ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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今回のサブタイトルですが、シミュレーションゲーム『Civilization IV』での宣戦布告シーンからとなっております。実にわかりやすいですね!()
……本来は、「オマえ(オールマインドとお前の合わせ技)」ではなく、「貴公」なのですが。


前話の後書きで、「4周目の最終話まで1,2話を残すのみ(意訳)」と言いましたが… 私から言わせれば 甘く見積もりすぎていた(ラスティ:バートラム宇宙港襲撃のブリーフィング並の感想)

分(文)量が増えるからヨシ!ということで許してください()



オマえの首は柱に吊るされるのがお似合いだ。

 

Side 612 (最後通牒の期限まで:30分)

 

 

ルビコン解放戦線からの最後通牒に対し、

 

・オールマインドは技研が作り出したAIであるため、"意識のコーラルリリース"を企んでいる可能性がある。

・Cパルス変異波形と交信している人間がいないことを確認できれば、星外への撤退を受諾する。

 

と返答した。

だが、そもそもが「最後通牒」だ。星外への撤退に勝手に条件を付け足した以上、それが通るとは期待していない。

 

 

「……期限まで後30分か。」

 

 

現在は、作戦目標から少し離れた所で、直ぐに交戦状態に入れるようにACのコックピットで待機している。今はジェネレーターの火を落としているが。

 

 

『ルビコン解放戦線より返答があった。

"こちらの最後通牒の要求を満たしていない。よって、変更無き場合は本来の期限をもって宣戦布告するものとする。"

だ。……ハウンズ、戦闘準備をしろ。』

『俺の方で"敵を減らす"交渉はしている。交戦状態になった場合、交戦対象はこちらから指示を出す。それまでは攻撃をするな。……特に、レッドガンの部隊にはな。』

 

 

……もはや戦争回避は絶望的だ。

だが、こうなることは予想していた。既にこちらの戦力は配置している。

それと、ウォルターはミシガン辺りと交渉しているのだろうな。恐らく、ザイレムに乗せてそのまま星外に退避する算段だろう。あくまでもレッドガンは"1人でも多く生きて帰す"ことを目標にしている。そこに付け入る隙がある。

 

 

「612、了解。……ハウンズ、最終確認だ。」

 

「617。」

『こちら617。異常はありません。いつでも交戦できます。』

 

「618。」

『618、異常無し。戦闘モードへの切り替えはいつでも可能。』

 

「619。」

『619、オールグリーンですわ。……覚悟はできています。』

 

「620。」

『620、全機器の正常動作を確認しました。準備万端ですね。』

 

「621。」

『621、問題無しよ。敵がいつ来ても対処できるわ。』

 

 

ハウンズは準備できているな。

ザイレムはオーバーシアーで管理している都合上、開戦の初動が肝になる。ザイレムが奪われなければ、こちらが強襲艦を1隻確保した段階で星外に逃げ出せ(目的を達成でき)る。

 

 

『こちらカーラ。無人兵器の配置も完了した。それと、積み込める資材は今も積み込み作業中だね。……もちろん、今撤退したとしても十分な量の物資は確保してある。』

 

『オーバーシアーの準備は整ったな。612と621は無線送信を停止しろ。必要な通信は、エアの交信とハッキングを活用して行う。』

 

「612、了解。これより無線送信を停止する。」

『621、了解よ。同じく無線送信を停止するわ。』

 

 

さて、開戦してからの作戦だが……至ってシンプルだ。

 

・私と621で解放戦線の拠点に襲撃。強襲艦をエアのハッキングで奪取。

・その他戦力の大半はザイレム防衛に回す。

 

最悪の場合でも、ザイレムだけは維持し続けなければならない。そのため、数を揃える意味でもザイレムを分厚くしている。

 

それと、エアのハッキングがあれば拠点襲撃をする必要は無いと思うかもしれないが、実際には必要だと判断した。

オーバーシアーが星外に逃げ出さないようにするために、強襲艦がハッキングされたら即破壊……なんて手を向こうが取ってくるかもしれないからだ。

そのため、奪った強襲艦を無事にザイレムに送り届ける意味でも襲撃を計画した。

 

 

……果たして、ウォルターの交渉がどこまで上手く行くか。それにルビコンの命運が掛かっていると言っても過言ではない。

この戦いで死人が増えすぎれば、"コーラルクローズ"計画の人手が不足して遅延が発生。そのまま"破綻"を阻止できずにアイビスの火……なんて展開も十二分にありえる。

 

