ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
遅くなりました(切腹済み)
今回は、入れたいシーンがあったのですが自然な流れにならなくて消し、何とか入れられないか色々考えていたらこうなりました(白目)
……結局入れられなかったのが悔やまれます()
Side 612
ルビコン解放戦線からの追撃を全て撃破し、ザイレムとその他強襲艦は全て大気圏外へ離脱した。今は"アイビスの火"で想定される危険領域からの離脱を待っている最中だ。
「全艦艇の危険領域からの離脱、爆薬を積んだ強襲艦の到着を確認したよ。」
「わかった。……後は、起爆させれば俺たちの"仕事"は終わる。」
とうとうここまで来た。ルビコンに充満するコーラルを焼き払い、"破綻"を防げば……ウォルターの仕事が終わる。
「ウォルター、起爆は……私がやる。」
「……お前がやる必要は無い。この"仕事"は、俺の友人から受け継いだものだ。だから……俺の手で終止符を打たないといけない。」
だが、それではウォルターが途方も無い"罪"を背負ってしまう。
それを止めようと言葉を探していたが、
「コーラルが焼き払われた後も、燃え残りが無いか確認する必要もある。お前には、その"仕事"を任せたい。」
「俺が友人から意思を受け継いだように、お前に……コーラルの行く末を見届けることを任せたい。」
そう言われては引き下がるしかない。
それと、これは私の深読みかもしれないが……コーラルが再び増殖したら……その時こそ、私が"火を点ける"番だとも捉えられる。
「わかった。その役目……私が受け継ごう。」
ふと思い出したが、"2周目"でウォルターと戦う時のBGMは『The Man Who Passed The Torch(灯火を手渡した者)』だったはずだ。
ならば、今の私は……『The Man Who Received The Torch(灯火を引き継いだ者)』だろうか。
「全艦に通達。これから"火を点ける"。防御態勢を取れ。」
レッドガン、シュナイダー、メリニットから準備完了が通達された。
そして、ウォルターは大きく深呼吸をしてから……
火を点けた。
強襲艦に満載された爆薬は、ルビコンに充満しているコーラルに火を点けた。そして、その炎は連鎖的に広がる。
爆心地から環状に広がり、時折一際大きな爆発を伴いながらルビコン全土へと広がっていく。
やがて爆発の余波は宇宙空間にまで広がり、ザイレムを大きく揺さぶった。
一体あの炎の中にはどれだけの人間がいるか……考えるだけでも悍ましいが、覚悟はしていたことだ。
だから、せめて目を逸らしはしない。例えどんな言い訳を並べようとも、星を丸ごと焼き払う大量虐殺には違い無いのだから。
コーラルを巡る計画に成功は無く
炎と嵐の後には
かつての開発惑星の痕跡のみが残った
政府内で影響力を大きく失った惑星封鎖機構は
ルビコンⅢの管理を別の組織に移管
ルビコンは廃星として
永久に封鎖されることが決定された
そして
星系を焼き払ったオーバーシアーは
ルビコンⅢを監視する任を与えられ
ルビコンⅢにいることを許された唯一の組織となった
人々はこの惨禍を再び招くことがないよう
この名を歴史に刻みつけた
『"第2の"アイビスの火』として
"4周目"
END『第2のアイビスの火』
Side 619
私たちの立てた計画からは大きく逸れた……いえ、正直に言えば失敗して敵のやらかしに助けられましたが、望む結末を迎えることができましたわ。
お父様もお兄様も気付いている様子はありません。後は、唯一真相を知っている私たちが墓場まで持って行けば良いだけです。
私たちは再びルビコンの地に降り立ち、燃え残ったコーラルが無いか調査する役目を与えられました。お父様たちがしていた情報工作のお陰ですわね。
そして、それは私たちにとっても好都合ですわ。
もし、このルビコンに生き残った人間がいれば、あるいは密航して来た人間がいれば、政府のお墨付きで"消す"ことができますから。
この星は既に、私たちの"楽園"と呼んでも良いですわね。便利な暮らしにするには色々と整備しないといけないものはありますが、それは些細な事です。これからゆっくりとしていけば良いだけですわ。
「この星も随分と殺風景になった。目につくのは草木が根こそぎ焼かれた後の山と倒壊したグリッド。……いくら頑丈なグリッドとは言えども、流石に2度目のアイビスの火は耐えられなかったか。」
「住む場所ならザイレムを使えば良い。できるだけ早めに食料の生産体制を整えるよ。」
「そうだな。……優先順位は低めでも良いが、ACの整備ができる基地の設置と、弾薬や補修パーツを生産できるようにしないとだ。どうしようもない奴が再びコーラルを求めてやって来るかもしれない。」
お父様たちは今後の方針を話し合っています。ですが、制限時間は既に消え去ったので、精神的には余裕があるように見えますわね。
「必要な物が出てきたら……その時はシュナイダー辺りにでも輸送を頼むか。パッと思い付くだけでも、ACのフレームや武器なんかを変えないとだ。」
そうでしたわ。BAWSやエルカノが第2のアイビスの火で焼けた以上、新しいパーツに乗り換えないとですわね。今のパーツを使い続けても修理くらいならできますが、性能向上は見込めないのでそうする必要がありますわ。
「そしたら、このルビコンを武器やフレームの試験場として使わせて、その対価としてパーツやその他諸々を持って来てもらうなんてのはどうだい?」
「大規模な人員派遣でなければ政府も認めるだろう。下手な動きをすればハウンズに"始末"されると考えれば、やって来る企業も下手な動きはできないだろう。」
