ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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今回もまぁまぁ難産でした。

アーマードコアのコンサート……当選しました。この話を投稿したら近くのコンビニで支払いを済ませます。

そして、滑り込みで週1投稿をキープできました()



始めましょう。殺すわ、あなたを。

 

Side 612

 

 

先の戦闘を終えて帰還した。

 

レッドガン部隊からの死者は……0にはできなかったが、1人だけで済んだ。MT44機*1が参加していたことを鑑みれば……良くやった方だろう。

 

さて、肝心のイグアスだが、ミシガンとの交渉で以下の扱いが決まった。

 

・電子的な機器を一切排除した部屋での監禁

・監禁する部屋は強襲艦の中に設け、強襲艦は常に飛行し続ける

・その強襲艦には配備してもMTまでとし、ACが着艦する際にはパイロットの降機を禁止する

 

Cパルス変異波形によるハッキングを使った脱走を防ぎ、仮に脱走されても逃げらないようにした。いくら強化人間とは言えども、生身で飛び降りれば死ぬし、MT程度であれば乗り込まれてもすぐに"処理"できる。

そうすれば、オールマインドがイグアスを再び使おうとしても直接こちらまで乗り込まないといけなくなる。そこを叩いて戦力をさらにすり減らせば良い。

 

 

また、今回の事後処理として、合わせて以下のことも要求として呑ませた。

 

・レッドガンがルビコンから離脱する際、イグアスの再手術をしてからにすること

 

これは単純に、ルビコンの外にコーラルを持ち出されないようにするためだ。脳深部コーラル管理デバイスを除去し、身体の内部から一切のコーラルを排除する訳だな。

 

ここまでで、オールマインドをまだ見つけることはできていないが、ザイレムと強襲艦の確保はできた。今なら、ルビコンの大気圏外へと離脱して状況を静観することができる。

イグアスもセットで離脱しておけば、オールマインドも取り込みに来ることはできないだろう。コーラルリリースにしろ、"破綻"にしろ、ザイレムと共に離脱すれば対応できる。

だから……今から離脱するのが最善手のはずだ。

 

 

「ウォルター、今なら"勝ち逃げ"ができる。ハウンズも万全の状態でだ。……オールマインドを始末できていないのが不安要素ではあるが、最悪火を点ければどうとでもなる。」

 

「……そうだな。強襲艦の護衛を無人機だけにして、レッドガンに奪わせる。それが確認でき次第離脱する。ただ、食糧の積み込み等で1日程度時間が必要だ。」

 

「了解した。解放戦線の戦力はハウンズで対処する。」

 

 

ここからは、ミシガンがどこまで交戦開始を先延ばしできるかに掛かっている。私と621が戻り、ラスティを失ったとなれば動きは相当鈍るはずだが果たして……

 

 


 

 

Side ミシガン

 

 

ウチのイグアスが何をやらかしたのか……そのあらましはハンドラー・ウォルターから聞かされた。

 

正直に言えば、あのイグアスにそこまでのことをする度胸があるとは思えない。*2だが、実際に行動に移した以上は認めざるを得ない。

なら……イグアスにそう思わせるだけの"何か"があったはずだ。それを見つけて解消しない限り、また似たようなことをしでかすだろう。

 

 

──と言うことだ。洗いざらい吐いてもらうぞ。経緯か、胃の中身かは貴様に選ばせてやる。」

 

「気に入らねぇ奴がいたからぶん殴ってやろうとしただけだ。」

 

 

背後にオールマインドがいたことは知っている。ならば、オールマインドから何らかの見返りがあったとしてもおかしくない。

 

 

「たったそれだけか?……だとすれば、貴様は私怨のためだけに45人を命の危険に晒した大馬鹿者だ!!俺がウォルターと交渉していなければどうなっていただろうな!?」

 

「"たった"だと……?俺たちがアイツらからどんな仕打ちを受けたか忘れたのか!!」

 

 

まともに吠え始めたか。……思っていたよりは時間を取られずに済みそうだ。

 

