ハウンズ美少女概念の世界線で重い感情を向けられる話 作:CVn-α:コル・カロリ
タイトルですが、別にR-18的な意味合いは無いです。『ルビコンの恵みを』を省略しただけです。えぇ。
9/26に終わった前シーズンですが、Wハリスの引き軽2でSランク行けました。
おかしいな……Wルドローだと行けないからと気分転換に組んだ機体なのにそのままストレートで行けちゃうなんて……
しかも、Aと4戦4勝、Sランクと5戦4勝で上がったのでS相手に勝率8割……一体私に何があった?!
ナマでイッてしまったからな
Side 612
──ぐっ……聞く耳すら持ちませんか。ならば……』
コーラルを浴びたことによって感覚が鋭敏になっていたのか、その異変を感じ取ることができた。
HAL 826の周りでコーラルの塊が複数生まれる。そして、それがミサイルのようにこちらへ突っ込んでくる。……なるほど、1周目のエアが操縦するSOLが使ってきたコーラルミサイルを再現した訳か。そして、その弾の元となるコーラルは周囲に溢れるほどある。下手をすればSOLの比にならない弾幕を形成することすら可能かもしれない。
『もはや私の正体が悟られるのは時間の問題です。……ならば、ここで最大の障害を排除するために手段は選んでいられません。』
正体が悟られる……そしてコーラルを操っているとなればほぼ確定だろう。オールマインドはAIのフリをしたCパルス変異波形だ。ある程度高いハッキング能力についても説明が付く。あるいは、AIのフリをするためにエアよりも劣るハッキング能力を装っていただけかもしれないが。
正体がわかったとしても、状況が悪化したことには変わりない。コーラルを鋭敏に感じ取れるようになってしまっている今、例えブラフのコーラル塊を作られたとしてもそれを意識してしまう。脳がキャパオーバーして戦闘が不利になる可能性は高い。
……だとしても、やるしかない。攻撃の前兆が捉えられるなら、それに反応する脳のリソースを効率化すれば良い。脳で処理するよりも先に、反射で動かせば良いだけだ。
『こうも攻撃が当たらないとは……!若い頃の"あの人"の肉体と今の老獪さを合わせてもこうはならないはず。やはりイレギュラー……戦力として、大きすぎる。』
何かを喋ったようだがそれを意識するのも惜しい。思考リソースは全て戦闘に向けねば。どうせACが記録してくれている。後で見返せば良い。
『本当は瀕死で留めて交渉材料にできれば儲けものと思っていましたが……そんな余裕はありませんね。ここで死んでもらいましょう。』
っ?!コーラルライフルに異常なまでのコーラルが集められている。ただのフルチャージでさえ"ゲーム"の2倍程度の太さにはなっていた。これを撃たせるのはマズイ!!
即座にブレードキャンセルで詰め寄る。コーラルシールドでブレードをガードして後隙に叩き込むつもりか。
詰め寄ってブレード……と思わせて再びQBキャンセル。後隙を狙ったタイミングで撃たせれば、根元なら回避しやす──
HAL 826の持つIB-C03W1: WLT 011の銃口が目の前にあった。
コーラルを感じ取れる今だからこそ気付けてしまった。
至近距離に詰めて来ることを読んで、射程を捨てて大きく拡散させて撃たれたことに。
コーラルの奔流に全身を呑ま────
Side 621
兄さんが奥へ向かってから少し経ち、私たちはアイビスシリーズを全て撃破した。兄さんとの通信は、高濃度のコーラルが障害になっているのか繋がらない。
まあ、オールマインド程度に遅れを取るとは思えないけれども……機体の状況すらわからないと少しもどかしいわね。
兄さんの機体との通信が回復したみた……っ?!残りAPが3桁に突入している?!このままだと兄さんが危ないわ。今すぐ向かわな──
『……こちらは何とか片付いた。……ハァ…クソッ、コーラル酔いが……』
『612!大丈夫か?!』
『機体は……ギリギリ動く。すまないが……回収部隊を……頼む。ングッ……ハァ……』
敵は片付いたみたいだけれども、何が起こるかわからないわ。まさかオールマインドにここまでしてやられるなんて……一体何があったのかしら。
『手短に……伝える。』
『オールマインドは……Cパルス変異波形だった……』