「……やることは山積みかもしれないが、多少時間をかけても問題の無いことだけだ。着実に進めるとしよう。」
お父様とお兄様を使命から解き放つことはできましたわ。
後は……エアを維持するのに必要最低限なコーラル以外が燃え尽きていれば、全ての役目から解放されて、真の意味で自由になれます。
その時が来たら……私たちは何をしましょう。
他の星で独立傭兵として過ごすのも良いかもしれません。どこか静かな場所に家を建てて、そこで自給自足のゆったりとした生活をするのも魅力的ですわ。
ただ、自衛用の手段としてACが手元にある方が良いでしょうから……ACで戦うアリーナのようなものがあれば、そこに参加して荒稼ぎするのも悪くはない……のかもしれませんわ。
あるいは、お兄様が622の眠るこのルビコンを守るためにここを終の住処にするかもしれません。それはそれで良いですわ。
「シュナイダーには様々な企業のパーツのデータを持ってきてもらうか。シミュレータで試して新しい機体の参考にしないとだ。……その時にはお前たちにも手伝ってもらうぞ。」
「わかりました。」
「ん、任せて。」
「もちろんですわ。」
「楽しみです。」
「……パイルの代わりって他にあるのかしら。」
ふと思ったことですが、お父様,お兄様が"真相"に気付いたときはどうするのでしょう。
……私たちの計画自体はほとんど失敗に終わったと言って良いですわ。
仮に可及的速やかに敵を排除していても、強襲艦が突っ込んできてあの大惨事になっていたことには変わり無いはずです。強いていえば、強襲艦の処理に私たちも回れていたかもしれない……程度ですわね。
そう考えると、どちらにせよ辿った結末は同じなので特に気にしない……流石にそうは行かないですわよね。
怒ろうにも、既に過ぎたことです。罰を与えようにも……星を1つ焼いたことに相応しい罰なんてあるのでしょうか。
兄妹としての縁を切られる?お兄様ならそんなことはしませんわ。一緒に罪を背負って、地獄の最奥だろうと付き合ってくれると確信できてしまいますから。
「望んだ結末には辿り着けなかったが、誰1人欠けることなく最悪の事態は回避できたんだ。それだけでも良しとしよう。……多くを望み過ぎて破滅するのは勘弁だからな。」
ええ。全くもってその通りですわ。私たちだけではどう足掻いても限界がありましから。
だから、多くを望むことを諦めて……そう、「平和なルビコン」を諦めて、私たちだけの楽園を求めることにしたのです。
ルビコンにコーラルが残っていれば、それを利用するルビコニアンの監視をする必要が出てきます。
最初の頃は私たちを「ルビコンの解放者」として持て囃すでしょうけれども、いずれコーラルによる利権が拡大すれば私たちを疎む奴らが現れるはずです。そして、邪魔になった私たちを、星外企業を呼び込んで排除させる……なんてことも有り得ます。
あるいは、もっと単純に、コーラルを求めて別の企業がやってきてもおかしくありません。封鎖機構が封鎖のために再びやって来ることも有り得ますわ。
そう、コーラルには可能性がある。可能性がある以上、人間はそれを求めてしまう。そして、再び私たちは闘争に駆り出されて、新しい戦いの日々が始まる。
これでは、お父様とお兄様がいつまでも"自由"になれる訳がありませんわ。
ですから、ルビコンからコーラルを消し去るしか方法は無かった……少なくとも私たちはそう信じています。
私たちが出した答えが、そして私たちの選択の結果が……お父様とお兄様の幸せに繋がりますように。
Side 612
さて、617たちは……
私が違和感を感じたのは、"コーラルクローズ"計画を進めている最中に、日課として617たちとの模擬戦をしているときだった。
617たちの技量であれば、ヴェスパーの隊長4人をあれほど時間を掛けなくとも撃破できたはずだ。
ただ、万が一の事故を避けるために慎重になるのも頷ける。実際、あの中で最大の脅威だった……記憶から消し去った重量2脚とオキーフへ優先的に戦力を割り振ったのも妥当な判断だろう。
そこまでは妥当な判断だったが、違和感を感じたのは618の行動だ。明らかにリリースプラントへ攻撃を誘導しているように感じられた。他の敵から距離も離れており、あそこまで慎重になる必要は無かっただろう。
それに加えて619の散開指示もやや不自然だった。流れ弾による事故も、精々スウィンバーンのEARSHOT程度だ。
違和感に気付いてからは、617たち全員が部屋に集まっているタイミングを見計らって、何かと理由を付けて向かうようにした。それこそ、模擬戦の相手だったり、息抜きで吸わせてもらおうとしたりとだ。
そして何回目かは忘れたが、"計画"について話している声が部屋の外に漏れていて、それを聞くことができた。
ある意味、617たちは私が狂わせてしまったようなものだ。そうである以上、責任の一端どころか両端が私にはある。
……原作1周目では、「第2のアイビスの火」ではなく「レイヴンの火」と呼ばれていた。
この世界では、そのまま「第2のアイビスの火」と呼ばれるだろうが、実際は違う。
「ハウンズの火」を引き起こしたその罪を。
"4周目"
『第2のアイビスの火』
END『ハウンズの火』
4周目は「ハウンズの火」√でした。
次の話で小噺を書く予定ですが、そちらは外伝として投稿したいと思います。
今のところ5周目が1番ふんわりしたプロットなので、もしかすると予想以上に時間がかかってしまうかもしれません……
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621