囲に加え、コンテナミサイルで長時間の拘束……時間も加えれば4次元的な拘束になる。リロードの間はランセツで衝撃値を回復させないようにするコンセプトか。

瞬間的な決定力に欠けているアセンで協働前提の機体だが、今回の襲撃ではその協働相手に困ることはないだろう。

 

『オキーフ、お前だけに美味しい思いはさせない。俺も混ぜろ。』

 

望みうる限り最高の協働相手が来たか。フロイトとオキーフの2対1なら私に勝機は無い。

 

だが、私にも協働相手はいる。……最強のな。

 

『私も一緒に戦うわ。兄さん。』

 

「他のACとMT部隊はどうした。」

 

『レッドガンが相手取っているわ。』

 

「それならさっさと落として援護に行くぞ。」

 

 

 

621がチャージパイルを差し込めるように援護に徹する。とは言ってもオキーフに圧をかけて横槍を入れさせないようにし、フロイトからの圧はQBでのらりくらりとやり過ごす。

621に攻撃がそこまで向いていない。このままなら押し切れるはずだ。

 

『ハウンズ5……あのときはいなかった新入りか。確かに強いが……それだけだな。所詮は力を持っただけの子犬だ。寧ろ邪魔だ。お前がいるせいでハウンズリーダーの動きが制限されている。』

 

621を邪魔者扱いとは随分と余裕だな。*3

 

「親犬と言ったが……それなら、親が子に合わせるのは当然だろう?私がサポート役に回っただけの連携と言ってもらいたいが、力で分からせる方が手っ取り早いな。」

 

『本当はお前とサシでやり合いたかったんだがな。まぁ良い。お前を引きずり出して連れ帰ればいくらでもできる。』

 

……は?今フロイトは何て言った?

う〜ん、男の趣味は無いので勘弁な。

 

おっと621、焦るんじゃない。フロイト相手にチャージパイルの生当ては流石に無理があるぞ。

 

『やはり子犬だ。親が奪われそうになればムキになる。……随分と愛されているようだな?』

 

「お前が言うな気持ち悪い。」

 

『……子が子なら親も親か。それなら、子犬を先に殺せばお前の本気が見れるんだろうな。』

 

ハハッ、面白い冗談だ。

 

「6…ハウンズ5、オキーフをやれ。コイツには手を出すな。」

 

フロイトは……私が殺す。

 

*1
銃を常に持たなくてもいいように背負える(?)ようにする紐

*2
G8 ドニエプル

*3
ピキッ





この話は「ミシガンにミニガン」を使いたかったから書いたまであります()

「ミニ」ガンとは言っても、航空機用のバルカン砲に比べれば小さいだけで、個人で携行するのは無理があります。
だけど、レッドガンなら……ましてやレッドガンの総長ならやってくれるはずだ!
→あっ、隠密しないといけないから無理ですかハイ……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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