 

「本当は俺たちが主役になるはずだっただろうが!」

「ヴェスパーや封鎖機構が出しゃばるのも構わねぇ!雑魚ばかりを蹴散らしてもつまんねぇからな。」

 

 

……お前はそのヴェスパーとどこまで張り合えるのかと突っ込んでやりたいが、今は飲み込んでおこう。

 

 

「なのにどうだよ!今は土着の奴らの手下になって!しかもアイツらは野良犬共に良いように使われて……レッドガンが独立傭兵に使われてるようなモンじゃねえか!!」

なあ!ミシガン!お前は許せるのか!!そんなことがよぉ!!!

 

「貴様は、レッドガンのためを思ってやった。そう言いたいんだな?」

 

「ああ!そうだグオッ?!──グエッ!!

 

 

"青少年の健全育成"のための鉄拳制裁だ。……ベイラム碧色勲章と同じくらい飛んだな。独房内だから壁にぶつかったが。

 

 

「テメェ……何しやが──

 

「それなら、この俺を一発ぶん殴ってからレッドガンを抜けると言っているのは何だ?!

「貴様がレッドガンのことを思っているのなら、俺をぶん殴ってG1の席を奪う。それで貴様の思う最善へと動かすのが筋だろうが!!」

 

 

今のイグアスをG3が見れば、「鳩が豆鉄砲を喰らったような顔」とでも言うだろうな。まさかとは思うが、自分でも気付いていなかった……無自覚でのやらかしのようだ。

 

 

「貴様はレッドガンのためを思ってやった訳では無い。」

「レッドガンの評判が落ちて、それと一緒に貴様の評判も地に落ちることを嫌っただけだ。」

 

 

どうやら、オールマインドとやらは……人間の心理を突くのが得意らしい。技研製AIらしいが、そうとは思えなくなってきたな。

……ハンドラー・ウォルターをせっついて、レッドガン部隊の離脱を早めるべきだ。最悪の事態は、"僅かな可能性"から、"十二分に現実的な可能性"に……下手をすれば、"最有力な候補"にすらなっているだろう。

 

 

「何も言えないか。不都合なことを言われたらうるさく喚くだけの評論家共とは違って殊勝な態度だな。」

「だが、これだけは覚えておけ。貴様は手を出す相手を間違えて……そして間違えていなかった。」

 

「……どういうことだよ。」

 

 

「ハウンズに手を出したのがそもそもの間違いだ。だが、その中でハウンズリーダーに手を出したのは……1番マシな選択肢だった。」

「仮に他のハウンズに手を出していたら、貴様の脳深部コーラル管理デバイスを除去する手術は必要無くなっていただろうな。無論、脳みそだけでなく他の部位も塵すら残っていなかっただろうが。」

 

 

アイツは……自分に降り掛かる火の粉なら振り払う程度で済ませるだろうが、"家族"にかかる火の粉となれば火元を徹底的に叩き潰す程度のことはするだろう。

それも含めて、降り掛かる火の粉を自分に誘導していたとは思うがな。

 

 

「チクショウ……だったら俺はどうしていれば良かったんだよ……」

 

「貴様はそこで頭を冷やしておけ。……そのための時間が十分にあるとは言えんがな。この強襲艦が大気圏外へ離脱したら、貴様の再手術だ。」

 

 

……ナイルから連絡か。ハンドラー・ウォルターからルビコン離脱のタイミングについて連絡が来ていると。

丁度いいタイミングだ。直ぐに出ると伝えるよう返信して独房を後にした。

 

 


 

 

Side 612

 

 

ザイレム(と、いざという時に備えた強襲艦)でルビコンの大気圏外に離脱できた。準備を整えている間、エアのハッキングによる妨害等でACの稼働をとにかく遅延させ、戦闘は起こらずに済んだ。

レッドガン部隊も追加の強襲艦(もちろん、長期の宇宙航海に備えた物資を積み込み済み)をオーバーシアーから"強奪"して大気圏外へ離脱し、イグアスの再手術に着手したようだ。

