ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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分岐ポイント(The Point of No Return)です。
ここからは"4周目"として章を分けていきます。

コーラルを手に入れたいアーキバス、コーラルを管理下に置きたい"オーバーシアー"、そして……コーラルを焼き払いたい"ハウンズ"。
一体、惑星ルビコン3はどうなってしまうのか……


よろしければ、ゲルニカの"正体"にどこで気付いたのか……はたまた、最後までスネイルの掌の上で踊らされていたのか感想で教えてください()

それと、念の為に、念の為に(大事なこ(略))、近くにサンドバッグを準備しておくと良いかもしれませんね。オープンフェイスのエンブレムを貼り付けるとさらにGoodです。



4周目(選択ミッションから分岐)
"Remember", your hounds will "Feed the fire".


 

 

 

612の依頼を受ける◀ ▶617たちの依頼を受ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

612の依頼を受ける617たちの依頼を受ける

 

 

 

 

 

 

 

 


 

Side 621

 

 

私は……姉さんたちの手を取ることを選んだ。

父さんと兄さんを"自由"にするために、私は……私たちは、コーラルを焼き払う。

 

エアは生き残らせて、維持に必要なコーラルだけは確保する。でも、それ以外のコーラルは根絶する。

 

私は……"1周目"と同じ選択をした。でも、それはウォルターの"猟犬"としてでは無く……自由を求め、全てを黒く焼き尽くす"レイヴン"として。

 

 

617姉さんたちのところに向かい、協力することを伝えた。

 

 

「依頼の受諾感謝します。やはりあなたも私たちと同じでしたね。……あらぬ疑いをかけてごめんなさい。」

 

 

《レイヴン……やはりそちらを選んだのですね。》

《いえ、先程も言いましたがあなたの選択を尊重します。》

 

「……エア、ごめんね。」

 

もちろん、エアの同胞を焼き払うことに罪悪感はある。

それでも……その罪悪感が、父さんと兄さんを自由にするための"代償"であるのなら、私はそれを受け入れるわ。

 

《焼き尽くされるであろう同胞たちのことを思えば、辛くないと言うと嘘になります。》

《ですが、人の強欲さを知り、私たちの性質を知った今では……人という種とコーラルという種の共生が叶わないことは理解できました。》

《叶わない理由は、強欲な人間にも、宇宙全体を汚染しかねないコーラルにもどちらにもある。だから、これは誰も悪くない。いえ、互いが悪いのです。》

 

《だからこそ、当事者が何を捨てて何を選ぶかで決まるべきだと思います。》

 

 

エアは約束を守ってくれた。私がどちらを選んでも尊重してくれると。

 

 

《……本来であれば私はコーラルの側を選ぶべきでしょうが、4回に渡るあなたとの交信を経て人の側にいたいと願うようになりました。》

《……ですから、私のことは気にしないで下さい。》

《いえ、気にしては欲しいのですが、気に病まないで……と言う方が合っていますね。》

 

 

エアも、私の道を……地獄の炎に焼かれながら進む修羅の道を共に歩んでくれる。

……だから、もう止まれない。止まらない。止まることは許されない。

 

 

《……それに、彼女たちの計画が成功すれば、コーラルのことを理解した人間と、人のことを理解したルビコニアン(Cパルス変異波形)だけがルビコンに住むことになります。例えそれが少ない人数と1つの波形だけだとしても、ある種の人とコーラルの共生だと言えるはずです。》

《恨むのならコーラルを星外に持ち出そうとして騒ぎを大きくした企業と、封鎖するだけで何もせず時間を浪費した惑星封鎖機構だとわかっています。ですから、私のことを気にして立ち止まるようなことだけはしないで下さい。》

 

「エア……ありがとう。」

 

 

そして、その修羅の道を歩み抜けば……私の望む結末に辿り着ける。

 

父さんと……ウォルターと共に生きる未来を。

 

 

 


 

 

 

617姉さんたちとのブリーフィング……兄さんのいないブリーフィングは初めてね。しようとしているコトだけに、こうなるのは当然だけれども。

 

 

 

「作戦の概要を説明します。」

 

