ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

50 / 111

寝て起きたら凄く筆が進んだので、日付が変わってから換算だと2本目、実質的には2日連続の投稿です。

えっ?「3本目じゃないのか」ですか?
はて、一体何のことでしょう……


選択ミッション

 

Side 612

 

 

アイスワームを撃破してからルビコンの情勢は大きく動いた。

 

まず、ベイラムはレッドガンに大規模な封鎖機構襲撃を要請。表向きは、機に乗じて封鎖機構を叩くべし……となっているが、実態は違う。

 

"アイスワーム殺し"の異名はベイラムの経済圏に大きく広がり、社内でのレッドガンを支持する派閥の影響力が強まった。その結果、ミシガンがかつて所属していたファーロンの買収計画が危ぶまれているそうだ。

そこで、ミシガンが惑星封鎖機構との戦闘中に"転び"、仇を取るためにファーロンと強固な同盟関係──実態はもちろん買収だ──を構築しようとした。

 

そこでミシガンは、かねてより策定していた離反を実行。解放戦線側への全面的な協力を表明した。目的は、封鎖機構とアーキバスをルビコンから追い出し、レッドガンの隊員を1人でも多く故郷へ送り届けることだとした。

無論、そのときにベイラム上層部の無策な物量作戦への批判、犠牲者の多さも暴露した。そのため、ベイラム経済圏であってもレッドガンに同情的な意見が多いようだ。

 

そこからは、裏切り者を懲罰しようとするベイラム残存勢力と、レッドガンの争いが始まった。

そこに惑星封鎖機構も便乗して両勢力を叩こうとしたが、ハウンズの横槍によってさらに戦力をすり減らすだけとなった。

 

 

 

これだけでも大きな動きではあるが、まだ終わりではない。

ベイラムとレッドガンの争いが勃発してから1ヶ月ほど経った頃に、さらなる展開を迎える。

 

 

 

アーキバスが惑星封鎖機構を壊滅させたとの報告が入った。

……正直に言えば信じ難いが、解放戦線の相手を一時的に放棄した上で全戦力をぶつければ、ベリウス地方の封鎖機構戦力を壊滅させることは可能だろう。

それ相応の損害も負ったようだが、気になるのはその内訳だ。

 

残っているヴェスパーの隊長格……フロイト、陰険クソメガネ(スネイル)、オキーフ、ラスティ、ホーキンス、スウィンバーンの6名から死者は出ていない。そして、映像などが残されていないため解放戦線偵察兵からの証言しか情報が無いが、新たなヴェスパー隊長格が確認された。

 

V.Ⅸ ゲルニカ……再びその名を見ることになろうとは。

星外からの輸入を行っていたのも、ファクトリーでの手術体制を強化するためだとすれば説明ができる。

新兵器や新機体にばかり意識が向いていて、これは盲点だった。

 

曰く、「純白の機体」「目で追うことすら不可能に近かった」「既存ACの動きでは無い」と。

残念なことに、その偵察兵は無線で情報を伝えたために位置が露呈して……殉職してしまったそうだ。

 

 

情報封鎖が徹底されており、エアでも調べられなかったようだ。

機体は電子機器が極めて少ない環境下で整備され、カメラのハッキングはおろか、その他センサー類へのハッキングも成果は得られなかった。

 

唯一得られた成果は、フロイトと頻繁に模擬戦をしていただろう……ということだけだ。

これは、フロイトがシミュレーターに篭っている時間帯と、その他ヴェスパー隊長格の動向を擦り合わせた結果から導かれた推論だ。……調査を急いだせいで尻尾を掴まれたのか、フロイトの動向も探れなくなってしまったが。

 

やはりあの時にホーキンスを始末できていれば……いや、あの陰険クソメガネも馬鹿ではない。こちらの狙いを見透かした上で、ペイターとメーテルリンクを生贄として差し出し、満足させたのだろう。

……奴も本気だな。

 

惑星封鎖機構を潰したのは"慣らし"だ。

 

次は……ハウンズを潰しに来る。

 

 

 

事実、アーキバスの主力格が再び中央氷原に戻ってきた。

そして、戦力を集めている地点から、狙いもわかっている。

 

……リリースプラントだ。

 

惑星封鎖機構を襲撃した情報から、技研都市……そして、集積コーラルの情報は得ているはずだ。

そこをハウンズが徹底的に防衛しているとなれば、もはや子供でもわかる。ハウンズは、既に"王手"を掛けている。だが、"詰み"ではない。

少数精鋭の弱点として、動かせる戦力が少ないことがある。

 

ならば……敵対勢力が減った今は、総力を挙げて潰す好機でしかない。

 

 

 

企業とは真正面からの殴り合いを避けていた。

ハウンズはたったの6機……数で圧殺される可能性があったからだ。

 

だが、今は数も揃った。

生産体制はBAWS、エルカノ、RaD、ファーロン、そしてシュナイダー。

戦力は、解放戦線とレッドガン……そして、何よりもハウンズがいる。

 

 

ここで、アーキバスに押し潰され、全てを失うか。

ここで、アーキバスを叩きのめし、未来を掴むか。

 

 

コーラル争奪戦……いや、防衛戦か。

この争いの決着は近い。

 

 

 

 

 

 


 

Side 621

 

 

