ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
……今回は、戦闘パートがメインです。気が付いたら9000文字を超えていました。
雑にではありますが、頭の中で衝撃値やダメージ量を見積りながら書いています。ただ、雑なので多少ズレている場合もあると思いますが、その時は合間合間で衝撃値を冷ましたり、ランセツやミサイルで細かい衝撃値が溜まっていたということで補完して下さい()
〜恒例(?)の雑記〜
とある方の配信中に参加させて頂いたカスタムマッチで……
シングルドミナントプレート持ちの方と対戦させていただく機会がありました。
私:お兄様機体(軽逆,ランセツパルブレ,中3双対歌鳥)
お相手:中二,W重ショ,盾レザドロ
1戦目はPA吐かせて5割くらい削ることができましたが、2戦目は2割くらいしか削れませんでした(白目)
距離が少し離れたらマニュアルエイムSONGBIRDSを地面撃ちで当てて……をもっとできていたら、もう少し抗えたとは思うのですが……その後に見失ったりしないようにもしないといけないのがががが。
機体相性の差は多少あるでしょうけれども、こちらの強攻撃(逆関節キック、パルブレ)をほとんどIGされていました……
(技量の差が)大きすぎる…
ランクマッチでは開幕マニュアルエイムSONGBIRDSが染み付いているので、もう少し練習して当て勘を掴みたいと思います()
Side 612
ルビコン解放戦線から、正式に戦線布告が通達された。
レッドガン部隊とは"秘密交渉"があるため極力交戦,殺傷を避けないといけない。だが、オールマインドが噛んでいる以上、ある程度は仕方無いだろう。
『ハウンズリーダー、聞こえているか!』
「こちらハウンズリーダー。ウォルターから話は聞いている。これから基地に突入する。お前の方でも準備はしておけ。」
『抜かりは無いようだな。無論、こちらも準備はできている。』
さて、これから基地に襲撃をかけて強襲艦を確保するわけだが……レッドガン部隊が星外に離脱するときに使うことを考えると、追加で3隻──合計4隻は欲しいところだ。この程度なら、レッドガンに明け渡しても問題ないだろう。
もちろん、"コーラルクローズ"計画に大幅な遅延が出ないように考慮した上での数だ。
恐らく、ルビコン解放戦線が保持している強襲艦は10隻を越しているだろう。この中には、事前に進められていたリバースエンジニアリングによって新規建造された分も含まれている。そして、これから増えることも考えれば、先程の4隻奪取は妥当な判断なはずだ。
「良し。これより基地に突入する。ハウンズ5、準備は良いな。」
『できているわ。』
「突入まで……3、2、1、今。」
ABを吹かして基地に接近する。
カメラで捉えられる範囲では……手前側にACが2機とMT多数の部隊、後はジャガーノート3機が分散配備されていると言ったところか。
「恐らくAC2機がレッドガン部隊のものだ。621は散らばっているジャガーノートを頼む。」
『了解よ。』
ふむ、向こうの通信を傍受しているが……ノイズが酷いな。恐らくだが、リアルタイムでの解析が追いつかないくらい高度に暗号化されているな。
「エア、向こうの通信回線に割り込めるか。ミシガンとの直通回線を捩じ込みたい。」
『少し待って下さい……暗号の強度が、普段の部隊内通信に比べて格段に上がっています。G5が交信しているCパルス変異波形らしき存在を感知できたので、当人の影響と見て間違いないはずです。』
「やはりか。どのくらいかかりそうだ。」
『……行けました。通信回線を接続します。』
流石はエア。早いな。
『お前たち!聞こえているか!レッドガン部隊はハウンズとの交戦を停止しろ!!』
『……おい、この回線はあのスカした野郎からだ。お前ら!こんな単純な罠に引っかかるんじゃねえぞ!!』
