ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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ここ好きに1人で600票くらい入れてくださるご友人が…… 感激だ。感謝の花束はどこだ?差し上げなくては……



舞踏会の時間は終わった。地獄の釜が開くぞ!

Side 621

 

兄さんが無事にACに辿り着いて戦線に加わった。

兄さんとオキーフが戦っている最中にフロイトに合流されて、私もそこに加わって2対2になった。

 

ウォルターの猟犬として「犬」呼ばわりされるのは別に構わないわ。けれども、私を足手纏いみたいに言うのは……いえ、実際そうかもしれないわ。

兄さんの本来の戦い方は逆関節QBを使って翻弄する機動戦。だけれども私に圧が向かないように"正面での"回避に徹している。

相手の射線を斜め前に跳んで躱す──確か"交差"って言っていたわね──のがいつものパターンなのに、やや距離を開けて左右に跳んで躱している。

 

オキーフのプラズマミサイルやコンテナミサイルは避けているけれども、フロイトのレーザードローンが中継ぎ役になってライフル系の衝撃値回復ができていない。

 

 

『……子が子なら親も親か。それなら、子犬を先に殺せばお前の本気が見れるんだろうな。』

 

フロイトが私狙いに切り替えるつもりね。これなら1対1が2組になってやりやすくなるわ。

 

 

『6…ハウンズ5、オキーフをやれ。コイツには手を出すな。』

 

……っ!

例え私に向けられているものではないとわかっていても、背筋が凍るような感じがした。

イグアス(それともオールマインド?)と最後に戦ったときに、背後を取られて格闘攻撃をされたときと同じくらいの恐怖感。

 

『フロイトは……私が殺す。』

 

 

『そうだ!それを待っていた!お前の本気を……守るものも何も無いお前の本気を見せてくれ!』

 

水平跳躍をさらに強化した軽逆関節のQBで標準を定めさせない。レーザードローンはミサイルで撃墜して、拡散バズーカは切り返しで避ける。

フロイトの主なダメージソースがライフルだけになった。レーザーブレードはAAカウンターを警戒してか振っていない。

これなら兄さんはフロイトを撃破できそうね。

 

私が受け持つオキーフは……特に思い入れも無いしサクッとやっちゃって良いわね。

 

『アイツを押し付けられたと思ったが……お前も同じだったか。諜報部の名折れだな。精々時間稼ぎに徹するとしよう。……待つのはフィーカで慣れている。』

 

自分に言い聞かせるような言い回し。余裕は無いようね。

確か積んでいたのはPAだったから……AAカウンターの心配も無いはずよ。されても大きく削られるダメージソースも無いから一安心ね。

 

サテライト戦法から切り替えて、引き撃ちに徹して来た。私の機体なら追いつくのは難しい──ABはEN消費が激しくて、ブースト移動はスピードが足りない──けれども、そんな機体の相手ならもう既にしているわ。

兄さんとフロイトの戦場から離れるけれども、オキーフを撃破してから兄さんに合流するまでの時間をできるだけ引き伸ばしているのかしら。

 

あれ?シュナイダーはアーキバス傘下のはずだけれども完全に利敵行為*1しかしていないわね。"2周目"だと「頃合だな。シュナイダーACを投入しろ。」なんて言っていたから既に裏切っている可能性までありそう。

 

あの頭のおかしい軽量化機体に比べれば全然遅い。着地するタイミングは……ここ!

