巨神聖戦記2024 108と108   作:Genbu108

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#5 第一章 - 建国宣言 -

真田甚太空軍准尉、相島均空軍曹長そして荒川雅夫空軍少尉とヤマト皇国に鞍替えしたばかりの地空軍人3人組が帰宅途中の一ノ瀬を取り囲んだ。

 

「そこどいてくれるかな? 私、あんた達と話すことなんか無いから。」

 

「そうはいかねぇ。俺達と一緒に来てもらおうか。」

 

スタンガンにより気絶させた一ノ瀬を和製ハマーことメガクルーザーの車内に連れ込み、クズ男3人はある場所へと向かう。

 

「近くで見るとコイツ本当に良い女だ、グへへへ。こんな清楚な黒髪美人はなかなかお目にかかれねぇ。この童顔にショートヘアがまたそそる。今すぐやりたいぐらいだぜ。」

 

「相島落ち着け。いつもの場所に着いてからゆっくり楽しもうじゃないか。」

 

「荒川少尉の仰せの通りだ。お前は気が早過ぎる。せっかくやるなら女が目ぇ覚まして泣き叫ぶのを楽しもうぜ、ウへへへへ。」

 

一ノ瀬が連れ込まれたのは地球防衛空軍の奈良基地宿舎内の荒川の部屋である。荒川ら3人が若い女性をこの部屋に連れ込み乱暴したのは一度や二度では無い。

 

目を覚ました一ノ瀬をベッドの上に無理矢理押し倒し、クズ男3人は両目が脂ぎる。

 

「真田!相島! いつも通りお前ら2人が女を脱がせろ! 全裸美女を好き放題出来るボーナスイベント開始だぁ!」

 

荒川は両手を一ノ瀬の口に覆い被せ、真田、相島が無理矢理服を脱がせようとすると、何とまだ服を脱がせていない筈の一ノ瀬の姿が全裸姿の楠木へと変化した。余りにも唐突過ぎる事態にクズ男3人は皆仰け反り開 いた口が塞がらない。ちなみに荒川の右手人差し指には楠木の髭が何本か刺さっていたりする。

 

「貴様らこの楠木を部屋に連れ込み身ぐるみ剥がして一体何をするつもりだったのだ!? さあ言え!言ってみろ!」

 

ベッドの上に仁王立ちする楠木のドラ声は部屋全体に響き渡り、壁や天井からはパラパラと粉塵が舞い散り窓ガラスには無数の亀裂が走る。当然クズ男3人は自分達が何をしようとしていたかなど口が裂けても言えない。

 

「言えんのか貴様ら!? この楠木に言えんようなことをするつもりだったのか!?よぉし! それならこの楠木が直々に軍人精神を注入してやろう!貴様ら全員そこになおれ!」

 

すると荒川が他の2人同様股間に独特の悪臭漂う水たまりを作りながらこう言った。

 

「ぐっ、軍人精神を注入するには軍人精神注入棒が必要な筈。そっ、そんなもの何処に?」

 

確かに全裸かつ手ぶらな今の楠木は棒と呼べるものなど何一つ持ってはいない。

 

「貴様なかなか良い質問をするではないか! よし歯を食いしばれ!」

 

などと怒鳴り荒川をぶん殴りながら、楠木は己の股間のものをそそり立たせ、太さは楠木自身の膝並み、長さに至っては楠木自身の身長並みと人間ではまず有り得ない大きさに変化させた。奈良時代末期に時の天皇の寵愛を受けた僧、道鏡は後の時代に股間のものが異様に大きかったと噂され、「道鏡は座ると膝が三つ出来」などと川柳に詠まれていたりする。この楠木の場合股間のものは最早座ると膝が三つ出来どころでは済まない大きさだが。

 

最早勃起を通り越し怒張している楠木のそれを目の当たりにし、荒川は針金状の髭が数本突き刺さった右手人差し指の痛みも顔面をぶん殴られた痛みも忘れ他の2人共々震え上がる。

 

