ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
皆様あけましておめでとうございます。
ACだと再現されていませんが、武器のメンテナンスを怠って(あるいはできなくて)死んでいく独立傭兵もいるんだろうなぁと思ったりしました。
と言いますのも、趣味のサバゲーに新年早々行きましたが……
スコープの調整(詳しい方は"ゼロイン"で伝わるはずです)で射撃しているときに内部パーツが逝って使えなくなりまして……エアーコッキングのハンドガンだけで丸1日戦いました。
ちなみに、丸1日通して3キルだけでしたが、これはこれで楽しかったのでヨシ!です。(一緒に行っていたご友人からは「それでも凹まないのかよ……」とドン引きされました。)
今年もどうぞ、コル・カロリをよろしくお願いします。
Side 621
高速接近する何かをレーダーが捉えた。ACのABでも出せる速度ではない……となると、ロケットか何かに格納されて飛ばされているかもしれないわね。
予想通りロケットが飛んできて上空100m付近でACらしき影が飛び出す。……ロケットの先端には爆弾が積まれていたわね。嫌な予感がしたから大きく距離を取っておいて正解だったわ。
……やっぱりACよね。アーキバス製4脚に可変式レーザーキャノン、スクトゥム、レーザーブレードと違和感は無いわ。
ただ、兄さんが"フロイトが素直に撤退した"と言っていたから何かはあるはずよ。
まずは様子見を……突っ込んで来た?4脚なのに?
『機体情報取得できました。表示します。』
| PILOT NAME : V. AC// | |
| R-ARM UNIT | VP-66LH |
| L-ARM UNIT | Vvc-770LB |
| R-BACK UNIT | VE-60LCB |
| L-BACK UNIT | VE-61PSA |
| HEAD | VE-44B |
| CORE | VP-40S |
| ARMS | NACHTREIHER/46E |
| LEGS | VP-424 |
| BOOSTER | FLUEGEL/21Z |
| FCS | VE-21A |
| GENERATOR | VE-20D |
| EXPANSION | PULSE ARMOR |
『ただ、中から観測された生体反応は極めて微弱でした。何をしてくるのか予想できません。612の言う通り最大限の警戒を。』
「わかったわ。」
立ち回り自体はガンガン攻めてくる4脚……その程度ね。スクトゥムでダメージがほとんどカットされて、レーザーハンドガンでチクチク削られているけれども……待って。距離を詰めて照準が追いつかないようにしているはずなのに喰らうの?
明らかにおかしいわね。普通のACなら腕部の可動域は人間のソレとほとんど同じ(神経接続だと自分の体を動かすイメージに引っ張られる)はずよ。それを明らかに超えていて……見ているだけでも気持ち悪いわね。
そうなると考えられるのがAI操縦だけれども……微弱とはいえ生体反応があるのならそれも無いはず。
とにかく、撃破して中を解析できる状態にしないといけないわね。撃破できなくても、兄さんが着くまでの時間稼ぎはしましょう。
Side 612
621が苦戦*1してるようだ。ヴェスパーの上位陣……オキーフ程度の腕前ならリペア1個でも十分余裕はあるが、既に1個使わされてリペアキットが無くなったようだ。
「621、良く持ちこたえた。下がって補給を受けてきなさい。」
『頼んだわ。兄さん。リペアを1個使わせたわ。……動きが人間のソレとは違うから気を付けて。』
「わかった。」
621から様子がおかしいことを聞いてはいたが、人間の可動域を超えた動きをしてくる。
待てよ?621は周回しているとは言えども、"ゲームプレイヤー"では無くて"この世界の住民"だった。
確か、脱出のミッションで回収できるログにはファクトリーの実態が書かれていたはずだが、621は知らないのかもしれない。(あるいは、そもそも情報ログなんてものが無かったのかもしれない。)
"ゲームプレイヤー"ならあの4脚を撃破しようとしたり、ジャミング弾で撹乱している間にログ回収をするだろう。しかし、"Mission Failed"ではなく"死"が待ち受けている621が無駄な戦闘をするとは思えない。
つまり、ゲルニカは……
「エア、生体反応は微弱なんだよな?」
『はい。』
「コア部分の構造を調べてくれ。私の予想が正しければ……人間1人が入れる構造にはなっていないはずだ。例えば……脳とそれの生命維持装置が入るくらいの構造に。」
ファクトリーの最高傑作に宛てがわれているナンバーなのだろうな。
『……っ?!予想通りです。アーキバスは何を?!』
一度621との通信回線に私の声が乗らないようにする。
「2周目、ザイレムが大気圏に突入している中戦ったのは誰とだ?」
『そういうことですか。人をACの可動パーツ……高性能AIとして組み込むための手術……いえ、"処置"。再教育センターやファクトリーの成功作はこれまで見たことがありませんでしたが、ここで遭遇するなんて……』
素体が何か考えたくはないが、ロクな経路ではないだろう。
……早く楽にしてやるべきだな。
ホバリングは使わずにEN消費を抑え、スクトゥムによる被ダメ軽減でダメージレースに勝つ。集中切れが起こることの無い"AI"だからこそできる戦法だろう。
IG盾は連続的な攻撃でオーバーヒートすることを避けるために採用されなかったのだろうな。
可変レーザーキャノンがチャージされて……地面スレスレでホバリングモードに入った。
その直後にQBで跳んでおいたが正解だった。
「ただのブースト移動なら発射前に足が止まると油断させるつもりだったか。人間臭い駆け引きの癖に動かし方は機械じみている……反吐が出る。」
『ハッキングを試してみましたが、全ての情報処理が生体脳で行われているため干渉できませんでした。』
スネイルを殺す理由が増えたな。今更増えても誤差の範囲内だが。
それにしても、レーザーハンドガンの射撃がやけに多い。普通ならオーバーヒートしているはずだが……
ここまで来たら何でもアリなんだろうな。コア部分や頭部分で節約できたスペースに冷却装置とかを増設すればオーバーヒートまでの時間を引き伸ばせるのかもしれない。
対ACではなく、未知の大型兵器を相手取る感覚に切り替えるべきだな。
近距離で跳び回って胴体の旋回が追いつかないようにしているが、それでもレーザーハンドガンがジワジワと効いてくる。
っと、LCBのチャージショットは確実に回避……2連でチャージショット?!
