ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
土日の間にBランク昇格戦に手をかけられなかった……
とは言え、Aランク相手にストレート勝ちを1回できたり、Sランク相手にそこそこ粘れたりしたので収穫0でなかったのが幸いですね。
……あれ?もしかして
アーマードコアのプレイ時間(200時間ちょい越え) < この小説を書いている時間
だったりする……???何だかもうよく分かりません ありがとうございました
Side 612
あれからカーラたちは試射を続け、3km先の的に誤差1m以内に着弾させられるようになった。今度は10kmで狙い、誤差3mを目指すようだ。
……アイスワームの巨体を前に、そこまでの精度がいるのかと思ったりしたが、そこは技術屋としての血が騒いでいるのだろう。
実際のところ、私だって超長距離狙撃にはロマンを感じている。思わず笑ってしまうほど大きな砲にもロマンを感じている。
なら、その2つを組み合わせたらどうなる?……正直に言えば最高だ。
先程はああ言ったが、精度はあって困らないから良いだろう。陰険クソメガネ率いる部隊がハウンズ基地に攻め込んで来たら迎撃に使えるかもしれないからな。惑星封鎖機構の強襲艦を撃ち落とすのに使っても良い。
チャティは、「猛吹雪の中で30km先の強襲艦を狙っても、20発に1発しか外さない*1」と言っていた。
これが「2発に1発は当てられる」だったら、何だか嫌な予感がしていた。そうならなかったので良かったが。あんな奴はブルートゥだけで十分だ。
それと並行して進めていたもの……アイスワーム討伐となればスタンニードルランチャーが思い浮かぶが、今回は違う。
ウォッチポイント・アルファの高炉から莫大な電力を得られるため、プライマリーシールド、セカンダリーシールド諸共ぶち抜ける。ただ、確実に命中させるために何らかの誘導システムを準備する必要がある。
しかし、何らかの装置をアイスワームの顔面に取り付けるだけでは、直ぐに破砕されてお終いだ。よって、機械的な装置ではなく化学薬品を用いる。
──コーラル、または大気中の酸素と反応して特定の電磁波を放出する薬品だ。
砲弾に仕込まれた誘導装置がこの電波を検知し、その方向に(多少ではあるが)向きを変える。
目標の1km手前で角度を1度調整できれば、大体17.5m弱は調整できることになる。AC1機の高さに比べると少し大きめ程度だな。
さて、ここからは少々小難しい話になる。面倒なら読み飛ばしても構わない。
……いや、誰に向けて話しているんだ?疲れているのかもしれない。妹吸いでも……近くにいないのか。
チャティからもらった弾道データによると、面倒な空気抵抗の計算辺りを考慮すれば、9km〜10kmまでを抜けるのにかかる時間は約0.36秒。仮に10km先にいる相手がこの砲弾を回避しようとしたら、その0.36秒の間に18m近くを移動しなければならない。
これがACならQBでギリギリ避けられるかもしれない。だが、相手はあのデカブツだ。仮に動きが止まった瞬間に顔面のど真ん中を狙って撃てば、回避は流石にできないはずだ。
流石に30km先からの狙撃になると、13.25秒近くは弾着までにかかる。流石にアイスワームの機動性なら無理だな。
……いや、同じ30km狙撃でも、強襲艦になら当てられて、アイスワームに当てられないのは……あくまでも強襲艦は量産可能な兵器でしかないということか。そして、アイスワームの方については、流石は技研の遺産と言うべきか。
少し話が逸れたが、この辺りの計算については弾道学が扱っている。そして、その弾道学はかなり古くから……それこそ、起源を遡れば人類が宇宙に進出するよりも昔──14世紀頃──には萌芽があったらしい。
前世の教育水準に合わせると、高校生の物理であれば重力のみを考慮(空気抵抗を無視)すれば計算できる。だが、もう少し進めて大学生レベルにすると、空気の慣性抵抗を考慮する必要が出てくる。この場合は二階微分方程式を解くことになる。
もちろん、その二階微分方程式の中には砲弾の形状によって定まる係数もあるし、大気の状態によって決まる係数もある。……もっと言えば、その"大気"の状態(特に風速)は場所によって違うし、刻一刻と変わり続けている。
……専用の計算プログラムを組んだりしない限り、熟練の人間による"勘"の方がよく当たるかもしれないレベルだ。
しかし、今回のアイスワーム討伐ではチャティが狙撃手を務める。AI由来の計算能力は非常に頼りになると確信している。
小難しい話は終わった。
問題は、その薬品をぶち撒けるための専用兵装をどうやってぶつけるかだ。もう少し踏み込んで言えば、いつもの機体で兵装を換装するか、4脚を借りて実行するかだ。
……ルビコン解放戦線とシュナイダー社の仲を深める必要もある。ここはシュナイダーのアーマード(してない)コアを借りるとしよう。とは言っても621が乗る分だ。私は地上でヘイトを買う要員になるからな。
もちろん、エキスパンションはターミナルアーマーだ。事故死したら洒落にならないからな。
「お待たせしました。本日は……ラマーガイアーを借りたいと聞いています。詳細をお聞かせください。」
シュナイダー社に話を持ちかけたら、即日で速水モアがやって来た。やはりシュナイダー社だ。話も早い。
「中央氷原には封鎖機構のバケモノがいるのは知っているな?」
「はい。確か……IA-02:アイスワーム だったかと。」
……ほう。型番を知っているとなると、アーキバスもある程度の情報は集められているようだ。接収した封鎖機構基地に残されていた資料辺りが出処か?
