貞操観念逆転世界で低レベルな女子野球部を指導してやろうとしたら逆に分からされた   作:伊つき

102 / 148
王皇百十(おうきみももと)編は一気に読んで欲しいので全44話を一気に公開しました。
王皇編は感想沢山ください。
ください、欲しいって気持ちもあるけどここで送れないってなるとこれ以上の送りどころはないかなぁって感じもあります。
よろしくお願いします。


埼玉地区大会決勝戦 対王皇百十学院高校編
第102話:埼玉地区大会決勝 王皇(おうきみ)百十(ももと)学院高校戦


 

 俺と成城先輩、原田先輩はその日は和美さんに送って貰って帰った。

 後から獅ノ宮野球部グループラインで廣目が『勝ちました』と端的な事務報告をしてきた。

 でも、周りにツッコまれたのか淡白なピースサインの絵文字だけ加えられる。

 まあとりあえず第3戦は3人不在でも勝ち抜けたらしい。

 もう1組の試合も俺達の前に終わっていて、これで決勝戦の組み合わせが確定した。

 帰ったあと風呂に入って上がってからスマホで地区大会の公式サイトを見る。

 初っ端からデカデカと次の試合の対戦カードが記されていた。

 組み合わせはもちろん……。

 

 

 ―――埼玉地区大会 決勝戦

 ―――獅ノ宮学院高校vs王皇百十学院高校。

 

 

「……っ」

 

 遂にきた。

 頭をバスタオルで拭きながら息を詰まらせる。

 もう既に凄まじい緊張感だ。

 字面を見るだけで迫力を感じる。

 この組み合わせが現高校野球地区大会の頂点だからだ。

 これ以上の対戦カードは甲子園に行かないと観られないということになる。

 

「よし……!」

 

 俺は気合いを入れて就寝した。

 明日は休み、明後日に決勝戦だ。

 休みの日は原田先輩が通話しよ!と誘ってくれたから授業を受けたあと、前日の夜に少しだけ話した。

 きっと不安だったんだろう。

 通話くらいなら俺にでもできる。

 貢献できるってことが嬉しかった。

 ただ……。

 

「……止みませんね」

「そうねぇ」

 

 大会当日。

 結論から言うと大雨で中止になった。

 どうも1日中止む気配はないらしく止んだとしてもグランドの整備が追いつかないとのことで、延期になった。

 廣目と佐藤先生が大会公式の発表と天気予報を何時間も睨めっこし続けてくれたが報われず。

 次の予定日はあらかじめ予備日としてあった2日後の土日。

 

「厳しいわね」

「ま、またですか!?」

 

 なんとまたしても豪雨。

 しかも暴風警報までオマケ付きだ。

 もちろん中止。

 これにはさすがに選手たちも痺れを切らした。

 

「おいおい、誰だ?雨女は」

「私かも。(りん)ちゃんと会うの怖いから……」

「あんたねぇ。長引かせても避けられないわよ」

「わ、わかってるよ」

 

 マズイな。

 時間がかかればかかるほど原田先輩の固めた決意が揺らいでいく。

 クソ。

 早く止め……!

 

「次の日程が出たわ」

「ま、マジ?早いね」

「ね~!当日中に出るって対応いいね」

 

 成城先輩が公式ホームページから情報収集して、空き教室で待機していた俺達はその発表を待つ。

 長門先輩と美山先輩が驚いた通り、随分対応が早い。

 もう予備日の設定はなかったはずだから大宮の球場を抑えられてないんじゃないかって廣目が心配してたから尚更だ。

 一体どんな対応をしたんだろう。

 

「……球場が変わったわ。場所は―――"所沢"」

「は!?」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!それって……」

 

 野球を知ってる人なら、その地名を聞いただけでまさか、という反応になる。

 逆に日本に詳しくないクレアや初心者の中宮(ちゅうぐう)先輩はまだピンときてない。

 

「なんだ?何故(みな)驚いている?」

「さぁ……初心者の私に聞かないでよ。どうなの。アリア」

「知らん!わからん!腹減った!」

「……聞くヤツ間違えた」

 

 アリアも野球はやる専だから認知してないようだ。

 いや、所沢に球場があるというのは多分知ってるだろうけどそこがプロ野球チームの本拠地とは把握してないって感じかな。

 

「ふむ、あの球場ですか。一応ドームですし、屋根を求めたようですね」

「そうね。雨天中止はもうこれ以上避けたいんでしょう。日程は明日。ライオンズはビジターゲームだから空いてるようね」

「マジか……あそこでやんのか。ワクワクはするけどよ」

「この時期暑そ~!優希やだぁ。メイク崩れちゃうかもぉ」

「お前なぁ」

 

 美山先輩は相変わらずだ。

 てか場所もビックリだけど日程もビックリだな。

 

「あ、明日……」

「めちゃ急じゃね~!?心の準備……あー、あーしらもだけど、大丈夫そ?涼香ちゃん」

「あぁ、うん。大丈夫。ありがとう、るきあ」

「うっ……私は無理ぃ……」

「なんで面平良(めたいら)さんが顔面蒼白なの!?」

 

 中龍助っ人組や初心者組は心の準備ができてなさそうだ。

 まあでもこればっかりは仕方ない。

 

「嘆いても意味ないわよ。明日に備えて身体を作りましょう。体育館を借りて室内で身体動かしておくわよ。投手陣は10~20球程は投げておきましょう」

『は~い……』

 

 今回はちょっと元気がない返事。

 とにかく全てが決まった。

 決戦は明日。

 某ドーム。

 そこに備えて俺達は準備した。

 

 

 

 

 

 そして、迎えた当日。

 所沢のドーム。

 埼玉の2トップが揃う。

 

『さぁ、始まりました!埼玉地区大会決勝!雨天中止で前回の試合から1週間経ってしまい、甲子園大会までの日程もキツキツですが、今日はドームで実施ということで天候関係なし……多分!今日は決勝、試合は遂に残すところ1試合のみ!昼の12時から開始となります。実況はオオヤマでお送りします!押忍!!』

 

 ベンチで配信も同時に観ながらというスタイルを取った。

 またしても実況者は元体育教師の暑苦しい人だ。

 まあ埼玉の実況はこの人なんだろう。

 

『さぁ、両校!決勝のセレモニーも終えて整列を開始します!』

 

「……よろしくお願いします」

「あぁ。よろしく」

 

 スタメンが整列して頭を下げたあと。

 両校キャプテン。

 成城先輩と江山(えやま)さんの握手。

 江山さんは口角を上げて悪い顔を作った。

 それでも麗しい容姿。

 今気づいたが、両校キャプテン絶世の美女対決だ。

 王皇の王子様である江山さんと、獅ノ宮1の美女で容姿も完璧な成城先輩。

 ネットでは男性ファンが少し盛り上がっていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。