マズい。一発回避分のENしか確保していなかったせいで2発目を完全に躱しきれなかった。辛うじて直撃は避けたが衝撃値が溜まり切る寸前だ。
ここでスクトゥムを解除……レーザーブレードか。無駄が出るがリペアキットを使わねば。それとAAも。
AAの発動を見て下がられ、再びスクトゥムを展開される。
この間は完全に引き撃ちに徹されほとんどダメージを効率的に叩き込めない。
ゲーム内でのスクトゥムの印象は、QBや左腕射撃が制限される癖が極めて強いパーツの印象+キングがそこまで上手く使えていなかったこともありそこまで高くなかったが……こうも噛み合うと辛いとはな。
溜めた衝撃値もキッチリPAで踏み倒してくる。ここでスクトゥムの再展開をしてもPAで受け止められて振り出しに戻る。
タイマンに限ればフロイトに勝っても不思議では無いな。有効なダメージソースが背面に回したレーザードローンくらいになるだろう。
だが、621が削ってくれた以上はここで勝たねば。撤退されれば621の努力が無駄になる。
EN管理をQB2回分残すようにして2連チャージショットに備える。少し動き方が制限されるが仕方ない。
それにしてもこの機体は……完全に1対1を想定しているな。スクトゥムとは言えども展開していない後方からの射撃には滅法弱い。
他に有効打があるとしたら……垂直ミサイルで上から叩き込むくらいか。とは言えども(実質)AI制御ならスクトゥムを上に向けて防ぐくらいのことはやってのけるだろう。
今できることは、とにかく被弾を抑えて衝撃値レースに勝つしかない。スタッガーからの近接をPAで防がせて、そこにAAを被せるのが1番シンプルな勝ち筋だな。
5分程時間がかかったが、リペアキットを全て使わせて残りAPを3割まで削った。恐らくぶった斬りワンコンボでも落とし切れるはずだろう。
衝撃値も7割方溜まっていてPAも全部使用済み。ここから負けるとしたらチャージショットを2連で喰らうことくらいか。
ホバーに切り替えて高所を取る動きに変えたか。これだとFCSの警戒アラートに神経を尖らせないといけなくなる。射撃はこれまで通りにして、回避に意識を割く。
放熱ユニットが展開されたのを認識すると同時にQB回避。まさかここでマニュアルエイムでぶっ放してくるとは。
きちんと"もう勝てる"と油断したところに伏せていた札をぶつけてくるとは。2撃目……いや、3撃目までは警戒するべきだな。
読み通り直後にチャージショットの2撃目。
どんなタネかは予想しかできていないが、負担は大きかったのだろう。焦げたような黒い煙を上げていてパージされた。これでメインの火力は無くなった。
スタッガーと同時にぶった斬りで切りかかる。ブレードでのカウンターも間に合わないはずだ。これで勝
『下がってください!』
エアの警告に反射的に応えて後方QB。
スタッガー中のはずだがこちらにQBしてきたのを見て嫌な予感がした。
リペアキットを使って緊急脱出装置を作動させる。後方へ射出する設定にしてあるから大丈夫なはずだが……
直後に
勝ったと思わせて自爆攻撃で仕留めるとは……どうやらクソカタツムリの陰険さは私の思考回路では読めないレベルのようだ。
この後、私の機体を見てみたらコックピットがあった部分に金属製の杭が何本も突き刺さっていた。
単に自爆しただけでなく、確実に仕留めるためにコックピットまで貫くように仕組まれていたようだ。
「621、可及的速やかにこちらに来てくれ。ゲルニカは撃破したが機体がイカれた。今は緊急脱出して生身の状態だ。」
『わかったわ!ミシガンが既にそっちに向かっているけど私も向かう。』
1分も経たないうちにミシガンが到着した。
『ハウンズリーダー、どうやらこっぴどくやられたようだな。』
「クソメg……スネイルの陰湿さに勝てるやつはルビコンにいないだろうな。」
『自爆攻撃でもされたか。』
「その程度の陰湿な手段しか想像できないのならまだまだだな。……コックピット部分を見てみろ。」
『……なるほど。苦し紛れの自爆攻撃ではなく、最初から想定していた訳か。』
「後で戦闘ログは送ろう。私とハウンズ5への補給費用分だと思え。」
『ありがたく受け取っておこう。……無論、今回の防衛については謝礼の報酬を後で送る。ここで出し渋ってあの糞共と同じにされては困るからな。』
こうして621とミシガンに護衛されてベイラムの基地へ戻り、そこからハウンズの基地へと帰還した。