アーキバスによって惑星封鎖機構が大きく勢力を削られ、ベリウス地方の解放戦線だけでも互角以上に対抗できるようになった。

そしてリリースプラントの建設に集中できるようになり……

 

事態は、思いもよらない方向へ転がり始めた。

 

 

秘匿性を高めたいのか、義体ではなくて、"交信"でエアが話しかけてきた。

 

 

《レイヴン、617たちと612からそれぞれ依頼が入っています。ただ……その内容が……》

 

「依頼?わざわざ回りくどいやり方をするのね……エア、その依頼を見せて。」

 

《……わかりました。ですが、私は内容を一切改変していません。原文のままです。》

 

 


 

 

621、これは私たちハウンズとしての依頼です。

貴方はこの世界とは違う結末を迎えた世界の記憶を持っている。……そして、ルビコニアンたるCパルス変異波形のエアと交信しており、私たちとは少し事情が違うためこのような形を取っています。

 

今や私たちハウンズ……いえ、オーバーシアーは邪魔な勢力を排除しつつあり、コーラルリリースプラントの完成が現実的なところまで来ました。ですが、アーキバスはコーラルを奪おうと再び中央氷原に戻ってきました。

 

 

 

本題に入ります。

 

 

内容は、コーラルリリースプラント防衛の……()()

アーキバスにコーラルリリースプラントの一部を破壊させることでルビコンの大地にコーラルを充満させ、アイビスの火を再び起こさざるを得ない状況にします。

 

 

目的は……このルビコンを私たちの星とすること。

 

お父様とお兄様はコーラルによる破綻を回避するために動いていましたが、その過程で逆恨みではありますが多くの恨みを買っています。

ですので、破綻を防いだとしても今度は報復に怯える日々が待っているでしょう。

いえ、今さら企業の有象無象共に怯えることはありませんが、万が一、億が一でもお父様やお兄様、私たちが死ぬようなことがあってはなりません。

ですので、企業に惨禍の責任を全て擦り付け、私たちだけの楽園を手に入れられるこの機会を逃す訳には行きません。

もちろん、この計画が完遂されればルビコンに住む人間は極めて運の良い一部を除いて全員死ぬでしょう。

 

きっと、この計画をお父様やお兄様が知れば私たちに大罪を犯させまいと全力で止めるはずです。

ですが、私たちは既に決めています。

お父様とお兄様のためならば、全てを黒く焼き尽くすとしても決して止まらないと。

 

私たちに賛同してくれることを願います。

 

 


 

 

 

《……とても正気とは思えません。コーラルが争いの火種であるから全て焼き尽くすと言われた方がまだ納得できました。》

 

《彼女たちは……狂っています。いえ、正気を保ってはいるのでしょうが、価値観が……何を選び何を捨てるか、その選択が致命的に狂っています。》

 

《……断れば彼女たちとの全面対決になるでしょう。あなたも姉である彼女たちと戦いたくない、そう思っているでしょうからその手を取ったとしても文句は言えません。》

《私も一度コーラルリリースを引き起こし、人間世界の惨禍を招いた身です。今さらどうこう言うつもりはありません。ただ、何を捨てて何を選ぶか、それが違うだけなのですから。》

 

《ですが、それを決めるのはまだ少しだけ待ってください。》

 

《……612からの依頼を読み上げます。》

 

 

 


 

 

621、お前にイレギュラーとして……いや、ハウンズの一員として頼みたいことがある。

 

 

少し前からではあるが、617たちの様子がおかしくなっていることには気付いていた。

 

まだ確信は持てていないが、何か大きなことをしようとしているのでは……と考えている。

流石にウォルターの目的を邪魔することは無いはずだから……これが終わったら私やウォルターを拉致監禁してどこかで暮らそうとしているんじゃないかとか、そんな感じで見当を付けてはいるのだが。

 

 

……話が逸れたな。内容は、その617たちの調査だ。

 

もちろん、私の取り越し苦労で何も無ければそれが最良だ。

ただ、617たちが何かを企んでいて、それがウォルターの目的を阻んだり、意に背くようなものであれば止めて欲しい。

もちろん止めるときには私が主体となって動くが、私だけでは手が足りないかもしれない。その時に頼らせて欲しい。

 

 

……随分と曖昧な頼みですまない。だが、お前にしか頼めないことでもある。

引き受けてくれることを願う。

 

 


 

 

《612からは以上です。》

 

《……私はあなたの選択を尊重します。例えそれが、今度こそ全ての同胞を焼き尽くすことになったとしても。》

 

 

 

父さんと兄さんの"仕事"を完遂するか……コーラルの管理を放棄して、"自由"を手に入れるか……

 

私は……私は……

 





はい、4周目と5周目の分岐のお時間です。

なっ、なんだってー。617たちがとんでもないことを計画していただなんてー(棒)


ちなみにですが、4周目でどちらを選ぶのかは決めています。
6周目まで考えて、できるだけ綺麗な終わり方になるようにしたつもりです。


それと、後半部分(Side 621)の部分は、かなり前(記憶だと10月後半くらい)に書いてあった部分なので、少し書き方の雰囲気が違うかもしれません。
修正をして展開に矛盾が無いかは確認しましたが、オマちゃん並のポンコツをやらかしていないとも限らないので、不自然な点があったら遠慮無く指摘して頂けると助かります……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

  • C4-617
  • C4-618
  • C4-619
  • C4-620
  • C4-621
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。