ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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はい、今回の話(前後編に別れているので後編の方ですが)でようやく重い感情が出てきます。
どんどん612の外堀が埋められていきそうな気がしますね。

私事ではありますが、久しぶりにNESTの方に手を出し始めました。(前はチョロっと触っただけでDランク止まり)
Cランクに上がった時点で既に、レーザーランスをきっちり回避されるんですよね……これでCって上はどんな魔境なんですか……
後は、マインド逆脚を使っているのですが、普通の二脚使う方が良いんじゃないかなと思ったりもしたので、どこかで実験したいですね。


今話では、アーキバスの部隊としてヴェスパー以外の部隊が出てきます。
ルシファー部隊:ヴェスパーが「宵の明星」なので、対になるように「明けの明星」から。
部隊員の識別名とナンバーは、堕天使の階級を上から順で並べたものに。性格は、その堕天使の誘罪名から取りました。
なお、他の話で出てくるかは未定……と言うよりは出てこない可能性の方が高いです。
堕天使関連の情報については"☆ファンタジー神名辞典☆"の該当ページを参考とさせて頂きました。この場をお借りしてお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。



After getting VIctory,generated gravity.(前編)

 

Side 612

 

 619の初出撃を終えて戻ってきたが、少なくともリバースしたりといったような顕著な反応は見られなかった。ひとまずは安心だ。

 

 次の模擬戦の日には私が直接相手をした。

 ただの技量だけではない。圧力が一段と増している。何かを守るために"選んだ"者が出せる圧力だ。

 

「選んだようだな。それで良い。」

「恐れは必要だ。自分の危機を教えてくれる。……だが、時にはそれを踏み倒して進む覚悟も必要だ。619、それを理解したようだな。」

 

『私は決めました。ただ守られているだけの存在にはなりたくないと。先輩と肩を並べて戦いたい、先輩の背中を守りたいんです。』

 

 守りたいもののために戦う覚悟か。それで良い。

 ……本当は戦場に出ないで済むのならそれが1番だが、ウォルターの"仕事"を考えるとそうも言っていられないだろう。

 だから、私のするべきことは……613たちと同じ末路を辿らせないようにすることだ。

 

 

「そうか、それなら早くイーブンの模擬戦で1本取れるようにならないとな。」

 

『すぐに追いついてみせます。』

 

 

 この後、ランセツと初期ブレードだけで10-0で勝った。ふくれっ面が可愛かった。

 感情をどんどん取り戻している……お兄ちゃん*1嬉しいよ……

 

 

 


 

 

Side 617

 

 619が初めての任務に出撃すると聞いた時、私は酷く狼狽えていました。

 シミュレータの中でさえ人を殺すことに拒絶反応を起こしていたのに、実際にACに乗ってできる訳が無いと。

 

 ですが、619はやり遂げて来ました。精神的に疲れた様子こそ若干ありましたが、それよりも……枷から解き放たれたような、あるいは殻を破ったような雰囲気を纏っていました。

 

 612先輩は

「619は選んだ。誰かの背中を守るに足る存在になることを。」

と言っていました。

 

 私も選ばなくてはならないのでしょう。見知らぬ他人の命を踏み台にすることを。

 

 ──見知らぬ誰か大勢の命と、同じ境遇でこれから一緒に過ごす皆の命。2つが下げられた天秤を前にして私は……

 

 ──無理やり右の皿を手で下げる(仲間を選ぶ)ことにしました。

 

 

 


 

 

Side 612

 

 619が出撃して以来、3人も任務に出しても問題ない精神状態になった。

 実際に私が付き添って出撃し、全員が後に引きずるような問題も無く任務を完遂した。

 

 それからは私が一緒に出撃するという条件付きではあるが、617たちも定期的に出撃するようになった。

 私の独立傭兵としての名声は木星戦争の1件で高まっていたこともあり、名指しの依頼も含めて困ることは無かった。もちろん、ごす*2の情報収集や取捨選択能力あってのことだが、「騙して悪いが」系の依頼には当たらなかった。

 

 

 

 そろそろ原作の時期が近づいたのか、独立傭兵集団のブランチによるコーラル情報のリークがあった。それを受けてアーキバス,ベイラム両企業がルビコン入りする前から半ば戦争状態に突入していた。

 

 今回は、その一環としてベイラムからの依頼を受けることになった。

 

 

 

 