「そうだ。近々……ハウンズはアイスワーム討伐作戦を行う。そこにシュナイダー社のラマーガイアーを借り受けたい。」
「ご購入はされないのですね?」
「残念だが、仮に購入したとしても格納庫でホコリを被るだけになる。」
余程の事情が無い限り、あのペラッペラな機体には乗りたくないからな。……本来は実験実証機の位置付けだったはずだしな。
「今回限りの使用となってしまうのは極めて残念ですが……我が社の製品の宣伝になると思えば良いでしょう。」
「機体の修理費などについては、実費の2倍は出そう。……無論、不測の事態で壊れた場合についても全額支払う。」
「わかりました。……こちらとしても対大型兵器との実戦データを得られる機会はありません。戦闘中に得られたデータについては値段を付けさせて頂きます。」
そう言って渡されたデータには……
「これだと、戦闘データを渡すだけで修理費辺りが全部賄えることになるが……桁を間違えたりしていないか?」
「いえ。間違えていません。軽量機体の速度を活かし、大型兵器……の枠にすら収まらない超大型兵器を打ち倒す。シュナイダー社の宣伝としてはこれ以上無いものになるでしょう。その分も含めていますので。」
なるほど。"ハウンズが実際に使った"だけでもかなりの箔になる。その効果も見込んだ金額だったか。
「わかった。そちらの方でフレームを1セット準備して欲しい。武装などはこちらで用意する。」
「承りました。納期はいつまででしょうか。……最短で今日の夜には届けられます。」
いくら何でもビックリの早さだ。……既に組み上がっている機体を持ってくるだけだからできる芸当か。
「1週間以内ならいつでも構わない。」
「こちらの方でオーバーホールメンテナンスをするとなりますと……およそ3日後には最良の状態でお届けできます。」
「そちらの都合で構わない。……流石はシュナイダー社だ。話の早さも納期も他とは比べ物にならないな。」
「そう言われましても、機体メンテナンスサービスの優先権くらいしか出ませんよ?」
……"何も出ない"とは言わない辺り、この褒められ方はかなり刺さっているようだ。
上げた好感度を活かして解放戦線の側に付いてもらうためにも、こうしたリップサービスは大事だからな。うん。
こうして速水は随分と上機嫌な様子で帰った。
……終わった後、速水の様子を見た617たちからジト目で見られたが。企業の人間との取引だから心配するようなことは起こっていない。決して。
あれから3日経ち、約束通りラマーガイアー1機が送られてきた。向こうが気を利かせてターミナルアーマーを付けてくれたが……あのリップサービスへの返礼だろうな。
早さを褒められただけでこの対応……
私で例えるのなら、617たちを褒められて、サービスとして依頼を1回無料で受けると言うようなものか。
……いや、617たちを褒めるポイントによっては、「何故お前がそれを知っている」と排除対象になるから微妙に違うか。*2
621が乗る前に一度ジェネレーターを起動し、動作テストをする。……何も問題無いな。
技術屋集団としてのシュナイダーは信用しているが、アーキバス陣営となると陰険クソメガネ辺りの工作は警戒しないといけなくなる。
……まぁ、機体に何か細工をする類の工作なら、シュナイダー社は全力で拒否するだろう。そのくらいには信用している。
ただ、シュナイダー社には知らせずに何かをしている可能性があるので、システム回りについては一度エアに確認してもらう。
『システムをスキャンしましたが、特に異常はありませんでした。』
良し。エアが言うからには大丈夫だな。
アーキバスは中央氷原から撤退したから、シュナイダー社経由でこちらに工作を仕掛ける余裕が無くなったのか?
