ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
61話『お前(オールマインド)を殺す』の後書きにて「4周目の終わりまで残り2、3話」と言いましたが、まさかここまで伸びるとは……
という事で、ここからまた脳にコーラルリリースされなければ、次の次で4周目を終わらせられるはずです。
本当なら、次話で終わる予定でしたが、今話が思ったよりも長くなってしまったので……
Side 612
ドルマヤンがオールマインド……いや、セリアに敗れてから、アイビスの火へのカウントダウンは致命的なまでに加速した。
これは推測でしかないが、"原作"でオールマインドがしていた"取り込み"には条件があるのだろう。……それは、取り込む対象の意識をコーラルに溶け出させること。
人間の意識が神経細胞のネットワークによって形作られているのであれば、コーラルに神経細胞の役割を担わせる──言わば、コーラルをインクとしたコピーのようなものだ──ことで意識を取り込んでいるのかもしれない。
さらに、コーラルリリースに必要な量を確保するために集積洞を刺激すれば一石二鳥だ。
……まさかとは思うが、原作の
・621が絡まない場合、いつの間にか頓挫している→オーバーシアーで621絡んでいるから頓挫しない
・裏でコソコソする分には誰にも悟らせない→621をコーラルリリース計画に誘っていない&私と621はウォルターに伝えられないから誰も悟れない
の2つが適用された可能性があるかもしれない。悪魔合体を起こして灯台下暗しLv.999になったようなものだな。
今はウォルターが解放戦線側とコンタクトを取ろうと試みている。エアも動員しているようだから、いざとなれば無理やりハッキングで捩じ込むつもりだろう。
もはやアイビスの火は避けられない。コーラルをチマチマ焼いて先延ばしにすることでさえも不可能だ。
幸いなことに、我々は既に大気圏外に大量の物資と共に退避している。ザイレムの主砲で着火することもできる。
アイビスの火を防いだ上での人とコーラルの共生を目指そうとしてきたが……叶わなかったか。
我々にできることは……もはや、1人でも多くの人間を生かすことしかない。
……ウォルターが戻ってきたな。
「……駄目だった。"我々は最後の1秒まで戦い抜く。"……それを最後に通信が完全に途絶した。」
エアを以てしても通信が途絶したとなれば……通信機を物理的に破壊でもしたのだろう。
ルビコンで生まれルビコンで育った人間からすれば、「ルビコニアンよ、ルビコンと共にあれ」なのだろうな。コーラルの制御に成功して全てを手に入れるか、ルビコンと共に焼け死ぬかの2択を選んだと。
「……そうか。トップダウンでの避難指示が出ないのであれば、直接民衆に呼びかけるしかないか。せめて、死ぬ人間は1人でも良いから減らしたい。」
「それは今エアとカーラが進めている。だが、肝心の避難手段である強襲艦が"コーラルクローズ"計画に使われていて、避難用に捻出できる艦が無い見込みだ。」
やはり"コーラルクローズ"計画は諦めていなかったか。だが、ここからは
となると、ルビコンから避難したい人を避難させるのであれば、強襲艦を強奪して離脱させるより他は無い。ザイレムに乗せるのは、着陸したときに解放から攻撃される危険性があるので"無し"だ。
「そうなると……せめて、星外企業の人間だけでも避難させないとまずいな。関係悪化は避けたい。」
今となっては、シュナイダーとメリニットしか残っていないが、可能な限り敵に回る要素は減らしておきたい。少なくとも、第三者、あるいは解放戦線側の組織の人間から、「オーバーシアーは再三避難勧告を出していた」との証言は欲しい。そうでもしなければオーバーシアーの正当性が損なわれかねない。
ちなみにだが、ファーロンはレッドガンと共に離脱していて、VCPLはアーキバスの残党狩りの際に穏便な対処をしてある。
また、タキガワはそもそも人員を送り込んでいない。製品のアフターケアについては、「部品等は発送するがそこから先は自力でやれ」のスタイルだ。需要が少なかったから仕方ないな。
「そうだな。こちらの方で連絡を取っておく。……避難に使う強襲艦はどうするつもりだ。」
「ここにある1隻だけでは手が足りないかもしれない。不測の事態に備えて、解放戦線から1隻程度"拝借"するつもりだ。」
「わかった。あるいは、シュナイダー社であれば自前のACで調達することも可能かもしれない。それも頭に入れておいてくれ。」
確かにそうだな。シュナイダー社ならナハトライアーにしろ、ラマーガイアーにしろ、自社でACフレーム一式を揃えられている。武装も言わずもがなだ。
「それなら、私は解放戦線からの追撃を止める殿になろう。」
私が戦場に出たとなれば、ACやMTパイロットを温存するために追撃を諦める可能性が出てくる。
だが、YABAで空中機動戦ができるかと言われると……待てよ?