『今回のミッションは、アーキバスがルビコン3に送る予定の物資集積所の襲撃だ。』

『警備にはAC2機を筆頭に、10機程度の4脚MT、60機程度の2脚MTが確認されている。』

『いつものように通信を封じたりといった工作は行うが、それでも増援が来る可能性はある。手早く片付ける方が良いだろう。』

 

『612が単独で突入し通信所を破壊。その後に617たちは外縁部から敵を排除して612と合流。612は最悪の場合敵AC2機とMT部隊に囲まれる可能性がある。場合によっては617たちは外縁部の排除が済んでいなくても突入することも視野に入れておけ。』

 

『ブリーフィングは以上だ。ハウンズ、仕事の時間だ。』

 

 

 


 

 

Side 620

 

 今回はハウンズ全員での出撃となりました。

 ベイラムとアーキバスが事実上の戦争状態に突入したので、双方から名指し依頼が山のように届いています。

 今回はベイラム側の依頼を受けて、アーキバスの基地を潰しに来ました。

 

 

『こちら612、ハウンズ現着した。』

 

『これより基地通信回線の切断を行なう。……完了した。612、突入しろ。』

 

『了解。612、アウト(通信終了)。』

 

 

 612先輩が単騎で突入した後、私たちはACを待機モードにして発見されないようにしました。

 

 

『識別に応答のないAC1機!……あの機体は、ハウンズリーダー!"猟犬"が来ました!』

 

『他の基地にもハウンズが来ているようだ!』

 

 

 私たちはここにいるので、他の基地にハウンズがいるはずはありません。

 

 

『こちらの方で偽の報告を流した。617たちの存在は想定外になるはずだ。』

 

 

 相変わらずウォルターの情報支援が身に染みます。後は612先輩からの合図を待つだけです。

 

『こちら612、通信施設の破壊に成功した。敵AC2機を筆頭に殆どの戦力がこちらに向かってきている。外縁部から削るプランから変更して、ある程度集結させてからABでそちらに引いて敵ACだけを釣り出す。』

 

『わかった。617,618,619,620、準備しろ。』

 

 ACのメインジェネレーターに火を入れます。

 

『盾持ちと4脚を前に出せ!他のMTは遮蔽を使って射線を切るんだ!当てなくてもいいから圧力をかけ続けろ!』

 

『……頃合だな。圧力から逃れるフリをしてそちらに釣り出す。』

 

『逃げ出したぞ!MTは隊列を維持したまま着いて来い!』

 

 

 引き撃ちに徹したシュナイダー逆脚の612先輩を先頭に、敵の中量2脚、やや遅れて4脚がやって来ます。

 612先輩から敵のスキャンデータが送られてきています。FCSと連動させて、こちらのレーダーは一切出さずにロックオンを完了させることができました。

 

 私たちが隠れている崖に敵中量2脚ACが飛び出してきたタイミングに合わせて一斉射撃。

 617と私、さらに先輩の計3門6発のSONGBIRDSを初め、ランセツのチャージショットやミサイルが降り注いでいます。

 いくらACと言えどもこの集中砲火には耐えられずに、リペアキットを使う隙もなく2脚ACが爆散しました。

 

 動揺して足を止めた4脚ACには、612先輩が接近。爆炎がまだ消えないうちにABで突撃し、左右のQBで私たちの攻撃による爆風を回避。4脚ACのパイロットからすれば爆炎の向こう側から612先輩が出てきたように見えていることでしょう。

 必殺ぶった切りを喰らっても、4脚特有の姿勢安定性能の高さでスタッガーにはならないのが厄介ですね。

 

『アサルトアーマーをかます。直後に退避するから全力射撃。』

 

 先輩がAAを喰らわせて流石にこれでスタッガー。直後に逆脚特有の長距離QBで横に退避。

 ランセツなどの銃器で攻撃して、相手がスタッガーから復帰する直前にギリギリ私のSONGBIRDSが命中しました。残りAP僅かなところでリペアキットを使われて仕留め損ねてしまったのは残念です。

 

『コイツは私が仕留めておく。617たちは基地へ戻り、数を活かしてMT部隊を殲滅しろ。』

 

『『『「了解。」』』』

 

 基地に向かうと、まだMT部隊は外に出てきていませんでした。

 丁度いいです。MTと施設をまとめて爆風で吹き飛ばしてしまいましょう。

 

 

 


 

 

 

 MT部隊を3割ほど削ったときに事態は急変しました。

 