「お兄様には怪しまれないように以下のようなシナリオで進めます。」

「ミサイルやグレネードを防ぎきれずリリースプラントの一部が損傷し、コーラルがそこから噴出。戦闘中に誤ってそこに突っ込んでしまい、脳深部コーラル管理デバイスや機器類に異常が発生。結果として戦闘能力が低下してやむを得ず撤退……というシナリオです。」

 

 

あくまでも、然るべき場面で少し手を抜くだけね。

戦場での事故は良く起こること。それがたまたまリリースプラント防衛戦のときに起こってしまっただけ。

 

 

「わかったわ。父さんのためにも、兄さんのためにも必ず成功させるわ。……いえ、失敗の方が適切ね。」

 

「ただ、お兄が全部片付けちゃったら流石に諦めるから。そこは忘れないで。」

 

「了解よ。」

 

 

 

それもそうね。わざと味方を……いえ、"家族"を撃つようなマネは絶対にしたくない。だからこそ、この作戦は敵の動きにかかっている。

……作戦立案としては下の下も良いところなのはわかっているわ。でも、最優先事項は「父さんと兄さんにバレないこと」だから仕方ない。

 

 

「作戦を立案したのは私ですが……正直に言えば成功率は五分五分と見積もっていますわ。」

 

「いくらお兄様と言えどもヴェスパーの残りをまとめて相手にして……私たちが最低限の自衛をしている間に片付けてしまいそうですね。」

 

 

もちろん、手を抜くと言っても、私たちから死者が出ることは許されない。だから、敵は殺す。

それに、兄さんが死ぬことだって許さない。だから、兄さんのところに向かう敵が多くなりすぎない程度には奴らを殺す。

 

 

「お兄様が片付ける形で私たちの作戦が失敗したら、それはそれで報復の心配が無くなります。関係者が軒並み死んでいますから。」

「それに加え、ルビコンに来ていない企業の上役共は恐れを成して手を出さないはずです。」

「つまり、どう転んでも私たちは安泰という訳です。」

 

「617も随分と口が悪くなった。」

 

「企業の上役に"共"なんて付けなかったでしょうし。まあ、気持ちはわかりますわ。特にあの陰険クソメガネは機体を完全に破壊した後に死体蹴りを1時間はしないと気が済みそうにありませんわ!!」

 

「こればかりは同意しますよ。私たちに何度も謀略を仕掛けていたようですからね。」

 

 

 

さあ、火を点けましょう。

 

燃え残った……"敵"の全てに。

 

 

 


 

Side 612

 

 

621から依頼受諾の返事をもらえた。

調査をして欲しい……とは言ったが、これまで通り過ごして、違和感がある会話や行動があったら教えて欲しいとだけ伝えた。

 

"何か"があったとしても、少なくともリリースプラント防衛戦を控えた今に実行することは無いだろう。

リリースプラントの防衛に失敗すれば、アーキバスの奴らはコーラルを輸出し始める。それは即ちオーバーシアーとしての敗北に他ならない。

だから、今動くことは無いはずだ。

 

 

 

さて、ブリーフィングの時間だ。

 

 

「今回はリリースプラント防衛戦だ。敵はアーキバスルビコン進駐部隊の総力。……本気で決着を付けに来たようだ。」

「我々ハウンズの役割は、敵の主力……ヴェスパー隊長格の撃破だ。」

 

「特に注意するべきは、フロイトと……再び確認されたゲルニカだ。これは私と621で対処する。」

「617たちには、残りの奴らを任せる。」

 

 

「お兄様、ラスティとかいう第4隊長はどうなっていますか?」

 

 

確かに、ラスティは未だにヴェスパーの第4隊長として所属している。だが……

 

 

「恐らく、こちら側に寝返る……いや、"元の所属"に戻るだろうな。いざとなれば、エアのハッキングで寝返りを要請する。」

 

「わかりました。」

 

 

ラスティが寝返れば、4対5から5対4と数の上でも有利になる。

クソメガネは617の引き撃ちで、オキーフは620の接近戦で、ホーキンスは……ラスティに任せるか。スウィンバーンは618が、そして619が全体の支援で入れば損失無しで勝てるはずだ。

 

 

「防衛戦の性質上、事前に配置は決定しない。各自が担当する敵ACの位置に合わせて臨機応変に動いてくれ。」

「指揮については、私に余裕がある間は私が、無くなった場合はウォルターに任せる。」

 

