ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
今のところは1日3000文字をギリギリ守れている……
このペースを維持できるか不安だ けれどずっと楽しみです…
お待ちしていますよ ご友人
(様子のおかしい作者です)
Side 617
惑星封鎖機構の大規模な増援に対する迎撃作戦……その当日になりました。出撃で使用する可能性のある機体*1は全て点検をし、準備は整っています。
『向こうもザイレムが大気圏外に来ていることは察知しているはずだ。まずは敵からこちらに乗り込ませる。強襲艦の対空砲火の中でHCと空中戦をするのは流石に勘弁願いたいからな。』
事前に策定した戦闘計画の通り、まずはザイレムの主砲で強襲艦隊を砲撃。また、対艦ミサイルも使用して陣形を乱し、統制的な戦闘機動を取らせないようにします。それだけでなく対空砲も多数増設してあり、ザイレムを落とそうとLCやHCが接近してきても蜂の巣に。仮にそれを突破されたとしても、最後の防衛要員としてハウンズが立ちはだかります。
これだけの鉄壁の守りを崩せるとは思いませんが……相手の物量が物量だけに、引き際を見誤れば撃墜の憂き目を見るでしょう。
『主砲の射程圏内に入った。攻撃を開始しようか……流れ星になりな!!』
『スキルミオンジェネレーター過負荷運転開始。余剰電力でザイレム前方にシールドを展開した。』
いよいよ戦闘が始まりました。まだ互いに距離が離れている今は、ザイレムの主砲と強襲艦の艦底部レールキャノン、互いのミサイルの撃ち合いになっています。
『まずは先制点だ。……とは言っても、こっちは敵に1点でも取られたらいけないんだけどね。それでも100対1くらいの圧勝には持ち込ませてもらおうか!』
『ボス、ザイレム主砲の射界外にある強襲艦から多数の敵機反応。直接叩きに来たようだ。』
『対空砲の奴らに出番だと伝えな!ハウンズの出番無しで終わらせてやろうじゃないか!!』
私たちの出番無しで終わってくれれば良いですが、恐らく"例の兵器"がある以上それは有り得ないでしょう。いつでも出撃できるように油断はしません。
HCの盾で対空砲火を防ぎ、LCを数的な主力にして攻め込んできていますが、盾で守りきれていないLCから撃破。徐々に数を減らしつつあります。
『ボス、このままではHC5機とLC20機に突破される。』
『わかった。ハウンズ、あんたたちの出番だよ!』
予想より早いですが、私たちの出番が来ました。ですが、ザイレムに設置された防護機銃やRaD製MTの援護もあります。この数であれば少ない損害で凌げるでしょう。
『……そうだな。アレを起動するなら今だ。主に後方の補給艦を狙ってくれ。私はLAMMERGEIERで出撃して強襲艦を荒らしてくる。』
『なるほど。敵の指揮能力を上回る攻勢をかける訳だな。』
『そうだ。シュナイダーのAC部隊にも出撃要請を出してくれ。"敵艦の撃墜よりも自身の生存を第一に動け。"とも伝えてくれ。』
『わかった。』
お兄様(LAMMERGEIER搭乗)と戦闘訓練をしたときのことですが、障害物に隠れて詰める隙を伺う私たちと、障害物から引き剥がしたいお兄様の構図が良く起こりました。そのときに、ミサイルやハリスのちょっとしたダメージを与えられると、私たちは嫌でも突撃を強いられます。そして、そこを引き撃ちで刈り取られる……そんな事があったりしました。
お兄様が打った一手は、それを集団戦に適応させたものでしょう。
ザイレムの主砲で敵に出血を強いる。それを防ぐために敵はこちらに突撃するしかない。そして、そこを刈り取る。
さらに、HCやLCを投入した以上もはや軽率に引くことはできず、お兄様とシュナイダーのAC部隊が突撃してきても迎え撃つしか選択肢は無い。さらにHCやLCを投入しようとすれば、オペレーター側の手が足りず、本領を発揮できずに撃破されていく。
私であれば、このままザイレムの対空砲を使って敵の誘引撃滅を図っていたでしょう。そもそも、敵が近くに来ているのにこちらから殴りに行く選択肢が思い付きませんから。
