ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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難産でした(連続)
今回で戦闘を終わらせようと思った結果、色々と詰め込むことになりました。ユルシテ…ユルシテ…

次の話で4周目の最終話、次の次で4周目のアフター的なもの、さらにその次から5周目(というよりは621がもう一方の選択肢を選んでいた場合)を始める予定です。



"Remember",you are "FIRES OF RUBICON"

 

Side 612

 

 

強襲艦と共に上昇している最中に、ルビコン解放戦線の強襲艦とACに補足された。

こちら側の強襲艦は機材などを積み込んだ影響で速度を出し切ることができない。一方、解放戦線は本来の速度を出し切れている。振り切ることは不可能だろう。

 

 

『このペースだと……カーマンライン近傍で追いつかれます。』

 

「それならまだ想定の範囲内だ。私が先に出撃して、向こうの攻撃が強襲艦に届かない位置で迎撃する。」

 

『私も出ます。』

 

 

速水の機体にはコーラルジェネレーターが積まれていない。この高度でENが枯渇したらまずいから止めるべきだろう。

 

 

『まだカーマンラインに到達してはいませんが、EN消費が通常の10%程度まで抑えられると示されています。充分戦えます。』

 

「なるほど……コーラルがルビコンに充満しつつある影響か。わかった。ただ、高度を速度に変換するような機動は控える方が良いだろう。」

 

『心得ています。』

 

 

確かに、カーマンラインならEN無限になるが、そこまで到達しないと効果が全くの0かと言われるとそうではないな。それなら、頭数を確保するためにも出撃してもらおう。

 

 

『612、聞こえているか。』

 

「こちら612。聞こえている。」

 

 

ウォルターからの通信か。特に慌てているような様子は無い。緊急事態ではないはずだ。

 

 

『敵機の数が多い。ザイレムもカーマンライン近傍まで向かう。10分経てば617たちも増援として加わるだろう。』

 

「了解した。」

 

 

621なら、"1周目"でEN無限飛行を経験しているはずだ。この戦闘に加わっても問題無く動けるだろう。617たちは……まぁ、上手くやってくれるだろうな。

 

 

「良し……行くか。ハウンズリーダー、出撃する。」

 

『速水、同じく出撃します。』

 

 

 


 

 

 

強襲艦から20km程度距離を取り、万が一強襲艦を直接叩く選択肢を取られても対応できるようにした。

 

 

「ACが突出しているな。向こうもENが減らない状態であることに気付いたか。」

 

『そのようです。数は2脚が12機に我が社のACが2機……やれますかね?』

 

「囲まれないように意識するのと、銃撃の回避は機体を左右に細かく振って躱せ。FCSを欺くんだ。4脚のホバー形態はそれに向いている。」

 

 

……もう間もなく交戦距離になるな。ハリスのチャージを開始しよう。

 

 

『敵は……1機は識別名ハウンズリーダー!乗っているのはいつもの機体じゃない!シュナイダーACだ!!』

 

『あれなら脆いはずだ。何故かは知らんがこちらも無限に飛び続けられる!向こうは2機しかいない。囲んで数で押し切れ!!』

 

『我々ルビコニアンを裏切りやがって……生きて帰すな!!』

 

 

"裏切って"……か。そもそも、オーバーシアーとしては"コーラルの管理"のために手を組んだだけで、その目的から外れてはいない。裏切り者だとの誹りは的外れ……なはずだ。

 

 

「騙したつもりは無いが悪いな。役目なんでな。……ここで散ってもらおう。」

 

 

遮蔽も何も無いここでは囲まれると非常に危険だ。……落とすのであれば、指揮を執っているアイツからだな。

 

 

「ハウンズリーダー、解放戦線AC部隊とエンゲージ。戦闘を開始する。」

 

 

まずは射程ギリギリからミサイルを撃つ。私が撃ったミサイル(6発×2基=12)20倍は向こうから(10発×2基×12人=240)撃たれているが、ミサイルの進行方向に対して鋭角にすれ違って全て回避する。

ハリスのチャージショットはしっかりQBで躱された。だが、向こうの中身は「真人間」だ。QBを使い続けるのにも限界はある。

 

 