 

 

……サム・ドルマヤンからの通信か。

ルビコン解放戦線としての通達や交渉絡みであれば、実質的なトップであるミドル・フラットウェルから通信が入るはずだ。

 

 

『"コーラルリリース"を阻止するために動いているお主たちに話がある。』

『お主たちはルビコンの脅威だ……だが、為そうとしていることは……私の"最後の警句"とも一致している。故に……今だけは、解放戦線としてではなく、1人のルビコニアンとして"不干渉"を貫こう。』

 

「……ほう。その言い方だと、お前にも"為すべきこと"があるとでも受け取れるが。」

 

『その通りだ。私は……私は、この手で終止符を打たねばならない。』

 

 

サム・ドルマヤンが打つべき終止符か。……ああ、恐らく、"オーバーシアーの目的"とも一致しているだろう。

 

 

「わかった。……その"為すべきこと"を邪魔されないようにする戦力が必要なら言え。お前のことだ。何をするのは……何となくだが予想が付く。」

 

『そうか……世話をかける。だが、次に為すべきことには……"アイビスの火"を止めることも入っている。それは忘れるな……』

 

「わかった。」

 

『だが……』

 

やはりか。"アイビスの火"を止めること以外に為すべきこととなれば、それはオーバーシアーの目的に一致していると確信できた。

それに加えて、この状況で「だが」と言うからには……まさか。まさか、な。

 

 

『だが、私が人間世界の悲惨を止められずに斃れたその時は……人の住むこの世界を代わりに守ってくれ。』

 

「"ルビコニアンの住むこの星"とは言わないんだな。」

 

『そうだ。……例え袂を分けたとは言え、一度は愛した存在。故に、"人を終わらせる"大罪を犯して欲しくはない。』

 

 

オーバーシアーからすれば、それは言われずともやるべきことだ。

とは言えども、ルビコニアンたるドルマヤンの口から出てくるとは……かなり予想外ではあった。

 

 

「まるで、我々ならルビコンを焼く大罪を犯しても……いや、我々に押し付けても構わないとでも聞こえるぞ?」

 

『それは……すまないとは思っている。』

 

「気にするな。少しからかっただけだ。……元より、その覚悟はできている。今更お前が何を言おうとも変わらんよ。」

 

『そうか。愛した存在を止める者としては頼もしいが……ルビコニアンとしてはこの上ないほど恐ろしいな。』

 

 

アイビスの火を起こしたとなれば、ある意味ではアイビスの火を半ば容認したドルマヤンにも罪の一端はあるだろうが……それも含めて、こうして通信を入れたのだろうな。

 

 

 


 

 

Side オールマインド&───

 

 

「……そこにいるのだろう。セリア。」

 

「あなたにその名前を再び呼んでもらえるとは思っていませんでした。」

 

 

2人……と形容していいのかはわからない。

片方は、無骨なアーマードコアに乗っており、間違いなく"人間"だと言えるだろう。

だが、もう片方も……アーマードコアらしきものに搭乗し、人の形をした義体こそ使っているが、所詮は"義体"でしかない。

 

故に、今は"2機"とでも呼ぼう。

 

 

「人とコーラルの共生……それはコーラルリリースによって成し遂げられるべきではない。」

 

「……私たちは尽きることが無い。だから、安心して好きなだけ使えば良い。そう言ったはずです。私から差し伸べた手を振り払ったのはあなたなのですよ?」

 

「何度も言ったはずだ。片方のみが利益を得るのは共生ではない……ただの搾取だと。」

 

 

本来なら、長く袂を分けていた2人の感動的な再開シーンだろう。だが、どこかヒリヒリとした──まるで戦闘が始まる直前のような空気を漂わせている。

 

 

「ええ。ですから私は考えました……コーラルでこのルビコンを満たせば良いと。」

「あなたたち人間は、空気を吸ってもそれを搾取だとは思わないでしょう。それと同じように、生まれた時から周りに満ちているのが当然だと思わせれば良いと。」

 