『正確には……技研製AIを乗っ取っていた訳だが。』
『義体の方は……乗っ取りが解除されているかもしれん。いつから乗っ取られていたのかわからない。オールマインドの見張りも頼む……』
大体理解したわ。
Cパルス変異波形がコーラルリリースを目論んで、コーラルのデータを持っていそうな技研製AIを乗っ取った。そして兄さんはCパルス変異波形の方を相手にしていた訳ね。
……そうなると、オールマインド(AI)の方はどうなるのかしら。Cパルス変異波形に乗っ取られていたってことで無罪放免になるのか、何か爪痕を残すために仕込まれていることを考えて"廃棄処分"にするのか。
『……わかった。今はとにかく休め。次の作戦は617たちのみで行う。現場指揮は619に任せる。』
『ああ……そうしてくれ……』
『ドーザーはこんなものを摂取しているのか……?……いや、流石に致死量近くだから違うか……』
……兄さん、大丈夫なのかしら。
あれから戦闘が終わって基地に帰還した。
SGやLCだけなら別に脅威にはならないわ。正面からの撃ち合いをなるべく避けて、機動力を活かしながら各個撃破して包囲網を形成。その後に解囲しようと突っ込んできた敵を撃破して、最後にジワジワと殲滅。これで問題なく殲滅できたわ。
……あっ、兄さんが出迎えに来てくれたわね。
「まずは……お疲れ様だな。」
兄さんに抱きつこうとしたけど、何故か避けられたわ。だけど、隙を突いて617姉さんが抱き着く
「ちょっと待ってくれ。コーラルのせいで敏感にイッ?!」
兄さんから変な声が漏れていた。普段ならもっと抑え込めていたはずでしょうけれども、コーラルのせいで敏感になっているのかあんなことになっているみたいね。
「……お兄様、それは反則です。ゾクゾクッ」
「こんなお兄を見て止められるわけが無い。ゾクゾクッ」
「……こんなお兄様を見るのは初めてですわ。ゾクゾクッ」
「ふふふ……これは"チャンス"ですね?ゾクゾクッ」
……どうやら姉さんたちのスイッチを入れちゃったみたいね。
まあ、私も姉さんたちと同じだけれども。ゾクゾクッ*1
「まっ、617、背中はやめッ?!」
「指先でなぞるだけでこうですか……やはり、すごく敏感になっていますね?」
「618?!背中だけじゃなくて悪戯をやめ……っ///」
「手を握ってるだけ。これで悪戯になるの?」
「619、確かに悪戯はやめてくれと言ったが あっ」
「頭を撫でているだけですよ?……そんなに蕩けた顔をされて止められるわけがありませんわ♡」
「62ゼロッ?!まっ、それやめ…ッ!!」
「耳元でこうして囁いているだけですよ?……もっとすごいこと、して欲しいですか?」
「621……その……」
「別にただ抱きついているだけよ?何か問題でもあるのかしら?」
流石に父さんから「……少なくとも、今ここでするべきことではないだろう。」って言われちゃったから止めたわ。姉さんたちは、時間と場所を選べばやっても良いって解釈したみたいだけれども。
あっ、抵抗できなくなった兄さんがドナドナされてるわ。既にちょっと白目を剥きかけてるけど大丈夫かしら。私も後で行かないとだわ。
──────
────
──
あの後の兄さんは、いつもとは違ってとても可愛かった……とだけ言っておくわ。
必死に声を抑え込んでいるのに漏れる声。私たちと目を合わせる余裕すら無くなって耐えているあの姿……すごくそそられたわ。
それでも、兄さんは"最後の一線"だけは頑なに越えようとしない。それだけ私たちのことを"妹として"愛してくれている証拠ではあるのだけれども……私たちもそれをわかっているからついついやり過ぎてしまうのよね。
途中からエアも参戦して、「レイヴンを盗られた恨みです」って言いながらあんなことやこんなことをし始めたときはどうなるかと思ったけれども、それ以上のことは特に起こらなかったわ。
《レイヴン、少し時間はありますか?》
そんなことを考えていたらエアが交信で話しかけてきたわ。
《大丈夫よ。交信の方なんて珍しいけれども……》
《612の容態についてです。》
兄さんのことと言われてつい身構えてしまう。まさか、コーラルの奔流に呑まれたからCパルス変異波形と交信できるようになった?それとも脳深部コーラル管理デバイスに異常でも?
