異世界でTS幼女はおいしみを食べたい   作:あさねこ

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さて、斯も醜い話をしよう――

 

 

 降り注ぐ矢の雨

 

 乱れ舞う様々な魔術

 

 砂埃を巻き上げて襲い掛かって来る騎士達

 

 目的の都市についた私を出迎えたのはそれらだった。

 

 情報とかは漏れてなかったと思うけど、途中に滅ぼした町や村の事を知ったのかもしれない。

 

 もしくは私の魔力に気付いて襲ってきたのかもしれない。

 

 でも、丁度いいかもと思う。折角自分達から来てくれたのだから、悉くに報いを。

 

 闇で出来た触手が何十も何百も地面から生え、降り注ぐ矢に向かって実体化していく。そして発せられる絶叫。触手の先から現れたのは、目の前から襲ってくる騎士達と同じ姿。

 

 私達の復讐相手。私達の村を滅ぼした最低な人間達。

 

 そいつらが私の代わりに触手に振り回されて矢を魔法を全て喰らい続ける。何体かは矢の刺さった衝撃や魔法で壊れるけど、その程度で解放するほど、私達の怒りは憎しみは薄くはない。

 

 何度も再生し、代わりに攻撃を受け続ける肉の盾。目の前の騎士やモンスター狩りが驚いているけれど、直ぐに偉そうな人間が後ろで、構わずに殺せと叫んでいる。

 

 それに戸惑うのはモンスター狩りの人達だけで、騎士達は兜のせいで表情は分からないけど、感じる気配が喜びで溢れているのが分かる。騎士は騎士が嫌いなんだなって思う。だって私が使っている騎士達もお互いに罵り合ってるんだから。

 

 お前のせいで、貴様のせいで、俺はこんな事するつもりはなかったと口々に叫んでたけど。頭の中はどうにかして自分だけは助かろうとしている浅ましい心だけだった。目の前の騎士達も、それに命令している偉そうな人間も、さっさと終わらせて酒を飲みたいとか、女性を辱めたいだとか、考えている奴ばかり。

 

 ますますもって、殺す事に一切の躊躇いはない。

 

 ただ、モンスター狩りの人達は半数近くは強制的に戦わされてるみたいで、そう言う人達を好んで殺すつもりはない。襲い掛かってきたらその限りじゃあないけど、後でちょこちょこやる程度ならどうでもいいって、皆が言っているから私もそうしよう。

 

 なんて色々考えている間も沢山の魔術師たちが私に向かって魔術を放ち、弓を持っている兵士さん達が絶えず弓を射ってくる。

 

 実はこの程度の攻撃なんてもう痛くもないけど、やられるのは嫌だから肉盾を使う。殺した騎士の他には、町の酷い事を言ってきた人間や、野盗や、山賊達。村で私を騙して身ぐるみはがして売ろうとしていた人間達。

 

 その全てを死ねない影の生物に変えて盾や武器として使う。私が小さく手を振るだけで、何十という人間達の槍が騎士達に降り注ぐ。その全てを破壊の魔力で包んであるので、ぶつかれば爆発するような衝撃と共に武器にされた人間諸共重量と魔力爆発で弾き飛ぶ。

 

 勿論その時、武器にした人間もはじけ飛ぶけど、それはそれでばくだん?? オイシミが言っていたなんかすごく破裂する奴になる。勿論その程度じゃ死なないので直ぐに元に戻って攻撃は再開されるけど。

 

 破裂する時も、叩きつけられるときも、痛覚も自我も全部残してあるからずっと苦しい筈。これで少しでもみんなが喜ぶといいな。

 

 徐々に飛んでくる矢と魔術が少なくなる。目の前にいた騎士も半数は死んで、私の影に取り込まれて武器になっている。少しずつ近づいて魔術を使っている人間や影を伸ばして弓を撃っている人間も攻撃していく。

 

 モンスター狩りの人は大半が「やってられるか!!」とか言って逃げていく。偉い人が逃げるなとか叫んでたけど、騎士も半数位逃げようとしてるんだから、彼等が逃げちゃだめな理由はないよね。

 

 でもモンスター狩りの人達は嬉々として攻撃してきた人以外はあまり積極的に殺さない。騎士は全員逃がさないけど。

 

 モンスター狩りの人は・・・オイシミと一緒に居たあのおじさんを思い出すから。きっといい人もいるかもしれないし、逃げている人たちの半数は嫌な気配を感じない人も多かった。

 

 寧ろ国を、町を、村を護る為にいる騎士やその偉い人が、モンスターが可愛く見えるレベルでどす黒いのはどうしてなんだろうね・・・ほとんど窶れと変わらない。

 

 私も窶れ姫になって黒くなったけど、私は黒で、あいつらは気持ち悪い黒。どっちもあまり変わらないかな。

 

 最終的に残っている人は殆どいなくなって、偉そうにしてた人は色々漏らしながら命だけは助けてくださいと大地に頭をこすりつけて泣いてる。

 

 頭の中はどうにかして逃げてこの化け物を殺してやると息巻いてる。更にはなんで誰よりも偉い自分がこんな屈辱をとか喚いている。なんというか、騎士もこいつも・・・どうして頭の悪い私より頭の悪い事を考えてるんだろう。

 

 ―生きて帰れる訳ないのに

 

 怯えて這って逃げる偉い人に影が突き刺さる。

 

 他の影に取り込まれた騎士達も、突き刺さった部分から壊され、変えられていく激痛に涙や涎を流して、全身からあらゆる全てを漏らしながらビクンビクンと痙攣していく。

 

 奥の方からまた騎士や魔術師たちが見えてきた。

 

 この都市を壊して、復讐するためにはもう少し時間がかかるかもしれない。

 

 

 

 

 




名前:【窶れ姫イーザ】
職業:窶れ姫
レベル:37
腕力:2
生命:87
持久力:65
素早さ:3
魔力:102
精神力:1
幸運:1

【自我形成】【魂狩り】【闇の福音】【魂魄内包】【愚か者たちの槍】 
【常時発狂】【全状態異常無効】【窶れの姫】【少女の友達】【憎悪の闇】
【取り込む闇】
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