ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
前回の前書きで、標準機でSランククリアと書きましたが、「対エアちゃんのミッション」の情報が抜けていました。
コル・カロリが……「アタッシュ」に絡めた良い感じの謝罪方法を思いつけなかったので取り敢えず腹を切ってお詫びします。
息抜きにPS版で使っていた機体(マインドシリーズBASHO腕、重ショ初期ブレW肩ミサ)だとかなり戦いやすかったです。
ここまでオーバーシアーの資金力が確保できたのなら機体更新しても良いのでは?それなのにあの機体を使い続けるお兄様は 一体何を考えて…!?
なんだかもうよく分かりません ありがとうございました
あらすじのところに617たちのイメージを載せました。
既に皆様の中でイメージが固まっていたのであればそれでももちろんOKです。
急に作成した理由ですが、私が視覚的なイメージがすごく苦手(単純な平面図形数個の組み合わせでさえもかなり限界に近い)なので、頭の中のモヤモヤを晴らすために出力したのがメインの理由だったりします。
Side 612
前回の話……ではなくて探査で技研都市を見つけることに成功した。
現在はRaDが機材を提供し、解放戦線から提供された資源と雇用した人員を使って技研都市⇄地上のエレベーターを建設している。ACの移動と補給に使えるレベルで完成するまで、見込みとしては5日程度かかるようだ。
その後もさらに工事を進めて、ルビコニアンデスタケノコ(仮称)の建設資材の大量運搬に耐えられるところがゴールだそうだ。
ルビコニアンデスタケノコ(仮称)は
・コーラル(地中へ)リリースの流路
・いざと言う時にコーラルを燃やす「プチアイビスの火」
・星外との交易を行う軌道エレベーターの土台
としての役割がある。
コーラルをルビコンの外に持ち出させないことを考えると、軌道エレベーターとコーラルの流路を兼ねさせてしまうのは危険な気もするが、そこは解放戦線側からの要求*1と折り合いを付けた形になっている。流石にRaD単独で建設するには規模が 大きすぎる…
それはさておき、つい先日フラットウェルから通信があった。
内容は……ラスティと会って欲しいとのことだった。
原作の中では、
妹たちへの独占欲だったりから交流は避けていたが、流石に避けて通れはしないか。
まあ、この際だ。見せてもらおうか。その背中に、高く飛ぶための翼が生えているのかを。
Side ラスティ
ハウンズリーダーとは以前に依頼で協働したことが一度だけある。あの時は"アーキバスの人間と話をするつもりは無い"と言っていた。恐らくだが、何らかの伝手なりで私の正体を知っていたのだろう。
だが、気がかりなことがある。あの頃にはハウンズ──正確にはオーバーシアーという組織だったが──と解放戦線の間に密約、あるいはそのための交渉などは一切無かったと聞かされている。
それならば、どのような手段で私の素性を知ったのか。これが問題だ。
フラットウェル経由で伝えられたことは考えられない。本人に聞いたが否定された。
そうなるとハッキング辺りが有力候補だ。ハウンズ関連の仕事中にオキーフのフィーカ消費量が跳ね上がっているのも裏付けになる。
……そう言えば、オキーフが
「薄味なレーションを齧り、少しだけ支給された砂糖とミルクを入れたフィーカで流し込む。……随分とウンザリさせられる。」
と言っていたな。だが、ルビコンの現状からすればそれすらもかなりの贅沢だ。
砂糖の元になる植物を栽培するくらいなら、ミールワームの飼育に人員を回す方が飢えて死ぬ人数を減らせる。ミルクは……牛はおろか羊や山羊もいない。アイビスの火で消し飛んだと聞かされている。
……話が逸れたな。
オーバーシアーがこのルビコンの地で暗躍していることに間違いは無い。ルビコン解放戦線の利になる行動をしているのも間違いは無い。
だが、惑星封鎖機構と企業を追い払った後に本性を表さないとも限らない。
ルビコンは常に脅かされ… 掠め取られてきた。この経験がオーバーシアーを全面的に信用できない原因になっている。
あの時のたった一度の共闘では何も見えなかった。通信越しに会話をすればアーキバスに筒抜けになる以上、向こうから拒絶に近しい反応をされた。
ハウンズリーダーの僚機に至っては声すら聞けなかった。……あるいは聞かせてもらえなかったと言うべきか。