『ハウンズ、広域レーダーがそちらに向かう機影を捉えた。警戒を厳にしろ。』

 

『612了解。こちらはACを2機とも片付けた。機影が向かってくる方向に先回りして迎撃する。』

 

『方角は基地中心から見て120。速度から中量2脚の可能性が高い。』

 

 ACの増援でしょうか。ハウンズが来ている割には、たかが単機で増援になるのでしょうか……

 

『……嫌な予感がする。増援を送った旨の通信が入っていないのであれば、V.I フロイトが無断出撃でもしたのかもしれない。郊外に補給シェルパを手配して欲しい。』

 

『わかった。だが、補給は恐らく間に合わないだろう。』

 

『いや、617たちの分だ。リペアキットを補充して逃げ延びられる確率を上げておきたい。』

 

『……今送った。617たちは612が推定敵ACを足止めしている間に補給しろ。』

 

 

 V.I フロイトは要注意対象として真っ先に上がる存在です。

 木星戦争の少し後に起こったアイランド・フォーの動乱において任務達成率94.7%を記録したエースオブエースです。

 

 戦闘記録を見た612先輩曰く、

「……真人間だな。そういう動きだ。だが、強いな……QBに頼らない避け方が面白い。」

「戦えば、イーブンからの1対1なら良くて4-6。多少消耗していても私の撃破が主目標でない場合であれば撤退は確実にできる。だが、私が主目標になっている場合は……撤退できない可能性もある。」

とのことでした。

 

 

『こちら敵機体をレーダーで捉えた。……敵AC、V.I フロイト。エースオブエースのお出ましだ。ハウンズ、時間は掛けていられない。補給シェルパで回復する前提で、多少の損害は無視して速やかに処理するんだ。』

 

『補給シェルパは後30秒で到着する。位置はマーカーに示した。』

 

『撤退戦に移行した場合は、フロイトとの間に私を挟む位置を厳守。回避行動でぶつからない程度にバラけても4人で固まるように。フロイト相手に乱戦の中で味方撃ちを気にする余裕は無いからな。』

『それと、私がスタッガーに陥ったときは速やかに距離を取れ。フロイトが頭数を減らすためにそっちに向かう可能性がある。なに、アサルトアーマーがあるからスタッガー即撃破とはならない。』

 

 一気に緊張感が走る。まだフロイトが現着していないにも関わらず、地獄の釜のような熱気がコックピットを満たしていました。

 そして何よりも悔しいことに、私たちはこの戦いにおいて足手纏いにしかならないようです。612先輩だけなら立ち位置を気にせず好きに戦闘機動を選べたはずです。ですが、私たちがいるせいで大きく制限されてしまっているのです。

 

 

『お前たちがハンドラー・ウォルターの猟犬か……精々楽しませてくれよ。』

 

『612、エンゲージ。V.I フロイトとの交戦を開始する。』

 

 

 612先輩が交戦を開始するのとほぼ同時に、MT部隊の殲滅を殆ど完了させることができました。残りは両手で数えられる程なので、これなら先に補給して先輩のところに向かうついでで排除すれば効率的でしょう。

 

『やはり強化人間との戦いは楽しいな。特にお前の逆関節は。こんなにすばしっこい奴はお前が初めてだ。』

 

『微妙な速度の緩急でFCSを欺くお前が言うのか。全く骨が折れる。』

 

 今の612先輩の本気を見るのは初めてです。模擬戦の時には使う武装を限定していたりと、技量的な面で本気は出していても機体を含めた本当の本気はこれが初めてです。

 

 真人間(らしい)のフロイトはQBを多用せず、微妙な加減速でFCSを欺いているそうです。一方対照的に、先輩はQBを多用して拡散榴弾やレーザーブレードを躱し続けています。互いに当たっている攻撃は追尾性能が高いレーザードローンとミサイル、時々銃撃ぐらいのものでしょう。

 

 戦況は、先輩がミサイルの衝撃値を中々維持出来ずに攻めあぐねていて、元から衝撃値を捨てて威力に振っているEN武器(レーザードローン)が主なダメージソースになっているフロイトが有利なようです。

 先輩がリペアキットを1個切りましたが、フロイトはそれに遅れて30秒程でリペアキットを切りました。

 

 

 

『612先輩、MT部隊の殲滅完了しました。』

 

『了解。ミサイルの射程距離ギリギリからフロイトを狙え。フロイトに10発当たれば、私に2,3発当たっても構わない。それでダメージレースは有利を取れる。620は万が一フロイトが突撃してきた時に備えて、617たちを守れる位置に陣取れ。』