『それなら、貴様らの方から俺への直通回線を開け。それが一番手っ取り早い。』
なるほど。偽計だと思わせることで、部隊の混乱を防いだか。
だが、ミシガンもそれは想定済みだったのか、即座に別の案を出してきた。
『ヴォルタ、繋がったか?』
『……ダメだ。何も返事がねえ。』
『クソっ!アイツら……今ごろミシガンのところも襲われているんだろうな。お前ら!さっさと片付けてミシガンの野郎の所に向かうぞ!!』
『……これで恩を売ったらアイツからのシゴキも多少マシにはなるだろうよ。』
『へっ。違いねえ。』
随分とイグアスの頭の回転が早いな。悪知恵を身につけていたか、私が知らないだけで本来の能力なのか……オールマインド辺りが裏で指示を出しているかだな。
「……ミシガン、どうする。」
『…………俺から何か言う道理は無くなった。後はお前たち次第だ。』
「了解した。できるだけ殺傷は避けよう。」
ミシガンは通信回線から抜けたか。だが、ここまでレッドガンの隊員に聞かせることができていれば十分だ。
さて……殺傷を避けるのであれば……脚部を破壊するのが手っ取り早いな。
「COM、MTについては脚部を狙うようにFCSを調整しろ。ACは現状維持だ。」
『了解しました。FCSの調整完了。』
ただ、脚部を破壊して脱出の猶予を与えたとしても、こちらの戦闘に巻き込まれて死んでしまうことも考えられる。……特に、SONGBIRDSの爆風に巻き込まれる可能性が高いだろうな。
今のうちに警告しておくとするか。
「こちらハウンズリーダー。話は聞いていたな?ミシガンからの要望でお前たちの死者を減らす努力はしてやる。」
「脱出した腰抜けはさっさと物陰に隠れろ。こちらでも、戦う場所を移動させて巻き添えにならないよう配慮はしてやる。」
向こうからも通信が入ってきた。こちらから割り込んだ以上、当然と言えば当然だが。
『犬っころどものリーダーか。ウチのレッドガンに情けをかけるとは随分と余裕そうじゃねえか。』
「そうだな。お前とヴォルタ、それとMT部隊で戦ってどうなったかは忘れたのか?」*1
「……ああ、オールマインドに唆されてこんな馬鹿なことをしているんだったな。となると……まだ別の協力者がいるな?ラスティ辺りだろうな。」
『…………随分と良く吠えるじゃねえか。ソイツを子犬みてえな鳴き声にしてやるよ!』
少し間があったな。恐らく図星か。
これまで、ラスティの協力は状況証拠程度しか推測材料が無かったが、オールマインド側の人間から情報を引き出せたのは大きい。
「ほう。随分と息巻いているが……ミシガンのところで鍛え直してもらった方が良いんじゃないか?」
さて、戦闘開始だ。
まずは取り巻きのMTから無力化しよう。ただ、AC2機からの圧力を弱めるためにも、SONGBIRDSとミサイルは2人の方に撃つ。
100mくらいの距離からランセツを2発。MTの両足を破壊する。盾持ちは、逆関節キックで盾を剥がしてから両足を破壊。
順調だ。これなら、SONGBIRDSに巻き込まれたり、緊急脱出した後に攻撃に巻き込まれなければ死者は出ないだろう。
そして、脱出したパイロットを攻撃に巻き込まないようにするためにも、引き撃ち気味に戦って戦う場所を変え続ける。火力的にこちらが引くのは不利だが、逆関節QBで上手く誤魔化して被弾を極力減らす。
今のところは単調な作業の繰り返しだ。AC2機からの圧力はQBを使いながら躱し、MTをランセツ2発で無力化していくだけで良い。
『おい、お前ら!殺すまでもない奴らだと舐められてんぞ!!』
イグアスが発破をかけてるな。だが、私が殺していないことを意識すればするほど、さっきのミシガンからの"要望"が現実味を帯びてくる。
これで部隊内の連携に綻びが生じれば御の字だ。
『俺たちレッドガンを舐めてるのか?!』
『いや、もしかしたらさっきのミシガン総長の通信は本当に……』