……やはり、集団を運用する戦闘ではお兄様に敵いませんね。ハウンズ2,3機を僚機とする場合は背中に手が届きそうなところまで追いついたと自負していますが、それ以上はまだまだ遠い背中です。
『シュナイダーから出撃要請受諾の旨が届いた。いつでも行けるそうだ。』
『了解。……もしもザイレムに攻め込んでいるHCやLCが反転してこちらを追いかけてきたら、その時はハウンズと挟撃できる。その場合は、挟撃して殲滅した後に強襲艦へ向かう。』
現在は強襲艦200隻のうち5隻がザイレムの主砲で撃墜されています。70隻程度はベリウス地方へ向かっているので、今この場所に存在しているのは130隻……残りは125隻程度ですが。
『……なるほど。直掩機を出してきたか。対空砲火では止められないと判断したようだな。シュナイダー、戦闘に支障が出ない程度に固まれ。浮いた駒は対空砲火で絡め取られるぞ。散開するのは接敵寸前でだ。』
お兄様はシュナイダーのAC部隊を率いて強襲艦隊へと向かっていきました。
シュナイダー部隊はジェネレーターにYABAを搭載しており、お兄様と比べると機動に難があります。そこで、お兄様が先頭に立ってAQBを多用することで強襲艦からの射撃を撹乱。それと同時にシュナイダーとの足並みを揃える調整もしています。
『お兄が相手にしている戦力に比べたら、コイツらは数合わせにもならない。さっさと撃破して援護に向かいたい。』
『そうですわね。チャティ、防護機銃やMTはLCにだけ集中を。HCは私たちで撃破しますわ。』
『了解した。機銃は俺が動かす。射線は気にせず好きに動け。』
チャティが機銃を操作するとなれば、味方撃ちの可能性はほぼ0になるでしょう。こう言った場面ではAIの演算能力が大きく光ります。頼りになります。
『おい!あの赤いシュナイダーACを止めろ!!』
『ダメです!今対空砲を撃てば味方に当たります!!』
『……HCとLCはそれ以外の奴らを狙え!分離させて対空砲で落とす!!』
お兄様も本格的に交戦に入りそうです。衛星砲を起動するとしたらそろそろでしょうか。
『エア、衛星砲を起動しろ。612の援護だ。』
『わかりました。……起動完了。
───
『……衛星砲の再起動完了しました!』
『良し!目標……敵の恒星間入植船!準備が完了次第発射せよ!!』
こちらの掌の上で踊らされているとも知らずに。何も知らずに撃破されて
『……おい!何故こちらに弾が飛んできた!』
『恐らくですが、照準がズレた影響かと。弾道は敵入植船の近くを通ってはいました。メンテナンスができていなかったためと思われます。』
まだ"仕込み"には気付かれていません。エアも上手いこと調整をしてくれたようです。
『……ならば仕方ないか。念の為、流れ弾に被弾しないように各艦を移動させろ。』
『はっ。ですが陣形が乱れて対空砲火が……』
『先にあのデカブツを落とせば、敵は大気圏に落下するより他は無くなる。ACが何機残っていようとも、アレを落とせればここでの戦いは我々の勝ちだ。』
敵の陣形が乱れれば、それだけお兄様が付け入る隙が生まれやすくなります。単に衛星砲で撃破するよりもより効果的になりました。
さて、私たちもHCの迎撃です。
『ハウンズ、敵HC,LC混成部隊とエンゲージ。戦闘を開始しますわ。』
まずは619の垂直ミサイルの一斉射から。もちろんHCには躱されるでしょうが、それは織り込み済みです。
回避のためにQBを使った瞬間に3基6門のSONGBIRDSによる砲撃。回避先を読んで撃ったためほぼ全てがクリーンヒット。盾で防いだようですが、それでも衝撃値がかなり溜まっています。
『兄さんが抜けた私たちでも……確実に落としたいならHCをまとめて10機は投入しないと。寧ろ戦力の各個撃破がしやすくて助かるわね。』
まずはSONGBIRDSで集中砲火したHCに追撃。直ぐにスタッガーしました。
621はスタッガーするタイミングを読んでいて、即座にチャージパイルを叩き込んで後方QBで離脱。良い削れ方です。