 

「620、了解しました。」

 

 ここから私たちのミサイルも加わり、戦況は先輩優勢に傾いていきました。

 

『このままお前とやり合いたい、そう言う気分だが……子犬が邪魔だな。先に片付けるとしよう。』

 

 アサルトアーマー対策で距離を離し、後ちょっとのところまで溜まっていた衝撃値をパルスアーマーで踏み倒されてしまいました。そして、そのままこちらにABで突撃してきます。

 

『っ!ABを吹かして逃げろ!』

 

 先輩の指示よりも前に行動し始めていた617と618,619は反転しABで離脱できました。一方私は、少し前に陣取っていたこともあり間に合わないと判断。先輩が追いつくまでの数秒を稼ぐことにします。

 

 レーザードローンからの射撃は無視し、拡散榴弾とレーザーブレードの回避にのみ注力。

 警告音とほぼ同時に撃たれた拡散榴弾を跳躍で躱……すことを見越してチャージしたレーザーブレードのなぎ払いが直撃、アサルトライフルの追撃で衝撃値が危険域に到達。被ダメージ量からすると少し無駄になりますが、予めリペアキットを使用。

 

『コイツとの訓練ばかりで他のACとはあまり戦っていない……そういう動きだな。所詮は守られているだけの子犬に過ぎない。……面白くない。』

 

『よく時間を稼いだ。今のうちに距離を取っておけ。』

 

 ここでウォルターから通信が入りました。

 

『ハウンズ、ルシファー部隊からの増援が確認された。単騎だが、移動速度から4脚ACと推測される。』

 

『ウォルター、4人ともそっちに回してくれ。フロイトはこちらで何とかする。』

 

『……わかった。617たちは増援ACを速やかに撃破しろ。』

 

 

 こうして私たちは612先輩を置いて敵増援の撃破に向かいました。

 

 

 


 

 

 

 巡航モードで移動すること4分程で接敵しました。

 

『こちらL(ルシファー).(ファイブ) アスタロト、ハウンズ4人と接敵した。……何が「フロイトの方に3人は割いているはずだ」だよ。4人もこっちに来てるじゃないか。はぁ、めんどくさい……』

 

『こちら617、接敵しました。敵はL(ルシファー).(ファイブ) アスタロト。交戦を開始します。』

 

『できるだけ手短に片付けるんだ。612がフロイトに突撃をさせないように、そちらへ向かって遅滞戦闘で引きながら戦っている。挟み撃ちされるとまずいぞ。』

 

 近接武器持ちの私を先頭にして交戦距離に入ります。

 相手は2脚ACとの協働を前提にした武装構成(垂直ミサイル2基、レーザーダガー、レーザーショットガン)のようです。

 

 相手の垂直ミサイルは617たち3人に均等に降り注ぎ、QBでの回避を強制しています。

 ABとQBを織り交ぜて接近、ハンドガンで衝撃値を蓄積させてキックを狙う……も先に4脚の回し蹴り、ノックバックしている間にチャージしたレーザーショットガンの刺突を喰らってしまいます。辛うじて追撃のレーザーダガーは回避しました。

 

 相手が一度下がってリペアキットを使い、それに合わせてこちらも下がって衝撃値をリセット。今度は溜めショットガンの刺突を確実に避けられる距離を保ち、ハンドガンでスタッガー。直前に相手はリペアを吐いていましたが、そのままぶった切ってキックの追撃。

 私から距離が離れたところで617と一緒にSONGBIRDSを叩き込みました。ギリギリ耐えられましたが、相手に最後のリペアを吐かせたので良しとしましょう。

 

 そのタイミングで612先輩から緊急の通信が。

 

 

『ハウンズ!フロイトに抜けられた!後2分もしないうちに合流される!』

 

*1
様子のおかしい人です

*2
やっぱり心の中ではこの呼び方がしっくり来る





後編は既に完成しています。
1時間くらいの空き時間で最後の推敲とかをしてからの投稿になりますので、遅くても明日の昼頃までには投稿します。

各ハウンドのアセンブリについては、大まかにはトレーラームービーに準拠していますが、詳細は618も含め後編に載せます。
トレーラームービーに登場していない618はEN武器特化アセンです。

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

  • C4-617
  • C4-618
  • C4-619
  • C4-620
  • C4-621
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