《命に別状がある訳ではないので安心して下さい。上手く説明するのが難しいのですが……簡単に言えば、前よりも脳が活性化している……と言ったところでしょうか。》
《活性化している?》
《はい。コーラルはあくまでも情報"導体"特性を有しているだけです。情報の処理などは本人の脳に依存しています。》
詳しいところまで理解している訳ではないけれども、大体は理解できているわ。
コーラルは、あくまでも情報を"運ぶ"だけ。どれだけ大量の情報があっても、それを脳が処理できないと意味は無い。それどころか、情報の奔流でパンクして気絶……最悪の場合は脳が焼き切れてもおかしくないわ。
《ですが、612はそれを乗り越えました。脳への負荷を最小限に抑え──とは言っても後遺症が残るギリギリのラインでしたが──、結果として脳全体の成長に繋がりました。》
《わかりやすく例えるのなら、筋トレを体が壊れる寸前までした状態を脳に置き換えたようなものです。》
《なら、少し休めば問題無いってことかしら。》
《はい。あれだけ敏感になっていたのも、人間で言うところの筋肉痛……それが脳で起こったようなものです。》
でも、それって脳を休ませないといけないところに負荷をかけちゃったってことよね?大丈夫なのかしら……
《それなら、さっき私たちが兄さんにあんなこと*2やこんなこと*3をしたのは……》
《そこは私が様子を見ていたので大丈夫です。》
なら良かったわ。
それにしても、あの状態がまだ続くのなら日常生活が不便そうよね……感度が上がっているようなもの*4だから、些細な刺激でも反応しちゃうってことだし。これからしばらくは姉さんたちの"イタズラ"が増えそうね。
《それよりも、あの様子だとエリーを"使おう"としても……負けるかもしれませんね。》
《全く……レイヴンがいるというのに、あのクソボケは一体何を考えて……》
《……別にエアからすれば私との時間が増えるから良いんじゃないのかしら。》
《それはそれでレイヴンを蔑ろにされているような感じになるので嫌です。》
……随分とめんどくさいわね。》
《レイヴン、聞こえています。》
《……エア、何も聞いていない。いいわね?》
《めんどくさいって言っ──
《い い わ ね ?》
──アッハイ》
──────
────
──
次の日、兄さんとエリーが廊下ですれ違う時に、エリーはどこか勝ち誇ったような顔をしていたわ。
……戦闘訓練って名目でエリーを呼び出そうかしら。双対ミサイルを普通の4連ミサイルに変えて、フィールドは地下駐車場固定で良いわね。別に上下逃げを封じてパイルを確実にぶち込もうだなんて考えていないし、ましてや私怨なんかでもないわ。ええ、決して。
Side ウォルター
612たちの活躍によりリリースプラントは防衛でき、その後の617たちの活躍によって惑星封鎖機構の増援を完全に排除することができた。
612は戦闘中にコーラルを大量に浴びてしまったが、命への別状やCパルス変異波形との交信といったトラブルは起きていない。……帰還した617たちとのトラブル(?)はあったが。*5
今は612に言われた通り、オールマインドの監視を行っているが……
「とりあえず分析結果は出せた。およそ20年くらい前からAIの部分は乗っ取られていたみたいだね。稼働させたとしても、ロクなデータは残っていない。」
「そうか。RaDで売り出しているパーツの中にはオールマインドが関わったものもある。それについてはどうだ。」
「設計やプログラムについては私が確認しているから問題は無いはずさ。それでも念の為でチャティにもう一度確認してもらっている最中さ。」
「色んなパーツが他社製品と共通しているから、バージョンアップの設計なんかもそこまで苦労しないはずさ。……あの忠犬1号がここまで見越していたんだとしたら恐ろしいね。」
いくら612と言えども、オールマインドを完全な敵だとは思っていなかったはずだ。
仕事の引き継ぎをしやすくするためにも、共通化された規格に則った設計、明確な設計思想といった基準を要求していた。その備えが功を奏しただけだろう。
「流石にそれは無いだろう。だとしたら……612はどうやってオールマインドの素性を掴んでいたのかが説明できない。」
「…………オールマインドの正体について調査した結果を報告します。」
エアが少し複雑そうな顔をしながら切り出した。何か良からぬことでもあったのだろうか。
「Cパルス変異波形の方のオールマインドの正体ですが、かつては"セリア"と呼ばれたCパルス変異波形のようです。」
「セリア……確か、サム・ドルマヤンが交信していたCパルス変異波形だったはずだ。違うかい?」
「合っています。戦闘で使われなかった機体……いえ、ACのコアパーツから回収できたデータの内容からそう判断しました。そのログを再生します。」
そのログには、ドルマヤンとセリアが"コーラルリリース"について話している……と思われる内容が記録されていた。何も知らない人間が聞けば、ドルマヤンが虚空に向かって独り言を呟いているだけに聞こえるだろう。
しかし、"コーラルリリース"か。オーバーシアーが進めている計画の名称もコーラルリリース計画だが、それとは確実に異なるだろう。
……なるほど、同じ名称になったのはたまたまではなかったという訳か。Cパルス変異波形のセリアとオールマインドが同一存在であるとすれば、何も不自然な点は無い。寧ろ、オーバーシアーの計画を隠れ蓑にしようとしていたとすら考えられる。
「それで、だ。そのCパルス変異波形の方が進めていた"コーラルリリース"はどんな計画なんだ。」
「第一段階として、膨大な量のコーラルを一箇所に集めることで相変異を起こさせます。そして、第二段階で相変異を起こしたコーラルを宇宙へと解放し……この宇宙をコーラルで満たす。それがコーラルリリース計画の全容です。」