最前線では620と621が攻撃を回避し、衝撃値が溜まったときは私か618と交代。敵も衝撃値が溜まれば交代していますが、619の垂直ミサイルや621のランセツで的確に撃ち抜かれて冷ますことができていません。
敵の陣形に生まれた隙を見つけた621が突撃。HCの間をすり抜けて後衛に回ったHCに肉薄してスタッガーを取りました。そのまま2度目のチャージパイルを打ち込んで撃破。再びHCの中に突入してアサルトアーマーを発動し、こちらに戻ってきました。
実に順調です。……まあ、比較対象がHC(お兄様搭乗)ですからそれも当然ですが。
今の私たちからすれば、HCは多少盾が固くて少し攻撃力が強いだけのノロマな二脚AC程度にしか思えませんから。
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Side 619
私たちはHC5機を撃破し、お兄様の援護へ向かう準備をしていますわ。
「予備の機体も整備は終わってる。そのまま乗り換えれば良いだけさ。」
ハウンズの機体構成の利点として、パーツの調達しやすさと、共通パーツの多さが挙げられます。そのお陰で、予備のパーツを集めれば自機をもう1機組み上げることもできますわ。
そして、予備の機体で出撃している間に、元の機体を可能な限り整備する。こうして戦闘能力をできるだけ損なわずに連戦を可能としていますわ。もちろん、予備のパーツで組み上げた機体と言えども、性能は元の機体と何ら変わりませんわ。
『2つ!』
『まだ止められんのか?!対空砲は何をやっている!!』
強襲艦隊の中に突撃したお兄様が大暴れをしていますわ。
対空砲火やミサイルを躱しながら、強襲艦の艦橋部にミサイルやリニアライフルのチャージショットを叩き込んでいますわね。
これまでの訓練で相手にしていたときはもっと早いペースで撃破できていましたが、流石にあれだけの密度となると一筋縄では行かないようです。
……またお兄様が鼻歌*2を歌っていますわね。あれだけの大艦隊を前にしてもあの余裕……見習いたいですわね。
『これで……3つ!』
『ダメです!赤いシュナイダーAC、止められません!!』
『撃てるものは全部使え!!他のシュナイダーACはただの数合わせ未満だ!!アイツだけが我々の脅威だ!!』
『EN切れのタイミングを狙え!!地上ではないから焼き切れば機動力は落ちるはずだ!!』
封鎖機構はジェネレーターの性能を見誤っているようですわね。コーラルジェネレーターの特性なんて知っている方が少ないでしょうけれども。
シミュレーターで使ってみたことはありますが、正直に言ってクセが強すぎて私には扱いきれるシロモノではありませんでしたわ。あのジェネレーターを主軸に機体を組み上げないといけないレベルのクセですわね。
『何で当たらないんだ!!コイツは悪魔か何かか?!』
『対空砲火抜けられました!艦橋部に接──
『4つ!』
このままですと、私たちが着くまでに10隻くらいは落としていてもおかしくありませんわ。
私たちのジェネレーターはYABAなので、お兄様が掻き乱して陣形から浮いた艦を狩るくらいしかできませんが。それでも5人いるので、せめてお兄様と同じくらいは撃破してないとですわね。
『SGは補給艦へ退避しろ!地上降下の戦力をここで磨り減らす訳にはいかん!!……対空砲火は半分をマニュアル射撃にしろ!!FCSを欺く回避ならマニュアル射撃で意表を突けるはずだ!!』
『タネに気付かれたか。面倒だな……っと、そこ!5つ!』
ザイレムの主砲で撃破したのが15隻。お兄様が既に撃破したのが5隻で合計20隻。この段階で既に10%の強襲艦が撃破されていますわね。
シュナイダーAC部隊はLC,HC混成部隊と戦っていて、数機がターミナルアーマーまで追い込まれて撤退していますわね。撤退中のLAMMERGEIERとすれ違いました。
ここでエアの衛星砲狙撃が強襲艦に命中しましたわ。流石にここまでバラけられると、露骨に当てるしかなくなりましたわね。
『味方が衛星砲で落とされた?!……ヤツら衛星砲を乗っ取ったか!!全艦全速力で撤退せよ!!降下地点を変更する!!』