『ならレッドガンが解放戦線を裏切ったってのか?!』
『そんなの知らねえよ!俺に聞くな!!』
……ここまで効果覿面だとは正直予想外だ。
ある意味、イグアスの人望の無さと、ミシガンの人望の厚さが噛み合ったな。
それに、"逃げられない戦い"ではなく、"生きて帰れる見込みの高い戦い"なのも影響しているはずだ。
"原作"でのレッドガン部隊迎撃は、あれを乗り越えなければ先行調査で入ったレッドガン隊員たちが生きて帰れなかったはずだ。仲間を助けるために信頼できる人間と共に突入する。士気としてはこれ以上無いくらいに上がるだろう。
だが、今はそうではない。襲われている"かもしれない"総長のところへ向かうために、"素行が悪い"ナンバー持ちと共に戦う。これでは士気も上がりきらないだろう。
……ダメ押しと行こうか。
「エア、もう1回私の回線を捩じ込んでくれ。イグアスとヴォルタ以外にだ。」
『わかりました。……もう行けます。』
相変わらずの仕事の速さだ。これは後で621に褒めるように言っておかないとな。*2
「助かる。」
「レッドガン隊員に告ぐ。武装を放棄して退却すれば撃たないでおこう。……仮に我々がミシガンを襲っているのなら、わざわざ反撃の戦力を残すような行動を取るのはおかしいだろう?」
『確かにそうだよな……わざわざ脚を狙わなくてもコアを撃ち抜けばそれで済むもんな……』
『ミシガン総長は俺たちが死なないように交渉してくれていたのか?』
『まともに敵対していたら、今頃俺たちは死んでいたかもしれない……ミシガン総長が手を回していたなら納得できる……』
……ミシガンの人望はここまで厚いか。いや、"原作"だと「直近に自殺の予定がある者だけ付いてこい」と言われたのにも関わらず、雄叫びを上げながら突入してくるような奴がいたんだ。このくらいはあっても不思議ではない。
この様子なら、MT部隊が逃げ出すまでそう長くはかからないだろう。
『兄さん、そっちはどう?こっちはジャガーノートを1機破壊したわ。』
「MT部隊の対処中だ。上手く行けば武装放棄での無力化も狙えそうだ。……私のことは心配するな。1人でも十分に勝てる戦いだ。焦らず、落ち着いてやれ。」
『了解よ。』
さて、続けるか。
MT部隊からの攻撃がかなりまばらになったから……ここからはACの方を狙えば良いな。
『今度は俺たち狙いかよ!イグアス、そう簡単にやられるんじゃねえぞ!!』
『当たり前だ!こんなところでくたばってられっかよ!!』
まずは厄介なヴォルタからだ。
ABで接近し、カウンターの重ショは腕上げを見てからAB中のQB回避。そのままQBをもう1回吹かして背後を取る。
チャージしたパルスブレードで怯ませて、ワンテンポ遅らせてから横QBで回避。重ショによるカウンターを躱せた。
イグアスからの横槍がそこそこ厄介だが、ヴォルタの攻撃を躱すついでに避けられているので放置しておこう。
『近くでちょこまかと……ウぜえんだよ!』
自機にダメージが入るのも覚悟して至近距離でグレを使ったか。だが、アラートで丸わかりだ。喰らうはずが無い。
とは言え、流石に衝撃値が溜まってきたな。……ビル群で射線を切ってリセットさせたいところだ。
距離を取ってABキック……と見せかけて、そのまま横を通り過ぎてビル群に入る。
『あと少しだってのによ!イグアス!やってやれ!!』
『わかってるよ!!』
これは寧ろ好都合だ。イグアス単機でビル群に来るなら……そのまま削れるだけ削ってしまおう。
ビル群に突入してもABは止めずに、クイックターンも使いながら間を縫うように飛ぶ。もちろん、大通りを選んで衝突の危険性はできるだけ下げているが。
……良し。衝撃値はリセットできたな。
『頭イカれてんのか?!ビルに衝突して死んでれば良かったのによぉ!!』
さて、お前もABで追いかけてきたからEN切れが近いはずだ。逃げられると思うなよ?
