リアルサムライ、シャンフロへ   作:誉れは浜で○にました……!

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初戦闘

「キュルルル……」

「…………」

 

「うぅ……任せろって言われたけど……お兄ちゃん、ステータスの振り分け大丈夫かなぁ……」

 

 サクラを後ろに下げて、目の前の兎――『ヴォーパルバニー』に相対する。

 不意を突かれたものの、この電子空間の中でも「殺気」に対する感覚は鈍っていないおかげで、反射的に攻撃を『()()()()』はできた……できたんだが、正直さっきの俺自身の動きに不満ができてしまった。

 

(……「いなし切る」のが理想だったのに「受け止めて弾く」ことになったのはまだ慣れてない証拠だな……いや、『慣れてない』なんて腑抜けたこと抜かしてるんじゃ言い訳にもなりゃしねぇ……「常在戦場」、良い言葉だな爺ちゃん)

 

 そう、さっきの一瞬の攻防で俺ができたことが「()()()()()()()()()()()()()()()()」ではなく、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』ということだったからだ。

 

――そもそも「刀」という武器は、かなり繊細な扱いが必要になる武器として有名である。

 

 西洋の「直剣」と言った「硬く鋳なおした鉄の塊を磨いて生みだす」ものと違って、「硬く、柔軟である」という相反する要素を両立させるために鋼を何度も折り、層を重ねることで「細く鋭く」していったという、技術の結晶体すぎてもはや意味不明な武器であるものが「刀」だ。

 

 世の中には数世紀前から錆びずに残っている刀もあるそうだが……あれはもはやオーパーツである。

 

 それはさておき、そんな「刀」という武器だが……その凄まじい技術が詰め込まれている分、扱い方が非常に難しい。

 よくテレビ番組で「剣術の達人が様々なものをぶった切る!」みたいな特番が放送され、実際そんな人が刀を振るった場合、登場するものは大抵ぶった切られていくのがオチだ。

 しかし、その時の比較として素人が振るった場合も放送される場合もたまにあるのだが……まぁまぁ、その時は模造刀である場合ということを度外視しても、全然切れないことが多いのである。

 

 これに関しての俺の持論として「刀」という武器の設計理念には、西洋の剣のような重量を乗せた「叩き切る」というものを想定しているわけではなく、速度を乗せて流れるように「払い切る」というものがあるからだと思っている。

 耐久力はあるものの重く、しかしその重量をぶつければ自然とダメージが与えられる「直剣」などと違い、素早く振り、一瞬の隙を突くことで致命傷を負わせる「刀」は「振り方」、「持ち方」、「衝撃の逃がし方」などなど、武器を折らずに戦い続けるためには考えることが多すぎるのだ。

 

 振り方を間違えれば「刀」が曲がる、持ち方を間違えればすっぽ抜けるわ早く振れないわでろくなことにならない、衝撃の逃がし方を間違えれば「刀」が折れるどころか自分の腕も無事では済まない。

 

 そんな武器を一本腰に差して戦場で戦果を挙げていたのが「侍」という『バケモン』である。

 なんでこんな癖強い武器で生きるか死ぬかの戦い出来るんだよ……意味分かんねぇ……

 

 まぁ、そんな雲の上の存在を目標に、そんな武器を持って日々精進しているのが『剣崎 竜馬()』であり、『シャングリラ・フロンティア』の世界で生きていこうとする『サムライ・リョーマ()』なのだ。

 

 この程度――

 

「――乗り越えていかなきゃなッ!!」

「キュイッ!!」

 

 俺の宣言と共に、目の前の『ヴォーパルバニー』が踏み切って突貫してくる。

 

 狙いは俺の首だろう、視界には真っ直ぐに包丁を突き出しながら、俺の首を貫こうとしているのがはっきりと見えた。

 

 包丁というにはいささか細く鋭いものだが、こいつらのような体躯の小さい存在にとって扱いやすい形をしているのだろう。

 

