ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話   作:CVn-α:コル・カロリ

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来週1週間でデスマーチ期間が終わって、執筆の時間が確保できるんだ……
俺、この戦いが終わったら617たちと結こn(どこからともなく現れた赤い軽逆機体のパルスブレードに蒸発させられるコル・カロリ)



三十六計逃げるに如かず

 

Side 612

 

 

 ザイレムの主砲と強襲艦のレールキャノンの撃ち合いは、手数の問題でザイレムが押されつつある。しかし、狙われているのは上層部の対空砲や対空ミサイルランチャーであり航行に支障は出ていない。

 

 強襲艦隊の先頭がザイレムの2000m圏内に入った。ここで強襲艦からLC,HCが発進してきた。数は……HCだけでも30は越しているだろう。ここまでに落とされた強襲艦の中にも何機か乗っていたと考えれば、残されたHCについてはほぼ全力出撃だろう。

 

 

「この数は……ハウンズでHC20機弱は落とさないとか。ザイレム上層部の広さを活かして引き撃ちに徹する。何がなんでも包囲されるな。」

 

『HCだけでこの数か。中々骨が折れそうだな。』

 

「骨が折れるだけで済むなら良いんだがな。最悪の場合はザイレムを放棄して撤退する。遅れて囲まれても知らんぞ。」

 

 

 ラスティなら……HC2機を同時に相手させてもまぁ何とかするだろう。その後に補給は必須だろうが。

 レッドガンは……AC全機で陣形を組んでも10機が限界だろうな。それでも半数は撃破されて、この戦いの間は使い物にならなくなる。

 

 

「弾の出し惜しみはするなよ。命と機体APを最優先だ。補給シェルパはザイレム各所に分散配置している。好きなだけ使え。」

「チャティもエンフォーサーで出撃してくれ。ウォルターとカーラは補給している間の交代要員として動ける準備も頼む。」

 

 

 チャティがエンフォーサーで出撃してHC3機の足止めをしてくれれば、それだけでも大分圧力は減らせる。いざとなればCIRCUSでも出撃できる。

 

 ハウンズで20機弱、ラスティは補給もさせて4機、レッドガンで8機、チャティが3機でギリギリ足りるか足りないか。ただ、ハウンズの負担が大きすぎる以上、引き際は間違えられない。

 

 

「チャティとラスティ、レッドガンは左翼の3個小隊を。ハウンズで右翼の推定5個小隊をやる。」

 

『お前たち、聞いていたな?俺たちの相手はたかが10機程度だ。さっさと片付けて逆に猟犬共を援護しに行くぞ!!』

 

『アイツらが勝手にやってくれるんだ。わざわざ出しゃばらなくても良いだ──

 

『最前線で殴りに行く係が決まったな。G5!その死んでも手放そうとしない盾を有効活用させてやる!どうだ?嬉しいだろう?』

 

 

 アイスワーム戦でイグアスが矢面に立たなかった分をここで回収したか。まあ良い。レッドガンの損耗が抑えられるなら構わない。

 

 

 


 

 

 

「敵HCと接敵。数は17機。交戦を開始する。」

 

 

 5個小隊20機にしては欠けている。恐らくだが、4個小隊16機と全体を統率する1機で来たか。

 この感じだと……地上にHCを5機程度は回しているのか?全機投入してもおかしくないとは思っていたが。あるいは、ザイレムと強襲艦の撃ち合いでさらに損耗、出撃不能機体が増えたか。

 

 

 数は17機と脅威ではあるが、それが一斉に襲いかかってくる訳ではない。味方の射線や回避機動のためのスペースも考えると、同時に2個小隊8機が限界だろう。ただ、スタッガーしそうになったら後方に引いて交代すれば良いだけだ。スタッガーからの追撃はできないか、相手の懐に飛び込むから大きなリスクを支払うか、そのどちらかを強要されている。

 

 

「617,618はツーマンセルで動け。機動力を活かして火力を集中。各個撃破を狙え。」

 

「619,620もツーマンセルだ。ミサイルで620に近づけさせるな。」

 

「621、お前なら一人で2機相手にしても行けるな?任せた。」

 

『『『『『了解(ですわ)(よ)。』』』』』

 

 

 ハウンズとしても6機全機での連携は厳しい。これが先のHC-セラフならまだしも、相手も複数だ。1機に集中して落としにかかる本命と、それを邪魔させないための足止めで役割を分けることになるから結局ツーマンセル3組で対処するのと大差は無い。