「そうだ。シュナイダー社に追加で頼みたいことがある。後は、RaDの方にもだ。」
「シュナイダー社とRaDにか。RaDなら多少の無理も通せるだろうが、シュナイダー社の方はわからないぞ。」
「いや、シュナイダー社なら間違い無く受け入れる。……それどころか、下手をしなくても泣いて喜ぶレベルかもしれない。」
「頼み事は、───
シュナイダー社とメリニット社には話が行き、星外への離脱を承諾された。また、シュナイダー社も私の頼みを聞いてくれたようだ。
『頼まれた物は積んである。……随分と"笑える"ことをやるみたいだね?』
「下手をすれば、解放戦線からの追撃では強襲艦を出されるかもしれないんだ。備えは必要だろう。」
『やりたいことはわかるんだけどね。まあ良いさ。あんたなら上手くやるんだろうね。』
『さて、そろそろ時間だ。シュナイダー社の方も行動を開始した。……必ず生きて戻ってくるんだ。良いね?』
「ああ。」
保険として載せていた強襲艦を使って地上へと降下する。
AC単機であれば、降下ポッドを使って降りられるかもしれないが、"積荷"があるのでそうもいかない。
2時間ほどかかったが、無事に着陸できた。シュナイダー社の方も準備はできているようだな。
「速水です。お待ちしておりました。」
「あなたが護衛して下さるとはとても心強いです。……話はこれくらいにして、我々は作業に取り掛かります。」
「助かる。」
やはりシュナイダー社。話も行動も早い。
「それにしても、あなたの提案には驚かされました。シュナイダー社としては、これ以上無いほどに素晴らしい提案です。」
「……ただ、今回限りの例外だ。もしもまだ使い続けたいのであれば、ウォルターやカーラに話を通してくれ。」
「わかりました。……コーラルがこの事態を招いた以上、そのように神経質になるのも仕方ないと理解しています。」
「
そう、ラマーガイアーにコーラルジェネレーターを搭載するプランだ。もちろん、カーマンラインまで上昇してからの無限ENによる飛行も考えている。
そして、RaDに頼んでいたのはラマーガイアーに搭載する武装だ。
機体が組み上がるとこんな感じになる。
| LAMMERGEIER | |
| R-ARM UNIT | LR-037 HARRIS |
| L-ARM UNIT | LR-037 HARRIS |
| R-BACK UNIT | BML-G2/P08DUO-03 |
| L-BACK UNIT | BML-G2/P08DUO-03 |
| HEAD | LAMMERGEIER/44F |
| CORE | LAMMERGEIER/40F |
| ARMS | LAMMERGEIER/46F |
| LEGS | LAMMERGEIER/42F |
| BOOSTER | ALULA/21E |
| FCS | VE-21A |
| GENERATOR | IA-C01G:AORTA |
| EXPANSION | TERMINAL ARMOR |
カーマンラインでのEN無限を利用してひたすら機動力で撹乱、ミサイルとハリスを叩き込む。
ハリスについては、RaDがベイラムの武器をリバースエンジニアリングしていて、それを離反後のレッドガンに納入していたりした都合で確保できた。
VE-21Aは、シュナイダーがアーキバス系列企業だったから持っているのも当然だ。アーキバスが壊滅した今となっては、シュナイダー社の方でリバースエンジニアリングをして秘密裏に生産していた訳だ。
「それと、聞いているとは思うが、準備が整い次第速やかに大気圏外へ離脱してくれ。……特に、カーマンラインまでは。」
「はい。聞いています。ですが、何故カーマンラインが具体的な指標として提示されたのですか?」
「あそこには、約50年前のアイビスの火による滞留コーラルが漂っている。そこに飛び込めばEN切れが起こることは無いだろう。ラマーガイアーで迎撃するにはうってつけの場所だ。」
……待て、(速水の)様子がおかしい。
「ふぅ……危なかった……ちなみにですが、通常のジェネレーターでもそれはできますか?」
「恐らくできるだろう。ただ、コーラルを燃焼させる以上は侵食による損耗を避けられないと思ってくれ。」
「……っ!!!わかりました。私も機体の整備に向かうのでここで失礼します。ちょっとコレヤバいかも…ハァハァ…」
……私は何も見ていないし聞いていない。いいね?*1
おっと、ウォルターからの通信だ。
『612、作戦の方を急いでくれ。解放戦線のAC部隊が出撃した。』
「了解した。」
恐らくだが、大気圏外から強襲艦が降りてきたのを察知して、その人員を人質としアイビスの火を起こさせない。そんなところだろう。
万が一、億が一で私が人質に取られたら……その時はルビコン諸共焼け死ぬ覚悟はできているが、家族を殺す罪と業をウォルターたちに背負わせたくない。それに……下手をすれば、617たちから私の後を追う者が出かねない。特に619はその筆頭だ。
……なるほど、カーラはこれを薄々勘づいていたから「必ず生きて戻れ」と言ったのか。