 踏み切る力も相当だ。

 先程の一撃を弾いたとき、少しだけ腕に痺れが残った。

 不意打ちであることと、俺の力量不足ゆえ完璧にはじき返せてなかったというのはあったがそれでも相当な威力だ。

 

 序盤に出てくる相手にしては速い方なのだろう。

 他のモンスターにあったことがないため何とも言えないが……『普通なら』反応できずに首と胴体が泣き別れするのがオチだ。

 

 

――もっとも、俺にとってはそうでもないんだがな。

 

 

「――シィイイイヤァッ!!!!」

「キュイッ――!?」

 

 

 下段から振り上げた刀、その刃を包丁の側面に滑り込ませることで容易に逸らすことに成功。

 金属の擦れる音を響かせながらいなされた包丁は、俺という目標を見失い空を切る。

 いなされたことに『ヴォーパルバニー』が驚いている隙を逃さず、振り上げた刀を返し、身体を空中で横に倒せるような速度で回転させ、『ヴォーパルバニー』を顔面から股にかけるようにして両断した。

 

「キュ、キュゥウウ…………」

「……『鷹落とし』……フゥウウウウ……」

 

 ドサッという音を立てて両断された『ヴォーパルバニー』の姿が、電子的なポリゴンへと分解されるのを尻目に俺は残心をして刀を収めた。

 …………うん、ここでもしっかり体は動かせるようである。

 これがシャンフロか……スゴイなゲームって……

 

 と、そんなことを思っていたが、サクラが見ているのを思い出して傍に近づいていった。

 初戦がこんなもんで大丈夫だったのか……ちょっとだけ不安に思っていたら、苦笑いを浮かべたサクラが口を開く。

 

「な、何か予想通りだけどやっぱスゴイ動きするよねお兄ちゃん……一瞬、お兄ちゃんがバグって錐揉み回転したのかと思ったよ……」

「リアルの方でも見たことあるだろ? 『鷹落とし』、切り上げた刀の向きを返して相手を切り落とす。爺ちゃんの牽制技」

「うー、うーん、知ってはいるんだけどやっぱここでもできちゃうのかぁって思うとなんかあっさりと終わっちゃったね……」

「それは俺も思う」

 

 実際あっさり終わって拍子抜けしたくらいだ。

 最初の不意打ちが個人的に一番問題だったが、あとはあっさりするほど一瞬で終わった。

 いや、一撃で終わることは素直に喜んだ方が良いかもしれないけど、正直もっと戦いたかった気持ちがあって……

 

「って、そうだ! お兄ちゃんはステータスどんな感じに振ったの!?」

「え、ステータス? んー、適当に振ったけど……」

 

 そう思っていると、サクラからステータスについて聞かれた。

 まぁ、ゲームを進めるための序盤で変な「身体能力(ステータス)」してたら不安だろうしな……

 そう思って俺は自身のステータスを見せることにしたのである。

 

「まぁ、俺だったらこの方が戦いやすいだろうなって思って……」

「……な……な、ななな……!?」

「な?」

 

 

「何このド変態ビルド!?」

「変態言うな」

 

 何かクッソ失礼なこと言われた。解せぬ。

 

 


PN:サムライ・リョーマ

 

レベル:3

 

職業:戦士(片手剣)

 

HP(体力):10

MP(魔力):10

STM (スタミナ):20

STR(筋力):20

DEX(器用):15

AGI(敏捷):25

TEC(技量):10

VIT(耐久力):9

LUC(幸運):10

 

装備

左手:無し

右手:打刀「白」

 

頭:無し

胴:皮の服

腰:皮のベルト

脚:皮の靴

アクセサリー:無し

 

4,000マーニ

 

スキル

・居合斬り

・上段斬り




書き進めていったらスキルポイントの割り振りとか難しくなりそうだなぁ……そう思った執筆途中です()
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