 

 それでもハウンズとしての連携は敵からすれば脅威だろう。ツーマンセルを組んでいるとは言えども、確実なチャンスがあればそれを無視して叩きにかかる。早速だが引き際を見誤ってスタッガーしたHCに全員で集中砲火。1機撃破だ。

 

 

『それがACの動きだと? …なら我々のHCは何だ?!』

 

 

 まあ、相手も相手なのだがな。明らかにルビコン進駐初期のHCパイロットから質が落ちている。初期のHCを100とすれば、大体80から85と言ったところだ。

 ……いや、それでも教育体制としては上出来なのだろうな。初期組はハウンズがルビコンに降り立つ前から戦闘を経験していた。それこそ、数が頼みの解放戦線から、質を重視したアーキバスまで。そんな奴らに迫るだけのパイロットをポンポン育成できるとなればそれは侮れない。普通に脅威だ。

 

 

『アルファ3,4、引け。スタッガー値を管理しろ。ガンマ3,4、代わりに入れ。良いか、スタッガーに陥らなければ機体性能と数の差ですり潰せる。それを意識しろ。』

 

『了解しました。アルファ2機、後方に下がります。』

『了解しました。ガンマ2機、アルファと交代します。』

 

 

 やはり後方で指揮を執っているアイツから落としたい。だが、後方だから強引に突破して狙いに行くのは不可能だ。

 ラスティ辺りが後方から合流してくれれば可能かもしれないが、ラスティもラスティで3機を同時に相手して引き撃ちで受け流している。流石に10分程度はかかるだろうな。

 

 今の戦場は奇跡的なバランスで拮抗しているな。

 レッドガンもミシガンや五花海,ヴォルタといった重量級の機体を活かしてギリギリ耐えている。ラスティは単機でまあ何とかしている。

 チャティは……ここが1番優勢だな。封鎖機構には封鎖機構(から鹵獲した機械)をぶつけるに限る。

 ハウンズは、敵の増援が無く、なおかつ時間をかければギリギリ撃破しきれるだろう。勿論、増援が到着すればバランスは向こうに移ってしまうだろう。

 

 

「下がられるのが厄介だ。敵の衝撃値が7割を超えたら集中砲火で落としにかかるぞ。ただ、無理に狙わなくても良い。機体APと命を最優先は変わらない。」

 

 

 さて、戦場の趨勢が大きく変わるとしたらどこからになるか。まだレッドガンもラスティも、そして何よりハウンズも流れを掴みきれてはいない。

 

 

──────

────

──

 

 

 あれからも戦いは厳しいままだ。最初の1機こそ油断から突出して楽に撃破できたが、そこからは慎重策を取られている。

 APもじわじわ削られ、弾も確実に消費させられている。補給無しで全機撃破は不可能だろう。かと言って近接で無理やり押し切るのはリスクが高すぎる。パルスシールドのバッシュにレーザーブレード、脅威は複数存在している。

 

 

 そう思った矢先にHCのレーザーブレード。621が自由落下で躱しながらの迎撃生当てチャージパイルでスタッガー。621が飛び退いてハウンズが即座に集中砲火。そのHC──確かアルファ4だったか──を撃破。

 

 

『アルファ3、アルファ隊はお前残り1機だ。V.IVの撃破支援に回れ。』

 

 

 小隊が残り1機になり、他小隊と連携を組ませるのは不可能と判断したか。だが、今ラスティに向かわれるとアイツが撃破されかねない。

 別に撃破されて死のうが惜しくないが、今死なれてはレッドガンやハウンズへの圧力が許容範囲を超えかねない。あのHCは足止め、ないし早急に撃破する必要がある。

 

 

「エリー、ラスティに向かっているヤツをやれ。単機で手負いだ。お前でも負ける道理は無い。」

 

『わっ、わかったわ。』

 

 

 VP-20DとP10のAQBで無理やり追いついたな。あれならHCもエリーを無視できない。

 

 

『あの機体構成は……RaDのシンダー・カーラか?いや、武装が違う。コード44。この機体の情報を求める。』

 

『システムより回答。識別名、機体名共に不明。そのまま続行を。』

 

 

 エリーとHCが交戦したか。まあ、私が操縦するHCとシミュレーターで訓練したんだ。相手の動きが手に取るようにわかる……とまでは行かなくとも、随分とやりやすい相手には感じるだろう。