 

『ハウンズに4脚はいないから引き撃ちで対処できると思ったが……相変わらずウンザリさせられる。スネイルがここまで警戒するのも頷けると思っていたが……まさかここまでやるとはな。』

 

ミサイルとランセツで少しづつ溜めていた衝撃値を活用して、着地タイミングを狙ってのSONGBIRDS。ギリギリスタッガーにならなかったから蹴りを叩き込もうとする。

PAを貼られたからAAで掻き消してスタッガー。チャージパイルを叩き込めたけれども、リペアキットを使われていて落とし切れなかった。

 

ここで至近距離に敵機反応がいきなり出現して、兄さんのブレードキャンセル並の速さで突っ込んで来る。

この速さとなると……

 

『オキーフ、下がりなさい。貴方はここで失うには惜しい人材です。』

 

『助かった。そうさせてもらう。』

 

 

やっぱり。陰険クソメガネ(陰険クソカタツムリ)のお出ましね。

機体構成にスタンニードルランチャーが無い……まだ開発できていないのかしら。これは兄さんに伝えるべき情報ね。

代わりに付いているのは可変式レーザーキャノン……スタンニードルランチャーの時と戦い方は変わっていなさそうね。

 

戦型は……中距離からの撃ち合いに徹して、機体の頑丈さで有利を取る。接近してくる相手にはセラピストで牽制してランスで攻撃ってところね。

ミサイル機体と協働しても、ランスなら大きく移動するから近接攻撃時の誤爆(と言うよりは巻き込み事故)は考えなくても良いと。

 

『カビの生えた第4世代がここまでやりますか。……あのときにフロイトと引き換えにしてでも駄犬の(かしら)を殺しておくべきだったかも知れませんね。』

 

ざまぁ無いわね。それにしても陰(略)が単独で出撃するとは思えないわ。ここまで接近されても姿が見えないのであれば……

 

垂直プラミサと同時にチャージしたレーザーランス……1段階目でQBキャンセルを挟んだけれども、狙いは見えているわ。

 

プラミサを回避するためにQBを挟んで……少しダメージを貰うけれども着弾点に戻るようにもう一度QB。

さっきまでいたところを見ると……大きなプラズマ爆発が発生していた。

 

『すみません、避けられました。スネイル第2隊長閣下、援護します。』

 

QB回避を読んでメーテルリンクがFASAN(プラズマキャノン)のチャージ攻撃を撃ち込んでいた。

 

こちらにヴェスパーが3人も来ているとなると……他はどう配分されているのかしら。

 

(エア、今の戦況……特にACの配置はどうなっているかわかる?)

 

(ランカークラスに絞れば、612のところにフロイト、G2ナイルがホーキンス、G4ヴォルタとG5イグアスが非ランカーAC4機、G6レッドはオキーフの追撃に向かっています。)

 

現状はランカークラスのACが14機(撃墜済み3機*2を含む)参加したことになるわね。もしかしてこの規模はルビコンの中だと初かしら。

 

クソカタツムリの機体は重量二脚……AP5割程度でも生当てチャージパイルを耐えられる可能性がありそうね。それでもこのペースならメーテルリンクも含めて削り切れるはずよ。

 

 

 


 

 

 

軽逆の兄さんと模擬戦をし続けていたからクソメガネ程度の攻撃ならほとんど当たらない。レーザーランスも予備動作を見てQB回避できている。至近距離で少しセラピストが当たるくらいね。

 

『駄犬が……ちょこまかと鬱陶しい!!』

 

イラついたのかチャージしたレーザーキャノンを撃ってくる。もちろん隙が大きいから生当てチャージパイルの格好の餌食よ。

 

『リペアを全て使わされましたか……。仕方ありません。ゲルニカをここに投入しなさい。それと、使い捨ての独立傭兵共は基地の方に。』

 

『……はっ。独立傭兵への連絡完了。ゲルニカの投射まで5分です。』

 

『メーテルリンク、撤退準備をしなさい。アレに巻き込まれて死なれては困ります。』

 

『承知しました。FASANのプラズマで追撃を妨害します。』

 

何だか嫌な予感がするわ。

"投入"はまだわかるわ。……"投射"が引っかかるわね。それに"巻き込まれる"の発言も。AI操縦のACなのかしら。

ここであのクソを殺せなかったのは残念だけれども、私が死ぬ訳には行かないわ。ここは見逃してやるとしましょう。

 

 

 


 

 

Side 612

 