イグアスが着地した瞬間を狙ってパルスブレードのチャージ斬り。盾の展開を見て斜め前方QBでキャンセル。そのまま後方へ回り込む。
イグアスもクイックターンで振り向くが、その回転方向を見てから同じ方向にまた斜め前QB。視界から外れるように動く。
盾を展開していたが、横を取れているのでそのまま2回生当てで斬る。
後方QBで下がって、すぐにSONGBIRDSを撃つ。盾で防がれるが、IGの時間はとうに過ぎている。衝撃値はほとんど溜まりきっている。蹴りでスタッガーを取れるな。
蹴りでスタッガーを取りきろうとしたが、直前にリペアキットでAPを回復された。……まあ良い。今のうちに削れるだけ削ろう。
蹴りでスタッガーを取って、そこからパルスブレードの追撃で一気に削る。
硬直から回復して即座にリペアキット2つ目を使用……残り1つとほぼフルのAPと言ったところか。
ん?……ウォルターからの通信か。
『612、そちらに接近しているACがいる。識別は解放戦線だ。』
「了解した。こちらで対処する。」
広域レーダーからの情報が共有された。解放戦線の機体反応……このスピードは、恐らくエルカノの新型だな。ナハトライアーに比べると若干遅い。
とは言ったが、このスピードなら後2分もかからないな。
イグアスはそのままヴォルタと合流したか。そしてこちらに攻め込んでこない……あの機体とも合流して1対3を作るつもりだな。
まあ良い。こちらもその間に機体の状態を確認しておこう。
……ジェネレーターやブースターの温度は正常範囲内。関節部の稼働にも異常なし。各種計測機器も正常動作。
弾薬はまだ足りる。良し、行けるな。
そして、解放戦線のACも合流した。……やはりALBA一式か。となると、増援は予想通り……
『まさか、君がルビコンを脅かす脅威になろうとはな……ルビコンの総力を挙げさせる訳にはいかない。この新型で…終わらせる。』
やはりラスティだ。
シュナイダー社のシミュレーションルームで戦ったことはあるが、あの時とは機体が違う。
ALBA一式に、Wエツジンとレーザーオービット、そして近接武器にスライサー。エルカノがニードルガンを開発した形跡が無かったからSAMPUランセツを使い回すと思っていたが……その構成から変えたか。新機体への習熟にかける時間を減らすために射撃武器を統一した……といったところだろうな。
「オーバーシアーとしては、アイビスの火は最悪中の最悪の保険……つまり、今の進捗なら実行に移すつもりの無いプランだったが……オールマインドに唆されたな。」
『万が一、億が一だろうが、準備をしていること自体がルビコニアンへの裏切りだ。……その落とし前は付けさせてもらおう。』
「なるほど。そちらが"ルビコニアンのため"と大義名分を持ち出すのなら、オーバーシアーは"全人類のため"に動いているようなものだ。どちらが優先されるべきなんだろうな?」
ここまでの戦闘でMTは全て無力化できている。その上イグアス&ヴォルタののコンビを半分程度削ることはできているが……それでも、ここに万全な状態のラスティが加わると少し怪しい。
ならば、精神攻撃で実力を削ぎ落とすしかあるまい。より高く飛ぼうとしているのであれば、その羽を圧し折ってしまえば良い。
『確かにその通りだろうな。だが、私は"ルビコニアンが救われる未来"か、"ルビコニアンだけでなく全人類で滅びる未来"か。この2つのどちらかに進もうとしているだけだ。』
『君は、"ルビコニアンも救われる未来"か、"ルビコニアンを滅ぼして人類を救う未来"に別れる道を進もうとしている。ただそれだけの違いだ。』
少し面倒なことになったな。そうして割り切られていると、精神的な揺さぶりが意味を成さなくなる。
「理解した上でそうしているのなら……いや……もういい、言葉など既に意味をなさない。」
『そうだな。力で押し通らせてもらおうか。』
「だから、力で叩き落とすとしよう。」
さて、ラスティも加わっての1対3は流石にキツいな。ヴォルタの厄介さがさらに上がっている。
……ビル群を使って分断、その後にヴォルタを落とし切るとしよう。なに、個人個人の戦闘力だけを見れば、イグアス,ヴォルタ辺りだと617たちよりも下だ。流石にラスティは2対1でかからないと辛いだろうが。
良し、AC3機になった油断からか、全員ビル群に突入してきたな。
『チッ……ビルの間をちょこまかと……ウザッてえんダッ?!』