 

 

『……案外大したことないのね。これならシミュレーターの方がまだ強いわ。……待って?ハウンズは強化されたシミュレーターHC相手に数的不利で勝ってたの?!……ハウンズコワイ。

 

『コイツは優先排除対象リストに載っていない相手なのか?!コード44!再照合を要請!』

 

『システムより回答。登録されているライブラリに類似戦型のパイロット無し。該当ACを撃破、後に情報の送信を要求。』

 

『了解した。さしずめハウンズの隠し球か?どちらにせよ排除する。』

 

 

 エリーもあれなら大丈夫そうだ。ハウンズで倒す分が残り13機に減った。あわよくばもう2機くらいは任せたいが……流石に戦力の分離はこれ以上やらないだろうな。

 

 

『彼に比べると迎撃に鋭さも無い。圧も、引く時の上手さも無い。……私が変に怖がっていただけみたいね。』

 

「まだお前は気を抜くと落とされるルーキーだ。その感想は5機以上落とすまで取っておけ。」

 

『あら?随分と手厳しいのね。』

 

「油断した奴から死んでいく。油断していなくても死ぬ時は死ぬ。自信の大きさは積み上げた屍の山と同じだけにしろ。」

 

 

 エリーの精神状態は問題無さそうだ。"死ぬのが怖い"だけであって、戦うこと自体は怖いと思っていない。だから、無理やり私と戦って強くすることでそれを遠ざけた。

 根本的な克服はできていないから、劣勢になれば剥がれるメッキのような対応に過ぎないが。それでもこの戦いの間だけでも持てば良い。

 

 

 さて、HCは17機から13機に減らせたが、そろそろ補給をしないとマズい。特に最前線で被弾の多い620はリペアキットを使い切る寸前で、619は被弾こそ少ないもののミサイルが不足気味。ミス1つで戦線が崩壊しかねない。

 

 

「カーラ、交換用の機体を準備してくれ。それと、隔壁封鎖の準備も。」

 

『任せな。機体の準備は完璧さ!』

 

「助かる。ハウンズ、これより一時撤退。機体を乗り換えて再出撃する。」

「621,618、カウント5でアサルトアーマーを使用してから離脱。619はカウント3の時点で最後方の指揮を執っているヤツにミサイルを全弾斉射し、その後即座に離脱しろ。617と620は619に続いて離脱。良いな?」

 

『617、離脱タイミング了解。』

『618、アサルトアーマーは使える。了解。』

『619、ミサイル斉射可能ですわ!』

『620、了解しました。』

『621、了解よ。』

 

 

 さて、古今東西のありとあらゆる戦いにおいて撤退戦は難しいと言われている。

 "まだ死力を尽くして戦えば勝てるかもしれない""ここで引けばこれまでの犠牲が無駄になる"なんて思考で撤退の機を逃す。あるいは、既に戦線が崩壊していて秩序だった撤退ができず、個々人単位でバラバラに戦場から逃げ出すだけ……なんてこともある。

 その点で言えば、今のハウンズであればこの撤退は成功するだろう。まだ余力を残しているし、どこに撤退するのかも事前に計画されている。また、個々人の能力も士気もあり、統率を欠いていない。

 

 

「カウントを始める。5、4、3──」

 

『攻撃が激化した?!奴らまだ余力を残していたのか?!』

 

『狼狽えるな!武装がオーバーヒートして使えなくなったタイミングで反撃を差し込め!』

 

 

 ここで619がミサイルを斉射。ミサイルの軌道を見て、最後方で指揮を執っているヤツが自分をターゲットにされていることに気付いたか。

 

 

『ヤツらの狙いは……私か!!一か八かの攻撃が来るぞ!総員備えろ!!』

 

「──2、1──」

 

 

 残念だがその狙いはハズレだ。HCでもアサルトアーマー1発でスタッガーまで持っていける。

 ……良し、617,619,620は撤退を開始しているな。

 

 

「──ゼロ。」

 

 

 私と618,621の3人でアサルトアーマーを同時に機動。618を真ん中にして3機が横1列に並んでいるため、617たちの撤退に気付いて突っ込もうとしてもその隙間は無い。

 

 618を先頭に、621、私と続く。

 

 

『撤退する気か?!追え!!逃がすな!!』

 

