リアルサムライ、シャンフロへ   作:誉れは浜で○にました……!

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ゲームスタート

「うーん、割と違和感感じるなVRゴーグルって……」

「まぁ、昔のVRゲームみたいに動き回るわけじゃないから大丈夫だよ。ほら横になって」

 

 あのあと、昼飯を食べ終えた俺は咲希に教えてもらった『シャンフロ』を始める準備に取り掛かっていた。

 事前に買ってきてたという咲希の妙な手際の良さに、若干戸惑いながらもゲーム開始の準備を整えていく。

 ……と言っても、VRゴーグルかけて咲希の指示どおりに設定しているだけなんだけどな。

 

 そんなこんなで準備が整い、あとはもうゲームを開始してプレイするだけになった。

 現在は「新規キャラクター作成」という文字が目の前に浮かんでいるのが見える。

 ここで設定を完了できれば、晴れて俺も「シャンフロプレイヤー」の仲間入りというわけだ。

 

 しかし、俺はこういったゲームはほとんど初めて触れるせいで色々とポカをやらかすかもしれないから、と咲希から念押しされているので改めて最終確認をする。

 

「それじゃ、シャンフロを始める上での最終確認ね? ゲームを始めたら先ずはキャラクター作成をしなきゃいけない。遊ぶ時のキャラクターの外見は、自分と体格が同じ方が違和感はあまりないらしいから体格はいじらなくても大丈夫。だけど、性別はまだしも顔とか名前みたいな「リアルを特定される」ような部分はぜっっっ……たいに変えるように!」

「インターネットリテラシーってやつだな。なら顔はいじって、名前は……爺ちゃんみたいな『侍』目指してるし『サムライ・リョーマ』にしておくか……」

「……まぁ、名前はそれでいいよ。職業も「戦士(片手剣)」でいいと思う。片手剣には『刀』もあるし」

「!! それ最高だな!! ならそれに決定!」

「それなら出身も『剣客』でいいかな? 剣術スキルに補正かかるから……」

 

 ……と、まぁ、色々と考えながら作っていった結果……

 

「……後ろに一房だけ髪を垂らしてる刀持った侍……顔はいじってるおかげで中性寄りにはなってる……でも、なんか既視感が……」

「ま、まぁ、大丈夫だろ! 侍ってこんなもんだし!」

「そ、そうだね! あくまでキャラクリしてたらこうなっただけだからね!」

 

 なんかどこかの浪人侍っぽい雰囲気になってしまった。

 さすがに顔は俺のリアルをベースにいじったけど、怒られないよな……?

 

「そ、それじゃ、シャンフロの中で会おうねお兄ちゃん!」

「……本当に大丈夫かこれ……まぁ、とりあえず始めるか!」

 

 そう言って、咲希は俺の部屋から飛び出し、自分の部屋へと戻っていく。

 その足音を聞きながら、気を紛らわせるためにひとつ深呼吸して、俺はシャンフロを起動したのであった。

 

 

 


 

 

 

「お、おぉ! おぉおおおお! これ、本当にゲームの中なのか!?」

 

 なんかよく分からんあらすじを流し読みし、ついに始まったシャンフロにて、俺は感動していた。

 なにせ、ゲームの中だというのに、本当の本当に自分の体が思った通りに動いてるように感じるのだ。

 いつものように足を上げればもちろん足が上がる。

 そんな当たり前のことだというのに、これがゲームの中だということを考えると凄まじいものだと思う。

 

「お、あの人、新規のプレイヤーかな」

「いや分かるぜその気持ち。これがシャンフロかって思ったもんな」

「懐かしい……俺等にもあんな時があったなぁ……」

 

「あ、やっべ……お、お騒がせしましたぁ……」

 

 あまりにもシャンフロのすごさに夢中になっていると、周囲から注目を集めてしまったようである。

 こ、これは恥ずかしい……玩具屋の前で駄々をこねてる子供時代を思い出した時ってこんな気持ちなのか……

 

 周りの生暖かい目を避けるようにその場から早足で離脱しながら、俺は咲希に教えてもらった方法でフレンドリストを開く。

 そこには早速1人のプレイヤーからフレンド申請が飛んできており、俺は迷うことなく受理した。

 

――もちろん送ってきたのは俺の妹の咲希……プレイヤーネームは「サクラ」であった。

 

 その事に安心した俺は、ようやく周りに意識を向けられるようになる。

 

「しっかし、結構広いなこの町。『ファステイア』だっけか? 始まりの町ですらこんなに広いって、やっぱすごいんだなシャンフロ」

 

 そう、この町とにかく広いのだ。

 学校の敷地とか目じゃないくらいに広い。

 出店も多く、活気もある。

 これがゲームだなんてちょっと信じられないが、今はそれよりも「ワクワク」が勝っていた。

 

「……っと、そんなことしてる場合じゃなかった。咲希……サクラに会いに行かないとな」

 

 町中を吹き抜ける風を感じて1人黄昏ていた俺は、気を取り直して咲希と合流しようと、町中を進み始めるのであった。

 

 

 


 

 

 

 しばらくして、目的のプレイヤーは見つけられた。

 ……のだが、

 

「すみませんサクラさん! 写真お願いしてもらっても良いですか!?」

「俺もお願いします! まさかこんなところで『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』のアイドルに出会えるなんて、夢のようです!」

「あ、あはは……ごめんね、今人を待ってて……」

 

 

「あれ、本当に咲希か……?」

 

 なんかスッゴいキラキラした美少女が取り囲まれてるのを見て俺はフリーズしていた。

 あれ本当に咲希か?

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