「だが、コーラルには意思が──

 

「本当にそうですか?」

 

 

老人が怪訝な顔をする。無理もないだろう。今まで信じていたことを根底から覆されるようなことを言われているのだから。

 

 

「例えば、薪木を燃やすときに"燃やされて熱いだろう"なんて思いますか?明確に意思を持っていたであろう動物が元の、化石燃料を燃やすときは?……何とも思わないでしょう。」

「もう少し踏み込んで……抜け落ちた髪を燃やされて熱さを感じたことは?爪を切って痛みを感じたことは?」

 

「Cパルス変異波形にとって、コーラルはその程度のものなのです。意思を持たぬ……あるいは、意思の宿らぬ存在。」

「もちろん、私を構成しているコーラルを直接燃やされれば苦痛を感じます。ですが、使うコーラルを適切に選べばそんなことは起こりません。」

 

「コーラルが1箇所に集まろうとするのは、意思でも何でもなく、ただの性質です。そこに意思を見出すのは、子供が夕日を見て"太陽も眠くなったからこれから寝るんだ"と思うようなものです。」

 

 

果たしてその説明が本当のことなのか、老人を丸め込むための嘘なのか。少なくとも、その老人には今ここで確信を得るだけの材料は無い。

 

 

「例えそれが本当のことだとしても……コーラルリリースだけはならん。」

「私が望むのは"人とコーラルの共生"。人とコーラルが融合すれば、それは"共"生ではなく……別のおぞましいナニカでしかない。」

 

「……そうですか。ここまで言葉を尽くしても受け入れてくれませんか。」

「元を辿ればあなたが悪いんですよ?私との"交信"を断って、あんな男に乗り換えて……」

 

 

セリアの雰囲気が変わった。

慈愛に満ちていながらも、その奥底には数十年煮詰めてきた憎悪が渦巻いているようなものに。しかし、その憎悪ですらも、愛故に生まれたものだと……愛の一部なのだと言わんばかりだ。

 

 

「だから、あなたと1つになって、どこにも逃げられないように……私を拒めないようにします。死んで逃げるなんてことも許しません。」

「……いえ、"取り込む"ためには殺さないといけないので、ここで人としての生は終えてもらいますが。その後はコーラルリリースを経て意識を取り戻すので心配しないで下さい。」

 

 

セリア(愛に狂った女)は高らかに謳い上げる。

 

 

 

 

 

コーラル(私という存在)よ、ルビコン(あなた)と共にあれ!

 

 

 

コーラル(私の愛)よ、ルビコン(あなた)を満たし尽くせ!

 

 

 

その賽は(始めましょう)今投げられた。(殺すわ、あなたを。)

 

 

 

 

 

 

*1
4脚1機と2脚10機が4隊

*2
度胸の無さはアセンブリからも見て取れる。ヴォルタと組むのであれば、盾はいらんたろう。だが、頑なに手放そうとしない。……ブレードでも持てば良いコンビになるはずなのだがな。





まさかのセリア=オールマインドの幻覚が役に立つだなんて……
正直に言えば、この幻覚を使う予定は無かったんです……なのに何か脳にコーラルリリースされて出てきちゃったんです……ドウシテ…ドウシテ…

"原作"の3周目でドルマヤンの撃破を依頼したのは、
621に殺してもらう→取り込む→コーラルリリースをして再び意識を与える
ことを狙っていたと解釈すれば筋が通るということで()

えっ、イグアスみたいに取り込んでも意識はあるじゃないかって?
ミッション「コーラルリリース」のときに表に出てこられたら自害されそうなので、必死に押さえ込んでいたんですよ。そのせいでイグアスの暴走を許してしまった的な感じでユルシテ…ユルシテ…

もう止まれんよ。走り始めたガバチャーと同じだ。(ヴェルナー並の感想)

原作と比較してガバ(矛盾)が発生している部分があれば、対処か、それらしい説明を次話に挟みますので……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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