飛び出し注意だぞイグアス君??出会い頭に攻撃されるかもしれないからな。……ああ、つい今しがたチャージしたパルスブレードを叩き込まれたからもう遅いか。スキャン機能様々だな。
『イグアス!!』
ヴォルタがイグアスを庇うように割り込んでくるが、寧ろそれを狙っていた。
重ショは跳躍で回避。そのままSONGBIRDSを撃って2発ともクリーンヒット。
後方QBで距離を空けて、少し落下したタイミングでABからの即キック。冷却が済んだパルスブレードで2回斬る。
そもそも、ヴォルタは私を追ってビル群に突入したのが間違いだ。
爆発物を使えば、瓦礫で自分の動きが制限されるかもしれない。ミサイルは飛翔に必要なスペースが確保できていない。有効打は重ショ程度だ。……4ガト構成なら、寧ろ脅威だったんだがな。
SONGBIRDSであれば、地面に向かって撃っても周囲のビルが倒壊することはない。向こうはビルを崩しかねないから安易に撃てないが、こちらは地面に向かって気軽に撃てる。爆発力のひk──調整に助けられたな。*3
『チッ……誘い込まれたな。もうリペアは無え。前はお前ら2人で貼れ。後ろから援護してやる。』
『ああ。俺たちを巻き込むんじゃねえぞ?』
『了解した。』
ビル群から撤退しようとしているが……あと少しでスタッガーを取れそうなんだ。逃がすか。
QBで斜線を通せる位置まで跳躍。マニュアルエイムに切り替えて、SONGBIRDSを人力で偏差撃ちする。……綺麗にクリーンヒットしたな。そしてスタッガーだ。
『おい!アラートは……マニュアルエイムかよ!!グッ?!』
そのままKIKAKUブースターで踏み込んで追撃パルスブレード。……これでも半分くらい残っているのか。やはりガチタンクは恐ろしいな。
ここは無理に追撃をせず、ビル群を活かして回避を徹底。衝撃値をリセットさせることができた。
それにしても、思ったよりもこちらのAPが削られていない。まだリペアキット2つとAP半分が残っている。……多分だが、味方撃ちを避けて射撃が鈍っているな。
となれば、ヴォルタの次はラスティを落とすとしよう。イグアスの20倍は厄介だ。
さて、ヴォルタ狙いの再開だ。
ビル群を抜けて地上をブースト移動し、ラスティやイグアスからの射撃とヴォルタのグレネードキャノンを躱すために適宜QBを挟む。
そして、私はヴォルタとイグアスの間に挟まれるような位置取りを続ける。
ちなみにだが、あのままビル群に居座ってイグアスラスティの2人を相手にするのは"無し"だ。
私が居座ったときは、2人もヴォルタと一緒にビル群から出れば良い。私は"強襲艦を確保するための敵排除"という目標に縛られている以上、どこかで地の利を捨てないといけなくなる。
ビル群に居座って621が増援に来るのを待つ?妹に大きな手間を掛けさせる兄がいてたまるか。私一人で何とかできそうなら何とかする。寧ろ、さっさと片付けて621の援護に行きたいくらいだ。
『チィっ…お前ら!横に動け!グレネードの誤射を狙ってやがる!!』
……そうか。ヴェスパー部隊だとグレネードキャノン持ちが少なかったな。
フロイトは単機で投入されるから共同訓練はそこまでしていなかっただろうし、スウィンバーンはスウィンバーンだからな。
故に、ラスティはグレネードキャノン持ち機体と協働するときの動き方に適応できていないようだ。
とは言え、イレギュラー説がまことしやかに囁かれていた元V.IVは伊達ではない。流石と言ったところで、私よりもヴォルタに近い位置、かつヴォルタの斜線を邪魔しない位置取りをし始めた。実に嫌な位置取りだ。
私から見れば、真正面12時の方向300m程度にヴォルタ、10時の方向130m程度にラスティと言った具合だ。イグアスは4時の方向200mくらいだな。
なら……プラン変更だ。孤立気味なイグアスから削る。
ABでヴォルタに突撃……と見せかけて、AB中のクイックターンを使って3時方向に方向転換。そのままイグアスを捉えて蹴りを入れる。
反射的な盾展開でIGをされたが、イグアスとすれ違うように斜め右前へのQB。完璧ではないが背後を取ってパルブレチャージ斬り。
即座に後方QBで距離を空け、その間にマニュアルエイムに切り替えてSONGBIRDS。
盾を展開していたが、アラート無しのSONGBIRDSに驚いたのかQB回避をした。だが、一手遅く爆風が多少入った。