いや、これまでもシュナイダー社を経由した工作は特に無かった。精々、"ハウンズに関するデータを渡せ"くらいのものだろう。そしてハウンズに関するデータと言っても、シュナイダー社のパーツを使っているのは私だけだから大したデータは得られていないはずだ。
それにしても……このスピードは案外癖になるな。私もブースターをKIKAKUからSPDに変えて速くするか?多分370近くまでは上がるはずだ。
いや、ここで切り替えて使用感が変わると事故に繋がりかねない。引き撃ちもQBを織り交ぜてどうにかなっているからこれで良い。……それなら、SPDよりはQB性能重視にするべきか?しかしKIKAKUのブレキャンも捨て難い……ぐぬぬぬぬぬぬ。
さて、今度は武装を全部詰んだ場合だが……
……これは私の機体でSPDを積むのとトントンくらいか。
| C4-621 | |
| R-ARM UNIT | MA-J-200 RANSETSU-RF |
| L-ARM UNIT | MA-J-200 RANSETSU-RF |
| R-BACK UNIT | NONE |
| L-BACK UNIT | WB-1888 FLYING FISH |
| HEAD | LAMMERGEIER/40F |
| CORE | LAMMERGEIER/44F |
| ARMS | LAMMERGEIER/46F |
| LEGS | LAMMERGEIER/42F |
| BOOSTER | ALULA/21E |
| FCS | FC-006 ABBOT |
| GENERATOR | AG-E-013 YABA |
| EXPANSION | TERMINAL ARMOR |
RaDの特殊兵装(WB-1888 FLYING FISH)が、先程言っていた誘導電波を放出する薬品をぶち撒けるものだ。
重量は5500とSONGBIRDSと同じになっている。私の機体にも積む想定で重量を調整してくれたか。助かるな。
わざわざこんな特殊兵装を開発した理由だが、カーラ曰く
「画像処理にするとカメラの部品とかが耐えられないのさ。だから、数種類の波長に特化したセンサーを無理やり内蔵して、それに追尾させるのが限界だった。」
だそうだ。砲口初速4000m/s(マッハ12近く)は流石に耐えられなかったのか。
私も今回のミッションだけは機体構成を少し変えて挑む。
と言っても、
左腕:初期ブレード→パイルバンカー(621のを借りる形に)
右肩:中3連双対ミサイル→外す
左肩:SONGBIRDS→特殊兵装(誘導薬品ランチャー)
ブースター:KIKAKU→SPD
と変わったくらいだ。
……いや、結構変わったな。元の武器はランセツしか残っていない。
さて、後は621の慣らしに付き合うとしよう。私もこの機体の感覚を完璧に掴んでおきたいしな。
今はベイラムの基地に来ている。前と同じように護衛として621(いつもの機体)がいるが、今回は襲撃の心配も何も無い。随分と気が楽だ。
呼び出された理由だが、ミシガンと五花海以外のレッドガンも動員するため、ブリーフィングに参加して欲しいとのことだ。
惑星封鎖機構の増援に対処するためと言われた。その申し出は助かるのだがな。
「役立たず共!ブリーフィングの始まりだ。一言一句聞き漏らすことの無いように耳の穴をかっぽじって良く聞け!」
「今回の作戦立案はそこの猟犬だ。説明しろ。」
「まず、作戦への協力感謝する。ミシガンがいるから余計なことは言わん。本題だ。」
「G1ミシガンとG3五花海に頼む仕事は、最前線でアイスワームの気を引くことになる。4脚のホバー形態を活用して被弾を抑えろ。可能であれば、五花海はグレネードを装備するように。」
「他の参加者……G4,G5の両名は30km程離れた地点で待機。封鎖機構の増援に対処してもらう。」
「ケッ、レッドガンを雑用係に使おうってか。随分とナメられたもんだな。」
「ほう?なら最前線に送り込んでやる。あのデカブツに食われて死んでも知らんがな。」
「そもそもテメェら野良犬共だけでやれってん──
「G5!無駄口を叩くな!本来なら貴様は幼子のように留守番をさせるはずだった!手柄を立てる機会をくれてやったのに無駄にしたいようだな!!」
──イチイチうるせぇな゛っ゛?!」
ミシガンのアイアンクローが炸裂した。
なるほど、床を血で汚さないように配慮した結果か。鉄拳制裁で顔面が変形しない分優しいな。
……いや、アイアンクローでも骨が変形しそうだからそうも言えないか。
「……気にせず続けろ。」
「そうさせて貰おう。」
アイアンクローをされて呻き声と喚き声の中間を絞り出しているイグアスを横目に続ける。