「見よ! これこそこの楠木の"軍人精神注入棒"!20年前南極でゴジラをビビらせ地割れの奥底に封印して以来この楠木は己のイチモツを鍛えに鍛えたのだ!グハハハハ!」

 

奥歯をガチガチ鳴らし股間周辺が大洪水な荒川らには「どうやって鍛えたらそうなるんだ!?」などと突っ込む気力など無い。楠木が怒張した股間のものを両手で持ち円状に動かした途端に3人とも楠木同様全裸姿になったのだから猶更だ。

 

「見たか!この楠木が我がイチモツで虚空に0を描けば貴様らの衣服も下着も全てゼロと化したぞ!これで準備は整った! まずは先程なかなか良い質問をした貴様! この楠木に尻を差し出せ!貴様の菊門にこの楠木のイチモツを挿入したっぷりと軍人精神を注入してやる!ナンマイダホーレンソー!アーメンソーメン!タンタンメン!」

 

楠木が滅茶苦茶な呪文を唱えたのに伴い、荒川は身体が勝手に動き楠木に尻を向けつつ四つん這いの姿勢になった。

 

「そうか、貴様そんなにこの楠木に挿入して欲しいか!軍人精神を注入して欲しいか!その素晴らしい心掛けに感動した!それでは望み通り早速挿入してやる!ズブリとなぁ!」

 

「ギャアアアア!」

 

突然楠木の姿が消え周囲の景色が変わり、荒川ら3人は何が起こったのか理解出来ずにいる。そんな3人を眺める閻魔大王は呆れ顔だ。

 

「真田甚太、相島均そして荒川雅夫、妄想のお時間はここまでだ。厳密には拉致した一ノ瀬由衣をベッドの上に押し倒すまでが貴様らの妄想、楠木武出現以降の展開は貴様らの潜在的恐怖心を増幅させた結果生じたもの。貴様らの潜在的恐怖心を増幅させたのは余りにもおぞましい妄想に歯止めをかけるためだったのだが、違う意味でおぞましい展開になっ てしまったな。そうだ妄想に入り浸り己の身に何が起きたか理解出来ていない貴様らに説明しておこう。ここは冥府、そして私は閻魔、貴様ら3人はもう死んでいる。」

 

狼狽える亡者3人に対し閻魔が畳み掛けるように判決を下す。

 

「死してなお性暴力の妄想に入り浸る貴様らが生前の悪事を何一つ反省していないのは自明。3人共地獄に行け、今すぐに!」

 

泣き叫びながら地獄へと連行されるクズ3人を眺める火車は亡者の魂を食する妖怪として知られ、特に汚れた魂を好む。

 

「あの3人がいた世界の楠木武は今まで吾輩が頂いたのとは別格のようだ。ああ早くその魂を味わいたい。」

 

「焦るな、火車よ。知っての通り貴様も私も現世に生きる者には干渉出来ぬ。今は待つしかない。他の世界の楠木武が死んだならそれを喰らって待てば良いではないか。美味い馳走は後にとっておくものだ。」

 

どの世界の楠木も改心の余地など無い腐れ外道ゆえ地獄が楠木だらけだった時期がある。 これ以上地獄が楠木だらけになるのを阻止するため閻魔は火車にいずれかの平行世界の楠木が死亡する度その魂を捕食するのを許可した。汚れた魂を好む火車にとって汚れきった楠木の魂はご馳走らしく、荒川らがいた世界の楠木が死ぬのを今か今かと待っている。

 

さて物語の舞台を現世へと戻そう。実のところ荒川ら3人は隠し持っていたスタンガンを取り出した途端に全員頭を撃ち抜かれ、帰宅途中の一ノ瀬を拉致出来ないまま冥界に旅立つことに。

 

程なくして一ノ瀬の目の前に現れた人物は灰色尽くめの上下を着込み、背中に大きなリュックを、左肩にはVSS自動消音狙撃銃を背負う。荒川ら3人の顔面を蹴飛ばすこの人物、一ノ瀬はその顔に見覚えがあった。

 

「せっ、先輩!?志保先輩!!」

 

目の前の藤崎志保に話しかけた一ノ瀬は声がかすれ、両頬を涙が伝う。

 