ウォルターには随分と重責を担わせてしまった。だが、これまでのハウンズの働きが"抑止力"となれば、(恐らく今しているであろう)ミシガンとの交渉が楽に進むかもしれない。

そう考えれば、これまでのハウンズの働きも無駄ではない。

 

 

 


 

 

Side ウォルター(最後通牒の期限まで:10分)

 

 

ルビコン解放戦線からの最後通牒の期限まで残り10分程度になった。

今は、ミシガンと停戦交渉──いや、まだ開戦していないから"停戦"ではないか──の最中だ。

 

 

「それで、強襲艦によるルビコンからの撤退に異論は無いな。」

 

『ああ。解放戦線から事前に割り振られた配置だと……このまま貴様の猟犬と戦えば、良くて7割、最悪の場合は運が良い生き残りを除いて全滅しかねん。』

 

「わかった。こちらの方でハウンズに通達しておく。"レッドガン部隊には攻撃するな"と。」

 

 

これで話はまとまった。レッドガンが敵に回らない場合、ACの数は大幅に減少する。そうなれば、オーバーシアーの戦力でも長期的な防衛すら可能になるだろう。

 

 

『レッドガンも、"オーバーシアーに攻撃するな"と伝えて返答も届いた。……1つの部隊を除いてな。』

 

 

待て、様子がおかしい。

 

 

「どこの部隊だ。」

 

『G4,G5が指揮を取る部隊だ。……場所を送った。』

 

 

……612と621が襲撃する予定の基地にいるのか。これは早急に伝える必要があるな。

 

 

「少し待て。…………ミシガン、これはこの交渉に関係する質問だ。G4,G5は高濃度コーラルに被爆したか?」

 

『質問の意図が読めんが……G5がエンゲブレト坑道の調査中に巻き込まれた。貴様らの設置したビーコンのお陰で一命は取りとめたがな。』

 

「…………ミシガン、G5がCパルス変異波形と交信していた場合、オーバーシアーの使命のために消す必要が出てくるかもしれない。」

 

 

612が話していた、"オールマインドの協力者"の可能性が極めて濃厚だ。そうなれば、この交渉が土台からひっくり返される可能性が高い。

 

 

『"意識のコーラルリリース"か。』

 

「そうだ。オーバーシアーの万が一……いや、億が一の保険であるアイビスの火をリークしたのがオールマインドなのは知っているな?」

 

 

ここに至っては、アイビスの火を考えていることは隠しても仕方無い。それよりも、一番最悪な"意識のコーラルリリース"を防ぐことに尽力するべきだ。

 

 

『ああ。』

 

「そのオールマインドだが、正体は技研が作成したコーラルの情報を管理するためのAIだ。……これすらも自称だがな。」

 

『……そのオールマインドが"意識のコーラルリリース"を企んでいて、ウチのG5を誑かした。そう言いたいんだな?』

 

「話が早くて助かる。」

 

 

……こちらも621がCパルス変異波形たるエアと交信しているが、その事は伏せておく。仮にエアが"意識のコーラルリリース"を起こすように621を誑かしたとしても、621が乗らないだろう。それに、612が察したら全力で止めるはずだ。

身内だけ特別扱いしているようだが、エアの協力が無ければここまで来れてはいない。その実績を以てして信頼している。だから、大丈夫だ。

 

 

『……アイツは第4世代の強化人間だ。脳深部コーラル管理デバイスがあるからその可能性は否定できん。』

 

「オーバーシアーが立てている計画では、最後通牒の期限が過ぎて戦線布告された直後から戦闘が始まる。……そして、G4,G5のいる基地には、ハウンズリーダーともう1名が襲撃をする予定だ。」

 

『……それを言って良いのか。』

 

 

確かに、ミシガンがこの情報を解放戦線に伝えれば、奇襲効果は大きく薄れるだろう。

だが、奇襲効果が薄れたとしても612と621ならやり遂げられるはずだ。それを見越して作戦は立ててある。

 

 

「お前との直通回線をハウンズリーダーに寄越せ。オールマインドの手が掛かっているかもしれない以上、通信が届いていないのは意図的なものである可能性が高い。」

 

『アイツに中継させる訳だな。……それと、可能な限り死者を減らすように伝えろ。そこまでされれば、俺から口出しする道理が無くなる。』

 

「わかった。……今伝えて了承の旨が帰ってきた。」

 

 

交渉はこれでまとまった。

……最後通牒の期限までもう間もなくか。何とか間に合ったな。

 

 

後は……612と621が上手くやるのを待つだけだ。

 

 

 

 

 


 

 