今のオーバーシアーはハンドラー・ウォルターとシンダー・カーラが中核を担っている。だが、"次世代"の教育も考えた結果だろうか。ハウンズリーダーが精力的に動いているそうだ。
彼とは一度会って話をするべきだろうな。"背景"がわからない以上、私は彼を……そしてハウンズを背中を預けるに相応しい"戦友"とは呼べない。
フラットウェルを経由して、ハウンズリーダーと会う約束を取り付けられた。
名目上はシュナイダー社が開発したパーツのテストをするために出向くことになっている。流石のスネイルも、ハウンズリーダーとシュナイダー社員の会話の録音にあった「ハッキリ言えば、その機体を使いこなすパイロットが現れるとかなりの脅威になる。」を見過ごせなかったようだ。
……もちろん、録音データの提供は、フラットウェルが本人の許可を取ってくれた。裏工作のために必要なのであればと承諾してくれたらしい。
ただ、流石に監視の目は付けられている。テストするパーツが4脚なこともあってホーキンスも来ている。
「お待たせしました。本日説明を担当します速水モアです。」
「ここに戻ってくるのは少しぶりだな。V.IV ラスティだ。」
「ここがラスティ君の古巣か。私はV.Ⅴ ホーキンス。今日はよろしく頼むよ。」
速水モア……この声から察するに、直接ハウンズリーダーと会話をしていた社員か。
「我がシュナイダー社は話の早さにも命を懸けていますので早速本題に入ります。カタログスペックどうこうはこの際抜きです。私と模擬戦をしてもらいます。」
「なるほどね。実にシンプルでわかりやすいよ。開発者だからパーツの特性、それに合った戦い方もわかっているから相応しい訳だ。」
「ホーキンス隊長の仰る通りです。」
会談はホーキンスが模擬戦でシミュレータに篭っている間に済ませる気か?だが、確かにそれが1番安全かもしれない。
「そしたら……私が先で良いだろうか。ハウンズリーダーと同じ2脚ACだ。是非、比較した上での意見が聞きたい。」
「承知しました。ホーキンス隊長も控えていますので、まずは1ラウンド5分制限の3本先取で行きましょう。」
「わかった。よろしく頼む。」
ここで私が負ければ、「勝てるようになるまで戦いたい」と言えば時間を引き伸ばせるだろう。そうすれば会談の時間が多少伸びても不自然にはならないはずだ。
メインシステム:戦闘シミュレーションモード起動
ホーキンスやその他4脚との戦闘経験に則るのであれば、引き撃ちを追いながら衝撃値を溜めて、スタッガーしたところに格闘攻撃を差し込むことになるだろう。
『さて、あなたも元はシュナイダー社の人間。速さこそが強さだと理解しているはずです。』
「そうだな。……だが、私もヴェスパーの隊長を務めている身でね。より高く飛ばせてもらおうか。」
戦闘開始と同時に相手はホバー形態に移行して引き撃ちに徹し始めた。
そして両腕と両肩からミサイルがひたすら垂れ流される。
「これは……QBだと避け切れないな。」
ABを起動してミサイルとすれ違うように回避する。
だが、断続的なミサイルを全て避けることはできずに衝撃値が溜まり続ける。
RANSETSUとプラズマミサイルしか有効打が無い。衝撃値は完全にこちらが負けている。ABで接近できたときにSAMPUを当てても、接近できる時間そのものが短いため逆転の一手にはならない。
最初はわざと負けようと思っていたが、本気でやっても負けるかもしれないな。
だが、こんな所で負けてはいられない。この機体がヴェスパーに採用されれば確かに脅威になる。だからこそ、ここで勝ち筋を作る必要がある。
……狙うべきはEN切れの着地だ。
高度が下がり始めた。ENを温存して接近戦に備えて……
飛び出すのは今だな。
『良い選択です。が、既に経験済みですので。』
格闘攻撃を後方QBで避けられ、空振りに終わってしまう。回避用のENを残した上で着地していたか。
ここでミサイルの一斉射をされスタッガーを取られた。
既にAPは4割程度しか残っておらず、もう一度EN切れまで同じように粘るのは心許ない。
ならば……
『地上付近でのABで接近……無理矢理落としに来ましたか。』
とにかく距離を詰めるしかない。EN回復を速やかにするために地上付近でのABで詰める。ミサイルは少しの蛇行とQBを織り交ぜてできるだけ避ける。
相手の衝撃値もかなり溜まった。スライサーのチャージ斬りならかなり踏み込んで攻撃する。これでスタッガーを取ってアサルトアーマーで追撃して削り切れば勝ちだ。
そしてスライサーのチャージ斬りが当たって、それだけでAPを削り切…ターミナルアーマーか!!