ちなみに、ウォルターには凄く心配されて、妹たちが3日3晩は離れてくれなかった。
……流石に私の人としての尊厳のためにも、トイレと風呂だけは死守したが。
Side アーキバス(オキーフ視点)
スネイルが本社向けに報告書を作成しているのだが、その表情は暗い。
水面下でまとまりつつあったベイラムとの一時共闘を投げ捨てて襲撃をしたが、期待していた程の戦果を出せなかったからだ。
「今回与えた損害はレッドガンパイロット4名*2の殺害とMT部隊多数撃破。ハウンズリーダーは機体を破壊したが殺せなかったのが痛い。」
「ですが、こちらの損害はチェーホフの死亡とメーテルリンクの撃破*3。同数程度のMT部隊。MT部隊には再教育センターの駒を使ったのでアーキバスの人間は死んでいません。ここだけを見れば交換比率としては悪くないはずです。」
確かに本社に報告する書類としてはそうだろうな。その他パイロットの怪我辺りも含めれば、ベイラムは1年近く活動を低下させるだろう。
「お前ならわかっているだろうが……」
「えぇ。あの駄犬共め!カビの生えた第4世代のはずだが……。決めました。次のゲルニカには"素材"として強化人間を使います。」
確かに、これまでの"素材"は捕虜にしたルビコニアンが使われていた。それでもあの程度の戦闘力になったのであれば強化人間を使えば……と思うだろう。
「どこから調達するつもりだ?第7世代でも金はかかるぞ。それか本社から取り寄せるにも──
「いえ、金に糸目は付けません。正確に言えば、ルビコンで強化人間手術ができるだけの設備を整えます。」
それなら数百人単位で手術をすれば元は取れるだろう。
「実施するのは第10世代……可能であればさらに改善します。」
待て、第10世代ともなると元を取るのが一気に難しくなる。それこそ1000人単位で必要になる。
仮に500人が後遺症無く成功したとしても、その後で"ゲルニカ"になれるのは精々数人程度かもしれない。
……勿論だが、アーキバスに忠誠心の欠片もない強化人間(成功作)にACを与えれば裏切るのは火を見るより明らかだ。だからこそゲルニカにしなければならないのだが。
「改善……コーラル確保に失敗した場合の保険か?強化人間手術の技術を─
「いえ、むしろコーラル確保を確実なものにするためです。」
随分と急いでいるようだ。スネイルなら、たかが改善とはいえ技術を更新する難しさは知っているはずだが。
……待てよ。脳を使うだけなら強化人間手術をする必要は無いはずだ。正確に言えば身体の強化のような、脳以外の部位を強化する工程は省いても良いはずだ。
「随分と性急だが遠回りでもあるな。何かあるのか?」
「それは────
なるほど。確かに"実験台"は大量に必要になるな。
「わかった。設備に関してはホーキンスの仕事になるだろうが、情報統制はこちらで行う。」
「それと、──の確保も並行して行うように。保険とします。」
「それなら大丈夫だろう。輸入のために惑星封鎖機構を叩く準備をして欲しい。」
「癪ですが、あの駄犬共が引っ掻き回した影響で幾分か物資調達はやりやすくなっています。それを利用します。」
ああ、このルビコンにはウンザリすることが多すぎる。
湖畔で椅子に腰掛けながら砂糖とミルクを入れたフィーカを啜る……そんな生活は程遠そうだ。
安いオマケ 〜ゲルニカのエンブレム〜
ゲーム内での作成や手書きとかは無理なので脳内イメージで補完して下さい。
コル・カロリがHI-32:BU-TT/Aで腹を切ってお詫びします。
ルーローの三角形、あるいはギターピックのような背景は共通。色は黒。
脳を入れた水槽が、堆く積まれたナニカの上に鎮座している。
そのナニカを良く見ると、何十人分もの四肢のようだ。
ちなみにですが、本作ではオールマインドとオキーフは接触していません。
ハウンズが数年早くルビコン入りしたので、そちらに注目した結果接触していない感じです。
スッラは自分でウォルターの動向を掴んでウォッチポイントにやって来ました。
スッラ周りは動機とかがわからないので、謎は謎のままにしておくスタイルで行きます。
ちなみにですが(Part 2)、スネイルとオキーフの話でぼかした後半2つの──ですが、─の個数と伏せた部分の文字数とかは関係無いです。
構想は決まっていますので、後のお楽しみとしてお待ちいただければと。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621