『整備完了まで後5分です。解放戦線からの追撃は、少なくともカーマンラインに達するまでは追いつけない見込みです。』
「わかった。それなら、状況によるがカーマンラインで撃退するとしよう。」
『それと、解放戦線の方にもラマーガイアーは2機納入しています。間違いなく出てくるはずです。ご注意を。』
解放戦線がラマーガイアーを……か。確かにホバー移動で躱してQBを吹かさなければ真人間でも扱えるかもしれない。感覚的には攻撃ヘリのような運用になるのだろう。
「強化人間が乗っていないのであれば、いくらでもやりようはある。まぁ、強化人間が乗っていても負けるつもりは全く無いが。」
『あなたの腕であればそれもそうですね。私も出撃するので背中は任せました。』
「ラマーガイアーの機動力なら背中を任せる機動にはならないだろうが、良いだろう。任された。」
ラマーガイアーなら、縦横無尽に動き回って攻撃&回避することになる。精々、横槍を入れて妨害する程度になるだろう。……あるいは、私が速水に合わせて動くかのどちらかだ。
『……やはりその返答を思い付くとは。もはやルビコンでの"仕事"も大詰めなのでしょう?終わったらシュナイダー社に来ませんか?』
『テストパイロットとしても極めて高い適性がありますから、本社もしても、
なんだそのシュナイダー社でしか通用しない慣用句は。意味はわかるが。
それにしても、このトーンで言っているとなれば、本気も本気だろう。ここで首を縦に振れば、シュナイダー社の社員として安定した職に就けるかもしれない。
「ルビコンでの争いが終われば、独立傭兵としては稼げなくなる。だからこそシュナイダー社に、という訳か。そう考えると非常に魅力的な提案だな。」
『っ!では!!』
「だが、その話は無かったことにした方が良い。」
「……オーバーシアーが為そうとしていることだけに、私には"星を1つ焼いた大量虐殺犯"の汚名が付き纏うだろう。そんな人間を雇って企業イメージを損ないたくはないだろう?」
今言ったこともそうだが、もはや"ウォルターの猟犬"として自己を定義した私からすれば、別の組織に所属するのはどうも抵抗感がある。
『そう……ですか。ですが、最終的な決定は本社の人事が下すことです。ですから、気が向いたらいつでもいらして下さい。私の名前を使っても構いませんから。』
「そうか。覚えておこう。」
『それと……あなたは強いのですね。』
随分と唐突な話だ。しかし、"強い"と言っても、ACの戦闘技術を指して言っているわけではないだろうな。それなら、「それと」と前置きをしたりはしない。
『私たちシュナイダー社の社員は、速さに、空に憧れている人間の集まりです。好きに生き、好きに飛ぶ人間の集まりです。例え途中で壁にぶつかろうとも、何度も諦めずに挑戦するような。』
『ですが、あなたは……義務感や使命感で進み続けている。壁にぶつかっても、それでも。』
『我々とは違い、それを乗り越えても自分の"好き"が待っている訳ではない。それなのに進めるあなたは……強いのでしょう。』
『さっきシュナイダー社に勧誘したのは、そんなあなたが"好き"を原動力に進む姿を見てみたいと思ったからです。きっと、あなたならどこまでも羽ばたける。そう思えたからです。』
「……そうか。だが、既に私は"猟犬"として生きる道を選んでいる。今更翼を欲しいと思えるような立場じゃないさ。」
それに、オーバーシアーの使命を果たすためにも、再びルビコンに戻りコーラルの監視をせねばならない。そうなれば、シュナイダー社の社員と兼任することはほぼ不可能だろう。
『……いえ、あなたでも翼は望んで良いんです。』
『知っていますか?人類の起源たる地球、そこのアルメニアの神話には翼を持つ犬"アラレズ"がいます。最も古い神であり、戦いで傷付いた者を癒し、死者を甦らせる力を持っています。』
『ですから、"猟犬"が翼を得たとしても何ら不思議ではありません。』
流石はシュナイダー社員と言ったところか。空に関係していればまさか神話まで網羅しているとはな。……流石に、私を納得させるために適当にでっち上げたなんて事はないはずだ。少なくとも、"飛ぶ"ことに関して不誠実なことをするような人間ではない。
だが、神話上の存在とは……な……
「私はそんな大層な存在じゃない。寧ろ、戦いで傷付け、死人を増やしただけだ。」
「それに……神様になって、黒く焼き尽くされるのは勘弁だからな。」
『……そう……ですか。』
『整備が完了しました。強襲艦への積み込みは後10分以内に終わる見込みです。出撃準備をお願いします。』
「わかった。」
機体の色が灰色系統で良かったな。もしもこれで黒だったら……「黒い鳥」になっていたところだった。
シスターズ「戦いで傷付いた人を癒す……つまり、お兄様(お兄)(兄さん)吸いで癒されるのは当然の帰結だった!!」
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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