「速水、交戦途中での弾切れに気を付けろ。……25%を下回ったら補給で戻れ。回避と撹乱を徹底すれば、5分程度なら私一人でも十分に持たせられる。」

 

『わかりました。ですが、それまでに4機は落としておきます。』

 

「頼んだぞ。」

 

 

こちらは円弧を描くような引き撃ちを徹底しているが、それでも尚、向こうはABを使わないとこちらに追いつけない。だが、引き撃ち機体相手にABで突撃しながらの戦闘は訓練メニューに組み込んでいなかった。この隙を突けば勝つ見込みは十分にある。

 

 

『QBを吹かしていないのに弾が当たらない?!クソっ!何なんだよ!!』

 

『左右に小刻みに動いて躱されている……この機体だとスピードが足りない!!』

 

 

真人間でも扱えるような機体構成が仇となっているな。完全に翻弄されている。こちらを囲もうとしても、12時(正面),2時(斜め右前),10時(斜め左前)の方向に展開するので精一杯だ。3時(真右),9時(真左)よりも後ろには回りこめる様子が無い。

 

さて、そうなると動向が気になるのはシュナイダーACだが……

 

 

『ハウンズリーダー、お前とこのような形で再び会うとはな。』

 

「フラットウェルか。……恨みたければ恨め。お前には……いや、全てのルビコニアンにはその権利がある。」

 

 

フラットウェルがシュナイダー4脚に乗っているとなると、少し面倒かもしれないな。元々の機体がエルカノの軽量2脚だ。スピード感だけで言えば良く似ている。

そして、武装もそこそこ厄介だ。両肩はミサイル、両手はランセツRF。典型的な引き機体だ。

 

フラットウェルを相手にしていると、上手く位置を誘導されて囲まれかねない。他の2脚ACから落とすのが上策だな。

それと速水の方は……4脚1機と2脚4機を相手に、引き撃ちで上手く対処している。あれなら直ぐに落とされることはないだろう。

 

 

『お前は、もはや今となってはルビコン最大の脅威……"ルビコンの戦火"そのものだ!!』

 

「私とてルビコンが炎に包まれるのは不本意だ。好き好んで星を焼きたい人間なんていないだろうさ。」

 

『元よりルビコンの外から来た人間だ。その言葉もどこまで本当かわからん!コーラルでしかルビコンを見ていない奴に……我々の何がわかる?!』

 

 

"コーラルでしか"……か。少し前まではそうだったが、今は違うな。

 

 

「お前に話すことではないが……私にも、このルビコンで守るべきものができた。例え、封鎖機構や星間企業と同等の勢力を全面的に敵に回すことになったとしてもだ。」

 

『なら何故?!』

 

「それが私の役目だからだ。罪を背負う覚悟もできているし……既に背負っているからな。」

 

 

622の眠るこの地を私は守らねばならない。第2のアイビスの火を起こしてしまうのは不本意だが、その後はできる限りのことをするつもりだ。

 

そうこう話している間に、2脚AC1機をターミナルアーマーまで追い詰めた。剥がれるタイミングに合わせてミサイルを撃ち込んでおく。……良し。まずは1機。

 

1機落としたが、私の担当分はまだ2脚7機とフラットウェルが残っている。

 

そろそろこちらの衝撃値も溜まりそうだから……一度AQBで回避に専念するか。

距離を離すようにABを吹かし、途中で不規則にQBも挟む。かなりの加速度が連続して襲いかかってくるが、ブレードキャンセルに比べれば少しマシだな。

 

衝撃値をリセットしてから再び射撃戦に移行する。

陣形の端にいる機体を狙い、味方撃ちを誘発させるような位置取りで射撃を躊躇わせる。

 

 

『クソッ!こっちは9機で囲んでたんだぞ!なんで俺たちが落とされてるんだ?!』

 

『あの"訓練"の時も手加減した機体で鼻歌交じりに相手されていたからな……向こうが手早く片付けてこっちの援護に来るまで持ちこたえるぞ!!』

 

 

そういえばそんなこともあったな。確かあの時は……ああそうだ。『Remember』だったな。だが、あの時と比べると今の方が実にピッタリだ。EN無限の環境下でシュナイダー機体に乗っているから、曲調やテンポが実に良く合う。

 

そして……歌詞の方もそうだ

 