 

 

 

 


 

 

ハウンズ全員、そしてカーラやチャティ、その他防衛兵器などの配置も完了した。

 

今は、レーダーに表示された識別不明機体──間違いなくアーキバス勢力だが──の位置を追っている。

 

やがて、ACのレーダーにも捉えられる距離になり……

 

 

「ハウンズ、交戦相手の報告を。私のところはゲルニカだ。」

 

『621、フロイトと交戦する見込みよ。』

 

『こちら617、敵はその他ヴェスパー隊長5名。』

 

 

私にゲルニカを割り当てたのは……ゲルニカがフロイトよりも強いからなのか?

そのレベルの警戒をしておこう。

 

 

『621、V.Ⅰフロイトとエンゲージ。戦闘に入るわ。』

 

 

 


 

Side 621

 

 

『お前は……ハウンズ5か。お前もハウンズリーダーと同じくらいにはできるようだが……まぁ良い。さっさと倒してアイツのところに向かうとしよう。』

 

 

フロイトは私のことを"すぐに倒せる相手"だと見積もっているようね。……ウォルターの猟犬としてのプライドが苛つきを生むけれども、ここまで大口を叩くからには何かあるはずよ。

兄さんが言っていた通り、最大限に警戒して戦うべきね。

 

 

「621、V.Ⅰフロイトとエンゲージ。戦闘に入るわ。」

 

 

スキャンで捉えてからミサイルを発射。フロイトなら遮蔽を使うか、ただのブースト移動で振り切るはず。それをさせないためにSONGBIRDSを撃つ。

2連続QBで躱される。ランセツで射撃して少しづつ衝撃値を溜める。それにしてもレーザードローンが厄介ね。嫌なタイミングで差し込まれているわ。まるで全部人力で操作しているみたいに……

 

 

待って?()()()()()()()()()

有り得ない。フロイトはただの真人間のはず。兄さんと戦ったときだって強化人間のような動きではなかった。

 

それなのに、今は違う。明らかに……真人間には耐えられないはずの連続QBの加速度に耐え、レバーやボタン、トリガーの操作だけでは説明ができない多彩な動きをしている。

 

まさか!!

 

 

『やはり、この()()()()()()正解だったな。ロックスミスと1つになった気分だ。』

 

「兄さん、フロイトが強化人間の手術を受けていたわ。……念の為に増援の準備をお願いするわ。」

 

『了解。ウォルター、エンフォーサーを……621と617たちの中間地点で待機させてくれ。』

 

『わかった。……619、可能な限り速やかにその他ヴェスパー隊長を撃破して欲しい。621の増援に向かうか、横槍を入れさせないように周辺の敵を掃討を頼むかもしれん。』

 

『619、了解しましわ。多少の損傷は度外視で短期決戦を仕掛けます。補給シェルパの手配をお願いしますわ。』

 

 

 

フロイトが強化人間手術を受けているのは……好都合ね。

617姉さんたちが焦って事故を起こした……その筋書きに信憑性が生まれるわ。

 

もちろん、私が倒せなければ意味は無い。……勝ってみせるわ。

 

 

『さっさと終わらせよう。ハウンズリーダーがゲルニカに殺される前に。アイツを殺るのは……俺だ。』

 

 

訂正が必要ね。

 

フロイトは……ここで殺す

 

 

 


 

Side 619

 

621がフロイトとの交戦を開始しましたわね。

こちらに来ているのは、事前の想定通りヴェスパー隊長5人。

 

 

「619、ヴェスパー隊長5人とエンゲージ。交戦を開始します。」

 

『カビの生えた駄犬共がここまで手を煩わせるとは……だが、それも今日で終わりだ!死んで平伏させてやる!私こそが企業ダッ?!』

 

 

V.IVラスティが裏切りましたわね。チャージしたレーザースライサーで切ってから、追撃にアサルトアーマー。

IFFの識別タグが変わりましたわね。流石はエア、仕事が早いですわ。

 

 

『さて、積もる話はあるかもしれないが……私には、このルビコンで為すべきことがある。ルビコン解放戦線所属のラスティとして、助太刀しよう。』

 

 