「COM、SONGBIRDSの砲弾を全て投棄。捨てたものから5秒後に起爆する設定にしろ。」

 

『了解しました。信管へのプログラミング完了。全弾投棄します。』

 

 

 SONGBIRDSの砲弾が次々と投棄されていく。そして地面に落下して少ししてから爆発していく。足止めとしてはやや物足りないが、やらないよりはマシだろう。

 

 

『チィッ!姑息な真似を……奴らも損耗している証拠だ!追いついて撃破するぞ!』

 

 

 ザイレムの地下*1へ続く通路へ飛び込む。奴らは罠を警戒して一瞬立ち止まったが、それでも追いかけてくる。

 

 

「ハウンズ、クイックターンで振り返ってSONGBIRDSを斉射するぞ。タイミングは隔壁を超えた瞬間だ。」

 

『『『了解(よ)。』』』

 

 

 SONGBIRDSを持っている617,620,621から返事が来る。この動きも想定して訓練はしている。やはり事前の備えは大切だな。備えあれば嬉しいなとはよく言ったものだ。……憂い無しでも変わらんが。

 

 619は隔壁のラインを超えてもそのまま先へ進んでいる。617,620は通路の端へ寄って射線を被らせないようにしている。後は私と621がクイックターンで角度を合わせれば準備完了だ。

 

 

『閉所か……盾で圧を掛けて押し込め!!』

 

 

 普通の相手ならそれが有効だろうな。コイツらの練度なら、正面は盾で防ぎ、上の隙間から射撃を通すくらいのことは出来るかもしれない。それも想定しての隔壁な訳だが。

 

 さて、準備はできた。SONGBIRDSが4基で8発……並の機体なら致命傷だ。

 ……EARSHOTに比べると控えめな火力だが、寧ろそれで良い。閉所でEARSHOTは自機へのダメージもシャレにならないからな。*2

 

 

『やはり閉所に誘い込んだか!コイツらの目的は時間稼ぎだ!無理にでも押し込んで速やかに撃破。地上の援護に迎えるようにする!』

 

 

 通らんよ、それはな。……策としても、物理的にもだが。

 

 

『隔壁を作動させた。コンクリートと鋼材の複合装甲だ。HCでも破るのに5分はかかるだろうね。』

 

 

 隔壁を真っ直ぐ降ろすためのガイド端から爆炎が少し見えた。どうやら、隔壁が落ちないようにしている支えを爆砕することで、確実に、そして速やかに隔壁が落下するようにした訳か。

 

 撤退は大した損害も無くできた。ここからは速やかに機体を乗り換えて再出撃だ。時間をかけてレッドガンやラスティの方へ合流されたら目も当てられないからな。

 

 

『隠しておいた防衛兵器を稼働させた。お前たちが再出撃するまでの時間稼ぎは任せてくれ。』

 

「チャティか。気が利くな。助かる。」

 

 

 仮にここからレッドガンやラスティの所へ全速で向かわれるとすると……猶予は3分程度か。ギリギリ間に合うな。

 

 

『619と618から優先的に出撃しろ。618は敵の気を引けたら引き撃ちをして残りハウンズとの合流を優先しろ。』

 

『『了解(ですわ)。』』

 

 

 1番先頭にいる619、SONGBIRDSを撃たずにそのまま進んでいた618から優先的に乗り換えをさせる。ドッグ内で6機が出撃準備をするよりも、2機と4機に分散させた方が早くなるのは道理だ。

 それと、618の機動性を使ってHCが他の戦線へ合流するのを阻止する狙いもある。どうしてもKIKAKUブースターの私と620,621は遅れてしまうからな。

 

 

「さて、第2ラウンドと行こうか。この間にRaDの人員が機体メンテナンスを済ませてくれれば、第3ラウンドまで行ける。」

 

 

 ザイレムの広さを活かして、整備ドッグや予備パーツの積み込みなんかもできている。ある意味、このザイレムそのものが補給線(船)だ。この補給線の短さを活かさない手はない。

 

 大丈夫だ。私がしくじらなければ勝てるはずの戦いだ。気を引き締めていけ。

*1
と言うよりは中層部か?とにかく、最上層部の下の層だな。

*2
これだからハウンズは……後でEARSHOTでも無理やり押し付けて使わせてやるメリか??





頑張って8/24中にはもう1話投稿できたらいいな〜と……
起きたら頑張ります()

ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)

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