私はルビコニアンにとっての"恐怖"となった。

私と対峙しているAC乗りからも、それが伝わってくる。

そう、全ては幻想になってしまった。人とコーラルの共生も。そして、抑圧から解放されたルビコンも。

 

 

『ルビコンを焼けば、ここに住む幾億もの人間が焼け死ぬんだぞ?!それをわかっててやっているのか?!』

 

 

ACfAの『首輪付き』は……確か、クレイドルの編隊を襲撃して1億人を殺していたはずだ。その後も襲撃を続けていれば、数億人規模まで膨れ上がっていただろう。

……まさか、私が『ルビコニアンの天敵』となって並んでしまうとはな。

 

 

「だが、そうしなければ全人類がコーラルによる汚染で死ぬ。いわゆるトロッコ問題だな。……そのトロッコに轢き殺されるお前たちからすれば、現状は到底受け入れられないものだろうが。」

 

『よせ!構うな!確信犯だ。話しても仕方ない。所詮はウォルターの猟犬だ、ルビコニアンの言葉など意にも介さんだろう。』

 

 

ああ、記憶の片隅に僅かに引っかかる言い回しだ。本当に『ルビコニアンの天敵』になってしまった訳だ。だとしても、やるべき事に変わりは無いがな。

 

 

『ターミナルアーマーまで削られた!……ちくしょう!やってやる!!死ね!猟犬!!』

 

 

TAの時間内にAB突撃で削るつもりか。……だが、通らんよ。それはな。

ABから即座に連続AQBに移行。3次元的にAQBを吹かすことで照準を合わせられないようにする。

 

TAが終わるタイミング的に……ここだな。

ミサイルをTAの切れるタイミングで着弾するように撃つ。意識はそのまま次の機体へと向ける。

 

 

『ターミナルアーマーの終わりを狙って……?!この……ルビコニアンの天敵め……!!』

 

 

残り7機。弾は……617たちが増援に入るタイミングまではギリギリで持つな。ミサイルもタイミングを選ばなければ無理だ。

 

 

『612、敵の増援だ。621たちはその対処に回す。』

 

「了解した。可能ならこちらに増援が欲しい。残弾が不安だ。」

 

『わかった。……そうだな、618を回す。』

 

 

617は協働で真価を発揮する構成。619はミサイル主体だから言わずもがな。620は近距離メインだから今の乱戦には向かない。621は"大駒"としての圧力を発揮して欲しい。

……そうなると、1人で安定した火力を出せて、なおかつ遠距離も戦える618が適任だ。

 

 

「そうしてくれ。それで、敵増援の内訳は。」

 

『"ブランチ"3機だ。』

 

 

ブランチ……か。既存秩序の破壊を目論んでいる(と推測している)集団だが、ここで出てくるか。あくまでも"開放されたルビコン"を求めているから、今のオーバーシアーが為そうとしていることとは相容れないと。

 

 

「ブランチ3機だけなら、同数で当たっても大丈夫だろう。620もこちらに回して欲しい。」

 

『わかった。到着まで残り5分程度だ。』

 

 

あまり618と620に負担をかけたくはない。交代までに追加で2機は落としておこう。

 

 

 


 

Side 621

 

 

兄さんがシュナイダーの"あの機体"で出撃して、圧倒的な数的不利をものともせずに戦っている。さらなる増援が兄さんの方に向かうのを阻止するために、私も出撃した。

 

 

「レーダーにブランチ3機を補足。他に機影は無いわね。」

 

『621は"レイヴン"を最優先で頼みますわ。617はアスタークラウンの時間稼ぎを。私はアンバーオックスの時間稼ぎをしますわ。相手が乗らなければ、その時はまた指示を出しますわ。』

 

『「了解。」』

 

 

この3人は5分以内に片付けたいわね。兄さんは残弾を節約しながら戦っていて、618姉さんと620姉さんが到着次第交代。最後のトドメに私たちが増援として入れば被撃墜0で対処できるはずよ。

 

 

『レイヴン、あれがハンドラー・ウォルターの猟犬よ。……このルビコンを焼かせないためにも、ここで退場してもらいましょう。』

 

『機体スペックはこちらが圧倒的に上だ。1機ずつ丁寧に潰すぞ。』

 

