ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
お待ちかねの621加入回です。
おや?この621……様子が……??
ちなみにですが、書き溜めなんてものは無くて事前にある程度決めていたプロットに沿って毎日書いています。(なので投稿時間が不安定)
プロットには後半のミッションは無かったんですが……ハウンズをルビコン入りさせるのに必要だよなと思ったら勝手に生えてきました。
もしかして私は平行世界でされたコーラルリリースのコーラルを受け取れていた……????
Side "621"
「621、お前に意味を与えてやる。……仕事の時間だ。」
また冷凍保存から解凍されたところで目が覚める。
初めに目覚めたときは指1本動かすことさえできなかった。その上、感情らしきものは喪われていた。
次に目覚めたときは全身が包帯で覆われていたが、辛うじて体を動かすことができた。
その次は、身体能力に大きな異常は無かったけど、脳の一部が機能を停止していて感情の起伏が乏しかった。
今回は……手術痕や怪我の跡などは見られても、衰弱以外に目立った異常はない。リハビリをすれば一般的な強化人間程度の身体能力を取り戻すのは容易なはず。
こうして私はウォルターの所有する基地*1にやって来た。
1周目と2周目はかなり短い準備期間でルビコン入りをして、前回は1年程度この星系内の資源惑星で独立傭兵をしてからルビコン入りした。果たして今回は……
「来たか、621。とりあえずこの基地でのお前の部屋だが……すまない、今は空き部屋が無くて相部屋になる。」
……ウォルターと相部屋!?生きてて良かった!!寝ている隙にあんなこと*2やこんなこと*3ができる!!
「と言う訳でだ、同居人を紹介しよう。」
この展開はウォルターとの相部屋でない??なるほどカーラか。
……このままスウィンバーンのセリフを真似していたら年齢をイジる展開になっていたわ。自重して正解ね。
あれ?私と同い年くらいの少女たちと……18才?20才?くらいの青年が入ってきた。
「お前から見て左から、617,618,619,620、そして612だ。」
………………ちょっと待ってどうして先輩たちが生き残ってるの!?!?!?*4
どうやら、これまでの木星戦争でのハウンズ*5とは違う流れを辿り、その影響らしい。
今までは、
①ミシガンとナイルを広域警戒レーダーが探知して612先輩が両名の迎撃に
②その後発見されたAC,MT混成部隊の迎撃に613先輩たちが向かった結果全滅
③ナイルを撤退させるも、ミシガンに生き残った混成部隊が合流し612先輩も……
といった流れを辿ったとウォルターから聞かされていた。
今回はミシガンとナイルの発見が遅れた結果、混成部隊の迎撃に向かった612先輩が生存。612先輩が617先輩たちの教官役となったことで617先輩たちが大幅強化。そしてここまで生存できたようね。
戦力が増えた今回なら、あのクソキモエンブレムカタツムリ陰険メガネ野郎の画策したウォルター襲撃を防ぐことだって容易になる。
あの最後に裏切ってきたポンコツAIも、コーラルリリースのお膳立てをしてくれたことだけは褒めてあげることを検討しても良い気がほんの少しだけしてきたような気がしなくもない*6わ。きっと「ウォルターが生きている世界が見たい」と願い、その願いが実現できるであろう世界線へと飛ばされたのね。さすがコーラル。さすコー。いや、さすコラ?……どれも語感が悪いので却下ね*7。
ここからは数日休暇を挟み、その後612先輩とシミュレータで訓練をしたのだけれども、
「……筋が良い。動きの最適化が早いな。それと、近接格闘になっても圧力に負けずしっかり立ち回りを維持できている。」
「……もしかして2?いや、3?……下手をすれば4かもしれないのか。4なら何がどうなるかわからないのが怖いな。」
と言われた。途中から何を言っているのかハッキリとは聞こえなかったけど。
……もしかすると、612先輩も私と同じタイプの"イレギュラー"なのかもしれないわね。
ひとまずは様子を見るために、AC操縦初心者のフリをしてわざと0-10で負けておいた。
今回のイレギュラーの原因である612先輩だけれども、戦闘技量はかなり目を見張るものがあるわね。
1周目に戦ったフロイトは……パルスアーマーとアサルトアーマーのタイミングが噛み合ってスタッガー、そのまま必殺ぶった斬りでリペアキットを使わせずに30秒と経たず瞬殺しちゃったから、正直比較対象には使えない。大まかには……2周目に受けたウォッチポイントアルファでのベイラム部隊迎撃を確実にこなせるくらいかしら。