621が引き撃ちをするオキーフを追って離れていき、私とフロイトだけの完全なタイマンになった。

 

『ここまで照準が追いつかないものなのか。いや、俺の技術がQBの加減速で擬似的に再現されているのか?』

 

QBで周辺を飛び回り*3、隙を見て蹴りとぶった斬りを叩き込む。ダメージレースはこちらが有利に……10:7程度で進められている。

 

『お前の戦い方……まさしく猟犬だ。掻い潜り、的確に急所を噛みちぎろうとする……"人間"の俺には到底できない動きだ。』

『あぁ、こんなことは初めてだ!俺のやりたい動きに機体が、システムが追いつかない!』

『……そうだ。俺が求めていたのは戦いでも、ましてや勝利でもない。数だけは揃っている解放戦線や封鎖機構のMTを撃破しても得られない悦び。』

 

負けるかもしれない不安

 

全てを尽くしても勝てる未来の見えない相手

 

それに打ち勝ったその瞬間が!

俺が心の底から求めるものだ!

 

「頭戦闘狂かよ……いや、私もこの世界の住民だ。同じ穴の狢だな……」

「だが、それよりも守るべきものがある。自分の欲望だけにかまけてはいられない。……さっさと終わらせるとしよう。」

 

『そう簡単に終わらせるものか。まだまだ楽しませてもらおう。』

 

『フロイト!何を遊んでいるのですか!さっさと片──

 

『少し黙ってろ。せっかくの楽しみなんだ。』

『……邪魔が入ったな。続けようか。』

 

QB回避をしても銃撃を当てられるようになった。FCSの予測よりも遥かに高精度な射撃になっている。

 

「右腕のFCSを切ったか!真人間のはずだが……いや、お前ならやりかねないか。」

 

『まだ俺にも強くなる余地が残されていたとはな。気分が良い……』

 

……ここまで来たら、私との模擬戦(1日10回程度)をエサにして引き抜けるような気すらしてきたな。いや、やらないが。

こんな頭フロイトを妹たちに見せる訳には行かない。

それに、妹たちとの聖域に他の男が入るのは許容できない。シスコン?何とでも言うが良いさ。むしろ褒め言葉だ。

 

それはさておき、ダメージレースで逆転されたのはまずい。

衝撃値を回復させるために、さらに回避重視の動きに変えた結果与ダメージが落ちている。10:7だったのが8:9になって逆転された形だ。

この後にも戦闘が控えているかもしれないこと、場合によってはハウンズの基地まで帰らないと補給と修理ができないことを考えると拙い。

私も右腕のFCSを切るか?いや、ランセツの発射レートなら意味はそこまでない。リスクリターンが合わない。

ぶっつけ本番で試せるとしたら……左腕か。神経接続ならより細かい動きができるはずだ。

 

「COM、左腕部の操作権限をこちらに完全移譲できるか。」

 

『神経応答速度が規定値内。可能です。』

 

「左腕権限の完全移譲を要請。」

 

『受諾しました。完全移譲、完了しました。』

 

これまでと同じ攻防を続け、同じ流れでぶった斬りの初撃を差し込む。

後方QBで回避してチャージレザブレを叩き込もうとしているようだが……

こちらも前方QBで距離を詰めて、ぶった斬りの2撃目を突きの要領で叩き込む。持続時間的にもギリギリ間に合った。

 

意外と手動操縦もいけるものだな。神経接続のメリットだ。

 

『お前もそう来たか!猟犬でもあり人間でもある……面白い!このまま終わらせるのが勿体ない。』

 

 

 

互いにリペアキットは使い切って、APこちら8割のフロイト5割。スタッガーからの近接で落とせるし、落とされる圏内だ。

ここからは引き撃ちで確実に削りきるか。ランセツとターナーなら跳弾距離でこちらが有利を取れる。

 

『ここで引き撃ちか。弱ったところを確実に仕留める猟犬か、隙を待つ狩人か……』

 