『所詮はアンティークな第4世代でしょ?ここで戦うのなら負ける気がしないね。』

 

 

向こうはこっちを舐めきっているわね。無限に飛べるこの環境下で、ホバータンクに4脚ともなればそう考えるのも無理は無いでしょうけれども。ただ、そんなものは直ぐに打ち砕くからどうでも良いわね。

 

 

『ハウンズ、ブランチとエンゲージ。戦闘に入りますわ。』

 

 

さて、まずは……ENが無限なのを利用して、ひたすらパイルキャンセルで追い回してみましょう。ただ、あくまでも"近接攻撃用"ブースターだから、連続で使い続けると発熱とかで駄目になるかもしれないから注意が必要ね。

 

っと、迎撃チャージパイルには……タイミングを少し遅らせてこちらもQB踏み込みチャージパイルを打つ。攻撃後の後隙に捩じ込め……なかったわね。流石に躱されたわ。

それでも、"1周目"だと1対1で、その後の周回でも1対3で勝てているから、油断や変なミスさえしなければ勝てる相手には変わらないわね。

 

 

『あなたたちは惑星封鎖機構を退け、ルビコンを解放した。そのことには感謝していますが……今のあなたたちが為そうとしていることは見過ごせません。』

『ルビコニアンを騙したその罪、死んで償って貰いましょう。』

 

 

別に騙したつもりは無いのだけれども……どちらにせよ、ここで撃破されて死ぬか、アイビスの火で焼け死ぬかの違いでしかないわ。

私の方が撃破されて死ぬ?そんなことは起こらない(起こさせない)から大丈夫よ。

 

 

『ですが……あなたたちは、ハンドラー・ウォルターやハウンズリーダーに使われているだけなのかもしれません。もしそうだとするのならば……彼らを止めればまだ間に合います。』

『星を焼く大罪を犯そうとしている人間の手先になる必要はありません。』

 

 

あっ……これは、617姉さんたちの地雷を踏み抜いたわね。ちなみに、私の地雷も一緒に踏み抜いているわ。雑に言えば、父さんと兄さんを裏切れって言っているようなものだもの。

姉さんたちの攻撃が被ダメージを抑える"確実に勝つための動き"から、"殺す"ためのものになった。

 

 

『何なのコイツら?!第4世代のアンティークじゃないの?!』

 

『シャルトルーズ!落ち着け!!お前の火力なら一発当てるだけで流れを取り戻せる!!』

 

『レイヴン!援護を!!』

 

 

敵に流れは握らせないわ。空振りになる前提でチャージパイルを多用して、一瞬でも隙を見せたら捻じ込めると圧力をかけ続ける。

 

 

『あなたたちは大量虐殺……それですら形容できない程の殺戮に手を貸しているのですよ?!人としての良心は無いのですか?!』

 

 

残念ね。それなら強化人間手術を受けた時に、感情と一緒に"取り除かれた"わよ。今は父さんや兄さんが育ててくれたものがあるだけで。

 

 

『所詮はハンドラー・ウォルターの私兵部隊だったと言うわけですか。そんな大義も何も無い集団に我々が負ける訳には行かないのです!!』

 

 

兄さんが通信に割り込んで来たわね。……色々と言われて耐えられなくなったってところかしら。

 

 

『お前たちはメンバーを入れ替え続けることで匿名性を高めていると言うが……所詮は、身の丈に合わない大言壮語を掲げて、死んだ奴を場当たり的に補充しているだけだ。故に、組織としての一貫性が無い。そんな組織に"我々"が負けるはずがない。』

 

『知ったようなことを!既存の悪しき秩序を打ち砕く私たちの目的を理解したような口を聞かないで下さい!』

 

『"レイヴン"の名前と言い、どうやら"黒い鳥"の伝説にでもあやかろうとしたか。……名前だけで戦えるなら苦労しない。そうは思わんかね?』

 

 

"黒い鳥"の伝説……兄さんから聞かされたことがあるものね。

神様が人間を救おうとしたときに、その手を尽く跳ね除け、排除しようとしてもできなかった存在。今となっては何年……いや、何百年も前のことかは定かではないけれども。

 

 

『それに……お前たちが企業をルビコンに呼び込んだ結果はどうだ?』

『企業は、ルビコニアンを排除してコーラルを独占することだけを考えていた。封鎖機構の抑圧から企業による搾取に変わるだけだ。それとも……お前たちは、政府を解体して企業による統治を望んでいたのか?』

 

 

っ!!"レイヴン"が精神的に動揺したのか、動きに隙が生まれた!!今なら……!