まぁ私の方が強いのだけれども。
612先輩はあの時のベイラム部隊の1.5倍は強い。今の私はその2倍は強い。一体何倍になるかそのスカスカな脳みそで計算してみなさい!*8
先輩たちもかなり強くなっていると言ったけれども……後方支援型の619先輩を除けば、1人でカタフラクト1機を潰すのは確実にできるはず。619先輩も、ハウンズの誰か1人と組めばカタフラクトとの2対2でも勝てるはず。大体、1周目中盤位の私の実力程度……と言ったところね。
それはそうとして……先輩たちが612先輩を見る目が少しおかしい気がするわ。もちろん、ウォルターを見る目も。どこかで見覚えが……
─あぁ、私なのね。
──私がウォルターに抱えている想いと同じなのね。
何があっても、何を使ってでも守りたい。生きていて欲しい。
───例え全てを黒く焼き尽くしたとしても。
617先輩たちにとっては、ウォルターだけでなく他のハウンズも、612先輩も同じように大事なのだろう。
だから、きっと仲良くできるはずよ。
あれから2ヶ月程シミュレータでの訓練を続けた。ACの実機については、メンテナンスやパーツ管理の人員が追いつかないからまだ準備ができないと言われてしまった。
ただ、シミュレーターで普段から使っている近距離戦闘の機体ということで、620先輩や612先輩の機体に乗って実機訓練をしたりもした。
幸いなことに、必殺ぶった斬りからパイルバンカーに付け替えるくらいで、その他の武装は大体似ていた。
612先輩は、時々ぶった斬りとパイルバンカーの二刀流をしていた*9そうね。……正直、近接格闘に脳みそを焼かれているんじゃないかと思ったわ。……それでも、チェーンソーを使っていないだけマシね。*10
ある日、612先輩が普段のように話しかけてきた。
「621、体の調子はどうだい?」
「問題無いわよ。」
「ちなみになんだが……目が覚めたときの状況はどうだったんだ?ここに来た時のままだったのか……それとも、指先1本動かすのすら覚束無い状態だったのか。」
これは……私の1周目の状態を知っている?
612先輩も"私と同じ"で、今回の周回の情報を集めている?
「……ここに来た時より少し悪かった程度よ。」
「そうか。元の体が残っているのなら、それだけ再手術のリスクも下がる。普通の生活を取り戻すのも楽になる……はずだ。」
「私は指先1本すら動かせない状態から始まったからな……ここまで再手術の手配をしてくれたウォルターには頭が上がらないが、まだ闘うことしか知らない。」
まるで、普通の生活を取り戻すことができなかったかのような言い方。……いや、"普通の"人間であればそれはそうなのだけれども。わざわざこのタイミングで言うということは……
「やっぱりあなたは。いえ、あなたも……」
「……まずは仕事を終わらせよう。ウォルターのためにも。」
「えぇ、そうね。」
もしも、"私と同じ"だとして、そしてその状態から始まったのなら、先輩は、"前回"でどんな結末を迎えていたのかしら……
『ハウンズ、仕事の時間だ。』
『今回のターゲットは、惑星封鎖機構の補給船破壊だ。』
『ハウンズが安全にルビコンに降り立てるようにするために惑星封鎖機構には弱体化してもらう必要がある。』
『しかし、その弱体化もやり過ぎれば企業の増長を止められなくなる。』
『そこで、補給を断つことで弱体化を一時的なものに留め、ハウンズ全員がルビコンに降り立った後には補給も回復し元の水準まで戦力を取り戻させる……そういう算段だ。』
『無論、護衛の戦闘用艦艇もいるだろうが、宇宙空間でそれらの本領を発揮させない為にも地上で襲撃をかける。』
『612には通信基地を破壊してもらう。戦力を撃破してから通信設備を破壊し、宇宙港基地から増援を出させて617たちが相手にする戦力を減らす。』
『617たちは、その後に宇宙港基地を襲撃。補給船を破壊する。』
『高機動のLC型執行機が2機、HC型執行機が1機の計3機確認されているが、これは617と620で対処しろ。』
『618は、617と620に雑多な敵を近づけさせないよう掃討しろ。』
『619は、適宜火力支援を行え。余裕があれば強襲艦の艦橋や上部兵装を攻撃しろ。』
『621はまだ実機での戦闘経験が浅い。外縁部にいるであろうMTの対処をメインにするんだ。ただし、あまり617たちからは離れすぎるな。直ぐに援護してもらえる位置を意識しろ。』
『ブリーフィングは以上だ。ハウンズ、出撃の準備をしろ。』
