リアルサムライ、シャンフロへ   作:誉れは浜で○にました……!

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はいどうも、作者の「誉れ浜」です。
ここ最近、名前の元となった「ゴーストオブツシマ」の新作が発表されたと聞いてちょっとワクワクしています。

原作を履修しながら書いているとはいえガバに関しては今回もあると思います(いつもの)

それでも「こういう世界線もあるんだな~」と楽しんでいってもらえたら幸いです。
それでは本編どうぞ()


「黒狼」クランオーナーとの邂逅

「ぜぇ……! ぜぇ……! なんでリアルで出来ないことが出来るようになるはずのゲームで息切れしてんだ俺……!」

「うっ、うぇえええ……ぐわんぐわんされ過ぎて気持ち悪いぃ……というかバフかけたとはいえ『貪食の大蛇』秒殺って……」

 

 『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』のクランオーナーからの呼び出しを受けた後、俺はサクラを引きずりながらも2番目の町――『セカンディル』にたどり着いた。

 道中、よく分からん大蛇が現れたが、そいつが噛みついてきた瞬間に合わせて刀を突き出したことで目を潰し、痛みに悶えている間に傷口を抉りきって倒せたので、なんとか間に合わせられた……と思いたい……

 ちなみにその途中、また『伝書鳥』が飛んできて「『セカンディル』に着いた」って連絡が飛んできたのでマジで申し訳ない気持ちである。

 

「お、おい、あの人って……」

「サクラ様を引きずってきた……? 何者だあいつ……?」

「お前知らないのか……!? あれだよ、例の『お兄様』……!」

 

 そんなこんなで『セカンディル』に着いたんだが……なぜかやたらと視線を感じる。

 しかもこちらを遠巻きに見ながらヒソヒソと小声で話している人達がほとんどを占めており、何やら失礼なことをしてしまったのかと思ってしまった。

 まぁ、『お兄様』って単語が出てきた瞬間大体を察してしまったけどな……

 そんな風に考えていると、冷静になった頭が引きずってきていたサクラのことについて思い出す。

 

「だ、、大丈夫かサクラ?」

「だ、大丈夫……酔っただけだから……うえっぷ……」

「ホントにすまん……!」

 

 間に合わせるためとはいえ引きずってきたことは謝っておかなければ、と思い声をかけてみるが……サクラは明らかにグロッキー状態である。

 いやホントにすまん……今度プリン買ってあげるから……

 

「うぅ、それならプリン4個で……ふぅ、落ち着いた。それで、団長はどこにいるんだろ?」

「俺としては滅茶苦茶気になることがあるんだけどな。なんで俺のことが噂とはいえ滅茶苦茶広まってるのかとか、お前がここで何やらかしてきたのかとか」

「そ、それは後で話すよ! 今は団長とのことを解決しなきゃ! お兄ちゃんは会ってみたい?」

「んー……人に会うくらいなら俺は別にいいぞ。ただ、相手がどんな目的で俺に会いたいと思ってるのかは聞いておきたいな……」

 

 そう2人で話しながら町中を進んでいくが、ここで一旦整理しよう。

 

 まず考えたのは、『シャンフロ』の世界で『咲希=サクラ』の知名度が相当なものだということについて。

 『シャンフロ』は、発売されてもうそろそろ1年は経とうとしている『神ゲー』、そこでは数多くのプレイヤーが広大な世界を冒険している。

 その過程で様々なコミュニティが構築されていて、同じ目的を持つ者達が集まったグループ――『クラン』も構成されているのはいたって普通だ。

 「ウリナス」さんから聞いた話だと、サクラが所属する『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』の知名度はこの『シャンフロ』でもトップとのことらしい。

 んでもって、サクラはそんな『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』の中でも愛嬌や優しさから『シャンフロのアイドル』的存在として知られているとのこと。

 リアルの方でも『アイドル』という人達の影響は大きいから、まぁ今回の件は納得できるだろう。

 

 そんな存在に兄妹がいて、しかも同じ世界というか『業界』にいるのだ。

 あんな風にファンが押し掛けてくるのも納得はできる。

 だけど、俺は初心者プレイヤーだからそこまでの価値はないと思っている。

 

 それに繋がるようにして次の疑問だ。

 『サクラが俺のことを強いと言った程度で最上位クランの団長さんが興味を持つのか?』ということについてである。

 俺はまぁ、それなりには強い方だとと思う。

 『シャンフロ』ではどこの基準から『強い』といわれるかは分からないが、『リアル』では爺ちゃんや母さんみたいな人を除けば俺はかなり強い方にいると思っている。

 しかし、その強さが=(イコール)で『シャンフロでの強さ』とはならないだろう。

 特に『シャンフロ』ではレベルシステムもあるんだし、先を見据えるにしては早すぎないか……?