Side イグアス(最後通牒の期限まで:60分)

 

 

ルビコン解放戦線が"オーバーシアー"に最後通牒を送ったらしい。……アイツをこっち側に引きずり込むのは今だな。

 

 

《……ネミリア、聞こえているか。》

 

《……はい。聞こえています。"オーバーシアー"……まさかコーラルを焼き払おうとしているなんて……》

 

《俺もここで焼け死にたくはねえ。手を貸せ。》

 

《手を貸す……私は戦えませんよ?》

 

 

コイツは生まれたばかりなのか、それとも"オーバーシアー"側のCパルス変異波形とでも自分を比べていやがるのか、妙に自己肯定感が低い。

……まるで俺を見ているみてぇで……どこかイラつく。

 

 

《戦いの方は期待してねぇ。俺が欲しい情報をハッキングで引っこ抜ければそれで十分だ。肝心なのはその後だ。》

 

《戦いが終わってからですか?》

 

《ああ。焼け死ぬのも勘弁だが、コーラルに呑み込まれて死ぬのも勘弁だ。……今のうちに、コーラルを動かせるように練習しとけ。》

 

《コーラルを再び地中に戻すため……ですね。わかりました。私も折角交信できたあなたを失いたくはありませんから。頑張ります。》

 

 

ここまで切羽詰まった状況ならチョロいもんだな。

……っと、ミシガンからの全体通信か。

 

 

『お前たち、聞こえているか。戦闘準備を全員にさせたが……通達の通り、レッドガンは"オーバーシアー"との交戦に入る見込みだ。』

『奴らは封鎖機構やアーキバスに比べれば数は少ない……だが!これまでで一番の強敵だと思え!遠足気分の奴は付いてくるな!!

 

 

《……イグアス、実際には交戦に入らない可能性があります。"オーバーシアー"のハンドラー・ウォルターから、ミシガンに秘密交渉を持ちかける通信が入っていました。》

 

 

アイツら……抜かりは無えな。叩き潰すにも、理由が無けりゃ独断専行になっちまう。そうなったら、頭数が足りなくてアイツらを始末できなくなっちまう。

 

……悔しいが、あのスカした野郎の実力は本物だ。俺と……元々ヴェスパーだったラスティと2人がかかりでも勝てるかは怪しい。ただ、そこにヴォルタとMTの奴らがいれば勝てるはずだ。

 

 

『最後通牒の期限は今から1時間後。それまでに俺からの指示が無ければ宣戦布告されたものとして扱え。……仮に、交戦しない場合には直ぐに通達する。』

 

「最後通牒なのに戦線布告を取り消す場合があるのかよ。」

 

「あの犬どもが解放戦線に勝てねぇって判断して要求を呑んだらそうなるだろうよ。」

 

 

ここには既にヴォルタがいる。ラスティの野郎もあの機体なら早めに合流できるはずだ。そして、"指示が無ければ戦線布告されたものとして扱え"って言ったな?

……奇襲攻撃で通信途絶状態になることを想定したんだろうが、逆に都合が良い。利用してやる。

 

 

《ネミリア、ミシガンからの通信が入ったら妨害しろ。……通信が届いてなかったって言い訳をしてやる。》

 

《……わかりました。念の為にこちらで遅延をかけておきます。交戦取り消し以外の通信の可能性もありますから。》

 

《そうしてくれ。》

 

 

 


 

 

 

……最後通牒の期限まで残り10分か。コックピットに乗って準備は万端だ。

 

 

《……レッドガンの暗号通信回線から通信が入りました。内容は

"戦場までの移動は認める。但し、交戦はこちらの合図か、向こうの意図的な攻撃がされるまでするな。"

です。》

 

《……秘密交渉に乗って、まだ交渉中ってところか?》

 

《はい。……待ってください。ミシガンから直通の通信です。応答しますか?》

 

 

なんで今のタイミングでかけてきやがった?……俺が先走るのを止めに来たか。

 

 

《いや、繋がねえで良い。俺たちは"何も聞かされていない。"良いな?》

 

《わかりました。》

 

 

これで、少なくともヴォルタと、この基地の奴らを出させる理由はできた。通信が届かなかったんだ。仕方ねえよな??