『……やっと繋がったか。フロイト、撤退しなさい。ゲルニカを投入します。』

 

『回線は全部切ったハズなんだがな。まぁ良い。で、ゲルニカはどこに投げるんだ?』

 

『私の方です。とはいえ駄犬を片付けたらそこの駄犬の長の方に行くはずです。……巻き添えで死んでも──

 

『はぁ。わかった。……後で1つ要望を聞いてもらおうか。』

 

『聞くだけは聞きましょう。』

 

『邪魔が入ったな。……あぁ、全部切ったから無理やりオープン回線で繋げたのか。それならお前も聞こえていただろう?俺は下がらせてもらう。あんな奴に殺されてくれるなよ?』

 

V.(10)のゲルニカか。出撃記録は全くと言っていいほど無く、欠番か貸与用ナンバーかと思っていたが……

 

ともあれ通信内容は不穏極まりないものだった。

621がクソカタツムリとメーテルリンクを軽々と追い込んだが、それを受けてもなおゲルニカとやらが勝つと思っているようだ。

 

普段ならただのブラフと切って捨てるところだが、フロイトが素直に撤退命令に従ったのが不気味だ。確実に何かある。

 

フロイトへの追撃を考えたが、雑多な独立傭兵──ACどころかMTで参戦したやつすらいる──が行く手を塞いだので諦めた。

……諦めたのはフロイトの追撃であって、こいつらは撃破するが。

 

 

 


 

 

 

雑多な独立傭兵共を排除した。時間にして2分はかかっていないな。

そろそろ補給したいが、果たして基地はどうなったのか。

 

「ミシガン、通信は可能か。」

 

『ああ。こちらはライガーテイルの出撃準備がもうすぐ終わる。』

 

「それなら入れ替わりで補給をしたい。弾とリペアだ。可能なら関節部の軽いメンテナンスも。」

 

ポトマック!猟犬の毛繕いはできるか!……わかった。1番上等なグリスを使ってやれ。可能だ。2番ドックを使え。』

 

「助かる。」

 

ミシガンが出撃するとなれば、撤退しつつあるクソとメーテルリンク、オキーフ、フロイト以外は撃破できる可能性がある。

とは言っても、今のを除外すれば残っているのはホーキンスとその他ヴェスパーではないAC程度しかいないが。

 

……ふむ、五花海がクソとメーテルリンクの撤退路に待ち構えているのか。五花海とは言えども、片方は撃破できるかもしれないな。

 

 

 

整備員の指示に従って機体をドックに入れる。

 

武装がBAWS,ファーロン,メリニット,タキガワとアーキバス系列のものが無いため弾は補充できる。

機体は、軽逆関節がシュナイダーでアーキバス系列だから補修パーツは無いだろう。それでもグリスの塗り替えくらいはできるはずだ。これだけでも大分違う。

 

『兄さん、高速接近する機体……多分ゲルニカね。そろそろ接敵するわ。』

 

嫌な予感が的中したときのことを考えると、621の加勢に向かうべきだな。

連戦の疲れと残弾から……フロイト並の強さなら流石にキツいはすだ。

 

「了解。補給を終えたらそちらに向かう。」

 

『その前に片付けてしまっても構わないのでしょう?』

 

「それはそうだが……油断するなよ。フロイトが素直に撤退するくらいには不気味な存在だ。」

 

『わかったわ。』

 

 

 

果たして出てくるのは鬼か蛇か……

 

*1
引き撃ち4脚機体との戦闘経験の提供を筆頭にその他諸々

*2
G10 ラインが襲撃直後に撃破(内通者による機体の爆破)された

*3
"跳"び回りか?





やっぱり61ニーサンも兄さんで重めの独占欲を妹たちに向けていた模様。
この兄にしてこの妹たちあり?

それよりも、まさかここまで長くなるとは思わなんだ……
本当は前後編で終わらせるつもりでしたが、今の段階でも4話確定コース……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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