大学時代の一ノ瀬は二つ上の先輩だった藤崎の華麗なチアリーダーぶりに憧れ、徐々に恋心を抱くようになっていった。しかし運動も集団行動も苦手な一ノ瀬にとってチアリー ディング部への入部は余りにもハードルが高く、仮に入部出来たとしても藤崎と相思相愛になれる見込みも無い。女性の身で女性に恋する気恥ずかしさもあり一旦は藤崎のことを諦めチアリーディングも極力見ないようにしていたものの、憧れの先輩の引退が近づくに連れ再び恋心が燃え上がり、とうとうラブレターを渡す決意をした。

 

この一ノ瀬の決意は図らずも藤崎の命を救うことに。ラブレターを渡すため藤崎の後を追い、憧れの先輩が屋上から飛び降りるのを阻止出来たからだ。実のところ藤崎は中学生の頃から性別違和に苦しみ続け、自分は女性だと言い聞かせるためチアリーディングに励み人気者になることが出来た。しかしその「成功」により複数の男性から交際を求められるようになったことが余計に藤崎を苦しめ、誰にも相談出来ず自ら命を絶つ決意をするまで追い込まれてしまったのだ。

 

藤崎自身の告白により憧れの先輩の「秘密」を知っても一ノ瀬の恋心は揺るがない。そして藤崎もまた一ノ瀬の純真さ、ひたむきさに心奪われた。この日を境に2人は相思相愛の仲となり、大学卒業後一緒に暮らそうと誓いを立てている。

 

ところが藤崎の大学卒業を間近に控えた時期に2人は別れてしまった。巨神を殲滅するため地陸軍に入隊という藤崎の卒業後の進路は巨神討伐自体を文明人の自惚れと看破する一ノ瀬の信条とは相容れない。一ノ瀬は藤崎に何度も再考を促したものの結局口論となり2人は絶交してしまった。

 

「ごめんね、由衣。本当はもっと早く連絡したかったんだけど、色々あって。」

 

「私こそごめんなさい、あの時先輩に酷いこと言って。あの後物凄く後悔した。」

 

「由衣が謝ることなんか何も無いよ。結局正しかったのは貴方だから。あの頃の私は自惚れてた。地球防衛軍なら巨神を倒せるなんて夢物語もいいところ。」

 

実のところ2人は互いに絶交したのを深く後悔し、よりを戻そうと接触を試みていたりする。しかし地陸軍に入隊後海外に派兵された藤崎が現地で死亡と報じられ、一ノ瀬は激しい悲しみ、そして後悔に打ちひしがれた。 かつて藤崎が飛び降りようとしたのと同じ場所から飛び降りて憧れの先輩の後を追おうとしたこともあったものの、それを思いとどまったのは万一この地球の何処かで藤崎が生きていたらと思い立ったのが大きい。そして一ノ瀬の予感は的中し、憧れの先輩は生きていて今自分の目の前にいる。

 

「ところで私のこと通報とかしないのかな?こんな物騒な銃持ってるし、由衣の目の前で3人も殺したんだけど。」

 

「しないしない!絶対しない! 志保先輩が来なかったら今頃私何されてたか。大体日本の警察は性犯罪には物凄く甘くて泣き寝入りした人大勢いるし。それはそうと先輩、今から時間ある、かな?」

 

一ノ瀬は藤崎と手を繋ぎ自宅アパートへと向かった。2人が部屋に入ったのを見計らうように空が曇り、路上に転がるクズ男3人の遺体に冷たい通り雨が降り注ぐ。

 

 

※一ノ瀬と藤崎の情事は、繊細な大人の情景が描かれているため、詳しい描写は割愛させていただきます。興味がある方は、18歳以上向けの特別版(https://syosetu.org/novel/354649/1.html)でお楽しみください。

 

 

荒川ら3人が射殺された現場を捜査中の大阪府警は真相解明の糸口さえ見つけられずにいる。通り雨が証拠を洗い流した上、現場付近の防犯カメラ全てが停止中だからだ。女性を拉致する際、事前に防犯カメラを停止させる荒川らのいつものやり方が自分達を冥界に送った「犯人」の解明を阻む、何と皮肉な展開だろうか。