少し整備などの手間がかかり回転率が落ちるらしいけれども、何とか私のACを組み上げるだけの余裕を作ってくれたわ。
そのACで数回任務をこなしてきた……けれども、もはや4周目となった私にその依頼はつまらないものだった。
今回は……楽しめるのかしら。
『ウォルター並びにハウンズ、こちら612。通信基地近傍に到着した。指示があり次第攻撃を開始する準備は整っている。』
『敵の戦力はブリーフィングの通りか?』
『……大きく外れてはいない。だが、LCが1機補給のために立ち寄っている。』
『やれるか?』
『問題ない。先に非稼働状態のLCを撃破してから戦闘を開始する。』
『良し。612、戦闘を開始しろ。』
『了解した。612、戦闘を開始する。』
『コード15、敵襲!ACが1機!待機中のLCが破壊されました!』
『コード44……照会完了。敵ACは"ハウンズリーダー"。他のハウンズの襲撃に警戒せよ。』
『近くの基地にコード78を送信!このままだと壊滅するぞ!』
『受諾されました!宇宙港より10分以内に到着する見込みです!』
『それと……損害が拡大した場合にはAAP07の投入も辞さないとのことです!』
『了解した。各員は遅滞戦闘に切り替え。増援の集結を待つ。……いざとなればこの基地を一時的に手放すことも視野に入れる。』
『……ウォルター、さっきの通信で言われていたAAP07についての情報はあるか?』
『いや、この近傍の基地にその型番の兵器は存在していない……かなり高機動な兵器だろう。617たちのところに向かわせないためにも、可能であれば足止めをするんだ。』
『612、了解。』
『ウォルター、こちら617。増援部隊の出撃を確認しました。LC1機が先行し、MTが遅れて向かっています。』
『……未確認兵器の件もある。612の負担を減らす。』
『612、直ぐに通信設備を破壊しろ。617たちは、直後に619の通信施設、電源関連施設へのミサイル攻撃を起点にして攻撃を開始しろ。』
『612、了解。』
『ハウンズ、了解。』
『ハウンズ、こちら612。通信施設の破壊完了。』
『了解。ハウンズ、攻撃を開始する。』
『なっ……!?コード15!コード15!ACが……5機!?』
『コード78を送信!』
『ダメです!通信アンテナが壊されています!』
『有線は!?』
『電源設備が壊された影響で使えません!』
『……訓練の手順通りにやれ!MTのジェネレーターから電源供給!可及的速やかにコード78を有線で送信!』
『了解!』
どうやらこの手を何度も使ってきたのか、惑星封鎖機構の対応がマトモになっているわね。
『ハウンズ、基地司令部を最優先で攻撃。増援要請を送らせるな。621はそのまま外縁部のMTを削れ。619は両方を支援できる位置を維持しろ。』
私は与えられた仕事をサクサクとこなして、早く617先輩たちの加勢に行けるようにしよう。
『621の撃破状況が想定よりも早い。このまま行けば612と合流してAAP07とやらと対峙できるかもしれん。』
それから少しして状況に変化が訪れた。
『……612!広域警戒レーダーに反応があった。何かが異常なスピードでそちらに向かっている!件の新兵器かもしれん。』
『異常なスピードか。……近くに起伏に富んだ地形か高層建造物の密集地帯はないか?入り組んだ地形で撹乱する。』
『……近くには無い。強いて言えば宇宙港基地くらいだ。』
『了解した。通信基地の戦力を撃破したら宇宙港基地へ向かう。』
『ハウンズ、宇宙港基地の撃破状況はどうだ?』
『8割方完了しています。612先輩が着くまでには確実に片付けられます。』
『了解した。全員分の補給シェルパを送る。612が補給する間の時間稼ぎを任せるぞ。』
『ハウンズ、了解。』
『ウォルター、こちら612。AAP07……新兵器とコンタクト。機動力から察するに無人機体の可能性が高い。……主武装は大量のミサイル。恐らく100は超えている。おっと、キャノン砲もだ。初速が極めて高い。617たちには荷が重いかもしれない。』
『……なるほど。617たちでもミサイルの回避はできそうか?』
『対ミサイルマニューバを徹底すれば可能だろう。』
『キャノン砲に当たらないように遠距離を維持。ミサイルのみで削らせる。これならどうだ。』
『……有効だろう。これから宇宙港基地へ移動する。恐らく15分程度で着く見込みだ。』
『ハウンズ、612の視覚映像を送信する。可能な限り行動パターンに慣れておけ。』
612先輩はバルテウスと交戦した経験がありそうね。あの高初速砲を躱せていたから。
ぶった斬りとAAを装備しているからパルスアーマーも問題にはならないはず。