直前に腕部ミサイルをパージしていて、そこからの拳でこちらがスタッガー。さらに回し蹴りでAPを削り切られて私の負けになった。
残りの3本もターミナルアーマー発動まで追い込めはしたが、勝てたのは1本のみだった。
「お疲れ様でした。現在のルビコンで現実的な範囲ではありますが、空力学を詰め込めるだけ詰みこんだこの機体はどうでしたか?」
「正直に言えば予想以上だ。スネイルは"こんな脆い機体が信頼できるわけがありません"なんて言っていたが……」
「鈍重が故に被弾が増えるのでそう考えているだけです。何より、速い機体であれば戦場で敵の弱点を突き、突破、さらに後方へ浸透、襲撃……機動戦を展開できます。」
確かに言われてみればその通りだ。いや、もちろんその運用方法も議論されていたが、"ピーキー過ぎる故に扱える者がいない"との結論に達していた。
「ラスティ君をここまで追い込む……いや、凌駕するなんてね。兵站を預かる私としても迅速な移動は好ましいことなんだ。」
「さて、次は私の番だね。よろしく頼むよ。」
「……私も負けたままではいられないのでね。他にあの機体を扱えるパイロットがいたら戦わせて欲しい。」
「少しお待ち下さい。……私の相手として良く戦っているパイロットが手隙なので可能です。シミュレータでお待ち下さい。」
シミュレータに入って1分ほど待っただろうか。訓練相手の準備が整ったと通知が来た。
「君が次の相手か。よろしく頼む。」
『どうやらこっ酷くやられたようだな。……こうしてシミュレータに篭るための演技か?』
「……!その声は……そういうことか。」
なるほど。シミュレータ内であれば会話もできる。そして音声通信はホーキンスには聞こえない。考えたものだ。
『安心しろ。ここでの会話がアーキバスに漏れることは無い。オキーフの胃痛を見ればわかるだろう?』
「最近フィーカの消費量が尋常ではないのは君たちのせいだったか。」
『カフェイン中毒で倒れてくれれば楽なんだがな。』
「その通りだ。」
それよりも、一つだけ心配があるとすれば……
「それよりも、君はその機体で良いのか?ハヤミが"良く戦っているパイロット"と言っていたからにはそれなりに扱えないと怪しまれるはずだ。」
『……なら、言葉は不要だ。始めるぞ。』
アーキバスの収集した戦闘ログは近距離戦中心のものがほとんどだ。あの機体の戦い方はソレとは真逆のはず。本当に大丈夫だろうか。
引き撃ちに徹しているのはハヤミと変わらない。ただ、左右に細かく振ることで弾が躱され、ミサイルはQBも使って回避される。
ホバー形態でQBを使うのはENを消費する悪手のはずだが……
予想通り早めにEN切れで着地した。そこに合わせてスライサーを…出だしを蹴りで止められた。
SAMPUの射撃は斜め後方にQBで飛ばれて照準を外されたか。
「なるほど。近接メインの機体の立ち回りを活かしたか。それに嫌なところを突いてくる。」
『言っただろう?"使いこなされると脅威になる"と。もちろん対応策の研究はするさ。そのためには自分で使ってクセを知らないといけない。当たり前のことだ。』
当たり前のことのように言っているが、全く系統の違う機体に乗り換えてもこの腕前か。フロイトが対戦を渇望するだけのことはある。
「確かにその通りだな。……まさかその動きはフロイトのを真似しているのか?」
『半分正解だ。正確にはそれの改良版……と言ったところか。速さは変えずに不規則に蛇行してFCSを欺いているだけだ。お前ほどの軽量機体なら追いつかれるからあまりやりたくはないが。』
「遅い機体なら完封できるのか?」
『……試したことがないからわからないが、見立てではそうだな。少なくとも"負ける"ことはないだろう。』
"負ける"ことはない、か……
危険な状況になったらその速度を活かして逃げるから死にはしないと。
『さて、このまま行けばヴェスパーに制式採用されるかもしれない。模擬戦の結果を見れば
「それはありそうだな。だが、君にとっては脅威になって不都合じゃないのか?」
『確かに、模擬戦の結果を見ればそうだな。』
その言い方だと、実際に配備されても特に困りはしないように聞こえる。
『で、模擬戦は即ち実戦か?』
……なるほど。そういうことか。
「実際に戦場で戦うのであれば、数の有利、地形の利用、防衛や撃破目標による制約……様々な縛りによって勝ち筋が生まれると言いたいのか。」
『そうだ。……まぁ、普段の機体を使ったサシの模擬戦でも勝率は8割を割っていないからな。無論、私の方が勝ち越している側だ。』
私の機体構成と彼の機体構成はかなり似ているはずだ。それなのに差が大きく付くのはどうしてだ。
「参考までに教えて欲しい。私と君の戦い方は何が違う?何がこれほどの差を産んでいる?機体構成は似ているはずだ。」
『……次のラウンドはホーキンスが見れないようにして行う。なに、アドバイスを貰うために少し話をしていたとでも言えば空白の時間も不自然なものではなくなるはずだ。』
ターミナルアーマーを発動させることすらできずに、このラウンドは私の負けで終わった。
次のラウンドは、オーバーシアー側の情報工作員──名前は教えてもらえなかった──によって"存在しないもの"になった。
もちろん、先程の言い訳を使うことになるだろうからそこまで時間は取れないが。
『さて、戦闘は30秒で終わらせる。』
対戦相手として表示されたのは……私の機体だった。
『……行くぞ。』
互いにABで突撃。至近距離でのSAMPUとRANSETSUの撃ち合いになる。ただ、衝撃値の溜まり具合は流石にこちらがやや優勢だ。
残り4発程度でスタッガーを取れる所まで衝撃値を溜めた時に連続QBで後方に下がられる。
プラズマミサイルで牽制しながら距離を詰め……っ!