お兄様の独占欲を考えれば(もちろん私の心情もそうですわ)あまり会話はしたくありませんが……最低限の意思疎通は図るべきですわね。

 

 

「こちらハウンズ3。話はハウンズリーダーから聞いています。ホーキンスの相手を。他はこちらで受け持ちます。」

 

『了解した。』

 

 

 

『ここで不意打ちを許したのは想定外でしたが……貴様の裏切りは分かっていたことだ。だが、貴様はこの決戦に呼ばれている。その意味を教えてあげましょう。』

『……V.Ⅸゲルニカ。アレがいる限り、貴様らの勝機は万に一つも有り得ない!』

 

『秘匿されていたヴェスパーのナンバーか。だが、ただ強いだけのACなら……彼が勝つだろうな。』

 

『随分と底の浅い思考だ。やはりルビコンの猿か。』

 

 

まるで、強いだけではなく、裏に悪辣な罠が隠されているような言い方ですわね。

しかし、罠があると悟らせれば効果は薄くなります。お兄様にそのことを伝──

 

 

『ええ。そうでしょう。ただ強いだけならフロイトでも構いません。』

『そして、わざわざそれをここで言う意味も理解できていないようだ。"言った方がこちらに有利になる"から言っているだけです。』

『駄犬の長はゲルニカを殺せない。何故なら、─────』

 

 

ハウンズ、あのクソメガネを殺しなさい!!!

 

 

お前は一線を超えましたわ。死が救いに思えるような苦しみを未来永劫与え続けても足りない。

 

 

 


 

Side 612

 

621がフロイトと交戦を開始し、617たちがその他隊長と交戦を開始したのとほぼ同時に、私のところにもACと思わしき機体がやって来た。

 

 

「エア、敵機の情報は読み取れるか?」

 

『……読み取れました。識別名:V.Ⅸ ゲルニカ。機体名……Einäugige Walküre──隻眼の戦乙女 でしょうか。』

 

「純白の機体だから"戦乙女"……か。アーキバスにしてはカラーリングが変だな。新型機体だからか?」

 

 

ブースターから出ている炎は青……アーキバスらしく還流型か。EN兵装の火力には警戒しないとだな。

 

 

『機体情報、さらに取得できました。……これは?!』

 

「何があった。」

 

『コア、脚部パーツが新規開発されたものです。コアの構造は……軽量ジェネレーターを2基搭載しています。』

 

 

軽量ジェネレーターを2基?単にEN容量の大きいジェネレーターを積めば良いが……何を企んでいる?

 

 

『この際、それは問題ではありません。ゲルニカの素材……いえ、"実験体"のデータが、ハッキングされる前提で残されていました。』

 

 

……アーキバスのやりそうなことだ。精神的な揺さぶりをかけるつもりだろうな。だが、今更ルビコニアンが"実験体"に使われていたとしても私の心は揺らがない。例えそれが幼い子供だろうと。

私は、オーバーシアーの一員として成すべきことを──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──実験体:()()()() C()4()-()6()2()2() です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

……は?

 





4周目は、1周目と同じようにコーラルを焼き払う"選択"をしました。
ただ、それは"猟犬"としてではなく、"レイヴン"として選択しています。

同じ選択でも、同じ"自分"ではない。
周回を重ねた結果、最善の未来を掴むために何をするべきか……その思考過程が変わった影響です。

つまり、5周目と6周目は……???


そして、アーキバスの悪巧みですが、
本命:フロイトの強化人間手術
サブ:強化人間手術の実験体を再利用したゲルニカの再製造
保険:旧世代型強化人間を使ったゲルニカの再製造
でした。

ゲルニカについては、「ラインの乙女」であることを当てている方は多かったですが、それだけでは「駄犬共の顔が歪む」ことはありませんからね。やはり、策は二重、三重に用意するに限る(某カタツムリ並感)
「ラインの乙女」にすることを決めたのは直近ですが、"実験体"については、かなり初期の頃から決めていた構想です。

我ながらどうしてこんなにも悪辣なプランを思い付けてしまったのか……自分が恐ろしいですね()


ちなみにですが、フロイトが強化人間の手術を受けるプランには伏線がありました。
後書きも長くなってきたので、これは次回に回そうかなと。
良ければ、伏線がどこにあったのか探してみてください()

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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