『AAP07はパルスアーマーを展開できる模様。620のブレードで援護を頼みたいが……できそうか?』
『至近距離での高初速砲を回避しきれる自信はありません。……ですが、お兄様が正面でターゲットを取ってくれていれば問題はありません。』
『わかった。……ブレードでの攻撃は真後ろを取れたとき、敵機体がスタッガーになったときに限定する。良いな?』
『620、了解。』
私たちは宇宙港基地の制圧に成功し、612先輩を待っていると……
『パルスアーマーの再展開……いや違う!』
バルテウスのAPが半分を切ったようで、アサルトアーマーと同時にパルスアーマーを貼り直される。そのアサルトアーマーの光がここからでも見えた。
『攻撃パターンが変化した!火炎放射器!620、ブレード攻撃は無しだ。全員、距離400以上を維持せよ。QB回避のためにENは絶対に切らすな。……宇宙港基地に着くぞ。』
619先輩が肩ミサイルを発射して私たちの戦いも始まった。
とは言っても612先輩が前線でヘイトを買い続けている。偶にミサイルの一部がこちらに飛んでくる程度で、負担を減らせているようには思えないわ。
なるほど、617先輩たちがあんな感情を抱いていたのはこれが理由なのね。
常に1番危険な役回りを引き受けて、それだけではなくさらに617先輩たちの安全を最大限確保する。
617先輩たちにとって1番強いのは612先輩で、そして1番損傷が激しいのも612先輩だと。
……もしも612先輩が私の"事情"を察しているのであれば、私に助力を願うこともできるはず。
単に怪しまれないようにしているだけかもしれないけれど、もしも"後輩を守るため"にしているとしたら……
私はこれまで守られる立場になることはほとんど無かった。
強いていえば、安いオマケとして付けられたガリア多重ダム襲撃くらいね。
──どうして、ここまでするのだろうか。
私には力がある。
ハンドラー・ウォルターの猟犬として、数多の敵を噛みちぎって得た力が。
ルビコン解放の象徴である渡鴉として、数多の障害を跳ね返して得た力が。
それでも今守られていることに、頭を撫でられているような、羽を毛繕いされるような安心感を感じていた……
『……バ…カみたいなミサイルの量だったな……AAP07の機能停止を確認。』
『広域警戒レーダーに反応無し。ハウンズ、良くやった。』
もしかして先輩は今「バルテウス」と言いかけた?やはり私の"同類"と見て間違いないわね。
これから612先輩が先行調査でルビコン入りする以上、今のうちに話をしておく方が良さそうね。
おまけ─621のアセン──
| C4-621 | |
| R-ARM UNIT | MA-J-200 RANSETSU-RF |
| L-ARM UNIT | PB-033M ASHMEAD |
| R-BACK UNIT | BML-G2/P08DUO-03 |
| L-BACK UNIT | SONGBIRDS |
| HEAD | HC-2000 FINDER EYE |
| CORE | EL-TA-10 FIRMEZA |
| ARMS | AA-J-123 BASHO |
| LEGS | 2C-2000 CRAWLER |
| BOOSTER | AB-J-137 KIKAKU |
| FCS | FC-006 ABBOT |
| GENERATOR | AG-E-013 YABA |
| EXPANSION | ASSAULT ARMOR |
お待ちかね、我らがイレギュラー。
色々と真レイヴンと被っているところがありますが、それもこれも使い勝手の良いSONGBIRDSと、コーラルじゃないのに脳みそパチパチ弾けて幸せにさせてくれるパイルバンカーが悪いんです。
第1話を投稿してから1週間が経過しましたが、ここまでスルスルと話を作れるとは思ってもいませんでした。
ただ、ルビコン入りしてからのミッションをどうするか(原作との差異、それによって生じるストーリーのズレとそれに対する整合性のある説明など)が決まっていないので、投稿に間が空いてしまうかもしれないです。
まぁ、コーラルを受信出来れば良いだけの話なんですが()
それと、まさかここまで伸びるとも思ってなく、感想も2,3件来れば良い方かなと思っていましたが……
(PV数が予想よりも)大きすぎる……
なんだかもうよく分かりません。(読んでいただき)ありがとうございました。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621