 

 

『レイヴン!押されています!反撃を!!』

 

 

QB滑りチャージパイル……と見せかけて、直前でマニュアルエイムに切り替えてSONGBIRDS。向こうは迎撃チャージパイルを選んでいて、回避できずに2発とも直撃。

そしてスタッガーを取ったところに……今度こそチャージパイルを当てる。

 

 

『レイヴン?!レイヴン!!』

『そう……私には見届けることしかできないのね。あなたの翼がもぎ取られるその瞬間を。』

 

 

どこか聞き覚えのある言い回しね。きっと、二度と聞くことはないでしょうけれども。

 

さて、617姉さんと619姉さんは……このペースなら、2分もかからずに撃破できそうな感じね。

 

 

『621はお兄様の援護に向かって下さい。この2人は私たちだけでも確実に始末できますわ。』

 

「了解。兄さんの援護に向かうわ。」

 

 

これで、後はACを何機か撃破して大気圏外に退避できれば……

 

"私たち"の目的は達成できるわね。

 

 

 


 

 

Side 618

 

 

お兄は今、AC9機を相手にして1人で戦っている。……正確には9機から減って、残り6機になっているけど。

 

 

「こちら618。お兄、もうすぐ着く。」

 

『助かる。残弾がちょうど尽きかけたところだ。』

 

 

お兄は……ACにできる限界の機動で敵を翻弄している。

ただのAQBを利用した回避機動じゃない。上下左右に動いて予測をさせない機動。普通なら、敵を見失ってもう一度狙うのに少しの隙ができる。けれどもそんな隙は見当たらない。

お兄はどこでそんな機動を……あっ。

 

 

そうだ。あの機動は……

 

 

 

622だ。

 

 

 

お兄は、私たちにACでの戦い方を教えてくれた。それと同時に、私たちからも使える技術を学んでいる。

 

617の"FCSをアシストする射撃"

私の"中距離での間合い管理"

619の"ミサイルの着弾をコントロールしての包囲攻撃"

620の"至近距離でのSONGBIRDSの使い方"

621の"格闘攻撃の駆け引き"

 

 

お兄は、622にも「お前も家族だ」と言っていた。そして、622はいつまでもお兄の中にいる。

 

そっか……お兄は……どこまでも"お兄"なんだね。

 

 

今の私にできることは、お兄の邪魔をする奴らを全員殺すこと。

 

これまで、お兄は私たちが死なないように1番危険な役目を引き受け続けていた。だけど、それももうお終い。今度は、私たちがお兄の邪魔モノを消す番。

 

私たちは強くなった。だから、お兄だけに"前"を任せたりなんてしない。今度は私たちがお兄を守る番。

もうお兄におんぶにだっこになったりはしない。お兄とずっと一緒にいるのは変わらないけど、お兄の"重荷"になったりはしない。

 

 

私たちはウォルターの猟犬だ。お父さんとお兄の障害は全部排除する。邪魔をするヤツらは全員喉笛を噛みちぎる。

 

 

お兄の"自由"のためなら、私は、私たちは何だってする。

 

だから……お兄の"自由"のためにお前たちは全員死ね

 

 

 

「618、現着した。これより交戦……邪魔モノを全て排除する。」

 

『私は弾薬の補充で1度下がる。10分以内に戻る。』

 

「大丈夫。その前に全部片付ける。」

 

 

お兄の出撃がこれで最後になれば良いな。……もちろん、私たちで全部片付けて、お兄の出番が無くなるって意味。

 

 

『おっと、その前に……これで本当に弾切れだ。』

 

 

ハリスのチャージショットでスタッガー。もう片方で追撃してターミナルアーマーを発動させる。少し間を空けてからミサイルを撃って……ターミナルアーマーが切れた瞬間に着弾。残り5機。

 