 

その夜生まれたままの姿の一ノ瀬と藤崎がベッドの中で身体を重ね、互いに愛を確かめ合う。数年ぶりによりを戻した2人は、もう大学時代のように手を繋ぐだけでは満足出来ない。2月の寒波が日本列島を覆う中、ベッドの中の2人は全身の白い肌を薄紅色に染め高熱を発し続ける。日本列島が2つの国に分断されてもこの2人を分断することは出来ない。

 

ベッドの中の2人は日付が変わるまで激しく愛し合った。蜜事の後疲れ果てた2人は身体を寄せ合い一糸まとわぬ姿のまま眠りにつく。

 

「ゴジラ接近!ゴジラ接近!直ちに準備せよ!」と音割れした音声が鳴り響き、藤崎は自分がいつの間にか服を着て太陽が照りつける砂浜に立っていることに気付いた。

 

藤崎の周囲には一緒に寝た筈の一ノ瀬の姿は無く、代わりにアメリカ海軍の兵士並びに将校共が居並ぶ。今の音声は砂浜に建てられた支柱の先端のスピーカーから発せられ、声の主は藤崎の背後に設営された現地司令部にてマイクを握る将校のようだ。

 

程なくしてゴジラが浮上して海面が大きく割れ、間髪入れずに響き渡った咆哮は先程のスピーカー音を遥かに凌ぐ。そしてゴジラの目線の先の沿岸には鉄骨が組まれ核弾頭が鎮座する。

 

「やはりゴジラはあちらに向かったか。では予定通りキャッスルブラボー作戦を開始する!」

 

現場司令官が発した号令により藤崎はここ が何処かを理解し、今自分が過去の時代にいることに気付いた。そう、藤崎は今1954年3月1日のマーシャル諸島にいて、アメリカ海軍が熱核実験と称しビキニ環礁に迫るゴジラへの熱核攻撃を実施しようとする瞬間に立ち会っているのだ。

 

スピーカーから秒読みが鳴り響き始めた途端にアメリカ海軍の連中は遮光板を装着し両目を覆う。そんな中、核弾頭を遠隔爆破するパラボラアンテナ目がけて駆け出した藤崎は最早自分が元の時代に戻れるかどうかなど考えていない。

 

「おい! アンテナに近寄るな!戻れ!」

 

若いアメリカ兵に取り押さえられ、藤崎は懸命に叫んだ。

 

「放せ!あれを止める! 絶対止める!止めないと途方もない核汚染が!」

 

途端にこの世のものとは思えない凄まじい轟音が鳴り響き、太陽のそれに匹敵する激しい閃光を伴い広島そして長崎に投下された原爆を遥かに凌ぐ核爆発がゴジラの巨体を飲み込む。ゴジラへの熱核攻撃が決行された瞬間である。

 

アメリカ海軍の将校共が巨大なキノコ雲を眺めニヤつく中、藤崎は1人砂浜に伏せ号泣し続ける。

 

この熱核攻撃によりゴジラが消し飛んだと思い込むアメリカ海軍の連中とは違い、藤崎はゴジラが生きていて核爆発時の膨大な核エネルギーをそっくりそのまま頂き一層強大化したのを知っている。そしてこの熱 核攻撃により第五福竜丸をはじめ夥しい放射能汚染被害が発生したことも。

 

間髪入れずに藤崎の周囲が砂浜からベッドの中に、藤崎を組み伏せる若いアメリカ兵の姿が優しく藤崎に抱きつきながら眠る一ノ瀬へと変化した。どうやら藤崎は夢を見ていたようだ。念のためベッド横のリュックから放射能測定器を取り出し自分が被ばくしていないのを確認すると、藤崎はスヤスヤ寝息を立てる愛しの後輩の白い背中を優しく撫でた。

 

「可愛い寝顔、私と違って良い夢見ていそう。」

 