プラズマで機体が少し隠れていたこともあるが、気が付いたときには目の前でスライサーを振りかぶっていた。
アサルトブースト中にスライサーの溜め斬りならあれだけの距離を詰められることは知っている。もちろん何度も使った手だ。
喰らってスタッガーして反射的にアサルトアーマーを使ったが、それは失敗だったと直ぐに思い知らされた。向こうのカウンターアサルトアーマーで私のAPが1割を下回った。
そこに蹴りを叩き込まれて全損。私の負けだ。
かかった時間は27秒……宣言通りになったか。
『さて、いつものお前の戦い方と何が違った?』
「あれだけ衝撃値が溜まっていれば、一度後ろに下がって衝撃値を回復させると思った。だが、その予想を裏切られたな。」
『確かにそうだ。だが、下がることがわかっていたのなら、何故すぐに詰めなかった?プラズマミサイルで牽制しながらでは無く、ABからのチャージ斬りなら届いていたはずだ。』
確かにその通りだ。良く相手にしている(させられている)フロイトはパルスアーマーで衝撃値を回復させていた。そのときのクセが出てしまったか。
『まあ、戦い方はこの際どうでも良い。』
『お前の行動から察するに……"特定の誰か"ではなく、"ルビコン"を守りたい、あるいは取り返したいといった動機だろうな。』
急に話が変わったな。……ここからが本題か。
「そうだ。」
『なら、どうして解放戦線を攻撃するときに手加減をしている?そのせいでお前はスパイを疑われ、重要な役職は与えられず、こうして今日も監視の目がある。』
『あるいは……自分の力で全てを掬い上げることができると自惚れているのか?』
解放戦線を攻撃するときには腕部や脚部を破壊して無力化に留めることが多い。同胞を無闇に殺す訳にはいかないからだ。
『理由無き強さは危ういかもしれないが、お前は"理由"を手にしても"覚悟"が足りていない。』
『スパイを演じきるために同胞を殺す覚悟が。あるいは、直ぐにでも裏切り、自分の命と引き換えにしてでも敵を──まぁスネイル辺りが死ねば大混乱になるだろうな──殺す覚悟が。』
「……君は、死ぬことも… 殺すことも恐れていな──
『流石に引き伸ばすのは限界だろうな。第"2"ラウンドと行こうか。』
「──……そうしよう。」
背景ではなく、"覚悟"……か。
背景が進むべき方向を教えてくれるものだとすれば、"覚悟"は進む力強さと言うべきなのかもしれない。
ルビコンを取り巻く情勢は大きく変わっている。私が動くべき場面はすぐそこまで迫っているのかもしれないな。
おかしいな…
私はまだ… これから… (第"2"ラウンドよりも先を書こうと思っていたのに既に6500字を超えていたなんて…)(強引すぎるペ並感)
今回はラスティとのまともな会話(?)回でした。
……AC6の二次創作小説なのにラスティがメインになるような出番が39話目ってどういうことですか(宇宙港襲撃はハウンズメインなので除外)
この話はラスティとのまともな絡み&「死ぬことも…」のセリフを言わせたかった回です。
お兄様がラスティに少し厳しめなのは、
原作ではレイヴンが敵/味方になったことで精神的なバフが入っていた
↓
今作だとそれが無理そうなので(お兄様の独占欲のせい)、自分で自分に精神的バフをかけられるようにしよう
という目論見の下で動いているからです。
より高く飛ぶためには翼の手入れは大事ですからね。誰かにやって貰えないのなら自分でやるしかないでしょう。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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