お兄は1人で1対9から4機を落とした。リペアキット2個にAP半分を残していたから、弾さえ足りていれば全滅も確実だった。

 

確かに、私はまだお兄よりも弱い。

だけど、それをお兄に守られる言い訳にしたくない。お兄を守れない言い訳にしたくない。

だから……お兄に安心してもらえるように、コイツらは蹂躙する。私たちならお兄に守られなくても大丈夫だって思えるように蹂躙する。

 

ん、通信……お兄と一緒に戦っていた人からだ。

 

 

『こちらシュナイダーの速水です。残り1機まで追い込みましたが、弾が足りないので下がりたいです。そちらに任せても大丈夫でしょうか。』

 

「こちらハウンズ2。可能。」

 

『ありがとうございます。』

 

 

私たちの戦果が増えるなら問題ない。

それじゃあ……戦闘開始。

 

 


 

 

Side 612

 

 

弾薬の補充をするためにザイレムに戻ったが、既に解放戦線側の残りは2機となっていた。……これなら、私が再出撃しなくても大丈夫だろう。

弾薬の補充はするが、不測の事態に備えて待機するとしよう。コックピットに乗り込んで何時でも動けるようにしてはおく形だな。

 

流石にAQBの連続使用は体に堪えたな。……今のうちに体を伸ばしておこう。

……だが、あの感覚は中々に悪くなかった。安定的な収入源としてシュナイダーの社員……いや、テストパイロットの外部委託先になるのなら悪くないだろう。

 

 

そんなことを考えている間に、解放戦線のAC部隊は全機撃墜された。同然だが、速水も含めてこちらの被撃墜は0だ。

 

 

「お兄様、戻りました。」

 

「良くやった。……私一人だけでは対処しきれなかった。助かったぞ。」

 

「お兄が荒らした敵の仕上げをするだけだったから楽勝だった。弾さえ足りていればお兄1人だけでも倒しきれていたはず。」

 

 

実際のところそうだろう。4機を撃墜した段階で、受けていたダメージは9000程度。残り5機も撃墜していた場合は……恐らく4500程度増えて、14000弱*1。追加でリペアキットを1つ使えば足りている計算だ。

 

 

「確かにそうかもしれないが、弾を無限にするなんてことは不可能だ。……パルスブレードでさえも、適切なメンテナンスをしなければ起動すらしなくなるからな。」

 

「何はともあれ、お兄様が無事で何よりですわ。……事前の想定より大幅に多い戦力だと分かってからは生きた心地がしませんでしたわ。」

 

 

"コーラルクローズ"計画の方に人員を割いて、追撃はそこまで多くないと見積もっていたが……その予想が悪い形で外れたのは事実だ。

 

 

「だが、いざとなればお前たちが来てくれる。そう見積もっていたから安心して動けた。」

 

「だとしても、お兄様が前に出続ける必要はもうありませんよ?……この先、戦闘は起きないでしょうから……ゆっくり休んで下さい。」

 

「そうだな。そうさせてもらおう。」

 

 

戦闘は起きないが……だが、私には最後にやるべきことが1つ残っている。

 

 

 

このルビコンでの仕事の仕上げだ。

 

 

 

火を点けよう。燃え残った全てに。

 

 

*1
見積もり方法については後書きに記載





本文中で言及した「見積もり方法」についてですが、

9機から4機撃墜する場合
受けるダメージ量は9+8+7+6=30

残り5機を全滅させる場合
受けるダメージ量は5+4+3+2+1=15

30:15=9000:4500ということで計算しました。



裏話になりますが、元々618は崇拝系のヤンデレに深化してもらうつもりでした。ですが、私の脳内でコーラルリリース()が起こった結果、排除系のヤンデレに深化することになりました。この辺りの変更も遅れた要因だったりします。ユルシテ…ユルシテ…


それと、元々はブランチは登場する予定ではなかったのですが、ストーリー上の都合ではなくて私が存在を忘れていただけです(自白)
ちょうど動機的にも良いタイミングだったので登場してもらいました。……まあ即(撃墜)ち2コマになってしまいましたが()


他にも色々と書きたいことはあるのですが、勘が鋭い人であれば「これをわざわざ書いたってことは5(6)周目はこうなるな?」と予想できてしまうかもしれないものなので書けない悲しみ……

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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