 

 

「おいヴォルタ、ミシガンから何か来てるか?」

 

『何も来てねえ。……オーバーシアーの奴ら、ルビコン全部を敵に回して勝つつもりか??』

 

「そうなんだろうよ。ヴェスパーの奴らをまとめて落としたんだ。俺たちも同じようにできるって思ってるに違いねえ。」

 

『そもそも頭数が違え。アイツらの失敗の繰り返しにはならねえだろうよ。』

 

 

……時間になったな。

俺たちは、"ミシガンからの通信は何も入っていない"からな。命令通り出撃するしかねぇって訳だ。

 

 

『お前ら!時間だ。……あの犬っころどもが誰を敵に回したのか教えてやれ!!行くぞ!!』

 

 

通信妨害はできている。……途中で別の回線から中止命令が届かなきゃ良いんだがな。

 

 

 


 

 

Side 612(最後通牒の期限まで:10分)

 

 

最後通牒の期限まで残り10分を切った。

ウォルターから、エアのハッキングと交信を利用した通信が届いた。

 

《少々面倒なことになった。レッドガンとの交戦は回避できる見込みが高い。アイビスの火を起こす事態に備えて、ザイレムで睨み合いを続けるフリをして待機させる交渉がまとまった。》

《だが、何者かの通信妨害によって、この決定事項がG4,G5とその麾下の部隊に通達できていない。》

 

 

……なるほど?オールマインド辺りが手を回しているのか?

となると、オールマインドの協力者に、イグアスかヴォルタのどちらか、あるいは両方がいるのは確定だろう。

 

 

《了解。イグアス,ヴォルタの両名がCパルス変異波形と交信しているか判断したい。……特に、高濃度コーラルに被爆した経験があるかを聞き出して欲しい。》

 

《少し待ってろ……………………読みが当たった。G5がエンゲブレト坑道を探索した際に被爆している。》

 

《なら、オールマインドの協力者にイグアスはほぼ確定だ。……Cパルス変異波形と交信していることが確定したら、対処はこちらに任せられそうか?》

 

 

レッドガン部隊との停戦……正確にはまやかし戦争(ファニーウォー)状態が実現できた今、安易に交戦に入るのは拙いだろう。

 

 

《ミシガンからの通信が届いていない以上、現場判断に任せる形になるそうだ。可能な限りミシガンとの通信回線を構築するよう説得はしてくれ。それを無視されたら……》

 

《完全に"黒"か。説得については了解した。交戦状態に入った場合はこちらの無線送信も再開する。必要な指示は直ぐに伝えてくれ。》

 

《わかった。……政治的な判断も必要になるだろう。ただ、お前たちの生存を最優先に考えろ。後はこちらで何とかする。》

 

 

いざとなれば、オールマインドの計画を阻止するために、イグアスの抹殺を強行する必要に迫られるかもしれない。そうなると色々と面倒なことになるのは火を見るより明らかだ。

……いや、これから大火を起こすかもしれないのに、この例えは縁起が悪いか。

 

 

《期限が過ぎて戦線布告されたら、ミシガンとの直通回線をお前に渡す。ここまで手を尽くして無理だった場合、ミシガンも諦めるとのことだ。》

《それと……レッドガン部隊の死者はできるだけ減らせ。向こうからの要望だ。》

 

《了解した。》

 

 

ミシガンが部下を見捨てるとは思えないが……ロクでもない計画に乗ったイグアスはまだしも、他の奴らは最大限生かせということで最大限の妥協をしたんだろうな。

 

 

 

 

 

 

さて、最後通牒の期限は……もうすぐだな。

 

 

《時間だ。向こうから正式に宣戦布告が通達された。》

《オーバーシアーの各員──

 

 

 

 

仕事の時間だ。必ず…必ず生きて帰れ。

 

 

 

 





こう言った裏での思惑を書いたりするときは、
・この情報を誰が知っているか
・その判断は、当人が持っている情報や性格に照らし合わせて不自然ではないかor他に良い手を思いつけるのか
だったりを考えています。

なので、「思考過程は間違っていたとしても、起こした行動としては正解だった」といった事もあったりします。

今回で言うと、
お兄様やウォルターの思考→通信妨害はオールマインドの仕業
実際→通信妨害はイグアスの独断(ただし、有効な手段ではある)
のような感じです。


さらに言えば、「あの時は正解だとしても、今の状況では首を絞める結果に」なんてことになっていないかも考えたりしています。

お兄様がドルマヤンにCパルス変異波形と更新できる存在(621)を伏せていたのがその最たる例ですね。
(コーラルリリース阻止のためにドルマヤンに全面的な協力を頼むと、途中でエアの存在に気付かれてしまうかもしれないため)



何が言いたいのかと言いますと……

事前に考えていた流れが二転三転することが当たり前のように起こっているんですよね()

ただ、最終的な結末は変わらないのでご安心を……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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