「その他割り当てられたレッドガン隊員は、作戦領域に近い解放戦線の基地にて待機だ。向こうには話を通してある。……くれぐれも問題は起こすなよ?MTやACがあるとはいえ、寒空の下に放り出されたくなければな。」
「それと、こちらの負担でRaDの食糧プラント産の食事を用意しておく。手間賃代わりだと思え。……叩き出された奴はありつけないだろうがな。」
企業でもない、ただの独立傭兵集団に良いように使われていると思われると反発心を産みかねない。その辺のケアはしてある。
……それと、レッドガンにはRaD産食糧の大口契約者になってもらう狙いもあったりするが。解放戦線の食糧よりは、味の面で優れているからな。値段もそれ相応だが。
「さて、ミシガン。ただのブリーフィングなら私をこちらに呼び寄せたりしないはずだ。……4脚以外のAC、さらにはMTまで動員したことへの礼は何だ?」
「その辺りの感覚は鋭いか。コイツらに稽古を付けてもらおう。アーキバスが撤退してから気が緩んでいるからな。」
「それだけか?」
「ああ。」
「内容は。」
「好きに決めろ。」
ふむ……そう来るか。
なら、レッドガン部隊迎撃の再現と行こうか。
「ハウンズ5、聞こえているか。」
『聞こえているわ。』
「ミシガンからの要望でレッドガンにシミュレーターで稽古を付ける。G1,G3,G4,G5とMT部隊群を、バートラム宇宙港で私と2人で相手する。行けるな?」
『余裕ね。もっと増やしても良いのよ?』
「他は警備任務だったりで参加できない。これが上限だ。」
『なら、私と兄さんとで競争もする?』
「そうするか。」
621との共同ミッション……それが、あの"レッドガン部隊迎撃"となれば、久々に前世の記憶が刺激される。
「ミシガン、お前も含めて全員シミュレーターに入れ。バートラム宇宙港でハウンズ対レッドガン部隊と行こうか。」
「ハウンズはお前と護衛の2人しかいないが良いのか?」
「構わん。……落とせたら、ハウンズの負担でRaD産食糧1ヶ月分でもくれてやる。」
「ほう……良いだろう。聞いていたな!美味い飯にありつきたければ猟犬共を全力で落とせ!」
この後、レッドガン部隊は文字通り全滅判定を喰らった。
私と621の競争は、パイルバンカーで高火力を叩き出せる621に4脚MTの撃破ポイント分で競り負けた。
それにしても、ただのMT部隊と違って練度は高かったな。
盾持ちの後ろにバズーカMTを配置したりと、兵装別に役割分担がしっかりしていた。
特に、ヴォルタイグアスのコンビと取り巻きMTで圧をかけ続ける戦法にはそこそこ手子摺った。……取り巻きから排除して、次にヴォルタ、最後に私がイグアスを少し煽りながら撃破したが、まぁ良いだろう。
……イグアスが変に621に突っかかったりしたら面倒だしな。"3周目"の最後を知っている身としては。
Side ?????
「実験の進捗は?」
「今のところの成功率は……第1段階は90%を超えている。だが、第2段階の成功例は0だ。」
「ふむ……工場を準備したお陰で素材の調達のみで事足りるようになりましたが、第2段階がこのまま失敗し続けると面倒です。」
「まぁ、こちらにハウンズは来ていないんだ。調達を邪魔されることは無いだろう。」
「その通りです。それと、保険として準備したプランの方は。」
「今は設備に空きが無いから実施できていない。」
「わかりました。保険なので優先順位は低くても構いません。第1段階の成功率を100%に近づけるためなら、可能な限りリソースを捻出しましょう。必要なものがあれば随時報告するように。」
「わかった。」
──────
「既に実験は軌道に乗り始めている……。後は完成例が1つでもでき上がれば、アーキバスの勝利は揺らがないものになる。」
「この計画が成就した暁には、駄犬共が束になろうともなぎ払える。その時こそ……死んで平伏させ、企業の力を知らしめる時だ!!」
途中で射撃データがちょろっと出てきましたが、こちらのサイトにてデータ算出をしました。
弾道学は素人(一般的な物理学の知識止まり)なので、間違いがあったら初期ブレードで切腹してお詫びします。
さて、今回でイグアスによる「イラつくぜ… 野良犬に… 憧れたんだ」フラグが圧し折られました。それと、ラスティによるイケメンシーンのフラグも(アーキバス撤退後にアイスワーム討伐の段階で)既に圧し折られています。
お兄様の独占欲も強くなっていますが、妹たちも妹たちなので割れ鍋に綴じ蓋ですね!!
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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