……あまり良い気分ではないが、622との戦闘を経てマニュアルエイムSONGBIRDSの扱いはかなり上達した。何せ、時限信管に切り替えた上で爆発タイミングの調整まで死に物狂いでやったからな。あの時の経験が活きている。
あの時と同じ動きを今できるかと言われれば、答えは勿論「ノー」だ。勝てる見込みの薄さも、私にのしかかっている責任の重さも桁違いに違う。
何より、そこまでしなくてもこの3人には勝てるはずだ。そもそもする必要が無い。
……いかん。意識を目の前の戦闘に戻さねば。
イグアスの衝撃値は3割程度。生当てブレード2段とランセツで溜められそうではあるが、盾があるからそれも難しいだろう。
……いや、ヴォルタとラスティが動いているな。2人とも、私から見て時計回りに動いている。さっきまでの囲むような位置関係に戻そうとしているな。
良し、これならヴォルタを落としきれる。
時計回りに動いてはいるが、2機の間には大きなスピードの差がある。ラスティはポジションについたが、ヴォルタはまだ移動中だ。今なら、私を狙えば射線上にイグアスがいる。グレネードは撃てまい。
ABで再びヴォルタに詰め寄る。150mを切った段階でブレードを起動して……
『舐めんじゃねえ!!』
そう来るよな。パルスブレードの詰めなら直線的だから……グレネードキャノンを当てる好機だと思っただろう?
ブレードキャンセルを横QBで発動させて回避。SONGBIRDSを躱す。
慌てたように勾陳も撃つが、もう遅い。既に懐に入り込んでいて、砲口が私の方に向くことはない。
チャージ斬りで怯み、蹴りからの後方QBでSONGBIRDSまで繋ぐ。
そして再び接近し、アサルトアーマーでスタッガーを完全に取りきると同時に、ラスティイグアスからの追撃を牽制する。
後は冷却が完了したパルスブレードでもう1回斬って……仕上げはSONGBIRDSだ。
『機体がイカれやがったか!離脱するしかねえ!!』
ヴォルタを撃破。ミシガンからの要望通り殺さないでおこう。
キャノンヘッドの残骸から離れて、ヴォルタが巻き込まれないようにもしておかないとな。
『兄さん、こっちはジャガーノートを全部撃破したわ。』
……621に先を越されたか。兄として情けないが、こんなところで死ぬ訳にはいかない。頼らせてもらうとしよう。
『了解した。補給を済ませたらこちらの援護に来て欲しい。イグアスはリペア残り1とAP半分。ラスティはリペア消費無しでAP6割だ。』
『わかったわ。……兄さんに頼ってもらえるのは嬉しいわよ?』
あっまって621がかわいくてキュン死しそう。*4
ふう。危うく脳みそパチパチ弾けて幸せになるところだった。
「さて、お前たち2人に降伏勧告だ。ジャガーノートはハウンズ5によって全て撃破された。直に補給を済ませてこっちに来るだろうな。……で、お前たちに勝ち目はあるのか?」
『テメェ……舐めやがって……』
『……まあ、合流されれば勝ち目は無いに等しいだろうな。』
『ラスティ、お前何を言ってんだ!!』
随分と物分りが良いが……まあ、ラスティなら降伏勧告を受諾したりはしないだろうな。
『だから、ハウンズ5に合流される前に君を倒させてもらおう。』
……さて、第2ラウンドと行こうか。
こちらはリペアキット1個と6割強のAP。アサルトアーマーも2回残っている。
621が合流する前に落とされるような展開にはならないだろうな。
読みやすい戦闘パート……難しい……
大体、チャージパルブレ→蹴り→後ろに下がってSONGBIRDS のコンボが雑に使えるのでワンテンポになりがちな気がががが……
お兄様は、613たちを喪ってからの期間だったり、ハウンズとの訓練で1対多の戦闘を数多く経験しています。なので、ヴォルタ&イグアスや、ラスティも加わっての1対3でも戦えていたんですね。
ナチュラルボーンバトルジャンキーなフロイトは、詳しい背景までは理解していなくとも「1対多の動きに慣れている」ことを見抜いていました。
なので、対621のときにそれを
『アイツは周りを見るだけじゃない。その上で調整するのが上手い。』
と評していたんですね。
……あれ?お兄様強すぎません?
まあ 6+1+2=9 の加護()が作用しているということで……
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621