「……本当に笑えない計画だね。封鎖機構との戦いのドサクサに紛れて完遂されていたらと思うとゾッとするよ。」
カーラの言う通りだ。オーバーシアーの設立経緯からすれば、アイビスの火よりも最悪な事態だと言える。それを612たちが未然に防いでくれたのは僥倖と言うより他は無い。
「……それでなんだが、コーラルで宇宙を満たして何をするつもりだったんだい?資源として使うだけならわざわざそこまでする必要は無いだろう?」
「それに関しては今回回収できたログには無いのでわかりませんが……予想している仮説があります。」
「コーラルの情報導体としての特性を使うことで、人の意識をコーラルに溶け込ませようとしたのではないかと。雑に言えば、人類を全てCパルス変異波形のような存在に進化させるようなものです。肉体という枷から解き放ち、寿命や病気といったものとは無縁の存在とする。そんな目論見ではないかと。」
「ちなみにだが、そう予想した根拠はあるのか。」
ここでも複雑そうな顔はしたままだ。……初めて存在を認知できた
「私と621が交信するキッカケを覚えていますか?」
「ああ。ウォッチポイント・デルタで巻き込まれた……いや、引き起こさせてしまったコーラルの奔流だな。」
「はい。あのときの621は、コーラルの流れに意識が散逸する兆候が確認されました。恐らく、晒されたコーラルの量が1.5倍程度になっていた場合は致命的だったと思われます。」
なるほど。人間が大量のコーラルを浴びたときに起こることから予想したか。奔流であればそのまま散逸してしまうかもしれないが、コーラルで満たされた──ある程度流れが落ち着いた後の──環境下においてはそうならないのも頷ける。
この例えが合っているかどうかわからないが、恐らくコーラルに意識をコピーするようなものだろう。コピーというよりは移植と表現する方が適切かもしれないが。
しかし、それが正しいとすれば……1つ気がかりなことがある。
「意識の散逸についてだが……612も今回の戦闘でコーラルを大量に浴びている。今のところ異常は確認されていないが、エアから見てどうだ。」
「少しの間安静にして様子を見る必要はあると思いますが、私から見ても異常はありません。621のときのように、Cパルス変異波形と交信できるようになってもいないでしょう。」
「……すいません、話が逸れてしまいました。オールマインド──いえ、セリアがどうなったのかについて話します。」
今回の事態はセリアによって引き起こされたものだ。その張本人がどうなったのかは把握しておかねば。切羽詰まったような声色ではないから、事態としてはそこまで悪くないのだろうが。
「612との戦闘に際し、コーラルを動力とするアイビスシリーズを操作していました。IB-C03:HAL 826ですね。」
「そのジェネレーター付近に中核をなすコーラルがありましたが、戦闘中にコアが大きく破損。剥き出しになったジェネレーターにアサルトアーマーが直撃して……セリアは消滅したようです。」
………………そうか。エアからすれば、同胞が殺されたようなものだ。621と交信しているが故にオーバーシアーに協力してくれてはいるが、これ以上心的負担を掛ける訳にはいかない。寧ろ、複雑な顔程度で済ませてくれていると言っても過言ではない。
障害はほとんど取り除かれた。だが、まだ完成した訳ではない。
それに、完成したとしても、今度は管理保全の体制構築がある。俺やカーラが死んだ後も、何十年先になるかわからないが612たちが死んだ後も崩れないような体制を。
それができなければ、これまで612たちが築き上げてきた屍の山も、目の前にいるエアの心情も、全てが無意味なものになってしまう。
罪と業は全て俺が引き受けよう。
"次"の世代のためにも、俺は仕事を続けなければならない。
まだ612たちに全てを託すときではない。
仕事の時間は……まだ終わらない。
なんてこった!!戦闘でお兄様をここまで追い詰めるなんてスーパーウルトラミラクルハイパー超絶アルティメット有能なオマちゃんが爆誕してしまったぞ?!
これまでのシリアス(自称)な5周目からは一転、ギャグ要素多めな回でしたね。
そして何より、ルビコンの恵みをナマでイッたことでお兄様があんなことに……
オールマインド(Cパルス変異波形)、あんなお兄様が見れたことだけは褒めてやる。
ちなみにですが、途中でエアちゃんが複雑な表情をしていたのはウォルターを騙すことになっていたから(3周目までの記憶だとは言えないから)ですね。ウォルターが勝手に納得してくれたので事なきを得ましたが。
ちなみにですが(Part2)、6周目がどんな終わり方になるのかは……答えを知っている(というよりは作っている)私視点では「これまでの流れを踏まえれば今の段階でも予想できそうだな…」となっています。
ハウンズシスターズで1番好きなのは?(1位になると、お兄様との単独添い寝権が(お兄様に無断で勝手に)与えられます。)(あらすじにイメージ画像があるので是非参考にして下さい。)
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C4-617
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C4-618
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C4-619
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C4-620
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C4-621