ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
今回は、前話で書ききれなかった分なので少し短めです。
それと、アンケートを追加しました。
アンケートの質問文にも書いてありますが、ハウンズシスターズの人気投票です。
1位になるとお兄様との単独添い寝権が(シスターズの中で勝手に)与えられます。
……617と620の見分け(小説だから"読み分け"?)が付かないって?
コル・カロリの力量不足です。積載過多機体で出撃してお詫びします。("力量不足"だけに)
一応、ハウンズシスターズの会話は原則として
617→621 の順になるようにしているのである程度は見分けられます。
途中からではありますが、
617→お堅い委員長のイメージ
620→物腰柔らかな図書委員のイメージ
で書いているので、読み取れている方がいらっしゃるのなら… 感激だ…
(p.s. 余力があれば前の話も↑に則ってセリフとかを修正します。)
Side ラスティ
あの後も試合を続けて途中から五分五分程度には持ち込めるようになった。……格闘攻撃のキレが私の機体を使っていた時よりも数段悪くなっていたので、ほぼ確実に手加減をされていたのだろう。
勝ち過ぎてもアーキバスへスカウトがかかったりして面倒なことになるのは目に見えているからな。速水のスカウトについては……仮にかかっても本人は断りそうだな。
ちなみにだが、ハウンズリーダーは
「この後、実験飛行中に"不慮の事故"でパイロットが1名死亡する予定だ。」
と言っていた。その辺りは抜かりないか。
さて、今回彼と話して得られた収穫だが……彼の背景はわかった。そして、覚悟の強さも。
ルビコン解放戦線がコーラルを星外に輸出しようとしない限り、彼らはルビコンの解放者として、そしてルビコンの守護者として振る舞うだろう。
だが、それを破れば……惑星封鎖機構と企業を追い出し、ルビコンを取り戻した解放戦線の総力を以てしても彼らを止めることはできないだろう。
彼が背負っているものは、主人たるハンドラー・ウォルター、そして僚機のハウンズ、他にいたとしても……それでも両手で数えられる程度だろう。
だが、その"重み"が違う。"彼ら"とルビコンに住む数億の人間を選ばせたら、何の躊躇いもなく"彼ら"を選ぶだろう。
私は"ルビコン"を取り戻すために戦っている。
だが、その守りたい"ルビコン"とは一体何だ?
そこに暮らす人々か?
アイビスの火で大きく変わってしまったそうだが、この惑星に根付いた自然か?
あるいは別の何かなのか?
……私はそれに対して答えられない。
彼は私にそれを伝えたかったのだろう。
例え背景を手に入れていたとしても、それが鮮明なものでなければ覚悟もぼやけたものになる。
守りたいものがあったとしても、漠然としていれば取りこぼしたことに気付かず、死に物狂いになれない。
意味を理解せずに警句を唱えるだけの解放戦線をどこか冷めた目で見ていた。
しかし、少なくとも彼らには守るべきものは確実にあった。
産み育ててくれた親かもしれない。隣で肩を並べて戦う戦友かもしれない。安全な場所に疎開させた我が子かもしれない。
そして、その守るべきものは、生きて帰れる見込みが全く無いと理解していながらも、「守るべきもののためならば」と臆せずに進む強さを彼らに与えていた。
心意気はあっても現実的なプランを用意できていなかった解放戦線。現実的なプランを用意できていても精神的な土台の無かった私。……彼から見ればどちらも同じに見えていたのかもしれないな。
さて、そろそろ時間的にも最後の1本になるか。
「1つ頼みがあるのだが、聞いて貰えないか?」
『聞くだけは聞こうか。』
「これからはルビコンを解放するために共に戦うことになるんだ。君のことを戦ゆ──
『断る。』
──最後まで言わせてすらもらえないか。」
随分とそっけない……いや、拒絶気味の反応だ。私は何かやらかしたか?
「なら、君ではなくてハ──
『"笑えない"冗談だな。』
これまで感じていた圧力から雰囲気が変わった。
これまでは……例えるのなら解放戦線の交通の要衝たる"壁"に似ていた。
だが、この雰囲気は……例えるのなら、首筋に突き付けられた剣、牙を剥き出しにした猟犬と言ったところか。
「……その通りだな。本来は外の人間である君たちをルビコンの問題に巻き込むのは筋が通っていないな。」
『あくまでも我々の目的は"コーラルの管理"だ。そのために解放戦線に助力しているだけで、馴れ合うつもりは無い。』
「そうか……そうだったな、すまない。続けようか。」
最後の1本は、スタッガーを取って接近したところにアサルトアーマーを喰らい、そのまま拳で沈められた。
……どうやら私は、彼の地雷を踏んでしまったらしい。
アレは覚悟と言うよりは……もっと危険なナニカだ。
守るべきもののためなら……再び、このルビコンを赤く焼き尽くすことに躊躇いは無いのかもしれない。
「随分とシミュレータに篭っていたけれども……収穫はあったかい?」
「長丁場になると集中力が持たないな。最後の1戦はカウンターのアサルトアーマーを撃つべきだったが、距離を取ろうとしてトドメまで許してしまった。」
実際は、多少和らいだとは言え、あの圧力に怖気付いてしまったのだが。
「その機体で長丁場になることはほとんどないから仕方無いか。フロイト君との模擬戦も長くて1時間くらいだしね。」
「負けるとわかっていれば諦めは付くが、五分五分となると中々やめられない。」
「それで、そこまで粘ったのなら対抗策は色々と思いついたのかな?」
「ある程度は。後でレポートを提出しないとか……映像ログだけで済むと有難いのだがな。」
「スネイルのことだからそれは無さそうだけどね。V.IVの知見ともなれば大いに役立つはずだからね。きっとスネイルも君には期待しているんだよ。」
一瞬否定の言葉が出そうになるが、こうした積み重ねがスパイと疑われる原因になっているのかもしれない。
少なくとも、"完全な黒"と判断されてはいないはずだ。
「……確かにそうかもしれないな。でなければフロイトを送り込んで丁度いい戦闘欲求の捌け口にさせていたかもしれない。」
「……ああ、スネイルならやりそうだねぇ。」
Side ?????