翌朝一ノ瀬が目を覚ますと隣に寝ていた筈の藤崎がいない。昨夜蜜事を始める前に部屋の中に干した洗濯物が綺麗に折り畳まれている。戸惑う一ノ瀬ではあるもののかすかに響くシャワー音に気付き、ベッドから出て浴室へと向かう。

 

「おはよう、シャワー借りてるよ。洗濯物も乾いてたから全部畳んでおいた。部屋干しでも扇風機の風当てると乾くのが早いね。由衣の寝顔が余りにも可愛いから起こすに起こせなくてそのままにしちゃった。」

 

藤崎がいたずらっぽく微笑むと、一ノ瀬は浴室に足を踏み入れつま先立ちしながら朝の挨拶代わりに憧れの先輩と唇を重ねた。身長170cm近い藤崎はそっと身を屈め、身長160cm未満の一ノ瀬が極力背伸びせず済むよう気遣う。

 

「由衣の厚ぼったい唇、プニプニしてる。由衣はただでさえ両目がクリクリしてて可愛いのに、まつ毛も長いとかもう反則的。」

 

一ノ瀬を性欲並びに支配欲の捌け口と見做す男共がこれを言えば単なるセクハラだ。一ノ瀬と心の底から愛し合い、互いに尊重し合う関係にある藤崎に限りこの台詞が許される。

 

「し、志保先輩の、し、心臓の音が聞きたい。」

 

藤崎は発言の意図を察し両頬ばかりか両耳まで紅潮中の一ノ瀬を胸元へと抱き寄せた。 直接「私を抱いて」とは言えない一ノ瀬のウブさ、不器用さそして純真さを藤崎は心底愛おしく思う。2人がシャワーを浴びながら抱 き合う様子から運命と雖も仲を引き裂かせはしないという確固たる意志が見て取れる。

 

「聞こえる、志保先輩の心臓の音がよく聞こえる。」

 

明るいところで藤崎の身体をよく見るとあちこち傷跡が目立つ。聡明な一ノ瀬は行方不明になってからの藤崎が危険と隣り合わせの日々を過ごしてきたことも、今まで連絡してくれなかったのはその危険に巻き込まれないための配慮であったことも即座に見抜く。

 

「私は他の人に、特に男共には着替えや裸見られるのは絶対嫌だけど、志保先輩になら見られたい、かも。昨日はまだする前で明るいところで裸見られるのが恥ずかしくて別々に シャワー浴びたけど、これからは私と一緒に着替えたりこうやって一緒にシャワー浴びたりしてほしい。」

 

何処ぞの楠木が嫌がる他人に無理矢理己の菊門を舐めさせて楽しむなら、一ノ瀬は心から愛し合い尊敬し合える相手との文字通り裸の付き合いを満喫する。濃厚な蜜事を重視しつつ互いに相手の身体への気遣いを忘れない 一ノ瀬と藤崎、この2人の関係は淫乱な女性が男性の性欲の捌け口に甘んじる18禁作品にありがちな設定の対極にあり、婚姻制度をはじめ様々な社会的秩序に断固抗う点において社会的秩序には抗わず単に男女が愛し合う最近の純愛ものとも一線を画す

 

浴室から出た2人はバスタオルを手に取り互いの身体を丁寧に拭き合う。ドライヤーにより乾燥した藤崎の黒髪が肩甲骨にかかる瞬間を目にして一ノ瀬は思わず赤面した。藤崎はチアリーディング部にいた頃髪型をポニーテールにしていたものの一ノ瀬と交際する際彼女を真似て髪を短く切り、一ノ瀬と喧嘩別れしてからは再び髪を伸ばし現在は一つ結びにしている。

 

「へぇ、由衣は私の今の髪の長さが好きなんだ。由衣とより戻せたし前みたいに短く切ろうとも思ったけど、今のままで良いか。あと私をじっと見つめてくれるのは凄く嬉しいけど、早く服着ないと風邪ひいちゃうよ。」

 

手早く服を着た藤崎が髪の毛を束ねながら そう言うと、一ノ瀬は慌てて下着をつけ恥ずかしそうに微笑んだ。

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