『……ハウンズ、シュナイダー、追撃はするな。ザイレムから離れれば補給が困難になる。ここからは衛星砲に任せれば良い。各員、LC,HC混成部隊を撃破した後にザイレムへ帰投しろ。』
折角ここまで来たのに無駄足になってしまいましたわ。
ただ、ザイレムまで戻れなければ大気圏にACで突入することになってしまうので仕方ありませんわ。いくらここが宇宙空間といえども、ルビコンの重力に引っ張られていることに変わりはありませんから。
……なるほど、お兄様は対空砲のFCSをそれで欺いていたのかもしれませんわ。
FCSは敵機の未来位置を等速直線運動──同じ速さ,同じ向きで進み続けたと仮定して──で算出しています。ただ、重力に引っ張られる自由落下では、等速直線運動ではなく……等ナントカ運動*3になるのでFCSを誤魔化せます。地面に向かっての自由落下を、宇宙空間レベルの高いところから始めていると考えればまぁ納得できますわ。
『……だが、退避する時間稼ぎは必要だ。本来はここで使う予定ではないが……アレを出せ。ザイレムを落とさせて、その後に回収して修理すれば良い。』
『……とうとう来たか。全速力でザイレムに戻れ。可能であれば、ザイレムを破壊しに来たところをハウンズで攻撃、そのままLOCステーション31まで引っ張る。』
警戒していた"例の兵器"が出てきましたわ。ザイレムを落とせるのであれば始めから投入していたと思われますが、何か運用に制約でもあるのかもしれませんわね。
"回収"と言っていたので……恐らく無人兵器でしょうか。
あれからもエアの衛星砲による狙撃を続行し、追加で10隻を撃破しました。私たちは混成部隊を撃破した後にザイレムに戻り、RaDの技術陣が応急整備をしてくれた元の機体に再び乗り換えることができましたわ。
……本当にいざとなれば、再び乗り換えての再出撃も視野に入れるべきですわね。
『ザイレムに接近する機影を捉えた。LAMMERGEIERのアサルトブーストよりも速い。……随分と"笑えなさそうな"敵だ。』
チャティを以てして"笑えなさそう"と言わせますか。これはかなりヤバい匂いがしますわ。HC6機を同時に相手して余裕で勝つ……その評価に嘘偽り無いかもですわ。
敵機の姿を視認できました。武装は……恐らくパルスキャノンとベルト給弾式のマシンガン、肩に垂直ミサイルとブレード……のようですわ。
そして何よりも特徴的なのは、肩に付けられたもの。ブースターのような物が見えているので、外付けの飛行ユニット……でしょうか。
《ターゲット確認 排除開始》
『……なるほどな。惑星封鎖機構の切り札がコレか。ハウンズ、気を引き締めて掛かれ。単機性能ならHCを遥かに凌駕していているはずだ。』
やはりと言いますか、お兄様の声から緊張の色が滲み出ていました。お兄様単独で戦えば勝つ見込みが薄いと思っているときの声色です。
『エア、敵機体情報の解析を頼む。』
『……終わりました。敵機──
──AA22-D:HEAVY CAVALRY-
です!!』
『……そう来るか。惑星封鎖機構。』
お兄様の苦虫を噛み潰したような声……想像以上にまずい相手ですわね。
……それにしても、どうして型番と名前を聞いた途端にそうなったのでしょう。名前に付いている「セラフ」に何か思い当たるフシがあるのでしょうか。
やはり封鎖機構。隠し球はコレに限りますね。
ちょこっとした裏話になりますが、
軽騎兵(LC)→重騎兵(HC)ときたので、いっそのことチャリオット-セラフとかにしようかなと思いましたが……なんか名前がダサいなと思いまして()
それと、型番のAA22-Dは、AA22とDを16進数とみなし、-を引き算と見なして計算をすると9の倍数になります。
16進数→(AA22-D)÷9=12E5
10進数→(43554-12)÷9=4838
それと、お兄様の撃墜数が5で止まったのは……
やっぱり、軽4でギュンギュンしているとACfAみを感じますよね()
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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