「今回の視察の報告を。」
「わかったよ。」
「……まず、あのパーツだけど、1機分は買って運用方法の研究をした方が良いと思う。」
「あの脆い機体を?」
「あのスピードは厄介だったよ?後で映像を提出するけど、開発者本人とシミュレータで戦ったらボロ負けしたからね。」
ラスティ君は自分の機体から変えずに、最終的に五分五分になるまで対応できていた。いや、若いって良いね。
「何?……今確認できる分はここで確認します。」
「わかったよ。……これが私とラスティ君の戦闘ログ。こっちはラスティ君がまとめている最中の所感レポートだね。」
「……なるほど。徹底的に引き撃ちに徹し、有効打をそもそも与えられないようにすると。ですが、ミサイルを主軸にした機体と戦えばそうも言えないはずです。」
「察しが良いね。途中で機体構成を変えてこちらも全部ミサイルにしたら五分五分にはできたよ。」
「確かにそれは弱点と呼べるでしょう。ですが、全ての武装をミサイルにするなど本来は考えられません。……そう考えればこの機体にも有用な場面はあるはずか。」
流石に全部の武装をミサイルにするのは怖いね。"彼"と遭遇することも考えると、接近戦を無防備にするのは得策じゃ無さそうだ。
ラスティ君は、後方への撹乱攻撃が最適だろうと結論付けていたね。正面からの戦闘はあまり任せない方が良いとも。
「それと、単純にスピードで追い付くことも考えたけれど……これはラスティ君のログを見てもらう方が早いね。」
「ふむ……追い付けはしても決定力不足といったところですか。それならば、SAMPUかRANSETSUをVCPLのレーザードローンに変えれば差を縮められるでしょう。アレならフロイトも使っています。新たに開発したり導入したりするより手間がかからない。」
レーザードローンならどの距離でも対応できるから、悪くない選択肢だと思う。
ただ、それをラスティ君に伝えるかと言われると……
「それで、ラスティ君については"本題"を聞かなくても良いのかい?」
「元より期待はしていません。通信が不安定になるところに出撃するのであればまだしも、今回はシュナイダー社への出張です。他勢力と接触する暇は無かったでしょう。」
少なくとも、今回の出張に限っていえば完全に"白"だったかな。
「その通りなんだけどね。今回はシミュレータに篭もりっきりだったし、途中の戦闘ログにも変な点は無かった。ちゃんとラスティ君が動かしている動きだったね。」
「流石にそう簡単に尻尾は掴ませませんか。全く……シュナイダー社が"空力に適性があれば誰だろうと歓迎する"と世迷言を抜かしたせいで……」
「まぁまぁ。ペイター君があそこの逆関節脚部にお世話になっていたりで関係を切るのは難しいからね。」
「それならあの駄犬共の長と同じ働きをしてもらいたいものです。タキガワのパルスブレードまで一致しているのでしょう?」
「まだペイター君は若いからね。これからに期待だよ。……それと、ペイター君にハウンズリーダーの機体を試しに使ってもらったことがあるんだけれども──
「それは初耳です。」
──もちろん、シミュレータの中でだけどね。"とにかく扱い辛い"って言っていたよ。」
「遠中近、多数のMTから封鎖機構の大型兵器まで、どれにも対応できる万能な機体……いや、器用貧乏な機体か。」
器用貧乏と言えるけれども、それでも私とチェーホフ君の2対1で負けた以上、それを乗り越えて"万能"に仕上げているのは間違い無い。
「ペイター君の感想と同じだね。本当に、なんであんな機体で強いんだろうね。」
「まぁ良いでしょう。あのプランが成功すれば時代遅れの斜陽企業も、惑星封鎖機構も……そして何よりあの駄犬共も鎧袖一触になるはずです。」
「ああ……星外から輸入して欲しいって言っていた"アレ"のことだね。」
「ええ。本命2つと保険が1つ……これだけ用意すれば、どれか1つは成功させられるでしょう。物資管理は頼みましたよ。」
「任された──
『スネイル第2隊長閣下、緊急の連絡です。』
「用件を。」
『フロイト第1隊長が無断出撃をしました。行先はシュナイダー社。整備士には"あのパイロットも中々やる……面白い戦いができそうだ。"と伝えて出ていったそうです。』
「……シュナイダー社に連絡しておきなさい。"採用を前向きに検討している。フロイトの所感を待って最終決定を下す。"と。」
『承知致しました。失礼します。』
……そろそろ席を外した方が良さそうだね。
なに、ストレスが溜まると罵声を大声で言って発散したくなるのは誰だってそうだ。
最近のスネイルには良くあることだよ。
外に出てドアを閉め、少し経ったくらいで声が聞こえてきた。
頭の悪いシュナイダー上層部
シュナイダー出身のせいで尻尾を掴めない第4隊長
好き勝手に動くフロイト
どいつもこいつもこの私を苛立たせる……
死んで平伏しろ!
私こそが企業だ!!
やったね!ヤンデレタグの本領がまた少しだけ発揮されたよ!
……おかしいな。タイトルに則れば"ハウンズシスターズが"お兄様に重い感情を向けるはずなのに、"お兄様が"重い感情を向けている……
なるほど そういう展開もあるのか
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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