 もし始めたばかりの俺に将来性を見てるんだったら、よっぽど酔狂なやつなんだろうな、その団長って人。

 

 まぁ、でも……

 

「いっぺん会ってみたら分かるか」

 

 そうだ、一度会ってみれば分かるんだ。

 今うだうだ考えても状況が変わらないなら行動に移すのが一番。

 

 そう思ってまた一歩と足を進めようとした――その時だった。

 

「そうだな、一度会ってみれば分かるさ」

「ッ……!?」

 

――背筋がヒヤッとする感覚と共に、耳元から囁くような声が聞こえてきたのである。

 

 俺はすぐさまその場から飛び退き、いつでも抜刀できるようにと刀の柄に手を添えながら相手を睨み付ける。

 

 声質からして相手は女性。

 しかし、一瞬感じた『圧』は明らかに『強者』の類い。

 

 気配の消し方も一流。

 油断してたとはいえ容易に背後をとられたことに冷や汗を流す。

 しかも、ただ背後をとられただけではなく、背中にぴったりと接触できるような距離にまで近づかれていた。

 

 幸い、相手からの殺意も敵意も感じられないから戦うつもりは……いや、もしかするとそれすら隠している実力者かもしれない。

 相手の力量を見切るために一挙手一投足を観察しようとしたが……

 

「待ってくれ、こちらは戦うつもりはない」

「そ、そうだよお兄ちゃん! いつもの癖で臨戦態勢にならないで!」

「え……あ、す、すみません! いきなり近づかれてしまったので思わず警戒を……」

 

 降参するように手を上げた相手と、サクラからの声で冷静さを取り戻す。

 しかし、ちょっとだけ疑問に思うことがあった。

 相手の人が言うならまだしも、サクラが相手の方の援護に回った……あ……

 

「さ、サクラがそっち側に回るってことはもしかして……!?」

「そうだよ! この人こそ、我らがクランの団長――『サイガ-100』だよ!」

「!!??」

 

 そこまで言われて俺はようやく理解が追い付いた。

 そこに立っていたのは、白銀の鎧に身を包む赤髪の女性――

 

――彼女が例の団長『サイガ-100』さんであった。

 

「すみませんでしたァッッッ!!!」

 

 そんな相手に警戒心剥き出しからの、一歩間違えばぶった斬りかけていた自分の行動を思い出し、すぐさま土下座の姿勢に移行して謝罪する。

 人の往来がある道のど真ん中で恥ずかしいとか思ってる暇があったら土下座する、そんな勢いで謝罪したのだ。

 

 そんな体勢でありながらも相手の様子を伺っていたら、サイガ-100さん側から噛み殺したような笑い声が聞こえてくる。

 

「クックックッ……失敬、まさか出会い頭に警戒心を剥き出しにされるだけでなく、まさか謝罪されるとは……呼び出したと言うのは我々だと言うのにね」

「あれは百ねゲフンゲフンッ! ……団長が急に背後とったからでしょ?」

()()()()()()()なのだから仕方ないだろう? 少しのお茶目は許してくれ」

「う、うーん、それ後で言ってね? 今はいろんな人に見られてるから……」

「分かってるよ。『その上で』だ」

 

 ……? なんかよく分からない話をしているが、やたら声色に親愛の念が乗ってる……?

 もしかして、俺とどこかで会ったことあるのか……?

 

 そう思っていると足音が近づいてきて、肩に手が伸びてくる。

 

「顔を上げてくれ『サムライ・リョーマ』君。ここで話すのはさすがに人の目があるだろう? 少し離れたところに行こう。君は大丈夫だろうか……?」

「あっ、はい。問題ないですけど……」

「ならついてきてくれ。ゼロ、人払いは頼んだよ」

『分かりました。お気をつけて』

 

 そうして、その場はサイガ-100さんの仲間である『サイガ-0』さんに任せ、俺はサイガ-100さんに連れていかれるまま複雑な路地裏をすいすいと通りつつ、とある建物に入っていった。

 

「ここは私お気に入りのこじんまりとした酒場でね、先程のような道を通らないといけないという不便さはあるものの、お忍びで来る分にはとても良いんだ」

「は、はえぇ……そ、そうなんですか……」

 

 正直、こんなに親しく話される覚えが俺にはないという思考が邪魔してくるせいで話がろくに入ってこない。

 でも、さっきの慌てていた時と比べて冷静になれてる分、どこか聞き覚えのある声だなと思い始める。

 だが、もうちょっとって所で霧散してしまう。なんでだ……?

 そう思っていると、サクラの方から呆れたようなため息が聞こえてきた。

 

「はぁ……ここまで声を聞いても思い出せないなんて……まぁ、最近のお兄ちゃん、ずーっと『剣キチモード』に入ってたもんね。記憶が吹っ飛んでもおかしくないか……」

「あぁ、やはりか。最近連絡が取れないと思っていたらまたのめり込んでいたんだね。昔から変わらないな『りゅーくん』」

「りゅー、くん……!?」

 

 そこでようやく声と思い出が繋がった。

 この声で、俺のことを「りゅーくん」と呼んできたのは一人しかいない。

 

 そう、俺の目の前にいるのは――

 

 

 

(もも)姉ちゃん!?」

 

 

 

――幼馴染である「百姉ちゃん」こと、「斎賀(さいが) (もも)」であった。




そろそろオリキャラ達の設定とか纏めてもよさそうかなと思い始める今日この頃。
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