リアルサムライ、シャンフロへ 作:誉れは浜で○にました……!
「ねぇ、お兄ちゃん。『シャンフロ』って知ってる?」
「??? しゃん、ふろ??」
「あ、知らないんだね。まぁそれもそっか。お兄ちゃんゲームあんまりやらないもんね」
ある休日の自室にて、スマホ片手にベッドに寝転がってゴロゴロしていた我が妹がそう尋ねてきた。
なにやら「しゃんふろ」という名前のゲームについて話したいらしいんだが……生憎のところ、1に忍耐、2に運動、3・4に努力で、5にフィジカルな俺には聞き覚えのないものだ。
あ、申し遅れた。
俺の名前は「
実家の剣術道場に通いながら学校生活を送る普通の高校生だ。
ちなみに、妹の名前は「
まぁ、自己紹介とかはこのくらいにしておいて、そんな咲希の話を聞いてみることにした。
「簡単に説明するとシャンフロ……正式名称『シャングリラ・フロンティア』って言うゲームは、今めちゃくちゃ流行りのVRゲーム。ファンタジーな世界を本当にその場にいるみたいな感覚で遊ぶ「フルダイブVRMMORPG」として発売されてる。ここまではオッケー?」
「??? 噂でした聞いたことないけど、そういうのってありふれてるもんじゃないのか??」
「そうそこ。最近はVRゲームもありふれてきてるって感じはするけど、シャンフロはお兄ちゃんが経験もしくは又聞きしてきたゲームとは全然違うの。なにせ、現実での反射神経みたいな『
「????」
「なんかすごそうなこと言ってんな~」という風にポカーンとしてると、頭を押さえた咲希がため息を吐きながら結論を言ってきたのである。
「……要するに、まるで魔物と
「!? え、それマジか!?」
「こ、ここまで言わないと分かんないお兄ちゃんのゲーム経験って……」
なんか失礼なこと言われた気がするけど、咲希の説明通りなら俺みたいなやつでもできるかもしれないってのか!?
そもそもの話、俺がゲームというものを遊ぶときの腕前は凄まじく下手くそだと思っている。
古き良き?パズルゲームは言わずもがな、ボタン操作で遊ぶアクションゲームはボタンの位置が分からなくなってボコボコにされることが当たり前なのだ。
咲希が親にねだって連れていってもらった「ゲームフェス」にあった、モーショントラッキング?なるものを使うゲームをやったこともあったが……あれは機材が家で高くてやることはできなかった。
というか、VRって高いんじゃなかったか……?
「そこは心配ご無用! お兄ちゃん用のも用意してるよ!」
「な、なんか手際が良いな……」
「そりゃそうだよ。いつかお兄ちゃんと一緒にやりたかったゲームだからね♪」
「……そこまで言われたらしょうがないなぁ」
「っ……!……やっっっ、たー!!!」
腕を突き上げて喜ぶ咲希の様子を見ながら、俺は「久しぶりに咲希のわがままに付き合ってやるか」という気持ちで笑みを浮かべるのであった。
……まさか、この選択が「シャングリラ・フロンティア」という世界を揺るがす切っ掛けになるとは……
「ねぇねぇ早速やろうよ! あ、でも先にごはん食べないとね!」
「はいはい、俺も飯食ってから軽く動くか」
妹に腕を引かれながらリビングに向かうこのときの俺には 思いもよらなかったのである。